清掃・洗濯コストを半分にする効率的な方法

清掃・洗濯コストを半分にする効率的な方法

目次

清掃・洗濯代、こんなにかかるものですか?

美容室を経営している石井さん(仮名)から、こんな相談を受けました。

「先生、うちの清掃・洗濯代が月8万円もかかってるんです。
タオルのクリーニング代が5万円、
清掃用品が1.5万円、業者清掃が1.5万円…
でも衛生面は絶対に手を抜けないし、
どうしたらいいでしょうか?」

美容室では清潔感が何より大切ですが、
衛生レベルを保ちながらコストを大幅に削減する方法があります。

石井さんのお店では、清潔度をさらに向上させながら
月の清掃・洗濯代を4万円まで削減しました。
年間48万円の経費削減です!

今日は、その具体的な方法をお教えします。

なぜ美容室の清掃・洗濯コストは高いのか?

コストが高くなる5つの原因

1. タオル管理の非効率

  • 必要以上の枚数を洗濯に出している
  • クリーニング業者への丸投げ
  • タオルの使い分けができていない
  • 汚れの程度に関係なく一律クリーニング

2. 清掃用品の無駄遣い

  • 高価な業務用洗剤の過度な使用
  • 用途に適さない清掃用品の選択
  • まとめ買いによる在庫の劣化
  • スタッフの使用量がバラバラ

3. 清掃業者への過度な依存

  • 自分でできる作業も業者に依頼
  • 頻度が適切でない清掃契約
  • 不要なオプションサービス
  • 相見積もりを取らない単価設定

4. 設備・道具の選択ミス

  • 用途に合わない高級清掃機器
  • メンテナンス費用の高い設備
  • 効率の悪い洗濯機・乾燥機
  • 長期的コストを考えない選択

5. 清掃・洗濯の計画性不足

  • 汚れてから対応する後手の清掃
  • 効率的な作業手順がない
  • スタッフ間での役割分担が不明確
  • 予防的清掃の意識不足

あなたのお店のコスト、適正ですか?

美容室の清掃・洗濯費用目安(月額)

【小規模サロン(1-2席)】
タオル洗濯:2-3万円
清掃用品:0.8-1.2万円
業者清掃:0.5-1万円
合計:3.3-5.2万円

【中規模サロン(3-5席)】
タオル洗濯:3-5万円
清掃用品:1.2-2万円
業者清掃:1-2万円
合計:5.2-9万円

【大規模サロン(6席以上)】
タオル洗濯:5-8万円
清掃用品:2-3万円
業者清掃:2-3万円
合計:9-14万円

売上に対する比率目安

  • 理想的:2-4%
  • 許容範囲:4-6%
  • 要改善:6%以上

今すぐできる!コスト削減テクニック

テクニック1:タオル管理の最適化

タオルの分類システム導入

従来の管理方法
すべてのタオルを同一管理・同一処理

改善後の分類システム

【Aクラス】お客様用フェイスタオル
使用後:必ずクリーニング
頻度:使用の都度
単価:150円/枚

【Bクラス】シャンプー用バスタオル
使用後:軽い汚れは自店洗濯
頻度:汚れ具合で判断
単価:自店50円/枚、業者100円/枚

【Cクラス】清掃用タオル
使用後:自店洗濯のみ
頻度:まとめて処理
単価:20円/枚

分類システムの効果
月間タオル代:50,000円 → 28,000円(44%削減)

自店洗濯設備の導入効果

投資回収の計算

洗濯機・乾燥機セット:30万円
月額削減効果:22,000円
投資回収期間:約14ヶ月

年間削減効果:264,000円
3年間の累計効果:792,000円

テクニック2:清掃用品のコスト最適化

清掃用品の見直しポイント

高コスト商品の代替え

【従来品】業務用多目的洗剤
価格:2,500円/L
希釈率:原液使用

【代替品】濃縮タイプ洗剤
価格:1,800円/L
希釈率:10倍希釈可能
実質単価:180円/L → 93%削減

手作り清掃剤の活用

【万能清拭剤】
水500ml + エタノール500ml + 中性洗剤少量
コスト:約100円/L
市販品:800円/L → 87.5%削減

【鏡・ガラス用清拭剤】
水500ml + アンモニア水50ml + 食器用洗剤少量
コスト:約80円/L
市販品:600円/L → 86%削減

まとめ買いと保管の最適化

  • 3ヶ月分をまとめ購入(15-20%割引)
  • 適切な保管で品質劣化防止
  • 使用期限管理で無駄を排除

テクニック3:清掃作業の効率化

清掃手順の標準化

効率的な日次清掃ルーティン

【開店前(15分)】
1. 床の掃き掃除・モップ拭き(5分)
2. 洗面台・鏡の清拭(3分)
3. セット台の整理・清拭(4分)
4. トイレの簡易清掃(3分)

【営業中(随時)】
1. 使用後即座の清拭
2. 髪の毛の即座除去
3. 床の定期的な掃き掃除

【閉店後(30分)】
1. 全体の掃除機かけ(10分)
2. 水回りの本格清掃(10分)
3. 消毒・除菌作業(5分)
4. 翌日準備・整理整頓(5分)

清掃用具の選択と配置

【効率的な清掃用具】
・コードレス掃除機:機動性重視
・マイクロファイバークロス:洗剤不要清拭
・スプレーボトル:希釈剤の使い分け
・使い捨てシート:感染対策

【戦略的配置】
・各エリアに専用清掃セット
・手の届く場所に除菌剤
・目立つ場所に清掃チェックリスト

テクニック4:業者清掃の最適化

清掃業者との契約見直し

従来契約vs最適化後の比較

【従来契約】
週1回全体清掃:月額15,000円
エアコン清掃:年4回/40,000円
カーペット清掃:月1回/8,000円
月額平均:26,300円

【最適化後】
月2回重点清掃:月額8,000円
エアコン清掃:年2回/20,000円
カーペット清掃:2ヶ月1回/4,000円
月額平均:13,700円

削減効果:47.9%

自分でできる作業の内製化

【業者依存から内製化へ】
・日常的な床清掃
・洗面台・鏡の清掃
・トイレの基本清掃
・簡易な消毒作業

【業者に依頼すべき作業】
・高所の清掃
・専門的な設備清掃
・月1回の徹底清掃
・年次の大掃除

中級編:設備投資による長期削減

効率的清掃機器の導入

ROI重視の機器選択

業務用掃除機の投資効果

【導入機器】コードレス業務用掃除機
投資額:80,000円
効果:清掃時間50%短縮
人件費削減:月10,000円相当
投資回収期間:8ヶ月

自動化設備の活用

【ロボット掃除機】
投資額:150,000円
効果:営業時間外の自動清掃
人手作業削減:月15,000円相当
投資回収期間:10ヶ月

洗濯設備の最適化

業務用洗濯機の選択基準

容量と効率の最適バランス

【小規模サロン】8kg洗濯機
投資額:200,000円
処理能力:1日50枚
月額削減:18,000円
投資回収期間:11ヶ月

【中規模サロン】12kg洗濯機
投資額:350,000円
処理能力:1日80枚
月額削減:30,000円
投資回収期間:11.7ヶ月

乾燥機との組み合わせ効果

  • 天候に左右されない安定運用
  • 仕上がり品質の向上
  • 作業時間の大幅短縮
  • 緊急時の対応力向上

上級編:システム化による効率最大化

デジタル管理システムの導入

清掃・洗濯の見える化

管理アプリの活用

【記録項目】
・日次清掃チェックリスト
・タオル使用枚数・洗濯回数
・清掃用品の使用量・在庫
・業者清掃の実施記録

【効果】
・作業の標準化
・コスト削減ポイントの発見
・品質の安定化
・改善効果の測定

予防保全システム

【定期メンテナンススケジュール】
・設備の定期点検
・清掃用具の交換時期管理
・消耗品の発注タイミング自動化
・業者清掃の最適頻度調整

在庫管理の最適化

清掃用品の適正在庫

ABC分析による在庫管理

【Aクラス】毎日使用
トイレットペーパー、ハンドソープ
在庫:1週間分

【Bクラス】週2-3回使用
洗剤、除菌剤
在庫:2週間分

【Cクラス】月1-2回使用
特殊清掃剤、ワックス
在庫:1ヶ月分

発注システムの自動化

  • 在庫下限での自動発注
  • まとめ買いによる単価削減
  • 使用期限管理による廃棄ゼロ

実際の成功事例

Pサロンの清掃・洗濯改革

改革前の状況

月間コスト詳細:
1. タオルクリーニング:52,000円
2. 清掃用品購入:18,000円
3. 業者清掃:15,000円
4. その他衛生用品:8,000円

合計:93,000円/月
年額:1,116,000円

実施した改革

  1. 自店洗濯システム導入
    • 業務用洗濯機・乾燥機セット:35万円
    • タオルクリーニング費:52,000円→18,000円
  2. 清掃用品の見直し
    • 濃縮洗剤・手作り清拭剤導入
    • 清掃用品費:18,000円→8,000円
  3. 業者清掃の最適化
    • 月4回→月2回に変更、内製化推進
    • 業者清掃費:15,000円→8,000円
  4. 効率的清掃システム構築
    • 清掃手順の標準化
    • 清掃時間30%短縮

改革後の結果(6ヶ月後)

月間コスト詳細:
1. タオル洗濯(自店):18,000円
2. 清掃用品:8,000円
3. 業者清掃:8,000円
4. その他衛生用品:6,000円
5. 設備減価償却:6,000円

合計:46,000円/月
年額:552,000円

年間削減効果:564,000円
削減率:50.5%

オーナーのコメント
「最初は『自分で洗濯なんて大変』と思いましたが、
実際は2-3時間で1日分完了。
清潔度も向上し、お客様からも
『いつもタオルがふわふわで気持ちいい』と褒められます!」

Qサロンの事例

基本情報

  • 規模:4席の中規模サロン
  • 立地:商業地区
  • スタッフ5名

重点対策

  • 清掃作業の完全標準化
  • 清掃用品の手作り化
  • スタッフ教育システム

成果

  • 月額削減:38,000円
  • 年間削減:456,000円
  • 清潔度評価:向上
  • 作業効率:40%改善

衛生管理レベルの向上

感染症対策の強化

コスト削減と衛生向上の両立

効果的な除菌システム

【次亜塩素酸水の活用】
市販消毒剤:300円/L
次亜塩素酸水(自作):30円/L
→ 90%コスト削減

【UV除菌の導入】
UV除菌器:100,000円
効果:化学薬品使用量70%削減
月額削減:5,000円
投資回収期間:20ヶ月

品質管理システム

清潔度の見える化

チェックリストの活用

【日次チェック項目】
□ 床の清掃状態
□ 洗面台の水垢除去
□ 鏡の曇りなし
□ タオルの仕上がり品質
□ 消毒の実施確認

【週次チェック項目】
□ エアコンフィルター
□ 照明器具の清掃
□ 在庫品の品質確認
□ 清掃用具のメンテナンス

今すぐ始められる削減アクションプラン

今週やること

月曜日

  • [ ] 過去3ヶ月の清掃・洗濯費用を集計
  • [ ] 現在の作業手順を時間測定

火曜日

  • [ ] タオルの使用枚数と洗濯頻度を記録開始
  • [ ] 清掃用品の使用量を計測

水曜日

  • [ ] 業務用洗濯機の価格調査
  • [ ] 清掃業者の契約内容確認

木曜日

  • [ ] 手作り清掃剤のレシピ調査
  • [ ] 清掃手順の改善案作成

金曜日

  • [ ] 1週間のデータをまとめ分析
  • [ ] 削減計画の立案

1ヶ月後の目標設定

短期目標(1ヶ月)

  • 清掃手順の標準化完了
  • 清掃用品の見直し実施
  • 20%以上のコスト削減達成

中期目標(3ヶ月)

  • 自店洗濯システム導入検討
  • 業者清掃契約の最適化
  • 40%以上のコスト削減達成

長期目標(6ヶ月)

  • 清掃・洗濯システムの完全最適化
  • 50%以上のコスト削減実現
  • 衛生管理レベルの向上確認

よくある質問と解決法

Q: 「自店洗濯で衛生面は大丈夫ですか?」

A: 適切な洗剤と温度(60度以上)で洗濯すれば、
業者と同等以上の衛生レベルを保てます。
むしろ新鮮なタオルを常に提供できるメリットがあります。

Q: 「手作り清掃剤で清掃効果は十分ですか?」

A: 適切な配合であれば市販品と同等の効果があります。
成分を理解して使用すれば、
むしろ用途に特化した効果的な清掃剤を作れます。

Q: 「清掃時間が増えて人件費がかかりませんか?」

A: 効率的な手順とツールの導入により、
清掃時間は短縮できます。
また、清掃コストの削減効果の方が人件費増加を大きく上回ります。

Q: 「設備投資の資金がないのですが…」

A: まずは清掃用品の見直しや手順改善など、
資金のかからない改善から始めましょう。
その削減効果で段階的に設備投資が可能になります。

まとめ:清掃・洗濯の最適化で経営効率アップ

清掃・洗濯コストの削減は、
衛生レベルを向上させながら確実に経費を下げられる効果的な方法です。

コスト削減の5つのメリット

  1. 即座に固定費削減:改善実施と同時に効果発現
  2. 継続的効果:一度システム化すれば毎月の効果が続く
  3. 衛生レベル向上:適切な管理による品質アップ
  4. 作業効率化:標準化による時間短縮効果
  5. スタッフ意識向上:清潔維持への積極的参加

成功する削減の3つのポイント

  1. 現状の詳細分析:コストと作業の正確な把握
  2. 段階的な改善:リスクを抑えた計画的な変更
  3. 品質の絶対維持:衛生レベルを下げない改善

年間50万円削減の活用例

削減効果を投資に回すと:
・新しい美容機器の導入
・店舗環境の改善投資
・スタッフの技術研修費用
・感染症対策設備の充実
・非常時の運転資金確保

美容室にとって清潔感は最重要要素です。
適切なコスト管理により、
高い衛生レベルを効率的に維持することが、
お客様満足度と経営効率の両立につながります。

今日からできること

  1. 現在の清掃・洗濯コストを正確に把握する
  2. タオルの使用枚数と洗濯頻度を記録する
  3. 清掃手順と所要時間を測定する

賢いコスト管理で、清潔で快適な店舗環境と
健全な経営を同時に実現しましょう。
まずは今日から、
清掃・洗濯の見直しを始めてみませんか?

半年後、きっとあなたも
「清掃・洗濯を見直して本当に良かった!」と実感しているはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

コメント

コメントする

目次