メニュー表を変えただけで売上20%アップした話
「たかがメニュー表」で本当に売上が変わるの?
美容室を経営している田中さん(仮名)からこんな相談を受けました。
「先生、うちの売上がなかなか上がらないんです。
技術には自信があるし、
お客様にも喜んでもらっているのに…何が悪いんでしょうか?」
お店を見せてもらうと、技術もサービスも申し分ありません。
でも、一つだけ気になることがありました。それはメニュー表でした。
「これを変えるだけで売上が上がりますよ」
田中さんは半信半疑でしたが、3ヶ月後にこんな報告をくれました。
「本当に売上が20%も上がりました!
メニュー表って、こんなに大事だったんですね!」
今日は、その「魔法のメニュー表」の作り方をお教えします。
なぜメニュー表で売上が変わるのか?
お客様の心理を知ろう
美容室に来たお客様は、実はこんなことを考えています。
来店前
- 「どのメニューがいいのかな?」
- 「自分に合うのはどれだろう?」
- 「失敗したらどうしよう…」
メニューを見ている時
- 「この違いがよく分からない…」
- 「安いのと高いの、どっちがいいの?」
- 「結局、どれを選べばいいの?」
つまり、お客様は迷っているのです。
そして迷った時、人は「無難な選択」をしがちです。
ダメなメニュー表の特徴
田中さんの以前のメニュー表
カット 4,000円
カット+ブロー 4,500円
シャンプー+カット 4,800円
カラー 6,000円
パーマ 7,000円
トリートメント 3,000円
これのどこがダメなのでしょうか?
問題点1:何が違うのか分からない
「カット」と「シャンプー+カット」の違いって何?
問題点2:お客様のメリットが見えない
それぞれを選ぶとどんな良いことがあるの?
問題点3:選択肢が多すぎる
結局どれがいいのか分からない
問題点4:魅力的に見えない
なんだかワクワクしない…
売上20%アップした「新メニュー表」の秘密
改善後のメニュー表
【忙しい朝が楽になる】
時短スタイルカット 4,800円
〜スタイリング時間が半分になる魔法のカット〜
【いつも綺麗でいたい方に】
美髪キープカット 5,500円
〜シャンプー+カット+簡単スタイリング指導〜
【白髪が気になり始めた方へ】
ナチュラル白髪ケアカラー 8,500円
〜自然で上品に、2ヶ月美しさキープ〜
【髪質を変えたい方におすすめ】
艶髪復活トリートメント 6,000円
〜ダメージを根本から修復、触りたくなる髪へ〜
何が変わったのか?
変更点1:ターゲットを明確にした
- 「忙しい朝が楽になる」→ 忙しい人向け
- 「白髪が気になり始めた方へ」→ 白髪悩み向け
変更点2:得られる結果を書いた
- 「スタイリング時間が半分になる」
- 「2ヶ月美しさキープ」
変更点3:感情に訴えかけた
- 「魔法のカット」
- 「触りたくなる髪へ」
変更点4:価格を適正化した
安すぎず高すぎない、価値に見合った価格設定
実際の効果はどうだった?
田中さんのお店の変化
3ヶ月間の比較データ
改善前
- 月間客数:120人
- 平均客単価:5,200円
- 月売上:624,000円
改善後
- 月間客数:115人(5人減)
- 平均客単価:6,500円(1,300円アップ)
- 月売上:747,500円(20%アップ)
なぜこんな結果になったのか?
客数が減ったのに売上アップ?
実は、これが狙い通りの結果でした。
- 価値を理解してくれるお客様が残った
- 一人一人により良いサービスを提供できるようになった
- 客単価アップで効率的な経営になった
- お客様の満足度も向上した
あなたのお店でも使える!メニュー表改革の方法
ステップ1:現在のメニューを分析する
チェックポイント
- [ ] 商品名だけになっていないか?
- [ ] お客様のメリットが書かれているか?
- [ ] 誰向けのメニューか分かるか?
- [ ] 選びやすい構成になっているか?
ステップ2:お客様の悩みを整理する
よくある悩みリスト
- 朝のスタイリングが大変
- 白髪が目立ってきた
- 髪が傷んでいる
- くせ毛が気になる
- ボリュームがない
- すぐにペタンコになる
あなたのお店では?
お客様からよく聞く悩みを3つ書き出してみましょう。
ステップ3:悩み解決メニューを作る
メニュー作成の公式
【誰向け】+【悩み】
↓
魅力的なメニュー名
↓
〜どんな結果が得られるか〜
↓
適正価格
例1:くせ毛の悩み
【雨の日も安心】
くせ毛さん専用カット 5,800円
〜湿気に負けない、まとまりやすいスタイル〜
例2:ボリューム不足の悩み
【若々しい印象になりたい方へ】
ふんわりボリュームアップカット 5,500円
〜マイナス5歳見えの秘密のカット技術〜
ステップ4:感情に響く言葉を使う
NGワード
- 普通、通常、一般的
- ~します、~やります
- 技術的すぎる専門用語
OKワード
- 特別、プレミアム、こだわりの
- ~になれる、~を実現
- 分かりやすい結果の表現
言葉選びのコツ
- お客様が友達に自慢したくなる言葉
- 鏡を見た時に嬉しくなる表現
- 具体的でイメージしやすい言葉
成功事例をもう一つご紹介
Cサロンの大変身
Before:普通のメニュー表
カット 3,500円
パーマ 6,500円
カラー 5,500円
After:お客様目線のメニュー表
【お手入れ簡単で決まる】
大人女性のための上品カット 4,200円
〜毎朝3分で決まる、品のあるスタイル〜
【自然で美しい】
白髪ぼかしカラー 7,800円
〜染めた感ゼロ、上品な透明感〜
【若返りたい方へ】
エイジングケアパーマ 8,500円
〜ふんわり自然、-5歳の若見えスタイル〜
結果
- 3ヶ月で客単価が35%アップ
- 新規のお客様からの指名率が倍増
- 「他とは違う特別感がある」と評判に
メニュー表作成の実践ワーク
今すぐできる!5分間ワーク
1. あなたのお店の看板メニューは?
例:カット、カラー、パーマなど
2. そのメニューで解決できるお客様の悩みは?
例:スタイリングが楽になる、白髪が隠れる
3. お客様が得られる嬉しい結果は?
例:朝の時間短縮、若く見える、褒められる
4. 魅力的なメニュー名を考えてみよう
例:時短美人カット、若見えカラーなど
完成例を作ってみましょう
あなたの答えを当てはめてみてください
【_______な方へ】(誰向け)
_____________ ____円 (魅力的メニュー名+価格)
〜_____________〜 (得られる結果)
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:派手すぎる表現
NG例
「奇跡のカット!人生が変わる!」
改善例
「毎朝が楽になるカット」
ポイント
現実的で信頼できる表現にする
失敗パターン2:技術名をそのまま使う
NG例
「システアミン縮毛矯正」
改善例
「自然なストレートヘア」
ポイント
お客様が理解しやすい言葉を使う
失敗パターン3:値段だけで勝負
NG例
「格安カット!他店より安い!」
改善例
「丁寧カウンセリング付きカット」
ポイント
価格ではなく価値で勝負する
今日から始められる改善アクション
今週やること
月曜日
- [ ] 現在のメニュー表を客観的にチェック
- [ ] お客様の悩みを3つリストアップ
火曜日
- [ ] 一番人気のメニューを一つ選ぶ
- [ ] そのメニューの新しい名前を考える
水曜日
- [ ] 新しいメニュー名でお客様に提案してみる
- [ ] 反応をチェック
木曜日
- [ ] 反応が良ければ、他のメニューも変更
- [ ] 新しいメニュー表を作成開始
金曜日
- [ ] 完成したメニュー表をスタッフと確認
- [ ] 来週から本格運用開始
1ヶ月後の目標
- 平均客単価10%アップ
- お客様から「分かりやすい」と評価
- スタッフも提案しやすくなった
まとめ:メニュー表は最強の営業ツール
メニュー表は、ただの価格表ではありません。お客様の心を動かし、行動を促す最強の営業ツールなのです。
成功するメニュー表の5つのポイント
- お客様の悩みに寄り添う
- 得られる結果を明確に伝える
- 感情に響く言葉を使う
- 選びやすい構成にする
- 価値に見合った価格設定
メニュー表改革の効果
- 売上アップ
- 客単価向上
- お客様満足度向上
- スタッフの提案力向上
- 他店との差別化
難しく考える必要はありません。
まずは一つのメニューから始めて、
お客様の反応を見ながら改善していけばいいのです。
今日からできること
- 現在のメニュー表をお客様目線でチェック
- 一番売りたいメニューの新しい名前を考える
- そのメニューで解決できる悩みを明確にする
たかがメニュー表、されどメニュー表。
この小さな変化が、あなたの美容室に大きな変化をもたらします。
3ヶ月後、きっとあなたも田中さんのように
「メニュー表を変えて本当に良かった!」と言っているはずです。
今すぐメニュー表を見直して、売上アップの第一歩を踏み出しませんか?
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