美容室の適正利益率は何%?業界平均と理想的な数字

美容室の適正利益率は何%?業界平均と理想的な数字

「うちの美容室の利益率って、他と比べてどうなんだろう?」
「何%あれば安心なの?」

美容室を経営していると、こんな疑問を持ちますよね。
でも、他の美容室の利益率なんて、なかなか聞けないもの。

この記事では、美容室の利益率について、
業界平均から理想的な数字まで、分かりやすく解説します。
あなたの美容室が健全経営できているかどうか、チェックしてみてください!

目次

そもそも「利益率」って何?

利益率の基本的な計算方法

利益率とは、売上に対してどのくらい利益が残っているかを%で表した数字です。

利益率の計算式

利益率(%)= (利益 ÷ 売上)× 100

具体例で計算してみよう

  • 月売上:100万円
  • 月経費:80万円
  • 月利益:20万円

利益率 = (20 ÷ 100)× 100 = 20%

なぜ利益率が重要なの?

売上だけ見ていてはダメな理由

例えば、2つの美容室があったとします:

A美容室

  • 月売上:200万円
  • 月利益:20万円
  • 利益率:10%

B美容室

  • 月売上:100万円
  • 月利益:25万円
  • 利益率:25%

売上はA美容室の方が2倍多いのに、
手元に残るお金はB美容室の方が多いんです!

つまり、売上の大きさより、利益率の方が大切なんです。

美容室の利益率:業界平均データ

全国の美容室利益率調査結果

美容業界の調査データによると、
美容室の利益率は以下のようになっています:

経営年数別の平均利益率

経営年数平均利益率状況
1年未満5〜8%開業初年度は厳しい
1〜3年8〜12%軌道に乗り始め
3〜5年12〜18%安定期に入る
5〜10年15〜22%経営が安定
10年以上18〜25%ベテラン経営者

地域別の平均利益率

地域平均利益率特徴
都市部10〜15%競合多い、家賃高い
地方都市15〜20%バランス取れている
郊外・田舎18〜25%固定費安い、地域密着

店舗規模別の平均利益率

規模平均利益率特徴
一人美容室20〜30%人件費が少ない
2〜3人規模15〜22%効率的な運営
4〜6人規模12〜18%管理コストが増加
7人以上10〜15%大型店舗の課題

あなたの美容室は平均以上?以下?

チェック方法

  1. 先月の売上と経費を確認
  2. 利益を計算(売上 – 経費)
  3. 利益率を計算(利益 ÷ 売上 × 100)
  4. 上の表と比較

平均以下だった場合
心配いりません!これから改善していけば大丈夫です。

平均以上だった場合
素晴らしい!さらに上を目指してみましょう。

美容室の理想的な利益率はズバリ何%?

経営安定のための利益率目標

美容室経営者が目指すべき利益率の目標値をご紹介します:

【生存ライン】5〜10%

  • 最低限経営が続けられるライン
  • 新規開業1年目はこのレベルでも仕方ない
  • ただし、ここから脱出する努力が必要

【安定ライン】15〜20%

  • 経営者の生活が安定するライン
  • 設備投資や万が一の備えができる
  • スタッフへの還元も可能

【理想ライン】25〜30%

  • 美容室経営として理想的なライン
  • 将来への投資、店舗拡大も視野に
  • 経営者の時間的余裕も生まれる

【優秀ライン】30%以上

  • 業界トップクラスの利益率
  • 高い技術力と経営力の証明
  • 他店との圧倒的な差別化に成功

理想的な利益率を実現している美容室の特徴

特徴1:適正価格で勝負している

  • 安売りではなく、価値に見合った価格設定
  • お客さんが納得して支払ってくれる

特徴2:リピート率が高い

  • 新規集客コストが抑えられる
  • 安定した売上基盤がある

特徴3:無駄な経費がない

  • 必要な経費と不要な経費を見極められる
  • 効率的な運営ができている

特徴4:付加価値を提供している

  • ただのカットではなく、プラスαの価値
  • お客さんが「また来たい」と思うサービス

利益率を改善する具体的な方法

方法1:経費を見直して利益率アップ

固定費の見直し

  • 家賃:売上の10〜15%以下が理想
  • 保険:必要最小限に見直し
  • 通信費:プランの最適化

変動費の見直し

  • 材料費:売上の8〜12%以下が理想
  • 広告費:効果測定をして無駄を削る
  • 光熱費:節約の工夫で削減

経費見直しで利益率3%アップした例

【改善前】
月売上:100万円、月経費:85万円
利益率:15%

【改善後】
月売上:100万円、月経費:82万円(3万円削減)
利益率:18%(3%アップ!)

方法2:客単価を上げて利益率アップ

メニュー戦略

  • オプションメニューの充実
  • セットメニューの提案
  • 高付加価値サービスの導入

販売戦略

  • ホームケア商品の販売
  • 季節限定メニューの企画
  • お客さんの悩み解決提案

客単価1000円アップで利益率はどう変わる?

【改善前】
客数:200人、客単価:5000円、月売上:100万円
経費:80万円、利益率:20%

【改善後】
客数:200人、客単価:6000円、月売上:120万円
経費:85万円、利益率:29%(9%アップ!)

方法3:効率化で利益率アップ

時間効率の改善

  • 予約管理システムの導入
  • 施術時間の最適化
  • 準備・片付けの効率化

人件費の最適化

  • スタッフのスキルアップ
  • 役割分担の明確化
  • 残業時間の削減

利益率別:美容室経営者の実際の声

利益率10%以下の経営者Aさん

「毎日朝から晩まで働いているのに、
月末にはお金が残らない。
家族との時間も取れないし、
このままでいいのか不安です。」

利益率20%の経営者Bさん

「以前は利益率5%でした。
経費を見直して、
メニューも改善したら20%まで上がりました。
精神的にすごく楽になりました。」

利益率30%の経営者Cさん

「お客さんに本当に喜んでもらえるサービスを追求した結果、
自然と利益率も上がりました。今は次の店舗展開も考えています。」

利益率を上げる時の注意点

注意点1:急激な変更は避ける

利益率を上げたいからといって、急に大幅な値上げをしたり、
大幅な経費削減をするのは危険です。

おすすめのやり方

  • 段階的に改善していく
  • お客さんに説明をしっかりする
  • サービス品質は維持する

注意点2:お客さんの満足度を下げない

経費削減のために、
お客さんへのサービスを削るのは本末転倒です。

やってはいけないこと

  • 材料の品質を下げる
  • 接客時間を短縮する
  • 清潔感を損なう

やるべきこと

  • 無駄な経費だけを削る
  • サービス品質は向上させる
  • お客さんの価値を高める

今日からできる利益率改善アクション

アクション1:現在の利益率を正確に計算する

必要な数字

  • 先月の売上総額
  • 先月の経費総額(家賃、人件費、材料費、光熱費など全て)

計算してみよう

  1. 利益 = 売上 – 経費
  2. 利益率 = (利益 ÷ 売上)× 100

アクション2:経費の内訳を詳しく調べる

チェック項目

  • どの経費が一番大きいか?
  • 削れそうな経費はないか?
  • 効果の薄い支出はないか?

アクション3:理想の利益率目標を決める

目標設定の例

  • 現在10% → 6ヶ月後15%
  • 現在15% → 1年後20%
  • 現在20% → 1年後25%

よくある質問

Q:利益率が高すぎると何か問題がありますか?

A:利益率が高いのは良いことです!
ただし、お客さんへの還元(サービス向上、設備投資)や、
スタッフへの還元(給与アップ、教育投資)も忘れずに。

Q:同じ地域の美容室の利益率はどうやって知ることができますか?

A:直接聞くのは難しいですが、美容室経営者の勉強会や、
業界誌の調査データなどで参考情報を得ることができます。

Q:利益率を上げると税金が高くなりませんか?

A:利益が増えれば税金も増えますが、手取りも確実に増えます。
税理士さんに相談して、適切な節税対策を取りましょう。

まとめ:あなたの美容室の利益率は健全ですか?

美容室の利益率について、
業界平均から理想的な数字まで詳しく解説しました。

重要なポイント

  • 業界平均:15〜20%
  • 理想的な利益率:25〜30%
  • 最低ライン:10%以上は確保したい
  • 利益率は段階的に改善していく

今日からやること

  1. 現在の利益率を正確に計算
  2. 業界平均と比較して現状把握
  3. 6ヶ月後の目標利益率を設定
  4. 改善点を一つずつ実行

利益率を意識した経営に変わると、美容室経営が劇的に楽になります。

売上を追いかけるのではなく、
利益率を追いかける経営にシフトしてみてください。
きっと、今まで以上に安定した、
そして楽しい美容室経営ができるようになるはずです!

あなたの美容室の利益率向上を応援しています!

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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