子連れのお客さんに優しい美容室の工夫

子連れのお客さんに優しい美容室の工夫

目次

なぜ子連れ対応が美容室の差別化につながるの?

「子供がいるから美容室に行けない…」
「美容室に行きたいけど、子供を預ける人がいない…」

こんな悩みを抱えているママさんは本当にたくさんいます。

子育て中のお母さんにとって、
美容室に行くことは「贅沢」や「自分のための時間」として、
とても大切なリフレッシュの時間なんです。
でも、子供を連れて行ける美容室が少ないのが現実です。

だからこそ、子連れのお客さんに優しい美容室になることで、
他の美容室との大きな差別化ができるんです。

子連れのお客さんが感じる不安と困りごと

来店前の不安

周りに迷惑をかけるかも…

  • 子供が泣いたらどうしよう
  • 他のお客さんに嫌がられるかも
  • 静かにできるか心配
  • 長時間じっとしていられるかな

安全面の心配

  • 美容室の道具は危険がいっぱい
  • 子供が勝手にどこかに行ってしまうかも
  • ハサミやカミソリが怖い
  • 化学薬品の匂いは大丈夫?

実際的な困りごと

  • ベビーカーで入れるかな
  • おむつ替えの場所はある?
  • 授乳できる場所はある?
  • 子供の食事やおやつはどうしよう

施術中の心配

子供の様子が見えない

  • 一人で遊んでいて大丈夫?
  • スタッフさんに迷惑をかけていない?
  • 危険なことをしていない?
  • 退屈して泣き出さない?

自分の施術に集中できない

  • 子供のことが気になって落ち着かない
  • 思うような仕上がりにならないかも
  • リラックスできない
  • 急いで終わらせないといけない

子連れ対応の基本的な考え方

「迷惑」ではなく「歓迎」の姿勢

子連れのお客さんは「迷惑をかけてしまう」と思って来店しています。
だからこそ、「歓迎しています!」という気持ちを伝えることが大切です。

安全第一の環境作り

子供の安全を最優先に考えた環境を整えることで、
お母さんも安心して施術を受けることができます。

お母さんのリフレッシュタイムを大切に

育児で疲れているお母さんにとって、美容室は貴重なリフレッシュの時間。その時間を心から楽しんでもらえるようにサポートしましょう。

年齢別・子連れ対応ガイド

赤ちゃん(0-1歳)

特徴

  • まだ歩けないので比較的安全
  • 泣き声が心配
  • 授乳やおむつ替えが必要
  • お母さんから離れると不安になる

対応のコツ

  • ベビーカーごと入れるスペース確保
  • お母さんの近くに寝かせられる場所
  • 授乳・おむつ替えスペースの提供
  • 泣いた時の対応を事前に相談

必要な設備・用品

  • ベビーベッドやバウンサー
  • おむつ替えシート
  • 授乳用クッション
  • ベビーカー置き場

よちよち歩き(1-2歳)

特徴

  • 好奇心旺盛で何にでも興味を示す
  • 危険なものと安全なものの区別がつかない
  • じっとしていられない
  • 言葉での説明が通じにくい

対応のコツ

  • 危険なものは手の届かない場所に
  • 常に誰かが見守る体制
  • 安全な遊び場所の確保
  • 短時間での施術を心がける

必要な設備・用品

  • 安全ゲートや柵
  • 角の保護材
  • 安全な玩具
  • 子供用の椅子やテーブル

幼児(3-5歳)

特徴

  • 言葉でのコミュニケーションが可能
  • 少しの間なら一人で遊べる
  • 興味のあることには集中できる
  • ママと離れることに慣れてきている

対応のコツ

  • 簡単な約束事を決める
  • 興味を引く遊びを用意
  • 適度に声をかけて安心させる
  • 頑張って静かにできたら褒める

必要な設備・用品

  • 絵本やおもちゃ
  • 塗り絵やクレヨン
  • 子供向けDVD
  • 小さなテーブルと椅子

小学生(6歳以上)

特徴

  • 自分で考えて行動できる
  • 長時間座っていることができる
  • 宿題など持参したものに集中できる
  • お母さんの美容時間を理解している

対応のコツ

  • 宿題ができるスペースの提供
  • 読書や勉強の環境整備
  • 適度な休憩時間の提供
  • 自立を促しつつ見守る

必要な設備・用品

  • 勉強用のテーブルと椅子
  • 本や雑誌
  • Wi-Fi環境(タブレット学習用)
  • 飲み物の提供

設備・環境の整備ポイント

安全対策

危険物の管理

  • ハサミやカミソリは高い場所に保管
  • 薬剤は子供の手の届かない場所に
  • コンセントにはカバーを設置
  • 角のある家具には保護材を

転倒・怪我防止

  • 床の水滴はすぐに拭き取る
  • 滑り止めマットの設置
  • 段差には注意喚起
  • 安全ゲートで危険エリアを区切る

キッズスペースの作り方

レベル1:簡易キッズコーナー(5万円以内)

  • 待合スペースの一角を子供用に
  • 安全なおもちゃと絵本を用意
  • 小さなテーブルと子供用椅子
  • 床にプレイマットを敷く

レベル2:専用キッズスペース(20万円以内)

  • 独立したキッズエリアの設置
  • 安全柵で囲まれた遊び場
  • 豊富なおもちゃと本
  • 子供用トイレの設置

レベル3:本格キッズルーム(50万円以上)

  • 完全に分離されたキッズルーム
  • 防音対策済み
  • モニターでお母さんの様子が見える
  • 専任スタッフによる託児サービス

設備チェックリスト

必須設備

  • [ ] ベビーカー置き場
  • [ ] おむつ替えスペース
  • [ ] 授乳スペース(カーテンで区切れる場所)
  • [ ] 子供用トイレ(踏み台設置)
  • [ ] 手洗い場(子供の高さに合わせる)

あると良い設備

  • [ ] キッズチェア(施術中に子供が座れる)
  • [ ] 子供用洗面台
  • [ ] 冷蔵庫(ミルクや離乳食用)
  • [ ] 電子レンジ(離乳食温め用)
  • [ ] 空気清浄機

サービス・おもてなしのアイデア

来店時のお迎え

温かい歓迎
「お子さんと一緒にいらっしゃって嬉しいです!」
「○○ちゃん、今日は美容室デビューですね!」
「子供さんの分もスリッパご用意しますね」

すぐにできる配慮

  • 子供の名前を聞いて呼びかける
  • 子供の好きなものを聞く(車、お姫様など)
  • お母さんの荷物を預かる
  • ベビーカーの置き場所を案内

施術中のサポート

お母さんへの声かけ
「お子さんの様子、気になりましたらいつでもおっしゃってくださいね」
「○○ちゃん、とてもお利口にしていますよ」
「何か必要なものがあれば遠慮なくお声かけください」

子供への接し方

  • 子供の目線に合わせてしゃがんで話す
  • 優しい声で話しかける
  • 子供のペースに合わせる
  • 無理強いはしない

特別なサービス

子供向けサービス

  • 施術中の子供の写真撮影
  • 手作りの折り紙プレゼント
  • 似顔絵を描いてプレゼント
  • 子供用のヘアアクセサリープレゼント

お母さん向けサービス

  • 育児相談タイム
  • 子育て情報の提供
  • ママ友同士の交流機会
  • 子連れOKイベントの開催

スタッフの子供対応スキル

基本的な接し方

DO(やったほうが良いこと)

  • 子供の目線に合わせて話す
  • ゆっくり、はっきりと話す
  • 笑顔で接する
  • 子供の興味に合わせて会話する
  • 危険な時ははっきりと注意する

DON’T(やらないほうが良いこと)

  • 大きな声で叱る
  • 無理に言うことを聞かせようとする
  • 怖い顔をする
  • 子供を無視する
  • お母さんの前で子供を注意しすぎる

年齢別の声かけ例

赤ちゃん(0-1歳)

  • 「こんにちは、可愛い赤ちゃんですね」
  • 「ママと一緒で安心だね」
  • 「いい子にしてるね」

幼児(2-5歳)

  • 「お名前は何ていうの?」
  • 「今日はママと一緒に美容室だね」
  • 「○○が好きなんだね!」
  • 「静かにできてえらいね」

小学生(6歳以上)

  • 「学校は楽しい?」
  • 「宿題持ってきたの?えらいね」
  • 「ママがきれいになるの、楽しみだね」

緊急時・トラブル対応

よくあるトラブルと対処法

子供が泣き出した場合

  1. まずお母さんに確認する
  2. 抱っこやあやしを申し出る
  3. 気分転換になるものを提案
  4. 必要に応じて施術を中断

子供が怪我をした場合

  1. すぐに応急処置
  2. お母さんに報告
  3. 必要に応じて病院への付き添い
  4. 事故報告書の作成

他のお客さんから苦情があった場合

  1. 丁寧に謝罪
  2. 状況を説明
  3. 可能な対策を提案
  4. 今後の改善策を検討

緊急連絡先リスト

常備しておくべき連絡先

  • 近隣の小児科
  • 救急車の呼び方
  • 警察署
  • お客さんの緊急連絡先
  • 保険会社

レベル別導入プラン

レベル1:今すぐ始められる(1万円以内)

準備するもの

  • 絵本5-10冊
  • 安全なおもちゃ
  • 塗り絵とクレヨン
  • プレイマット
  • 子供用スリッパ

すぐにできること

  • 子連れ歓迎の気持ちを伝える
  • 安全な遊び場所の確保
  • スタッフの子供対応スキル向上

レベル2:本格的な子連れ対応(10万円以内)

設備投資

  • 安全ゲート
  • 子供用テーブル・椅子
  • おむつ替えシート
  • 豊富なおもちゃ・本
  • DVD・テレビ

サービス向上

  • 子連れ専用予約時間の設定
  • 子供向け特別サービス
  • キッズメニューの導入

レベル3:専門的な託児サービス(30万円以上)

大型投資

  • 専用キッズルーム
  • 防音設備
  • モニターシステム
  • 専任保育スタッフ雇用
  • 保険加入

プロサービス

  • 有資格者による託児
  • 知育プログラムの提供
  • 子育て相談サービス

子連れイベント・キャンペーンアイデア

定期イベント

親子ヘアカット体験

  • 月1回の親子イベント
  • 子供のヘアカット体験
  • 親子でお揃いヘアスタイル
  • 記念撮影サービス

ママ友交流会

  • 子連れママ同士の交流
  • 育児相談タイム
  • 美容情報の交換
  • 子供同士の遊び時間

季節のキャンペーン

入園・入学準備キャンペーン

  • 親子セット割引
  • 子供の初カット記念品
  • 入園・入学写真撮影

夏休み特別企画

  • 子供向けヘアアレンジ教室
  • 親子お揃いヘアスタイル
  • 自由研究サポート(髪の仕組み学習)

今日から始められるアクション

Week 1:意識改革

  • [ ] スタッフ全員で子連れ歓迎の意識統一
  • [ ] 基本的な子供対応スキルの練習
  • [ ] 現在の店内を子供目線でチェック
  • [ ] 危険な場所・物の確認と対策

Week 2:環境整備

  • [ ] 簡易キッズコーナーの設置
  • [ ] 安全対策の実施
  • [ ] 基本的なおもちゃ・絵本の用意
  • [ ] おむつ替えスペースの確保

Week 3:サービス開始

  • [ ] 子連れ歓迎の告知開始
  • [ ] 実際の子連れ対応練習
  • [ ] お客さんからのフィードバック収集
  • [ ] 改善点の洗い出し

Week 4:改善・発展

  • [ ] サービス内容の改善
  • [ ] 追加設備の検討
  • [ ] 子連れイベントの企画
  • [ ] 口コミ促進活動

まとめ:子育てママの強い味方になろう

子連れのお客さんに優しい美容室になることは、
単に設備を整えるだけではありません。
お母さんの気持ちに寄り添い、
安心して美容時間を楽しんでもらうことが一番大切なんです。

子育て中のお母さんは、
いつも子供のことを最優先に考えています。
そんなお母さんが、安心して自分の時間を過ごせる場所を提供できたら、
きっと心から感謝してもらえるはずです。

今日から始めてほしいこと

  1. 子連れのお客さんを心から歓迎する気持ちを持つ
  2. 安全で安心できる環境を整える
  3. お母さんの不安を解消するサービスを提供する
  4. 子供たちにも楽しい時間を過ごしてもらう

子連れに優しい美容室は、
お客さんの人生の大切な時期に寄り添える、
とても意味のある存在になれます。
お母さんたちの笑顔を増やして、地域に愛される美容室を目指しましょう!


子育て中のお客さんに愛される美容室作りのアイデアは、
まだまだたくさんあります。もっと詳しく学んで、
すべてのお客さんに優しい美容室を一緒に作っていきませんか?

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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