お客さんの褒め方・認め方で満足度を高める技術
なぜ「褒める」ことが美容室経営で重要なの?
「技術は上手なのに、なぜかお客さんの反応がイマイチ…」
「仕上がりはいいはずなのに、お客さんが喜んでくれない…」
こんな経験はありませんか?
実は、技術だけでは「満足」は得られても
「感動」は生まれないんです。
お客さんが心から喜んで、
「また来たい!」「友達に紹介したい!」
と思ってもらうために必要なのが、
上手な褒め方・認め方なんです。
人は誰でも「認められたい」
「褒められたい」という気持ちを持っています。
美容室でその気持ちが満たされると、
技術への満足だけでなく、心の満足も得られるのです。
褒めることで得られる効果
お客さんへの効果
自己肯定感がアップ
- 「私って素敵なんだ」という気持ち
- 自分に自信が持てるようになる
- 前向きな気持ちになれる
美容室への愛着が深まる
- 「この美容師さんは私を理解してくれる」
- 「ここに来ると気分が良くなる」
- 「絶対にまた来たい」
日常生活が豊かになる
- 家族や友人からも褒められる
- 外出が楽しくなる
- 人と会うのが楽しみになる
美容室への効果
リピート率が大幅アップ
- 心地よい体験は必ず記憶に残る
- 次回予約の取りやすさ
- 長期的な顧客関係の構築
口コミが自然に発生
- 感動した体験は人に話したくなる
- 友人・家族への紹介が増える
- SNSでの投稿も期待できる
客単価の向上
- 信頼関係が深まると提案が通りやすい
- 「この人の言うことなら」という気持ち
- トリートメントなどの追加メニューも受け入れられやすい
褒めるべきポイントの見つけ方
外見的なポイント
髪質・髪型
- 「とても素敵な髪質ですね」
- 「この長さ、○○さんにとても似合います」
- 「天然のウェーブが美しいです」
- 「髪の艶がとてもきれいです」
顔立ち・体型
- 「お顔の形がとても綺麗ですね」
- 「目元がチャーミングです」
- 「首筋が美しいです」
- 「スタイルがとてもいいですね」
ファッション・小物
- 「そのお洋服、とてもお似合いです」
- 「アクセサリーのセンスが素敵です」
- 「色の組み合わせがおしゃれです」
- 「バッグ、可愛いですね」
内面的なポイント
性格・人柄
- 「いつも明るくて素敵です」
- 「優しい雰囲気が伝わってきます」
- 「とても上品でいらっしゃいます」
- 「お話していて楽しいです」
努力・頑張り
- 「いつもヘアケアを頑張っていらっしゃいますね」
- 「美意識が高くて素晴らしいです」
- 「お手入れが行き届いています」
- 「健康的で輝いています」
ライフスタイル
- 「お仕事も子育ても頑張っていて尊敬します」
- 「いつもエネルギッシュで素敵です」
- 「バランスの取れた生活をされていますね」
- 「時間の使い方が上手ですね」
効果的な褒め方の技術
基本の「さしすせそ」
美容室版の「さしすせそ」で、自然に褒め言葉を使いましょう。
「さ」- さすが
「さすが○○さん、センスがいいです!」
「さすがですね、とてもお似合いです」
「し」- 知らなかった
「そんな素敵な一面を知らなかったです」
「髪質がこんなに美しいなんて知りませんでした」
「す」- すごい
「すごく素敵です!」
「すごくお似合いです」
「せ」- センスがいい
「センスがとてもいいですね」
「色の選び方のセンスが抜群です」
「そ」- そうなんですか
「そうなんですか、素晴らしいですね」
「そんな風に頑張っていらっしゃるんですね」
具体的な褒め方のコツ
具体性を持たせる
悪い例:「きれいですね」
良い例:「このストレートヘア、つややかで本当に美しいです」
悪い例:「似合います」
良い例:「この前髪の長さ、○○さんの目元を一番美しく見せていますね」
第三者の視点を使う
例:
「旦那さんも、この髪型を見たらきっと驚かれますよ」
「お友達から『どこの美容室?』って聞かれちゃいますよ」
「職場の方も『印象が変わった』っておっしゃるかもしれませんね」
過去と比較して褒める
例:
「前回と比べて、髪に艶が出てきましたね」
「最初にいらした時より、ずっと若々しくなられました」
「お手入れの成果が目に見えて現れています」
タイミング別褒め方ガイド
カウンセリング時
お客さんの魅力を発見
「今日もお疲れ様です。○○さんはいつも肌がつやつやで羨ましいです」
「その色のお洋服、とてもお似合いですね」
髪の状態を褒める
「髪の毛の状態、とてもいいですね」
「前回のトリートメントの効果が出ていますね」
施術中
発見した魅力を伝える
「横から見たシルエット、とても美しいです」
「○○さんの髪質、カラーがとてもきれいに入りますね」
努力を認める
「いつもホームケアを頑張っていらっしゃるのが分かります」
「お手入れが行き届いていて素晴らしいです」
仕上げ時
変化を具体的に褒める
「うわあ!とても素敵になりましたね」
「この角度から見ると、お顔がとても小さく見えます」
「印象がガラッと変わって、とても若々しく見えます」
未来への期待を込める
「明日の朝、鏡を見るのが楽しみですね」
「きっと周りの方も驚かれますよ」
お会計・お見送り時
全体的な印象を褒める
「今日は本当に素敵になられました」
「帰り道、きっと振り返られちゃいますよ」
継続への励まし
「この調子でケアを続けていけば、もっと美しくなりますね」
「次回お会いするのが楽しみです」
年代別・タイプ別褒め方
20代のお客さん
若さと可能性を褒める
「若々しいエネルギーがあって素敵です」
「どんな髪型も似合いそうですね」
「これからがとても楽しみです」
トレンド感を褒める
「最新のトレンドを取り入れるセンスが素晴らしいです」
「おしゃれに敏感でいらっしゃいますね」
30代のお客さん
知性と美しさを褒める
「大人の魅力が増していますね」
「知的で上品な印象がとても素敵です」
「お仕事と美容の両立、素晴らしいです」
40代のお客さん
円熟した美しさを褒める
「落ち着いた美しさがありますね」
「人生経験の豊かさが表情に現れています」
「内面からの輝きを感じます」
50代以上のお客さん
品格と経験を褒める
「とても品のある美しさですね」
「人生の先輩として、とても尊敬します」
「お肌がとてもきれいで羨ましいです」
シチュエーション別実践会話例
初回来店のお客さん
緊張をほぐす褒め方
美容師:「初めまして。とても素敵な髪質ですね。
こんな美しい髪の方に施術させていただけて嬉しいです」
お客さん:「ありがとうございます」
美容師:「普段はどちらでカットされているんですか?
とても良いバランスですね」
リピーターのお客さん
継続への感謝を込めて
美容師:
「○○さん、お久しぶりです!
前回のスタイル、とてもよく似合っていましたね」
お客さん:
「ありがとうございます」
美容師:
「髪の状態も良くて、ホームケアを頑張っていらっしゃるのが分かります」
髪の悩みがあるお客さん
悩みを受け止めつつ褒める
お客さん:
「最近白髪が気になって…」
美容師:
「そうおっしゃいますが、とても自然で美しい白髪ですね。
○○さんの上品さを際立たせていると思います。
でも、ご希望に合わせて自然にカバーしていきましょう」
忙しいお客さん
頑張りを認める
美容師:
「いつもお忙しい中、ありがとうございます。
お仕事頑張っていらっしゃる○○さんを、
髪型でサポートさせていただきますね」
お客さん:
「ありがとうございます」
美容師:
「忙しくても美意識を保っていらっしゃって、本当に素晴らしいです」
褒める時の注意点とNG例
やってはいけない褒め方
NGパターン1:嘘っぽい褒め方
「世界一美しいです!」「完璧です!」
→ 大げさすぎて信憑性がない
NGパターン2:他の人と比較する褒め方
「前のお客さんより全然きれいです」
→ 他のお客さんの悪口になってしまう
NGパターン3:容姿の欠点に触れる褒め方
「顔は大きいけど髪型でカバーできました」
→ コンプレックスを刺激してしまう
NGパターン4:一方的すぎる褒め方
延々と褒め続ける
→ お客さんが返答に困ってしまう
効果的な褒め方のコツ
適度な頻度で
- 1回の来店で3-5回程度
- 自然なタイミングで
- 押し付けがましくならないように
心を込めて
- 本当に思ったことを言う
- 表情と声のトーンも大切に
- お客さんの反応を見ながら
具体的に
- 「きれい」だけでなく「どこが」「なぜ」きれいなのか
- お客さん個人の特徴を捉えて
- その人だけに当てはまる褒め言葉を
褒めベタな美容師さんのための練習法
日常での観察力を鍛える
街中での練習
- 道ですれ違う人の素敵なポイントを見つける
- 「あの人のここが素敵だな」と意識的に探す
- 家族や友人の良いところを見つける習慣
言葉のストック作り
- 褒め言葉のリストを作る
- 髪型、ファッション、雰囲気別に分類
- 毎日新しい褒め言葉を1つ覚える
鏡を使った練習
表情の練習
- 褒める時の自然な笑顔
- 目の表情も大切に
- 声のトーンも一緒に練習
実践での練習
小さなことから始める
- 「お疲れ様です」に心を込める
- 「ありがとうございます」を温かく言う
- お客さんの持ち物を1つ褒める
褒めた後のフォローアップ
お客さんの反応を見る
嬉しそうな反応の時
- さらに具体的に褒める
- 関連する話題を広げる
- その美しさを活かす提案をする
恥ずかしがっている時
- 押し付けずにさらっと流す
- 話題を自然に変える
- 後でさりげなく再度伝える
疑っている時
- 具体的な根拠を示す
- 第三者の視点を使う
- 時間をかけて信頼関係を築く
次回来店時への活用
褒めたポイントを覚えておく
- カルテに記録しておく
- 前回褒めた点の変化を見る
- 継続した褒めで効果を実感してもらう
今日から始められる褒め上手への道
Week 1:観察力を鍛える
- [ ] お客さん一人につき1つ素敵なポイントを見つける
- [ ] 具体的な褒め言葉を考える
- [ ] 自然なタイミングで伝える
- [ ] お客さんの反応を観察する
Week 2:バリエーションを増やす
- [ ] 外見以外のポイントも褒める
- [ ] 時間をずらして複数回褒める
- [ ] 褒め言葉のストックを増やす
- [ ] 表情と声のトーンを意識する
Week 3:深みのある褒め方
- [ ] その人だけの特徴を捉える
- [ ] 過去との変化を褒める
- [ ] 努力や内面を認める
- [ ] 未来への期待を込める
Week 4:自然な褒め上手に
- [ ] 意識しなくても褒められるようになる
- [ ] お客さんに合わせた褒め方ができる
- [ ] 褒めることで関係性が深まる実感
- [ ] リピート率の変化を確認
まとめ:褒め上手は愛され美容師への第一歩
お客さんを上手に褒めることは、
技術と同じくらい大切な美容師のスキルです。
心から相手を認め、素敵なところを見つけて伝える能力は、
一朝一夕では身につきません。
でも、毎日少しずつ練習していけば、
必ずお客さんに愛される美容師になれます。
今日から始めてほしいこと:
- お客さん一人ひとりの素敵なポイントを意識的に探す
- 心を込めて、具体的に褒める
- お客さんの反応を大切にする
- 継続的に認め続ける
お客さんの笑顔が増えれば、
あなたの仕事もきっともっと楽しくなるはずです。
褒め上手な美容師になって、
お客さんの心も美しく輝かせてあげましょう!
お客さんとの心の距離を縮めて、
信頼関係を深めるコミュニケーション術は、
まだまだたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに愛される美容師を一緒に目指しませんか?
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