お客さんが納得して高いメニューを選ぶ理由の作り方
なぜ高いメニューが選ばれないのか?
「高品質なメニューを用意しているのに、いつも安いメニューばかり選ばれる…」 「本当に良いものを提案したいのに、価格で敬遠されてしまう…」
こんな悩みを抱えている美容室は多いですよね。
実は、お客さんが高いメニューを選ばない理由の90%は
「価値が伝わっていない」からなんです。
お客さんが安いメニューを選ぶ理由:
- 高いメニューと安いメニューの違いが分からない
- なぜ高いのか、その理由が納得できない
- 自分にとってのメリットが見えない
- 失敗した時のリスクが心配
- 本当にその価値があるのか疑問に思う
つまり、高いメニューを選ぶ納得できる理由を作ってあげれば、
お客さんは自然と価値のあるメニューを選んでくれるのです。
「価値」の伝え方の基本原則
価格ではなく「投資」として考えてもらう
❌ 価格思考: 「このメニューは8,000円です」
→ お客さんは「出費」として捉える
⭕ 投資思考: 「このメニューに投資していただくことで、
今後3ヶ月間、毎朝のセット時間が半分になり、髪の美しさも持続します」
→ お客さんは「将来への投資」として捉える
「何を買うか」ではなく「どんな未来を手に入れるか」
❌ 機能の説明: 「プレミアムカラーは発色が良いです」
⭕ 未来の価値説明: 「プレミアムカラーをすることで、
3ヶ月後もこの美しい色が続き、
周りの人から『どこで染めたの?』
と聞かれるような髪色になります」
お客さん別「納得理由」の作り方
忙しいワーキングマザー(30-40代)
お客さんの価値観:時間効率、手間の軽減、長持ち
納得理由の作り方:
「○○さんは毎日お仕事と子育てで本当にお忙しいですよね。
今日ご提案するプレミアムストレートは、
通常のストレートより価格は高くなりますが、効果が6ヶ月持続します」
時間価値の計算:
「毎朝のセット時間が15分から5分に短縮されるとして、
6ヶ月間で計算すると約30時間の節約になります。
30時間あれば、どれだけのことができるでしょうか?」
経済性の説明: 「通常メニューを3回受けるより、
1回のプレミアムメニューの方が、実は長期的にはお得なんです」
美意識の高いOL(20-30代)
お客さんの価値観:美しさ、トレンド、特別感
納得理由の作り方:
「○○さんのように美意識が高い方でしたら、
このプレミアムカラーをおすすめします。
これは一般的なカラーとは全く別の技術で、
髪への負担を最小限に抑えながら、
理想の色を実現できます」
特別感の演出: 「実は、この技術を習得している美容師は、
当店でも限られているんです。○○さんの美しさを最大限引き出すために、
今日は私が担当させていただきます」
未来価値の提示: 「この色でしたら、3ヶ月経っても色あせることなく、
いつも『きれいな髪色ですね』と言われ続けますよ」
年配の上品な女性(50代以上)
お客さんの価値観:品質、安心感、丁寧さ
納得理由の作り方:
「○○さんのような上品な女性には、
こちらの特別なトリートメントをご提案したいと思います。
天然由来の高級成分を使用した、髪に優しい処方です」
品質への安心感: 「このトリートメントに使われている成分は、
化粧品でも高級ラインに使われているものと同じです。
髪を傷めることなく、美しさを追求できます」
経験価値の提示: 「今日この体験をしていただくと、
髪の美しさだけでなく、リラックス効果も得られます。
まさに大人の女性のための特別な時間になります」
メニュー別「価値の伝え方」
プレミアムカラーの場合
技術的価値: 「通常のカラーとプレミアムカラーの最大の違いは、
髪へのダメージの少なさです。
プレミアムカラーは髪の構造を壊さずに色を入れる技術なので、
カラー後の髪がより美しくなります」
持続性の価値: 「色持ちが従来の2倍以上長く続きます。
つまり、次回のカラーまでの期間を延ばせるので、
長期的には経済的です」
美しさの価値: 「発色の深みと艶が全く違います。
光の当たり方によって、様々な表情を見せる美しい色になります」
時間価値の説明:
1回のプレミアムカラー(6ヶ月持続)= 通常カラー3回分(2ヶ月×3回)
→ 来店回数の削減 = 時間の節約
高級トリートメントの場合
成分の価値: 「このトリートメントには、
1本に約50万円相当の美容成分が凝縮されています。
特に○○エキスは、髪の毛1本1本を内側から修復する効果があります」
技術の価値: 「ただ塗るだけでなく、
髪質に合わせて浸透させる特別な技術を使います。
この技術習得には3年の研修が必要で、
当店でも認定を受けたスタッフのみが施術できます」
持続効果の価値: 「一度受けていただくと、
3ヶ月間は効果が持続します。
毎日のホームケアの効果も格段に上がるので、
髪の美しさが加速度的に向上していきます」
プレミアムカット・スタイリングの場合
技術者の価値: 「こちらのメニューは、
15年以上の経験を持つトップスタイリストが担当します。
これまで1万人以上のお客様を担当し、
一人ひとりの骨格や髪質を見極める技術があります」
カウンセリングの価値: 「通常の倍の時間をかけて、
お客様のライフスタイル、好み、髪質を徹底的に分析します。
まさにオーダーメイドのスタイルを創り上げます」
アフターサービスの価値: 「1ヶ月以内でしたら、無料で微調整いたします。
また、スタイリング方法も詳しくレクチャーいたします」
心理的価値を高める演出テクニック
「限定性」で特別感を演出
技術者の限定性:
「この技術ができるのは、当店では私ともう一人だけなんです」
予約の限定性:
「このメニューは1日2名様限定で承っております」
季節の限定性:
「この時期だからこそおすすめできるメニューです」
「専門性」で信頼感を演出
技術の専門性:
「このカラー技術は、フランスの○○アカデミーで学んだ特別な手法です」
知識の専門性:
「○○さんの髪質を分析すると、このタイプの髪には○○が最も効果的です」
経験の専門性:
「私はこの技術を10年以上研究してきました」
「ストーリー」で感情的価値を演出
技術開発のストーリー:
「このトリートメントは、
日本人女性の髪を美しくするために3年かけて開発されました」
成功体験のストーリー:
「先月、同じような髪質のお客様がこのメニューを受けられて、
『人生が変わった』とおっしゃってくださいました」
価格提示の心理テクニック
「アンカリング効果」を使う
最高額から提示: 「プレミアムコースは15,000円、
スタンダードコースは8,000円、
ライトコースは5,000円になります」
→ 8,000円が「真ん中で妥当」に見える
「分割思考」で負担感を軽減
日割り計算: 「このトリートメントは8,000円ですが、
3ヶ月効果が続くので、1日あたり約89円の計算になります」
回数計算: 「通常トリートメントを6回受ける費用と同じで、
6倍の効果があります」
「比較」で価値を明確化
他との比較: 「他店で同じレベルの技術を受けると、
2万円以上かかりますが、当店では特別価格でご提供しています」
時間との比較:
「美容院にかける1日の時間で、3ヶ月間美しい髪でいられます」
実際の会話例
ケース1:プレミアムカラーの提案
カウンセリングから価値発見:
美容師:「今までカラーで困ったことはありますか?」
お客さん:「すぐ色が落ちてしまうんです」
問題の共感:
美容師:「そうですよね。せっかく美しく染めても、
1ヶ月で色が落ちてしまったら、気分も下がりますよね」
解決策の提案:
美容師:「実は、それを解決できるカラー技術があります。
プレミアムカラーという方法で、通常のカラーより色持ちが3倍長くなります」
価値の説明:
美容師:「価格は通常カラーより3,000円高くなりますが、
色持ちが3倍なので、1回あたりの単価は実質安くなります。
それに、美容院に来る回数も減るので、時間の節約にもなります」
感情的価値:
美容師:「3ヶ月間、『今日も髪色がきれい』
と鏡を見るたびに気分が良くなりますよ」
選択の提示:
美容師:「せっかくお時間をいただくので、
長く楽しんでいただけるプレミアムカラーはいかがでしょうか?」
ケース2:高級トリートメントの提案
髪の状態分析:
美容師:「○○さんの髪を見させていただくと、
とても美しい髪質ですが、毛先に少しダメージが見られますね」
将来への不安:
美容師:「このまま放置すると、
半年後にはもっとダメージが進行してしまう可能性があります」
解決策の提案:
美容師:「今日、集中的にケアをしてあげることで、
ダメージの進行を食い止めて、さらに美しい髪にすることができます」
特別な技術の説明:
美容師:「こちらのプレミアムトリートメントは、
髪の深部まで栄養を届ける特別な技術です。
通常のトリートメントとは全く別物とお考えください」
投資価値の説明:
美容師:「7,000円の投資で、3ヶ月間美しい髪が続きます。
1日あたり78円で、最高の髪質を手に入れられる計算です」
未来価値の提示:
美容師:「3ヶ月後、必ず『あの時やって良かった』と思っていただけます。
○○さんの美しさをさらに引き出すために、ぜひおすすめします」
よくある抵抗への対処法
「高いですね…」と言われた場合
理解を示す: 「そうですね、最初はそう感じられるかもしれません」
価値の再説明: 「でも、この技術にかかるコストを考えると、
実はとてもリーズナブルなんです。
使用する材料費だけでも○○円かかりますし、
技術習得にも3年の研修が必要でした」
比較提示: 「例えば、毎月美容院に通う費用と比べてみてください。
今回の投資で、3ヶ月間は美しい状態が続きます」
「本当に効果があるの?」と言われた場合
自信を見せる: 「もちろんです。もし効果にご満足いただけなければ、
責任を持って対応いたします」
実績を示す: 「これまで100名以上のお客様にご体験いただいて、
98%の方にご満足いただいています」
保証を提示: 「1週間後に効果を実感していただけなければ、
無料で調整いたします」
「今日は時間がないので…」と言われた場合
理解を示す: 「お忙しい中、ありがとうございます」
次回提案: 「でしたら、次回ゆっくりお時間がある時に、
ぜひ体験していただければと思います。
○○さんの髪質でしたら、必ず効果を実感していただけます」
予約確保: 「効果の高いメニューですので、ご予約はお早めにお取りください」
今日から実践できる改善ステップ
Week 1:価値分析
- [ ] 各メニューの「真の価値」を分析する
- [ ] お客さんにとってのメリットを整理する
- [ ] 価格に対する価値の根拠を明確にする
- [ ] 競合との差別化ポイントを確認する
Week 2:伝え方練習
- [ ] 価値を分かりやすく説明する練習
- [ ] お客さんタイプ別の伝え方を準備
- [ ] 反対意見への対処法を練習
- [ ] 数字を使った価値説明を練習
Week 3:実践とフィードバック
- [ ] 実際にお客さんに価値説明を行う
- [ ] お客さんの反応を観察・記録する
- [ ] うまくいった事例を分析する
- [ ] 改善点を見つけて修正する
Week 4:システム化
- [ ] 効果的な説明方法をマニュアル化
- [ ] スタッフ間で成功事例を共有
- [ ] お客さんデータベースに価値観を記録
- [ ] 継続的な改善仕組みを作る
まとめ:価値が伝われば価格は問題にならない
お客さんが高いメニューを選ぶのは、
その価値に心から納得した時です。
価格の高さを問題にするお客さんは、
実は価値が伝わっていないだけなのです。
今日から始めてほしいこと:
- 各メニューの「真の価値」を明確にする
- お客さんの価値観に合わせて説明する
- 価格ではなく投資として考えてもらう
- 未来の価値を具体的に示す
お客さんが「これは絶対にやりたい!」
と思ってくれるような価値を伝えることができれば、
価格は決して障害にはなりません。
一人ひとりのお客さんに合わせて、心に響く価値を伝えていきましょう!
お客さんに心から納得してもらいながら
売上を上げる美容室経営のノウハウは、
まだまだたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに愛されて繁盛する美容室を一緒に作っていきませんか?
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