美容室の2店舗目立地選びで失敗しない5つのポイント

美容室の2店舗目立地選びで失敗しない5つのポイント【成功する多店舗展開の秘訣】

目次

はじめに:立地選びが成功の8割を決める!

「1店舗目は順調だから、そろそろ2店舗目を…」

そう考えている美容室オーナーの皆さん、
ちょっと待ってください!
2店舗目の立地選びは1店舗目とは全く違う視点が必要なんです。

実は、多店舗展開で失敗する美容室の約7割が
「立地選びのミス」が原因と言われています。
でも逆に言えば、正しい立地選びができれば成功確率はグッと上がるということです。

今回は、美容室の2店舗目立地選びで絶対に外してはいけない5つのポイントを、
分かりやすく解説します。
これを読めば、あなたも立地選びのプロになれますよ!

ポイント1:1店舗目との「程よい距離」を保つ

なぜ距離が大切なの?

近すぎるとこんな問題が…

  • お客様の取り合いになる
  • 1店舗目の売上が下がる
  • スタッフ同士で競争意識が生まれる
  • 地域での認知度が分散する

遠すぎるとこんな困りごとが…

  • 管理が大変になる
  • 移動時間とコストがかかる
  • ブランドの統一が難しい
  • 緊急時の対応ができない

理想的な距離とは?

おすすめの距離:車で15分〜30分

この距離なら…

  • ✅ お客様の取り合いにならない
  • ✅ 管理者が両店舗を回れる
  • ✅ スタッフの応援も可能
  • ✅ 広告効果も期待できる

実際にやってみよう!

ステップ1:1店舗目のお客様住所を分析

  • 地図にお客様の住所をプロット
  • 来店されている範囲を確認
  • 主要な来店エリアを把握

ステップ2:白地エリアを探す

  • お客様がほとんど来ていないエリア
  • でも人口は十分にあるエリア
  • これが狙い目です!

ステップ3:アクセスを確認

  • 1店舗目から車で何分?
  • 電車やバスでの移動は可能?
  • 緊急時に駆けつけられる?

ポイント2:「人通り」より「住んでいる人」を重視する

1店舗目と2店舗目の違い

1店舗目の時は…

  • 「とにかく人通りの多い場所を」
  • 「駅前なら安心」
  • 「目立つ場所がいい」

2店舗目では考え方を変えよう

  • 「住宅地近くの方が実は良い」
  • 「リピートしやすい立地」
  • 「生活動線上にある場所」

なぜ住宅地近くがいいの?

理由1:リピート率が高い

  • 家から近いと通いやすい
  • 買い物のついでに立ち寄れる
  • 生活の一部になりやすい

理由2:口コミが広がりやすい

  • 近所の人同士で情報交換
  • 「いい美容室があるよ」と紹介
  • 地域密着型の経営ができる

理由3:家賃が安い

  • 駅前より家賃が抑えられる
  • 初期投資を減らせる
  • 利益率が向上する

チェックポイント

周辺の住宅を観察しよう

  • 一戸建てが多い?マンションが多い?
  • 新しい家が建っている?
  • 子育て世代が住んでいそう?
  • 高齢者が多い地域?

生活施設をチェック

  • スーパーやコンビニは近くにある?
  • 学校や保育園はある?
  • 病院や薬局はある?
  • これらがあると住宅地として成熟している証拠

ポイント3:競合店との「共存」を考える

競合店は敵じゃない?

多くの人が「競合店がない場所を」と考えますが、
実は適度に競合店がある方が良いんです。

競合店があるメリット

  • そのエリアに美容室需要があることの証明
  • お客様が美容室を探しに来るエリア
  • 相乗効果で全体の集客力アップ
  • 切磋琢磨による技術向上

どんな競合店なら大丈夫?

安心な競合店

  • 客層が明らかに違う(年齢、性別、価格帯)
  • 得意分野が違う(カット専門、カラー専門など)
  • サービススタイルが違う(短時間型、じっくり型)

注意が必要な競合店

  • 全く同じターゲット層
  • 価格帯も同じ
  • サービス内容も似ている
  • 有名チェーン店

差別化ポイントを明確に

技術面での差別化

  • 「髪質改善専門」
  • 「白髪染めが得意」
  • 「くせ毛矯正のプロ」

サービス面での差別化

  • 「完全予約制でゆったり」
  • 「短時間仕上げ」
  • 「キッズカット専門」

価格面での差別化

  • 「高品質・高価格」
  • 「リーズナブル・短時間」
  • 「学生・シニア割引充実」

ポイント4:「将来性」を5年先まで見据える

その街は成長している?衰退している?

成長している街のサイン

  • 新しいマンションや住宅が建設中
  • 商業施設が新しくオープン
  • 道路の整備が進んでいる
  • 若い世代の人口が増加

衰退のサインに注意

  • 空き店舗が目立つ
  • 古い建物ばかり
  • 高齢者ばかり目につく
  • 商店街が寂しい

市役所のデータを活用しよう

調べるべき情報

  • 年代別人口推移(過去5年、未来5年)
  • 新築住宅着工件数
  • 商業施設の開発計画
  • 道路・交通の整備計画

実際に市役所に行ってみよう

  • 都市計画課で開発予定を確認
  • 統計課で人口データを入手
  • 親切に教えてくれます!

交通の便も要チェック

現在の交通状況

  • バス停は近くにある?
  • 駐車場は確保できる?
  • 自転車で来やすい?

将来の交通計画

  • 新しい道路はできる予定?
  • バス路線の変更はある?
  • 駅の新設や移転はある?

ポイント5:「家賃と売上のバランス」を徹底計算

家賃は売上の何%が適正?

一般的な目安

  • 家賃は売上の8%〜12%以内
  • 月売上200万円なら家賃16万円〜24万円
  • これを超えると経営が厳しくなる

2店舗目は特に慎重に

  • 1店舗目より保守的に計算
  • 最初の6ヶ月は売上が安定しない
  • 家賃は売上の8%以内を目標に

売上予測の立て方

ステップ1:商圏人口を調べる

  • 半径500m以内の人口
  • 年代別の人口構成
  • 世帯数と世帯構成

ステップ2:来店率を計算

  • 美容室利用者は人口の約60%
  • そのうち自店利用者は1%〜3%
  • 保守的に1%で計算

ステップ3:客単価を設定

  • 1店舗目の平均客単価を参考
  • 地域性を考慮して調整
  • 最初は低めに設定

ステップ4:来店頻度を想定

  • 年間4〜6回が一般的
  • 常連客とそうでない客の割合を考慮

計算例で確認してみよう

商圏人口:2,000人

  • 美容室利用者:2,000人 × 60% = 1,200人
  • 自店利用者:1,200人 × 1% = 12人
  • 月間来店回数:12人 × 0.5回 = 6回
  • 客単価:5,000円
  • 月間売上:6回 × 5,000円 = 30,000円

これでは少なすぎますね!

現実的な計算

  • 商圏を半径1km以内に拡大
  • 人口5,000人として再計算
  • 来店率を1.5%に設定
  • 月間売上:75人 × 5,000円 = 375,000円

適正家賃:375,000円 × 8% = 30,000円

実際の立地選び手順

手順1:候補地をリストアップ(3〜5箇所)

情報収集方法

  • 不動産会社に相談
  • ネットで物件検索
  • 実際に車で回って探す
  • 地元の人に聞いてみる

手順2:現地調査(最低3回は行く)

平日・休日・時間帯を変えて

  • 朝の通勤時間帯
  • 昼間の買い物時間
  • 夕方の帰宅時間
  • 休日の人通り

チェックポイント

  • 人通りの数と属性
  • 車の通行量
  • 駐車場の確保しやすさ
  • 周辺の雰囲気

手順3:数字で比較検討

各候補地の評価表を作成

項目A物件B物件C物件
家賃15万円12万円18万円
商圏人口3,000人2,500人4,000人
競合店数2店1店3店
1店舗目からの距離20分35分15分
将来性

手順4:最終決定

総合的に判断

  • 数字だけでなく「感覚」も大切
  • 実際に働くスタッフの意見も聞く
  • 家族の意見も参考に
  • 「ここで頑張りたい」と思える場所を選ぶ

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:1店舗目に近すぎて共倒れ

失敗例

  • 1店舗目から車で5分の場所に出店
  • お客様の取り合いで両店舗とも売上減少
  • スタッフのモチベーション低下

対策

  • 最低でも車で15分以上離す
  • 明確にターゲットを変える
  • 時間をかけて市場調査

失敗パターン2:駅前にこだわりすぎて高家賃

失敗例

  • 「駅前なら安心」と高家賃物件を選択
  • 想定した売上に届かず資金繰り悪化
  • 家賃負担で利益が出ない

対策

  • 住宅地近くも検討する
  • 家賃は売上の8%以内を厳守
  • 駐車場の確保も重要

失敗パターン3:将来性を考えずに出店

失敗例

  • 現在は人通りが多いが衰退エリア
  • 3年後に大型店舗が撤退予定
  • 人口減少が進む地域

対策

  • 市役所で開発計画を確認
  • 5年後の人口予測を調査
  • 地域の将来性を必ずチェック

まとめ:成功する立地選びの心得

最も大切な3つのポイント

  1. データに基づいた冷静な判断
  • 感情ではなく数字で決める
  • 複数の候補地を比較検討
  • 保守的な売上予測を立てる
  1. 長期的な視点で考える
  • 5年後10年後を見据える
  • 地域の発展性を重視
  • 持続可能な経営を目指す
  1. 1店舗目との差別化
  • 違うターゲット層を狙う
  • 適度な距離を保つ
  • 独自の特色を打ち出す

立地選びで迷った時の判断基準

こんな場所なら安心

  • 家から近いと感じる住宅地
  • 買い物ついでに寄れる立地
  • 駐車場が確保しやすい
  • 将来性のある発展エリア
  • 適度な競合店がある

こんな場所は要注意

  • 家賃が売上の12%を超える
  • 1店舗目から近すぎる(車で10分以内)
  • 衰退が明らかなエリア
  • 全く同じ競合店がすぐ近く
  • 交通の便が悪すぎる

最後に:立地選びは慎重に、でも恐れずに

立地選びは確かに難しいですが、
これらのポイントを押さえれば必ず良い場所が見つかります。

大切なのは

  • しっかりとした事前調査
  • 複数の視点からの検討
  • 長期的な視野
  • そして最後は「やる気」

あなたの2店舗目が地域の皆様に愛される
素敵な美容室になることを心から応援しています!

次のアクション

  • まずは1店舗目のお客様住所分析から始めましょう
  • 市役所で地域データを収集してみましょう
  • 候補地を実際に見に行ってみましょう

素晴らしい立地との出会いがありますように!


この記事は美容室経営の実践的なノウハウをもとに作成しています。
立地選びの際は、必ず現地調査と専門家への相談を行ってください。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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