オプションメニューの上手な提案タイミング

オプションメニューの上手な提案タイミング

「オプションメニューを提案しても、いつも断られてしまう…」
「どのタイミングで提案すればいいのか分からない」

オプションメニューの提案で悩む美容師は本当に多いです。
でも実は、提案するタイミングを変えるだけで、
成功率を3倍以上に上げることができるんです!

この記事では、オプション提案成功率を
25%から80%に向上させた美容室の実例とともに、
最適な提案タイミングをお教えします。

目次

成功事例:M美容室のタイミング革命

改善前:タイミングを意識しない提案

M美容室の状況(改善前)

  • オプションメニュー提案成功率:25%
  • 月間オプション売上:15万円
  • スタッフの悩み:「提案しても断られる」「タイミングが掴めない」

従来の提案パターン

来店 → カウンセリング → 「トリートメントはいかがですか?」
施術中 → 「ヘッドスパもできますが...」
仕上げ時 → 「今度は○○もどうですか?」

結果:ほとんどが「今日は大丈夫です」で終了

改善後:戦略的タイミングで劇的変化

M美容室の成果(改善後)

  • オプションメニュー提案成功率:80%(3.2倍向上)
  • 月間オプション売上:48万円(3.2倍向上)
  • スタッフの声:「お客さんから『お願いします』と言われるようになった」

新しい提案パターン

髪質チェック → 問題発見 → 解決策提示 → 自然な受諾
施術中の実感 → 効果確認 → 追加提案 → 積極的な利用
仕上がり確認 → 満足表現 → 継続提案 → 次回予約

なぜこんなに変わったのか?

成功の5つのポイント

  1. お客さんの「問題認識」後に提案
  2. 効果を実感している瞬間を狙う
  3. 満足度が高いタイミングでの提案
  4. お客さんから質問が出たタイミング
  5. 次回へのつながりを意識した提案

オプション提案の心理学

お客さんが「YES」と言いやすい心理状態

1. 問題を認識した直後

心理状態:「何とかしたい」「解決したい」
提案効果:★★★★★
理由:解決策への強いニーズがある

2. 効果を実感している最中

心理状態:「すごい」「気持ちいい」
提案効果:★★★★☆
理由:効果への期待値が高まっている

3. 満足感が高い瞬間

心理状態:「嬉しい」「満足」「ありがたい」
提案効果:★★★★☆
理由:美容師への信頼感が最高潮

4. 質問・相談をしたタイミング

心理状態:「知りたい」「相談したい」
提案効果:★★★★☆
理由:積極的に情報を求めている

お客さんが「NO」と言いやすい心理状態

❌ 避けるべきタイミング

・来店直後(まだ準備ができていない)
・急いでいる時(時間的余裕がない)
・会計直前(お金の話で気持ちが下がる)
・不満を感じている時(信頼関係が低下)
・前回断られた直後(まだ心境に変化なし)

施術段階別:最適な提案タイミング

【来店〜カウンセリング段階】

◎ 最適タイミング:髪質チェック後

タイミングの見極め方

美容師:「○○さん、髪を触らせていただいて
気づいたことがあるんです。
一緒に確認してみませんか?」

(鏡で一緒に髪を確認)

美容師:「ここの部分、少し乾燥していますね。
普段、何か気になることはありませんか?」

お客さん:「そうなんです、まとまりが悪くて...」

美容師:「それでしたら、今日カットと一緒に
髪の内部から潤いを補給する
トリートメントはいかがでしょうか?」

成功率:75%

❌ 避けるべきタイミング:いきなりの提案

美容師:「今日はトリートメントもいかがですか?」
お客さん:「う〜ん、どうしようかな...」
→ 必要性を感じていない状態での提案

【施術中段階】

◎ 最適タイミング:効果を実感している瞬間

カラー待ち時間の提案例

(カラー塗布後、待ち時間中)

美容師:「カラーの浸透を待っている間、
頭皮マッサージはいかがですか?

血行が良くなると、カラーの発色も
良くなるんですよ。」

お客さん:「それはいいですね、お願いします」

(ヘッドマッサージ実施中)

お客さん:「わ〜、気持ちいい!」

美容師:「○○さん、とても血行が良くなりましたね。
実は、定期的にこのケアをすると
髪質がどんどん良くなるんです。

今度、少し時間のある時に
本格的なヘッドスパコースも
体験してみませんか?」

成功率:85%

◎ 最適タイミング:お客さんからの質問後

お客さん:「この香り、何ですか?すごくいい匂い」

美容師:「ありがとうございます。
これは○○の精油を使ったトリートメントなんです。

香りだけでなく、髪の修復効果も高くて、
○○さんの髪質にとても合うと思います。

今日、少し時間に余裕があるようでしたら
試してみませんか?」

成功率:90%

【仕上げ段階】

◎ 最適タイミング:仕上がりに満足している瞬間

仕上がり確認時の提案

美容師:「○○さん、いかがでしょうか?」

お客さん:「わ〜、すごくいいですね!
ツヤツヤになってる!」

美容師:「良かったです!
今日のトリートメントの効果ですね。

実は、この美しさをできるだけ長く
キープしていただくために、
ホームケア用のトリートメントも
あるんです。

サロンで使っているものと
同じ成分で作られているので、
効果が持続しやすいんですよ。」

成功率:70%

◎ 最適タイミング:スタイリング指導中

美容師:「○○さん、普段のスタイリングは
どのようにされていますか?」

お客さん:「朝、いつもうまくいかなくて...」

美容師:「実は、スタイリングのコツがあるんです。
今日お教えしますね。

(指導しながら)

これだけでも随分変わりますが、
もっと楽にスタイリングできる
ベース作りの方法もあるんです。

次回、ヘアベースケアも
試してみませんか?」

成功率:75%

メニュー別:最適提案タイミング

トリートメント提案

ベストタイミング1:髪質診断直後

診断結果 → 問題の指摘 → 解決策提示
「パサつきの原因は○○ですね。
内部から補修するトリートメントで
解決できますよ」

ベストタイミング2:シャンプー中

シャンプー中の髪の感触確認
「やはり乾燥していますね。
今日しっかりケアしましょうか?」

ヘッドスパ提案

ベストタイミング1:疲労の兆候を察知

お客さんの様子観察 → 疲労確認 → 提案
「お疲れのようですね。
頭皮マッサージでリフレッシュしませんか?」

ベストタイミング2:カラー・パーマ待ち時間

待ち時間の有効活用提案
「待ち時間を利用して、
ヘッドスパはいかがですか?」

眉カット提案

ベストタイミング:カット仕上げ時

顔まわりのバランス確認
「髪型がとても似合っていますね。
眉毛も整えると、さらに印象が良くなりますよ」

ホームケア商品提案

ベストタイミング1:効果実感時

施術効果の確認 → 持続方法の説明 → 商品提案
「この効果を持続させるには、
お家でのケアが大切なんです」

ベストタイミング2:お悩み相談時

お客さんからの質問 → 詳しい説明 → 商品提案
「実は、それ専用のケア商品があるんです」

タイミング別提案トーク集

問題発見直後の提案

乾燥・パサつき発見時

「○○さん、髪を触らせていただいて
気になることがあります。

少し乾燥していて、これが原因で
まとまりにくくなっているんですね。

今日は、髪の内部に潤いを補給する
トリートメントで改善しませんか?

1回で手触りが全然変わりますよ。」

頭皮トラブル発見時

「頭皮の状態を確認させていただくと、
少し血行が悪くなっているようですね。

これが続くと、髪のボリュームにも
影響する可能性があります。

今日、頭皮の血行を改善する
スペシャルケアをしませんか?」

効果実感中の提案

トリートメント効果実感時

「○○さん、触ってみてください。
手触りが全然違いますよね?

この効果を1ヶ月間持続させる
ホームケアセットがあるんです。

サロンと同じ成分で、
お家でも同じケアができますよ。」

ヘッドスパ効果実感時

「すごく血行が良くなりましたね。
お顔の色も明るくなっています。

実は、定期的にこのケアを続けると、
髪質がどんどん改善されるんです。

月1回のペースでいかがですか?」

満足度が高い時の提案

仕上がりに満足している時

「○○さん、すごく似合っていますね!
やはり髪がツヤツヤだと印象が違います。

この美しさを維持するために、
次回はもう少し早めに
メンテナンスにいらしませんか?

3週間後くらいがベストタイミングです。」

質問・相談を受けた時の提案

ホームケア相談時

お客さん:「家でのお手入れ、何をしたらいいですか?」

美容師:「そうですね、○○さんの髪質だと
まずは保湿が一番重要です。

実は、今日使ったトリートメントと
同じ成分のホームケア商品があるんです。

週2回使うだけで、サロンの仕上がりが
長持ちしますよ。」

提案成功率を上げる5つのコツ

コツ1:お客さんの状態をよく観察する

観察ポイント

・髪質の状態(乾燥、ダメージ、ボリューム)
・頭皮の状態(血行、皮脂バランス)
・疲労度(表情、姿勢、会話)
・時間的余裕(急いでいるか、リラックスしているか)
・満足度(表情、反応、コメント)

コツ2:問題を一緒に発見する

❌ 一方的な指摘

「髪が傷んでいますね」
「乾燥していますね」

✅ 一緒に確認

「一緒に髪の状態を確認してみませんか?」
「ここの部分、どう感じますか?」
「普段、何か気になることはありませんか?」

コツ3:解決策の効果を具体的に説明

抽象的な説明

「髪がきれいになります」
「良くなりますよ」

具体的な説明

「手触りが柔らかくなって、
朝のスタイリング時間が半分になります」

「ツヤが出て、3週間は美しい状態が
続きます」

コツ4:選択肢を提示する

押し付け感のある提案

「トリートメントをしましょう」
「これが必要です」

選択肢のある提案

「3つの方法があります」
「AとBどちらがお好みですか?」
「今日するか、次回にするか選べます」

コツ5:断られても関係性を維持する

断られた時の対応

「分かりました。またの機会に。
今日はカットを最高に仕上げますね。

もし何か気になることがあったら、
いつでもご相談ください。」

失敗パターンと改善法

失敗パターン1:タイミングが早すぎる

❌ 失敗例

来店直後:「今日はトリートメントもいかがですか?」
→ まだ必要性を感じていない

✅ 改善法

髪質チェック後:「乾燥が原因でまとまりにくく
なっているようですね。内部から潤いを補給
するトリートメントで解決できますよ」

失敗パターン2:タイミングが遅すぎる

❌ 失敗例

会計時:「次回はトリートメントもどうですか?」
→ もう気持ちが帰ることに向いている

✅ 改善法

仕上がり確認時:「今日のトリートメント効果、
実感していただけましたか?この美しさを
維持するために、定期的なケアがおすすめです」

失敗パターン3:お客さんの状況を無視

❌ 失敗例

急いでいるお客さんに:「ヘッドスパはいかがですか?」
→ 時間的余裕がない

✅ 改善法

「今日はお忙しそうですね。
10分でできるクイックケアがありますが、
いかがでしょうか?」

継続利用につなげる提案タイミング

効果を実感してもらった直後

継続提案の例

「○○さん、今日のトリートメント効果は
いかがでしたか?

この状態をキープするには、
月1回のペースがおすすめなんです。

次回のご予約はいかがですか?」

季節の変わり目

季節提案の例

「そろそろ季節が変わりますね。
髪も環境の変化に合わせて
ケア方法を変える必要があるんです。

次回は季節に合わせたメニューを
ご提案させていただきますね。」

今日から実践するタイミング改善

今日から意識すること

1. お客さんの観察力向上

□ 髪質状態の詳細チェック
□ 疲労度・表情の観察
□ 会話内容への注意
□ 反応・満足度の確認

2. 提案タイミングの記録

□ 成功した提案のタイミング記録
□ 失敗した提案の分析
□ お客さんの反応パターン把握
□ 改善点の洗い出し

今週実践すること

1. ベストタイミングでの提案

□ 髪質チェック後の提案
□ 効果実感時の追加提案
□ 満足度が高い時の継続提案
□ 質問を受けた時の商品提案

2. 提案方法の改善

□ 問題を一緒に発見する手法
□ 具体的な効果説明
□ 選択肢のある提案
□ 断られた時の対応改善

よくある質問と回答

Q:提案するタイミングを逃してしまうことが多いです

A:最初は「髪質チェック後」と
「効果実感時」の2つのタイミングに集中しましょう。
慣れてから他のタイミングも加えていけば大丈夫です。

Q:お客さんが急いでいる時はどうすればいいですか?

A:無理に提案せず、
「今度お時間のある時に」と次回への布石を打つ程度に留めましょう。
急いでいる時の提案は成功率が低いです。

Q:一度断られたお客さんには提案しにくいです

A:前回とは違う角度から、
別の悩みやニーズを見つけて提案してみてください。
時間が経てばお客さんの状況も変わります。

Q:どのくらいの頻度で提案すれば良いですか?

A:毎回何かしら提案するのではなく、
適切なタイミングとニーズがある時だけ提案しましょう。
質の高い提案を心がけることが重要です。

まとめ:タイミングを制する者がオプション提案を制す

オプションメニューの提案成功は、タイミングが全てです。

成功のタイミング

  • 問題を認識した直後
  • 効果を実感している瞬間
  • 満足度が高い時
  • 質問・相談を受けた時
  • 仕上がりに喜んでいる時

成功のポイント

  • お客さんの状態をよく観察
  • 問題を一緒に発見
  • 具体的な効果説明
  • 選択肢のある提案
  • 関係性を重視した対応

重要なこと
オプション提案は「売りつけること」ではありません。
お客さんの美容と健康をサポートし、
より良いサービス体験を提供することです。
適切なタイミングで心を込めて提案すれば、
お客さんに必ず喜んでもらえます。


あなたも今日から、
タイミングを意識したオプション提案を始めてみませんか?

最初は慣れないかもしれませんが、
お客さんの反応をよく観察して、ベストタイミングを見つけてください。
3ヶ月後には、提案成功率が大幅に向上し、
お客さんからも「いつもありがとう」と感謝されるようになっているはずです!

タイミングを制して、
お客さんに愛される美容師を目指しましょう。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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