トリートメント提案で断られないセールストーク

トリートメント提案で断られないセールストーク

目次

なぜトリートメント提案が断られてしまうの?

「トリートメントはいかがですか?」
「いえ、大丈夫です」

こんなやり取りが毎日繰り返されていませんか?

実は、トリートメントが断られる理由の90%は、
お客さんがその価値を理解していないからなんです。

お客さんが「いらない」と言う理由:

  • 何をするものかよく分からない
  • 効果が実感できるか分からない
  • 家でトリートメントしているから十分だと思っている
  • 時間とお金をかける価値を感じない
  • 押し売りされているように感じる

つまり、お客さんの心に響く伝え方ができれば、
トリートメントの提案は必ず受け入れられるのです。

トリートメント提案の大前提

「売る」のではなく「髪の悩みを解決する」

❌ 従来のアプローチ(売る)
「今日はトリートメントはいかがですか?」

⭕ 新しいアプローチ(解決する)
「○○さんの髪質を見させていただくと、
こんなケアをしてあげると髪がもっと美しくなりますよ」

お客さんの髪の状態を「見立て」で伝える

美容師は髪のプロフェッショナル。
お医者さんが診断をするように、
髪の専門家として「見立て」を伝えることが大切です。


「○○さんの髪を拝見すると、毛先の方に少しダメージが見られますね。
今の状態でしたら、このタイミングでケアをしてあげると、
1ヶ月後には見違えるほど美しくなりますよ」

髪質・状態別のセールストーク集

パターン1:乾燥している髪

状況確認: 「○○さん、最近髪の乾燥が気になりませんか?特に毛先の方が…」

原因説明: 「実は、髪の水分が不足している状態ですね。
これは季節的なものもありますが、
髪の内部の栄養分が流出してしまっているのが原因です」

解決策提案: 「今日は髪の内側から
潤いを補給するトリートメントをおすすめします。
このトリートメントは髪の芯まで浸透して、2週間は潤いが続きます」

効果の実感説明
「明日の朝、鏡を見た時の手触りの違いにきっと驚かれますよ。
それに、夕方になっても髪がパサつかなくなります」

選択肢の提示: 「10分程度のお時間をいただきますが、いかがでしょうか?」

パターン2:カラーをしている髪

状況確認
「いつもカラーを楽しんでいらっしゃいますが、色持ちはいかがですか?」

原因説明
「カラーをした髪は、実は栄養分が流出しやすい状態になっているんです。
そのままにしておくと、色も抜けやすくなってしまいます」

解決策提案
「今日カラーをした後に、色を定着させて
髪を補修するトリートメントをしましょう。
これをすることで、色持ちが2倍長くなります」

経済的メリット
「色持ちが良くなるということは、
次回のカラーまでの期間も延びますので、長い目で見るとお得なんです」

選択肢の提示
「せっかく美しく染まった色を長く楽しんでいただきたいので、
ぜひおすすめします。いかがでしょうか?」

パターン3:クセやうねりがある髪

状況確認: 「髪のクセやうねり、
気になることはありませんか?特に湿気の多い日など…」

共感の言葉: 「そうですよね。クセがあると朝のセットも大変ですし、
湿気で広がってしまうとお出かけも憂鬱になりますよね」

解決策提案: 「今日は髪の内部構造を整えて、
クセを落ち着かせるトリートメントがあります。
これをすると、朝のセット時間が半分になりますよ」

具体的効果: 「普段セットに20分かかっているとしたら、
10分で済むようになります。忙しい朝には本当に助かりますよね」

選択肢の提示: 「今日試してみて、
効果を実感していただければと思います。いかがでしょうか?」

パターン4:細くてボリュームが出ない髪

状況確認: 「髪が細くて、ボリュームが出にくいとお悩みではありませんか?」

ポジティブな捉え方: 「実は、細い髪は美しい髪質の証拠なんです。
この美しさを活かしつつ、ボリュームを出す方法があります」

解決策提案: 「根元から髪を立ち上げて、
自然なボリュームを作るトリートメントをおすすめします。
重くならずに、ふんわりとした仕上がりになります」

持続性の説明: 「一度すると、2週間はこのふんわり感が続きます。
しかも、髪を傷めることなく自然なボリュームが得られます」

選択肢の提示: 「今日体験していただいて、このふんわり感を実感してみませんか?」

シチュエーション別セールストーク

初回来店のお客さん

信頼関係を重視したアプローチ

「○○さん、初めてお越しいただいて、
髪を拝見させていただきましたが、とても美しい髪質ですね。
ただ、もしよろしければ、
この美しさを更に引き出すケアをご提案したいのですが…」

「今日は初回なので、
まずは私どものトリートメントが
どのようなものかを体験していただければと思います。
きっと違いを実感していただけると思います」

リピーターのお客さん

関係性を活かしたアプローチ

「○○さん、前回から1ヶ月が経ちましたが、髪の調子はいかがでしたか?」

「前回お話しされていた『朝のセットが大変』という件ですが、
今日はそれを解決できるトリートメントをご用意しました」

「○○さんの髪質を熟知している私からのおすすめです。
必ずお役に立てると思います」

忙しそうなお客さん

時間効率を重視したアプローチ

「お忙しい○○さんだからこそ、
おすすめしたいトリートメントがあります」

「これをすることで、毎朝のセット時間が大幅に短縮されます。
忙しい朝の時間を有効活用していただけますよ」

「15分のお時間をいただくだけで、向こう2週間の朝が楽になります。
時間対効果を考えると、とてもお得だと思います」

節約志向のお客さん

コストパフォーマンスを重視したアプローチ

「実は、今日トリートメントをしていただくと、
次回のカラーまでの期間が延びて、長期的には節約になるんです」

「このトリートメントは1回で2週間効果が続きます。
1日あたりで計算すると、約200円で美しい髪が保てる計算になります」

「市販のトリートメントを毎日使うコストと比較しても、
サロンでしっかりケアした方が経済的です」

断られた時の切り返しトーク

「お金がかかるので…」と言われた場合

理解を示す: 「そうですね、お気持ちよく分かります」

価値の再説明: 「でも、このトリートメントの効果を1日あたりで計算すると、
コーヒー1杯分程度なんです。毎日美しい髪でいられることを考えると、
とてもお得だと思います」

代替案の提示: 「もしよろしければ、
今日は体験価格でご提供させていただきます。
効果を実感していただいてから、続けるかどうかご判断ください」

「時間がないので…」と言われた場合

理解を示す: 「お忙しい中、ありがとうございます」

時間の価値を説明: 「今日15分お時間をいただくだけで、
向こう2週間の朝のセット時間が短縮されます。
トータルで考えると、時間の節約になります」

柔軟な対応: 「どうしてもお時間がない場合は、
短時間でできる簡単なケアもございます。5分程度でいかがでしょうか?」

「家でトリートメントしているので…」と言われた場合

ホームケアを褒める: 「素晴らしいですね。ホームケアを頑張っていらっしゃるんですね」

違いを説明: 「ホームケアとサロンケアは、実は役割が違うんです。
ホームケアは日々のメンテナンス、サロンケアは集中的な栄養補給です」

相乗効果を説明: 「今日サロンでしっかりケアしていただくと、
ご自宅でのトリートメント効果も格段に上がりますよ」

「前回やったばかりなので…」と言われた場合

ケアの頻度について説明: 「髪の状態によって、ケアの頻度は変わるんです。
○○さんの髪質でしたら、月に1回はしっかりケアしてあげると理想的です」

現在の状態を説明: 「前回から時間が経って、
また栄養分が流出し始めています。
今日ケアすることで、美しい状態をキープできます」

効果的な「体験」を使った提案

「まずは体験から」アプローチ

体験の価値: 「言葉で説明するより、
まず体験していただいた方が分かりやすいと思います」

リスクを下げる: 「今日は初回特別価格でご提供します。
効果を実感していただいてから、継続するかご判断ください」

期待感を高める: 「きっと明日の朝、
鏡を見た時に違いを実感していただけると思います」

「結果保証」で安心感を与える

自信のある提案: 「もし効果を実感していただけなかった場合は、
次回調整させていただきます」

品質への自信: 「このトリートメントには絶対の自信があります。
○○さんの髪質には必ず効果があると確信しています」

トリートメント後のフォローアップトーク

施術直後

変化を具体的に伝える: 「いかがですか?手触りが全然違いますよね」

「艶の出方も、施術前と比べて格段に美しくなりました」

今後の効果説明: 「今日から2週間は、この状態が続きます」

「明日の朝が特に楽しみですね。きっと手触りの違いに驚かれますよ」

1週間後のフォロー

LINE等での確認: 「先日はありがとうございました。
トリートメントの調子はいかがですか?」

次回の提案: 「2週間経ったころが、次回のベストタイミングです。
またご相談ください」

よくある失敗パターンと改善策

失敗パターン1:いきなり商品名で提案

❌ 悪い例: 「ケラチントリートメントはいかがですか?」

⭕ 改善策: 「髪の内部から補修するケアをおすすめします」

失敗パターン2:価格から先に伝える

❌ 悪い例: 「3,000円のトリートメントがあります」

⭕ 改善策: まず効果と価値を伝えてから価格を説明

失敗パターン3:断られたらすぐ諦める

❌ 悪い例: 「そうですか、分かりました」(そこで終了)

⭕ 改善策: 「分かりました。
でも髪の状態を見ていて気になることがあるので、次回は検討してみてください」

今日から使える実践テクニック

即効性のあるトーク術

鏡を使った視覚的説明: 「この角度から見ると、毛先の傷みが見えますね」

触感での確認: 「こちらの髪を触ってみてください。違いが分かりますよね」

比較による説明: 「根元と毛先を比べると、質感が全然違いますね」

今日から始められる改善ステップ

Day 1-3:観察力を鍛える

  • [ ] お客さんの髪の状態を詳しく観察する
  • [ ] 気づいたことを具体的に伝える
  • [ ] お客さんの反応を確認する

Day 4-7:説明力を向上

  • [ ] 髪の状態を分かりやすく説明する
  • [ ] 効果を具体的に伝える
  • [ ] 価値を時間やコストで換算して説明

Week 2:提案力アップ

  • [ ] お客さんの悩みに合わせた提案をする
  • [ ] 複数の選択肢を用意する
  • [ ] 断られても種まきを続ける

Week 3-4:継続的関係構築

  • [ ] アフターフォローを行う
  • [ ] 効果の確認をする
  • [ ] 次回の最適なタイミングを提案

まとめ:お客さんが「やりたい」と思うトリートメント提案

トリートメント提案で大切なのは、
お客さんが自分から「やりたい」と思ってもらうことです。

そのためには:

  1. 髪の専門家として適切な「見立て」を伝える
  2. お客さんの悩みと解決策を明確に結びつける
  3. 効果を具体的で分かりやすく説明する
  4. 価格ではなく価値で判断してもらう

今日から始めてほしいこと

  1. お客さん一人ひとりの髪の状態をプロの目で観察する
  2. 気づいたことを分かりやすく伝える
  3. 悩みに対する解決策として提案する
  4. 効果を具体的に説明して価値を伝える

お客さんの髪が美しくなって喜んでもらえれば、
トリートメント提案は自然に受け入れられるようになります。

押し売りではなく、髪の悩みを解決するプロとして、
心を込めて提案してみてくださいね!


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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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