仕上がりに満足してもらうための確認とフォロー
なぜ仕上がりの確認が大切なの?
「技術には自信があるのに、なぜかお客さんが戻ってこない…」
こんな悩みを抱えている美容師さんは多いのではないでしょうか?
実は、技術が上手でもお客さんが満足していないことがあるんです。
その理由は簡単。お客さんが本当に満足しているかどうかを、
きちんと確認していないからです。
「きれいになりましたね」と言って終わりにしていませんか?
それでは、お客さんの本当の気持ちは分からないままです。
お客さんは遠慮して「はい」と言っているだけかもしれません。
お客さんが本音を言わない理由
理由1:遠慮してしまう
「せっかく時間をかけてやってもらったのに、文句を言うのは申し訳ない」と思っているお客さんは多いんです。
理由2:うまく伝えられない
「なんとなく違う気がするけど、どこがどう違うのか説明できない」
という状況です。
理由3:また来るのが面倒
「次回直してもらえばいいや」と思って、
その場では何も言わないお客さんもいます。
でも、実際には他の美容室に行ってしまうことが多いんです。
理由4:美容師さんが怖そう
忙しそうにしていたり、難しい顔をしていると、
お客さんは何も言えなくなってしまいます。
満足度を確認する5つのステップ
ステップ1:安心できる雰囲気を作る
まず、お客さんが本音を言いやすい雰囲気を作ることが大切です。
良い雰囲気作りのコツ:
- 笑顔で接する
- 「何でも遠慮なく言ってくださいね」と最初に伝える
- 急いでいる様子を見せない
- お客さんの目を見て話す
NGな態度:
- 忙しそうにバタバタする
- 次のお客さんの準備をしながら話す
- 時計を見る
- 携帯電話を触る
ステップ2:具体的に質問する
「いかがですか?」だけでは、お客さんは答えにくいものです。
具体的な質問をして、本音を引き出しましょう。
効果的な質問例:
- 「長さはいかがですか?もう少し短くしますか?」
- 「前髪の感じはどうでしょう?」
- 「後ろから見た感じはいかがですか?」
- 「普段のスタイリングを考えると、どんな感じでしょうか?」
- 「お仕事の時のことを考えると、どうでしょうか?」
避けたい質問:
- 「どうですか?」(漠然としすぎ)
- 「大丈夫ですか?」(YESかNOでしか答えられない)
ステップ3:角度を変えて一緒に確認する
お客さんと一緒に、
いろいろな角度から仕上がりを確認しましょう。
確認のポイント:
- 正面だけでなく、横、後ろからも見る
- 手鏡を使って後ろや横を一緒に確認
- 座った状態と立った状態の両方で確認
- 明るい場所と少し暗い場所で確認
確認の時の声かけ例:
- 「横から見るとこんな感じになります」
- 「後ろはこのようなシルエットです」
- 「立ち上がっていただくと、また印象が変わりますね」
ステップ4:微調整を提案する
完璧に仕上がっていても、
「もし気になるところがあれば調整しますよ」
という姿勢を見せることが大切です。
微調整の提案例:
- 「もし気になるところがあれば、遠慮なく言ってくださいね」
- 「少しでも違和感があれば、すぐに直しますから」
- 「1週間後に気になることがあれば、調整しますよ」
ステップ5:家での過ごし方を想像してもらう
美容室での仕上がりと、
家に帰ってからの髪型は違って見えることがあります。
想像してもらう質問:
- 「明日の朝、鏡を見た時のことを想像してみてください」
- 「お友達に会う時、どんな感じでしょうか?」
- 「お仕事の時の印象はいかがでしょうか?」
満足度が低い時の対応方法
すぐに謝らない
お客さんが「ちょっと違うかも」と言った時、
すぐに「すみません」と謝るのはよくありません。
まずは、どこがどう違うのかを聞きましょう。
良い対応例:
- 「そうですね、どの辺りが気になりますか?」
- 「具体的にはどんな感じがお好みでしょうか?」
- 「理想のイメージと比べて、どう違いますか?」
一緒に解決策を考える
お客さんの要望が分かったら、一緒に解決策を考えましょう。
解決策を考える時の声かけ:
- 「それでしたら、こんな風に調整できますよ」
- 「○○の部分を少し変えれば、理想に近づけると思います」
- 「今日は時間がかかりすぎるので、後日ゆっくり直させていただけませんか?」
アフターフォローで差をつける
1週間後の確認連絡
施術から1週間後に、お客さんの様子を確認する連絡をしましょう。
連絡方法とタイミング:
- LINEまたは電話で連絡
- 1週間後の同じ時間帯
- 忙しくない時間を選ぶ
連絡文例(LINE):
○○様、先日はありがとうございました。
髪型の調子はいかがでしょうか?
スタイリングで困ったことはありませんか?
何か気になることがあれば、お気軽にご連絡ください。
スタイリング方法のフォロー
家でのスタイリングがうまくいかないお客さんは多いものです。
フォローの方法:
- スタイリング動画を撮って送る
- おすすめのスタイリング剤を教える
- 簡単なセット方法を文章で説明する
次回予約の提案
満足してもらえた時こそ、次回予約の絶好のタイミングです。
予約提案のコツ:
- 具体的な時期を提案する(「1ヶ月後くらいに」)
- 理由を説明する(「この長さを保つには…」)
- 選択肢を用意する(「平日と休日、どちらがよろしいですか?」)
よくある失敗パターンと改善策
失敗パターン1:時間に追われて確認が雑になる
改善策:
- 予約の間隔に余裕を持たせる
- 確認の時間も施術時間に含めて考える
- 急いでいる時こそ、意識して丁寧に確認する
失敗パターン2:技術に自信があるから確認しない
改善策:
- 技術と満足度は別だと理解する
- お客さんの好みは人それぞれだと認識する
- 確認することで信頼関係が深まることを知る
失敗パターン3:お客さんの反応を見ていない
改善策:
- お客さんの表情を観察する
- 声のトーンを注意深く聞く
- 小さな変化も見逃さない
満足度確認が上手な美容師さんの特徴
観察力が高い
お客さんの表情や仕草から、満足度を読み取ることができます。
質問上手
お客さんが答えやすい質問を、タイミングよくすることができます。
柔軟性がある
お客さんの要望に合わせて、臨機応変に対応することができます。
フォロー精神が旺盛
施術が終わってからも、お客さんのことを気にかけています。
今日から始められる実践法
Step1:確認の時間を作る
どんなに忙しくても、最後の5分は確認の時間として確保しましょう。
Step2:質問のパターンを覚える
効果的な質問を3つ覚えて、必ず使うようにしましょう。
Step3:お客さんの反応をメモする
どんな確認をした時にお客さんがどう反応したか、簡単にメモを取りましょう。
Step4:1週間後の連絡を習慣化する
最初は週に1人からでも構いません。必ず1週間後に連絡する習慣を作りましょう。
まとめ:お客さんの笑顔が一番の報酬
仕上がりの確認とフォローは、技術と同じくらい大切な美容師の仕事です。
お客さんが心から満足して、
笑顔で帰っていく姿を見ることができれば、
あなたの美容師としての喜びはもっと大きくなるはずです。
そして、満足したお客さんは必ずリピーターになり、
お友達も紹介してくれます。
今日から始めてほしいこと:
- 最後の5分は必ず確認の時間を作る
- 「どうですか?」ではなく、具体的な質問をする
- 1週間後に必ず様子を聞く連絡をする
小さな確認の積み重ねが、
やがて大きな信頼となって返ってきます。
お客さんに愛され続ける美容師さんを目指して、
今日から実践してみてくださいね!
コメント