材料費を20%カットしてもサービス品質を保つ方法

材料費を20%カットしてもサービス品質を保つ方法

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材料費が高すぎて利益が残らない…そんな悩みありませんか?

美容室を経営している佐藤さん(仮名)から、
深刻な相談を受けました。

「先生、うちの材料費が売上の35%にもなってしまって…
お客様には良いものを使いたいけど、利益が全然残らないんです。
かといって品質を下げるわけにもいかないし…
どうしたらいいでしょうか?」

実は、品質を下げずに材料費を削減する方法はたくさんあります。
佐藤さんのお店では、6ヶ月間で材料費を22%削減しながら、
お客様満足度はむしろ向上しました。

今日は、その具体的な方法をお教えします!

なぜ美容室の材料費は高くなりがちなのか?

材料費が膨らむ5つの原因

1. 無駄遣いが多い

  • シャンプーやトリートメントの使いすぎ
  • カラー剤の調合ミスによる廃棄
  • 開封後の保存不良による品質劣化

2. 仕入れ方法が非効率

  • 小ロット購入による単価の高騰
  • 複数業者からの購入で配送費が重複
  • 在庫管理ができておらず、重複購入

3. 適正量が分からない

  • お客様の髪質・髪量に関係なく一律の使用量
  • 効果が変わらないのに必要以上に使用
  • 「多めに使った方が安心」という間違った認識

4. 高価な材料に依存

  • ブランド料だけで選んでいる
  • 同等品質の安価な代替品を知らない
  • 営業マンの言葉を鵜呑みにして購入

5. 廃棄ロスが多い

  • 使用期限の管理不足
  • 開封後の保存方法が不適切
  • 在庫の回転が悪い

あなたのお店の材料費率、適正ですか?

美容室の材料費率目安

  • 理想的:売上の20-25%
  • 許容範囲:売上の25-30%
  • 要改善:売上の30%以上

もし30%を超えている場合は、今すぐ改善が必要です!

即効性抜群!今すぐできる無駄削減テクニック

テクニック1:使用量の適正化

シャンプーの適正使用量

現状の問題 多くの美容室で、
髪の長さに関わらず「ワンプッシュ」で統一

改善後の使用量

ショートヘア:0.5プッシュ
ミディアムヘア:0.8プッシュ
ロングヘア:1.2プッシュ

節約効果
月額材料費:約8,000円〜12,000円削減

お客様への伝え方
「お客様の髪質と長さに合わせて、最適な量を使わせていただきますね」

テクニック2:カラー剤の調合改善

正確な計量で廃棄ゼロ

改善前

  • 目分量で調合
  • 余ったら廃棄
  • 足りなくなったら追加調合

改善後

【髪の長さ別カラー剤使用量表】
ショート:40g
ミディアム:60g
ロング:80g
スーパーロング:100g

【根元リタッチの場合】
上記の50%の量で十分

計量器の活用

  • デジタル計量器導入(3,000円程度)
  • 1g単位での正確な計量
  • 無駄な廃棄を完全防止

節約効果
月額材料費:約15,000円〜20,000円削減

テクニック3:希釈可能な材料の見直し

意外と知らない希釈のコツ

希釈可能な材料例

  • トリートメント:多くの製品が2-3倍希釈可能
  • 一部のシャンプー:業務用は希釈前提の濃縮タイプ
  • スタイリング剤:適度な希釈で使いやすさアップ

正しい希釈方法

【トリートメントの場合】
原液1:精製水2の割合
よく混ぜて、24時間以内に使用
効果は原液とほぼ同等

節約効果 月額材料費:約5,000円〜8,000円削減

中級編:仕入れ改善で大幅コストダウン

業者選定の見直し

複数業者からの相見積もり

見直しポイント

  • 同じ商品でも業者によって価格が大きく違う
  • まとめ買い割引の活用
  • 配送費込みの価格で比較

実際の価格差例

シャンプー1Lボトル
A業者:3,200円
B業者:2,800円
C業者:2,500円(まとめ買い時)

年間使用量50本として...
年間節約額:35,000円

共同購入システムの活用

近隣サロンとの連携

共同購入のメリット

  • 大容量パックが購入可能
  • 配送費の分割
  • 業者との価格交渉力アップ

実施方法

  1. 近隣の信頼できるサロン2-3店舗と連携
  2. 月1回まとめて発注
  3. 各店舗の使用量に応じて分配

節約効果
月額材料費:約10,000円〜15,000円削減

プライベートブランド商品の活用

OEM商品という選択肢

プライベートブランド商品とは

  • 有名ブランドと同じ工場で製造
  • パッケージやブランド名が違うだけ
  • 品質は同等、価格は30-50%安い

導入例

有名ブランドシャンプー:4,500円/1L
OEM同等品:2,700円/1L
→40%のコストダウン!

お客様への説明
「当店オリジナルの高品質シャンプーです」
「サロン専用に特別に調合したものです」

上級編:在庫管理と品質維持の両立

科学的在庫管理システム

ABC分析による在庫最適化

商品分類

【Aランク商品】(使用頻度高)
毎日使用するシャンプー、トリートメント
→ 大容量購入でコストダウン

【Bランク商品】(使用頻度中)
カラー剤、パーマ液の主力商品
→ 適正在庫で回転率重視

【Cランク商品】(使用頻度低)
特殊カラー、季節限定商品
→ 最小ロット購入、都度調達

在庫回転率の目標

  • Aランク:月4回転以上
  • Bランク:月2回転以上
  • Cランク:月1回転以上

品質劣化防止システム

保存方法の改善

温度管理

  • 夏場の高温を避ける保管場所
  • 直射日光の当たらない場所
  • 適度な湿度管理

開封後管理ルール

【使用期限の見える化】
開封日をラベルに記入
月単位で期限をチェック
古いものから優先使用

容器の工夫

  • 大容量商品は小分け容器に移す
  • 空気に触れる面積を最小化
  • 清潔な容器を使用

実際の成功事例

Eサロンの材料費改革

改革前の状況

  • 月商:120万円
  • 材料費:42万円(35%)
  • 主な問題:無駄が多い、仕入れが非効率

実施した対策

  1. 使用量の適正化とスタッフ教育
  2. 主要業者の見直しと価格交渉
  3. 近隣2店舗との共同購入開始
  4. 在庫管理システムの導入
  5. OEM商品への一部切り替え

改革後の結果

  • 月商:125万円(売上もアップ)
  • 材料費:28万円(22.4%)
  • 年間削減額:168万円

オーナーのコメント
「最初は品質が心配でしたが、
お客様からの評価は以前より良くなりました。
浮いたお金で新しい技術研修にも参加できるようになり、
サロン全体のレベルアップにつながっています!」

スタッフ教育で持続的改善

材料費意識の共有

スタッフへの教育ポイント

コスト意識の醸成

  • 材料費が利益に直結することを説明
  • 無駄遣いが給与やボーナスに影響することを理解
  • 節約の成果を数字で共有

正しい使用方法の習得

【研修内容】
1. 髪質・髪量に応じた適正使用量
2. 正確な計量方法
3. 材料の保存方法
4. 無駄を出さない作業手順

インセンティブ制度の導入

材料費削減ボーナス

  • 月間材料費削減目標を設定
  • 達成時はスタッフにインセンティブ
  • 改善提案をした人には特別手当

改善提案制度

  • スタッフからの節約アイデアを募集
  • 採用されたアイデアには報奨金
  • 年間最優秀提案者には特別賞

品質を保つための注意点

絶対に削ってはいけないポイント

1. お客様に直接触れる材料の品質

  • シャンプーの洗浄力
  • トリートメントの補修効果
  • カラー剤の発色と持続性

2. 安全性に関わる部分

  • アレルギーテスト用パッチ
  • 消毒・殺菌用品
  • 手袋などの衛生用品

3. 技術の精度に影響する材料

  • カラー剤の調合精度
  • パーマ液の反応時間
  • カットの仕上がりに影響するスタイリング剤

品質チェック体制

定期的な品質確認

  • 月1回の材料品質チェック
  • お客様からのフィードバック収集
  • スタッフからの使用感レポート

問題発生時の対応

  • 品質に問題があれば即座に使用中止
  • 代替品への切り替え手順の確立
  • お客様への謝罪と再施術の準備

今すぐ始められる材料費削減アクションプラン

今週やること

月曜日

  • [ ] 現在の材料費を正確に計算(3ヶ月分)
  • [ ] 主要材料の使用量を記録開始

火曜日

  • [ ] シャンプー・トリートメントの適正使用量を決定
  • [ ] カラー剤の計量器を購入

水曜日

  • [ ] スタッフに適正使用量をレクチャー
  • [ ] 希釈可能な材料をリストアップ

木曜日

  • [ ] 主要業者に価格の再交渉を依頼
  • [ ] 近隣サロンに共同購入を相談

金曜日

  • [ ] 1週間の成果をチェック
  • [ ] 来週の改善点を検討

1ヶ月後の目標設定

短期目標(1ヶ月)

  • 材料費率5%削減
  • スタッフの適正使用が習慣化
  • 無駄遣いの完全防止

中期目標(3ヶ月)

  • 材料費率15%削減
  • 新仕入れ先との取引開始
  • 在庫管理システム稼働

長期目標(6ヶ月)

  • 材料費率20%削減達成
  • 年間削減額100万円以上
  • 品質評価の向上

よくある質問と解決法

Q: 「安い材料に変えてお客様にバレませんか?」

A: 品質が同等なら問題ありません。
むしろ「コストパフォーマンスの良い商品を選んで、
お客様により良いサービスを提供している」と胸を張って言えます。

Q: 「スタッフが面倒がって続かないのでは?」

A: 最初は習慣化するまで声かけが必要ですが、
削減効果をスタッフと共有し、インセンティブを設けることで継続できます。

Q: 「品質が下がって売上に影響しませんか?」

A: 正しい方法で行えば品質は維持できます。
むしろ、浮いたコストで技術研修や新サービス開発に投資することで、
売上アップにつながります。

Q: 「計量とか面倒で時間がかかりませんか?」

A: 慣れれば1-2分で完了します。
その手間で月数万円の削減ができると考えれば、
十分に価値があります。

まとめ:材料費削減は利益率向上の王道

材料費の削減は、売上を上げなくても確実に利益を増やせる方法です。

材料費削減の5つのメリット

  1. 即座に利益改善:削減した分がそのまま利益増加
  2. 持続的効果:一度改善すれば毎月効果が続く
  3. 技術向上:正確な計量で技術の精度がアップ
  4. スタッフ教育:コスト意識とプロ意識が向上
  5. 再投資原資:浮いたお金で更なる改善投資

段階的な取り組みがポイント

【第1段階】無駄の削減(今すぐ)
適正使用量、計量の徹底

【第2段階】仕入れ改善(1ヶ月後)
業者見直し、共同購入

【第3段階】システム化(3ヶ月後)
在庫管理、品質管理体制

成功の3つの鍵

  1. スタッフ全員の理解と協力
  2. 品質を絶対に下げない意識
  3. 継続的な改善と見直し

年間100万円の材料費削減ができれば、
新しい機器の購入や店舗改装、
スタッフの待遇改善など、様々な投資が可能になります。

まずは今日から、シャンプーの使用量を見直すことから始めてみませんか?
半年後、きっとあなたも
「材料費を見直して本当に良かった!」と実感しているはずです。

今日からできること

  1. 現在の材料費率を正確に把握する
  2. 主要材料の適正使用量を決める
  3. スタッフと削減目標を共有する

品質を保ちながら利益を増やす。
それが真のプロフェッショナルです!

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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