カウンセリングシートを活用した追加提案のコツ

カウンセリングシートを活用した追加提案のコツ

目次

なぜカウンセリングシートが追加提案の最強ツールなのか?

「お客さんの悩みを聞いているはずなのに、
追加提案がうまくいかない…」
「どのタイミングで何を提案すればいいか分からない…」

そんな悩みを抱えている美容師さん、
カウンセリングシートが解決の鍵なんです。

カウンセリングシートの威力:

  • お客さんの潜在ニーズを見える化
  • 提案の根拠が明確になる
  • 追加提案の成功率が3倍向上
  • お客さんの満足度大幅アップ
  • リピート率の向上

実際のデータ:

  • カウンセリングシート導入前:追加提案成功率25%
  • カウンセリングシート導入後:追加提案成功率78%
  • 成功率が3倍以上に向上

追加提案を成功させるカウンセリングシートの設計法

基本情報欄:お客さんを知る

個人情報

■ お名前:________________
■ 年齢:□20代前半 □20代後半 □30代前半 □30代後半 
        □40代前半 □40代後半 □50代以上

■ 職業:□会社員 □公務員 □自営業 □主婦 □学生 
        □その他(_____________)

■ 来店頻度:□初回 □月1回程度 □2-3ヶ月に1回 
           □半年に1回 □年1-2回

ライフスタイル情報

■ 朝のヘアセット時間:
  □5分以内 □10分程度 □15分程度 □20分以上

■ 髪にかけられる月予算:
  □3,000円以下 □3,000-5,000円 □5,000-8,000円 
  □8,000-12,000円 □12,000円以上

■ 特別な日の予定:
  □結婚式参列 □同窓会 □面接・商談 □旅行 
  □記念日 □特になし

悩み・要望欄:ニーズを掘り下げる

現在の髪の状態

■ 髪質について:
  □細い □普通 □太い
  □柔らかい □普通 □硬い
  □直毛 □少しクセあり □強いクセあり

■ 現在の髪の悩み:(複数選択可)
  □パサつき・乾燥 □ダメージ・切れ毛 □ボリューム不足
  □広がり・まとまらない □色落ち・退色 □白髪
  □抜け毛・薄毛 □頭皮のかゆみ・フケ □その他(___)

■ 特に困っている場面:
  □朝のセット時 □雨・湿気の日 □夕方の髪の状態
  □人と会う時 □写真を撮る時 □その他(___)

理想・要望

■ なりたい髪型・印象:
  □上品・エレガント □可愛い・フェミニン □クール・かっこいい
  □ナチュラル・親しみやすい □トレンド・今風 
  □個性的・おしゃれ

■ 今日の施術で最も重視したいこと:
  □髪型・スタイル □髪色・カラー □髪質改善・ケア
  □リラックス・癒し □時短・楽さ □その他(___)

■ 避けたいこと:
  □派手すぎる □地味すぎる □お手入れが大変
  □職場で浮く □年齢に合わない □その他(___)

過去の経験欄:履歴を活用

美容室での経験

■ 過去に受けた施術:(複数選択可)
  □カット □カラー □パーマ・ストレート □トリートメント
  □ヘッドスパ □その他(___)

■ 過去の施術での満足度:
  カット:□とても満足 □満足 □普通 □不満 □とても不満
  カラー:□とても満足 □満足 □普通 □不満 □とても不満

■ 過去に困った経験:
  □思った仕上がりにならなかった □ダメージが気になった
  □色がすぐ落ちた □スタイリングが難しかった
  □その他(___)

ホームケア状況

■ 現在使用中のヘアケア商品:
  シャンプー:□市販品 □サロン専売品 □わからない
  トリートメント:□使用している □使用していない
  スタイリング剤:□使用している □使用していない

■ ヘアケアで困っていること:
  □商品選びがわからない □正しい使い方がわからない
  □効果を実感できない □続けるのが面倒
  □特になし

カウンセリングシートから読み取る提案ポイント

パターン1:時間がない忙しい女性

シートの回答例

  • 朝のセット時間:5分以内
  • 職業:会社員
  • 悩み:朝のセット時、まとまらない
  • 避けたいこと:お手入れが大変

読み取れるニーズ: 時短で美しく仕上がるスタイル・商品を求めている

追加提案例

【時短美人コース】追加+3,000円
・まとまりやすいカット技術
・朝楽トリートメント
・5分セット用スタイリング剤
・簡単スタイリング講習

提案トーク:
「○○さんは朝がお忙しいようですね。このトリートメントをプラスすることで、朝5分でサロン帰りのような仕上がりになりますよ」

パターン2:髪のダメージが深刻

シートの回答例

  • 髪の悩み:パサつき・乾燥、ダメージ・切れ毛
  • 過去の施術:カラー・パーマを繰り返し
  • 困った経験:ダメージが気になった
  • 特に困る場面:人と会う時、写真を撮る時

読み取れるニーズ: 根本的な髪質改善を求めている

追加提案例

【ダメージ集中修復コース】追加+5,000円
・ダメージ診断
・3段階修復トリートメント
・ホームケア用修復セット
・3ヶ月修復プログラム

提案トーク:
「カウンセリングシートを拝見すると、髪のダメージがかなり進んでいますね。今日しっかりケアしておくことで、3ヶ月後には見違えるような髪質になりますよ」

パターン3:特別な日の準備

シートの回答例

  • 特別な日の予定:結婚式参列
  • なりたい印象:上品・エレガント
  • 最も重視したいこと:髪型・スタイル
  • 予算:12,000円以上

読み取れるニーズ: 特別な日に向けた完璧な仕上がりを求めている

追加提案例

【特別な日コース】追加+8,000円
・フォーマル対応カット
・上品カラー
・1日キープトリートメント
・当日セット予約優先案内

提案トーク:
「結婚式にご参列されるのですね。せっかくの特別な日ですから、完璧に決めましょう。このコースなら、1日中美しいスタイルをキープできます」

パターン4:初回来店で様子見

シートの回答例

  • 来店頻度:初回
  • 月予算:3,000-5,000円
  • 避けたいこと:派手すぎる、お手入れが大変
  • ホームケア:市販品使用

読み取れるニーズ: まずは信頼関係を築きたい、段階的な提案を求めている

追加提案例

【初回体験コース】追加+2,000円
・当店オリジナルトリートメント体験
・ホームケアアドバイス
・次回割引券
・髪質診断書

提案トーク:
「初めてお越しいただいたので、当店のトリートメントを体験価格でお試しいただけます。○○さんの髪質にどんな効果があるか、まず実感していただければと思います」

カウンセリングシートを使った提案のタイミング

タイミング1:カウンセリング直後

シートを見ながらの提案

「カウンセリングシートを拝見すると、○○でお悩みなんですね。
 実は、その悩みを解決する方法があります」

メリット

  • 悩みが明確な状態での提案
  • 根拠がしっかりしている
  • お客さんの記憶に新しい

タイミング2:施術中

施術しながらの自然な提案

「髪を触らせていただいて、シートに書いていただいた
 ○○の悩み、よく分かりました。
 このトリートメントをプラスすると改善できますよ」

メリット

  • 実際の髪の状態と連動した提案
  • リラックスした状態での提案
  • 体験と同時の説明で説得力アップ

タイミング3:仕上げ前

効果を確認しながらの提案

「今日の仕上がり、シートでご希望いただいた
 ○○なイメージになりましたね。
 この美しさをキープするために...」

メリット

  • 満足度が高い状態での提案
  • 効果が目に見える状態
  • 継続性への意識が高まっている

断られにくい提案テクニック

テクニック1:シートの回答を根拠にする

❌ 一般的な提案: 「トリートメントはいかがですか?」

⭕ シート活用提案: 「シートで『パサつきが気になる』とおっしゃっていましたが、このトリートメントがその悩みを解決してくれます」

テクニック2:お客さんの言葉を使う

シートの回答:「朝のセットが大変」

提案での活用: 「『朝のセットが大変』とおっしゃっていましたが、この商品を使うと朝のセット時間が半分になります」

テクニック3:将来の不安を解決する提案

シートの回答:「年齢に合わない髪型は避けたい」

提案での活用: 「『年齢に合わない』ことを気にされていましたが、このケアを続けることで、年齢を重ねても美しい髪をキープできます」

テクニック4:成功体験との比較

シートの回答:「過去にカラーがすぐ落ちて困った」

提案での活用: 「以前カラーがすぐ落ちてご苦労されたようですが、この色持ち向上トリートメントなら3ヶ月は美しい色が続きます」

カウンセリングシート活用の実際の流れ

STEP1:シート記入(5-10分)

記入環境の工夫

  • 落ち着いて書ける場所を提供
  • ドリンクサービス
  • 記入しやすいペンと台紙
  • 「遠慮なく書いてください」の声かけ

記入中の観察

  • どの項目に時間をかけているか
  • 迷っている様子はないか
  • 追加で聞きたそうな表情はないか

STEP2:シート確認・深掘り(5-10分)

確認の仕方

「シートを拝見させていただきますね。
 ○○とお書きいただいていますが、
 具体的にはどのような時に感じられますか?」

深掘り質問例

  • 「それはいつ頃からですか?」
  • 「どんな時に特に気になりますか?」
  • 「過去に何か対策はされましたか?」
  • 「理想はどのような状態ですか?」

STEP3:髪質診断・施術(30-90分)

施術中のシート活用

「シートで○○とおっしゃっていた通り、
 実際に触らせていただくと△△ですね」

「なるほど、□□でお悩みということでしたが、
 原因が分かりました」

STEP4:追加提案(3-5分)

シートベースの提案

「今日の施術で、シートでお悩みと書かれていた
 ○○は改善されましたが、根本的な解決のために
 こちらもおすすめします」

STEP5:次回予約・アフターフォロー

シート保管と次回活用

「シートは大切に保管させていただいて、
 次回もこちらを参考にさせていただきますね」

カウンセリングシートの管理・活用システム

データベース化のメリット

顧客情報の蓄積

  • 過去の悩み・要望の履歴
  • 提案内容と反応の記録
  • 購入商品・サービスの履歴
  • 満足度の変化

スタッフ間での情報共有

  • 前回対応した別スタッフの記録
  • 成功した提案パターン
  • 注意すべきポイント

デジタル活用の方法

タブレット入力システム

メリット:
・即座にデータベースに反映
・文字が読みやすい
・集計・分析が簡単
・紙の管理不要

導入のコツ:
・操作が簡単なシステム選択
・お客さんが使いやすいインターフェース
・従来の紙シートとの併用期間設定

LINE・メール活用

事前送信:
「明日ご来店の前に、こちらのシートにご記入ください」

アフターフォロー:
「先日のカウンセリングでお話しした○○の調子はいかがですか?」

よくある失敗パターンと改善策

失敗パターン1:シートを作っただけで活用していない

問題: 形だけのシートで、実際の提案に活かしていない

改善策

  • シート活用の具体的手順を決める
  • スタッフ教育でシート活用法を徹底
  • シートベース提案の成功事例を共有

失敗パターン2:項目が多すぎて記入が負担

問題: 詳細すぎるシートでお客さんが書くのを嫌がる

改善策

  • 必須項目を10個以内に絞る
  • チェック式を中心にして記入を簡単に
  • 段階的に情報収集する方式に変更

失敗パターン3:シートの内容と提案がずれている

問題: シートで聞いた内容と関係ない提案をしてしまう

改善策

  • シート項目と提案メニューを対応させる
  • 提案前にシートを必ず確認するルール化
  • 提案の根拠をシートから引用する習慣

失敗パターン4:一方的な提案になっている

問題: シートの回答を元に勝手に判断して押し付ける

改善策

  • 「○○とお書きいただいていますが、どうでしょうか?」の確認
  • お客さんの反応を見ながら調整
  • 最終的な選択はお客さんに委ねる

今日から始められる実践ステップ

Week 1:シート設計・準備

  • [ ] 基本的なカウンセリングシートを作成
  • [ ] 10-15項目程度のシンプルな構成
  • [ ] チェック式中心で記入しやすく設計
  • [ ] スタッフで記入・活用方法を練習

Week 2:運用開始・改善

  • [ ] 実際のお客さんにシート記入をお願い
  • [ ] シートを見ながらの提案を実践
  • [ ] お客さんの反応を記録・分析
  • [ ] 使いにくい項目の修正

Week 3:提案スキル向上

  • [ ] シートの回答パターン別提案集作成
  • [ ] 断られにくい提案トークの練習
  • [ ] 成功事例の詳細分析と共有
  • [ ] タイミング別提案方法の確立

Week 4:システム化・定着

  • [ ] シート管理システムの確立
  • [ ] 顧客データベースとの連動
  • [ ] スタッフ教育プログラムの完成
  • [ ] 継続改善のルール決定

まとめ:カウンセリングシートは提案成功への設計図

カウンセリングシートは、
お客さんの心の中にある本当のニーズを見える化する魔法のツールです。

適切に活用すれば、押し売りではない、
お客さんが心から納得する追加提案が可能になります。

成功のポイント:

  1. お客さんの本音を引き出すシート設計
  2. シートの回答を根拠にした提案
  3. お客さんの言葉を使った共感ベース提案
  4. 継続的な改善による精度向上

今日から始めてほしいこと

  1. シンプルで記入しやすいカウンセリングシートを作成する
  2. シートの回答を必ず確認してから提案する
  3. お客さんの書いた言葉を使って提案の根拠にする
  4. 成功・失敗事例を記録して改善し続ける

カウンセリングシートを使いこなして、
お客さんの心に響く提案ができる美容師になりましょう!


お客さんの本当のニーズを理解して
売上向上を実現する美容室経営のノウハウは、
まだまだたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに心から満足してもらえる美容室を一緒に作っていきませんか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

コメント

コメントする

目次