高単価メニューをお客さんに選んでもらう話し方
「高いメニューを勧めるのは申し訳ない…」
「断られたらどうしよう…」
多くの美容師が高単価メニューの提案を躊躇しています。
でも実は、正しい話し方をすれば、
お客さんから「そのメニューをお願いします!」と言ってもらえるんです。
この記事では、押し売りではなく、
お客さんに喜んで高単価メニューを選んでもらう話し方の技術をお教えします。
驚きの実例:提案方法を変えただけで客単価倍増
W美容室の奇跡的な変化
【改善前】高単価メニューが売れない状況
- 平均客単価:4200円
- トリートメント提案成功率:20%
- ヘッドスパ提案成功率:10%
- 高単価メニュー利用率:15%
【改善後】話し方を変えただけで
- 平均客単価:7800円(3600円アップ)
- トリートメント提案成功率:80%
- ヘッドスパ提案成功率:65%
- 高単価メニュー利用率:70%
何を変えたのか?
「メニューを売る」のではなく
「お客さんの悩みを解決する」話し方に変更しただけです。
従来の失敗パターン
❌ 間違った提案の仕方
美容師:「トリートメントはいかがですか?」
お客さん:「いえ、大丈夫です」
美容師:「そうですか...」
(終了)
なぜ失敗するのか
- メニュー名だけを提案している
- お客さんのメリットを伝えていない
- 必要性を感じてもらえていない
- 選択の理由がない
成功する提案パターン
✅ 正しい提案の仕方
美容師:「○○さん、髪の毛を触らせていただいて気づいたのですが、
毛先が少し乾燥していらっしゃいますね。
もしかして、朝のスタイリングが決まりにくいことはありませんか?」
お客さん:「そうなんです!最近まとまらなくて...」
美容師:「やはりそうでしたね。実は今日、○○さんの髪質に
ぴったりのトリートメントがあるんです。
これをすると、明日の朝から髪がまとまりやすくなって、
スタイリング時間が半分になりますよ。
一度試してみませんか?」
お客さん:「それはいいですね!お願いします」
高単価メニュー提案の心理学
お客さんの心理パターン
提案を断る理由
- 必要性を感じない(80%)
- 価格が高いと感じる(15%)
- 時間がない(5%)
重要なのは、価格が理由で断る人は実は少ないということです。
ほとんどの場合、必要性を感じてもらえていないだけなのです。
人が購入を決める心理プロセス
問題の認識
↓
解決策の理解
↓
信頼できる相手かの判断
↓
費用対効果の納得
↓
購入決定
この流れに沿って話すことで、自然に高単価メニューを選んでもらえます。
高単価メニュー提案の5ステップ話法
ステップ1:問題の発見と共有
お客さんの問題を見つけて、一緒に確認する
髪質チェック話法
「○○さん、今日お髪を触らせていただいて、
気になったことがあるんです。
もしよろしければ、一緒に確認してみませんか?
(鏡を使って一緒に確認)
ここの部分、少し乾燥していて、
毛先がパサついていらっしゃいますね。
普段、何かお困りのことはありませんか?」
ライフスタイル確認話法
「○○さんは朝のお出かけ準備、
どのくらい時間をかけていらっしゃいますか?
ヘアスタイリングに時間がかかったり、
思うようにまとまらなかったりすることは
ありませんか?」
季節・環境要因話法
「この季節、髪の乾燥が気になりませんか?
エアコンの影響で、髪がパサつきやすく
なっているお客さんが多いんです。
○○さんはいかがですか?」
ステップ2:原因の説明と解決策の提示
なぜその問題が起きているのかを分かりやすく説明
乾燥問題の場合
「実は、髪の乾燥の原因は2つあるんです。
1つ目は、髪の内部の水分が不足していること。
2つ目は、髪の表面のキューティクルが
傷んでいることです。
普通のシャンプーやコンディショナーでは、
表面しかケアできないので、
根本的な解決にならないんですね。
でも、今日ご提案したいトリートメントは、
髪の内部まで栄養を届けて、
キューティクルも整えてくれるんです。」
スタイリング問題の場合
「朝のスタイリングがうまくいかない理由は、
髪の水分バランスが崩れているからなんです。
夜にきれいにセットしても、
寝ている間に髪が乾燥して、
朝にはバランスが崩れてしまう。
だから毎朝、一からスタイリングし直すことに
なってしまうんですね。
今日のトリートメントで髪の水分バランスを整えると、
寝癖がつきにくくなって、
朝のスタイリングがとても楽になりますよ。」
ステップ3:具体的なメリットの提示
お客さんの生活がどう良くなるかを具体的に伝える
時間的メリット
「このトリートメントをすると、
明日の朝から変化を実感していただけます。
いつものスタイリング時間が半分になって、
その分、朝がゆっくりできますよ。
忙しい○○さんには、特におすすめです。」
美容的メリット
「仕上がりは、今よりもツヤとまとまりが出て、
『髪がきれいですね』と言われることが
増えると思います。
特に○○さんの髪質だと、
効果が出やすいんです。」
経済的メリット
「実は、このトリートメント効果は
約1ヶ月持続するんです。
毎日のスタイリング剤を使う量も減りますし、
髪が傷みにくくなるので、
長期的にはとてもお得なんですよ。」
ステップ4:社会的証明と安心感の提供
他のお客さんの成功例や専門的な根拠を示す
お客さんの声
「実は、○○さんと同じような髪質の
お客さんにこのトリートメントをしたところ、
『朝の支度が本当に楽になった』
『髪を褒められることが増えた』
とおっしゃっていただいています。」
専門的根拠
「このトリートメントは、
美容業界でも話題の○○成分が配合されていて、
髪の深部まで浸透する特別な技術を
使っているんです。
私も研修で詳しく学んだのですが、
効果の持続性が違うんですね。」
リスクの軽減
「もし効果を実感していただけなかった場合は、
次回来店時にご相談ください。
○○さんの髪質に合った別の方法を
一緒に考えさせていただきます。」
ステップ5:自然な決断の促進
強引ではなく、自然に決断してもらう
選択の提示
「○○さんの場合、2つの選択肢があります。
1つは、今日はカットだけで終わりにして、
いつも通りのヘアケアを続ける方法。
もう1つは、今日しっかりとトリートメントをして、
明日から楽なヘアスタイリングを手に入れる方法。
どちらがよろしいでしょうか?」
背中押し話法
「○○さんの髪質なら、
きっと効果を実感していただけると思います。
せっかくの機会ですし、
一度試してみませんか?」
限定性の提示
「実は、このトリートメントの材料が
特別なもので、いつでもできるわけでは
ないんです。
今日はたまたま在庫があるので、
もしご興味があれば、今日がチャンスです。」
メニュー別提案トーク集
トリートメント提案
ダメージヘア向け
「○○さん、カラーをされているので、
髪に負担がかかっているのが気になります。
実は、今のうちにしっかりケアをしておくと、
次回のカラーの発色も良くなるんです。
髪が健康になると、カラーが長持ちして、
美容室に来る頻度も調整できますよ。
今日、集中ケアトリートメントは
いかがでしょうか?」
乾燥毛向け
「○○さんの髪、触ってみるとしっとり感が
足りない感じがしますね。
この時期、エアコンの影響で
乾燥しやすくなっているんです。
今日、内側から潤いを補給する
スペシャルトリートメントで、
しっとりまとまる髪にしませんか?
効果は約1ヶ月続きますよ。」
ヘッドスパ提案
リラクゼーション重視
「○○さん、お疲れの様子ですね。
最近、よく眠れていますか?
実は、頭皮マッサージをすると、
血行が良くなって、リラックス効果があるんです。
今日は時間もありますし、
ヘッドスパでリフレッシュされませんか?
終わった後、体が軽くなりますよ。」
頭皮ケア重視
「○○さん、頭皮の状態を確認させて
いただいてもよろしいですか?
(確認後)
少し皮脂が多めで、毛穴が詰まり気味ですね。
このままだと、髪のボリュームにも
影響する可能性があります。
今日、プロの頭皮クレンジングで
しっかりケアしませんか?
頭皮が健康になると、髪もツヤツヤになります。」
カラーグレードアップ提案
色持ち重視
「○○さん、いつものカラーも素敵ですが、
今日は特別なカラー剤をおすすめしたいんです。
髪への負担が少なくて、色持ちが
普通のカラーの1.5倍良いんです。
次回まで美しい色をキープできるので、
結果的にお得になりますよ。
一度試してみませんか?」
仕上がり重視
「○○さんの肌色に、もっと似合う色が
作れるカラー剤があるんです。
普通のカラーより少し価格は上がりますが、
仕上がりのツヤと発色が全然違うんです。
きっと周りの人から
『髪色素敵ですね』と言われますよ。
せっかくですから、試してみませんか?」
提案が成功する美容師の特徴
特徴1:お客さんの話をよく聞く
成功する美容師の聞き方
- お客さんの話を最後まで聞く
- 相づちを適切に打つ
- 質問で悩みを深掘りする
- 共感の言葉をかける
具体例
お客さん:「最近髪がまとまらなくて...」
成功する美容師:
「そうなんですね。それは大変ですね。
朝のスタイリングに時間がかかって
しまいますよね。
どのくらい前からそう感じるように
なられましたか?」
特徴2:専門知識を分かりやすく説明
技術的な説明の仕方
- 専門用語を使わない
- 具体的な例で説明する
- ビフォーアフターを想像させる
- 体験談を交える
特徴3:お客さんの立場で考える
お客さん目線の提案
- 予算を考慮した提案
- ライフスタイルに合わせた提案
- 時間的制約への配慮
- 将来的なメリットの説明
断られた時の対応法
パターン1:「高い」と言われた場合
対応例
「おっしゃる通り、普通のトリートメントより
価格は上がります。
ただ、効果の持続期間で考えると、
1日あたり○○円なんです。
毎日のコーヒー1杯分で、
1ヶ月間美しい髪をキープできると
考えると、いかがでしょうか?
もちろん、ご無理はなさらないでくださいね。」
パターン2:「時間がない」と言われた場合
対応例
「お時間のこと、おっしゃる通りですね。
実は、短時間でできるクイックトリートメント
もあるんです。
効果は通常の8割程度ですが、
時間は半分で済みます。
もしよろしければ、こちらはいかがですか?」
パターン3:「今度でいい」と言われた場合
対応例
「そうですね、次回でも大丈夫です。
ただ、髪のダメージは進行してしまうので、
できれば早めのケアがおすすめなんです。
今日は無理でも、2週間以内に
いらしていただけませんか?
その時まで、お家でできるケア方法も
お教えしますね。」
高単価メニュー提案の注意点
注意点1:押し売りにならない
NGな提案
- 断られても何度も勧める
- 価格を強調しすぎる
- お客さんの話を聞かない
- 一方的に説明する
OKな提案
- お客さんの気持ちを尊重する
- 価値を中心に説明する
- お客さんの反応を見ながら進める
- 選択肢を提示する
注意点2:信頼関係が前提
信頼関係の築き方
- 技術力でお客さんを満足させる
- 約束は必ず守る
- お客さんのことを覚えている
- 誠実な対応を心がける
注意点3:適切なタイミング
提案に適したタイミング
- カウンセリング中
- 施術中の自然な流れ
- 仕上がりを確認している時
- お客さんがリラックスしている時
避けるべきタイミング
- 急いでいる時
- 機嫌が悪そうな時
- 会計直前
- 他のお客さんがいる時
実践トレーニング方法
練習方法1:鏡に向かって練習
やり方
- 鏡に向かってお客さん役を想定
- 今日学んだ5ステップで提案
- 表情や話し方を確認
- 自然さを重視して練習
練習方法2:スタッフ同士でロールプレイ
練習内容
- 様々なお客さんタイプを想定
- 断られた時の対応も練習
- お互いにフィードバック
- 自然な会話を意識
練習方法3:実際のお客さんで段階的実践
実践ステップ
- まずは信頼関係のあるお客さんから
- 軽いメニューから提案開始
- 成功体験を積み重ねる
- 徐々に高単価メニューに挑戦
成功事例:個人美容室の変化
X美容室:一人美容室の成功例
改善前
- 平均客単価:3800円
- 高単価メニュー利用率:10%
- 月間売上:76万円
話し方改善後(3ヶ月)
- 平均客単価:6200円(2400円アップ)
- 高単価メニュー利用率:60%
- 月間売上:98万円(22万円アップ)
オーナーの感想
「最初は高いメニューを勧めるのが申し訳なくて。
でも、お客さんの悩みを解決することを最優先に考えて話すようになったら、
逆に『相談してよかった』と言ってもらえるようになりました。
今では、お客さんの方から『何かいいメニューはない?』
と聞いてくれることも多いです。」
今日から実践する高単価メニュー提案
今日やること
1. お客さんの観察力を高める
- 髪の状態をよく見る
- 生活スタイルを聞く
- 悩みのサインを察知する
2. 提案トークを覚える
- 今日学んだ5ステップを復習
- 自分の言葉でアレンジ
- 自然に話せるまで練習
今週やること
1. 1日1回は高単価メニューを提案
- 最初は断られても気にしない
- 経験を積み重ねる
- お客さんの反応を観察
2. 成功例を記録
- どんな話し方で成功したか
- お客さんのタイプと反応
- 改善点の発見
今月やること
1. 提案スキルの向上
- 成功率を測定
- 話し方の改善
- 新しいトークの開発
2. 結果の確認
- 客単価の変化
- 売上への影響
- お客さん満足度
よくある質問と回答
Q:断られるのが怖くて提案できません
A:最初は誰でも怖いものです。
まずは「お客さんのために」という気持ちを大切に。
断られても、お客さんの選択を尊重する姿勢があれば大丈夫です。
Q:どのお客さんに提案すればいいですか?
A:まずは信頼関係のある常連客から始めましょう。
髪の悩みがありそうな方や、
美容に関心の高い方が提案しやすいです。
Q:価格の説明はどうすればいいですか?
A:価格そのものより、その価値や効果を中心に説明しましょう。
「1日あたり○○円」など、身近な例で比較すると理解されやすいです。
Q:提案を断られた時の気持ちの切り替え方は?
A:断られることは悪いことではありません。
お客さんの選択を尊重し、次回また良い提案ができるよう準備しましょう。
まとめ:お客さんに喜ばれる高単価メニュー提案
高単価メニューの提案は「売る」ことではなく
「お客さんの悩みを解決する」ことです。
成功のポイント
- お客さんの話をよく聞く
- 問題を一緒に発見する
- 解決策を分かりやすく説明
- 具体的なメリットを伝える
- 自然な流れで決断を促す
提案スキル向上の効果
- 客単価の大幅アップ
- お客さん満足度の向上
- 美容師としてのやりがい向上
- 売上・利益の増加
- お客さんとの関係深化
重要なこと
正しい提案は、お客さんにとってもメリットがあります。
美容師としての専門知識を活かして、
お客さんの美と悩み解決のお手伝いをする。
これが高単価メニュー提案の本質です。
あなたも今日から、
お客さんに喜ばれる高単価メニュー提案を始めてみませんか?
最初は緊張するかもしれませんが、
お客さんのことを第一に考えて話せば、
必ず良い結果が出ます。
3ヶ月後には、今よりもっと充実した美容師ライフと、
安定した売上が実現しているはずです!
お客さんの笑顔と「ありがとう」の言葉が、あなたを待っています。
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