繁忙期と閑散期の売上差を分析して年間計画を立てる方法

美容室の1年を制する!繁忙期と閑散期の売上差を分析して年間計画を立てる方法

目次

はじめに:なぜ年間計画が重要なの?

美容室を経営していると、
「12月は忙しいけど、2月は暇だなあ…」という経験、ありませんか?

実は、この繁忙期と閑散期の波をうまく活用できるかどうかが、
美容室経営の成功を左右する重要なポイントなんです。

多くの美容室オーナーさんは、
忙しい時期は「なんとかなっている」と安心し、
暇な時期は「お客さんが来ない…」と不安になるだけで終わってしまいます。

でも、ちょっと待ってください!

この売上の波には、実は大きなチャンスが隠れているんです。

今回は、美容室の繁忙期と閑散期の売上差を分析して、
1年を通じて安定した利益を確保する年間計画の立て方を、
分かりやすくお伝えします。

美容室の繁忙期・閑散期っていつ?

まずは、一般的な美容室の繁忙期と閑散期を確認してみましょう。

📈 繁忙期(お客さんが多い時期)

  • 12月:年末の忘年会、帰省前の身だしなみ
  • 3月:卒業式、入学式、新生活スタート
  • 4月:入社式、新学期
  • 7月:夏のイベント、お祭り前
  • 8月:お盆の帰省前

📉 閑散期(お客さんが少ない時期)

  • 1月:年始で財布が寂しい時期
  • 2月:一年で最も外出が少ない
  • 5月:GWで出費が多い後
  • 6月:梅雨で外出が減る
  • 9月:夏休みの出費後で節約モード

あなたのお店はどうですか?だいたい当てはまりますよね。

売上差を数字で見てみよう

では、実際にどのくらい売上に差があるのか、具体例で見てみましょう。

【例】ある美容室の月別売上データ

1月:80万円  ← 閑散期
2月:70万円  ← 最も厳しい
3月:130万円 ← 繁忙期
4月:120万円 ← 繁忙期
5月:90万円  ← 閑散期
6月:85万円  ← 閑散期
7月:110万円 ← 繁忙期
8月:115万円 ← 繁忙期
9月:85万円  ← 閑散期
10月:95万円 ← 平常期
11月:100万円← 平常期
12月:140万円← 最繁忙期

年間合計:1,220万円

最高月(12月)と最低月(2月)の差は70万円!

これは年間売上の約6%にもなります。

この差を放置していては、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

分析の3ステップ

ステップ1:過去2年分のデータを集める

まずは、あなたのお店の過去のデータを集めましょう。

必要なデータ

  • 月別売上
  • 月別客数
  • 月別客単価
  • 主要なイベント・キャンペーンの実施時期

「そんなデータ、とってないよ…」という方も大丈夫!

今からでも遅くありません。今年の分からしっかり記録を始めましょう。

ステップ2:パターンを見つける

データが集まったら、パターンを見つけます。

チェックポイント

  • 最も売上が高い月はいつ?
  • 最も売上が低い月はいつ?
  • 客数が多いのはいつ?
  • 客単価が高いのはいつ?

例えば、

  • 「12月は客数が多いけど、客単価は普通」
  • 「3月は客数も客単価も両方高い」
  • 「2月は客数も客単価も両方低い」

こんな感じで、パターンが見えてきます。

ステップ3:原因を考える

パターンが分かったら、「なぜそうなるのか?」を考えてみましょう。

12月に売上が高い理由

  • 年末のイベントが多い
  • 帰省前に髪を整えたい
  • ボーナスでお財布に余裕がある

2月に売上が低い理由

  • 正月に出費が多かった
  • 寒くて外出を控える
  • 3月の出費に備えて節約モード

原因が分かれば、対策も立てやすくなります。

年間計画の立て方

分析ができたら、いよいよ年間計画を立てます。

基本の考え方

繁忙期:稼げる時にしっかり稼ぐ
閑散期:次の繁忙期の準備をする

この基本を忘れずに、具体的な計画を立てていきましょう。

繁忙期の戦略

やるべきこと

  • スタッフの勤務時間を増やす
  • 新メニューの導入
  • 単価アップの取り組み
  • 予約枠の拡大

12月の例

  • 「年末特別コース」を用意
  • 普段より30分早く開店
  • パーティーヘアのメニューを充実
  • 早めの予約で割引特典

閑散期の戦略

やるべきこと

  • 新規客の獲得
  • 既存客のリピート促進
  • スタッフ研修・店舗改善
  • 次の繁忙期の準備

2月の例

  • 「バレンタイン応援キャンペーン」
  • 新規客限定の特別価格
  • スタッフの技術研修
  • 3月に向けた卒業式メニューの準備

具体的な年間計画シートの作り方

実際に計画を立てるときは、このような表を作ってみましょう。

年間計画シート例

売上目標主要施策特別メニュー注意点
1月85万円新春キャンペーン成人式ヘア年始休み調整
2月75万円新規客獲得バレンタイン最も厳しい月
3月135万円卒業・入学対応卒業式セットスタッフ体制強化

重要なポイント

1. 無理な目標は立てない
閑散期に繁忙期並みの売上目標を立てても、達成できずにストレスになるだけです。

2. 前年同月比で考える
「去年の2月より10%アップ」のように、現実的な目標を設定しましょう。

3. 施策は3ヶ月前から準備
繁忙期の施策は、3ヶ月前から準備を始めます。

閑散期を乗り切る5つの秘策

秘策1:「逆張り」キャンペーン

みんなが節約している時期だからこそ、思い切った特典を用意します。

2月の例

  • 「寒い2月だからこそ、髪から温かく」キャンペーン
  • 通常8,000円のコースを5,800円で提供
  • 「春に向けての準備」を前面に押し出す

秘策2:次の繁忙期の「先取り予約」

3月の予約を2月に取る作戦

  • 「3月の卒業式ヘア、早割予約受付中」
  • 2月中の予約で20%OFF
  • 3月の予約が埋まれば、繁忙期の売上も安定

秘策3:「おまとめサービス」

複数回分をまとめて予約してもらう

  • 「3回コース」で通常より10%お得
  • 「半年分の美髪プラン」で継続的な関係を築く
  • 閑散期の売上確保+顧客の囲い込み

秘策4:「友達紹介」強化月間

口コミの力を活用

  • 友達を紹介してくれたら、双方に特典
  • 閑散期だからこそ、新規客に丁寧な対応が可能
  • 一人の紹介から、芋づる式に顧客が増える

秘策5:「メンテナンス月間」

店舗改善に集中

  • 設備のメンテナンス
  • スタッフの技術向上研修
  • 新メニューの練習
  • 店内の模様替え

時間がある閑散期だからこそできることに投資しましょう。

計画を成功させる3つのコツ

コツ1:毎月の振り返りを忘れない

計画を立てっぱなしはNGです。

月末に必ずチェック

  • 目標は達成できた?
  • 何がうまくいった?
  • 何が失敗した?
  • 来月はどう改善する?

コツ2:柔軟性を保つ

計画は「絶対に守らなければいけないもの」ではありません。

状況に応じて、修正することも大切です。

  • 思ったより2月の売上が良かった
  • →3月の目標を少し上げてみる
  • コロナで外出自粛が増えた
  • →在宅でできる「髪のお手入れ」商品を強化

コツ3:スタッフと情報共有

みんなで同じ目標を向く

  • 月の目標をスタッフと共有
  • 達成したら、みんなでお疲れ様会
  • 失敗したら、みんなで原因を考える

一人で頑張るより、チーム全体で取り組む方が成功確率は格段に上がります。

まとめ:年間計画で安定経営を手に入れよう

繁忙期と閑散期の売上差を分析して年間計画を立てることで、

✅ 売上の波に振り回されない安定経営
✅ 閑散期でも焦らない心の余裕
✅ 繁忙期の売上最大化
✅ スタッフのモチベーション向上

これらすべてを手に入れることができます。

「今まで場当たり的にやってきたけど、これからは計画的に経営していこう」

そう思ったあなたは、もう成功への第一歩を踏み出しています。

まずは過去のデータを集めることから始めてみてください。

そして、来月の目標と施策を決めて、実行してみましょう。

きっと、今までとは違う安定した経営を実感できるはずです。

あなたの美容室が、1年を通じて繁盛し続けることを心から応援しています!


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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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