ヘアケア商品を自然に販売する会話術
なぜヘアケア商品の販売が難しく感じるの?
「シャンプーやトリートメントを勧めたいけど、押し売りになりそうで…」
「お客さんに断られるのが怖くて、なかなか商品を提案できない…」
こんな悩みを抱えている美容師さんは多いですよね。
実は、ヘアケア商品の販売が難しく感じる理由は
「売ろう」としているからなんです。
商品販売がうまくいかない理由:
- 「売らなければ」というプレッシャーがお客さんに伝わる
- 商品の機能説明ばかりで、お客さんのメリットが伝わらない
- タイミングが悪く、突然商品の話を始める
- お客さんの悩みと商品が結びついていない
- 一方的に説明して、お客さんの気持ちを聞いていない
でも、お客さんの髪の悩みを解決する相談として商品を提案すれば、
自然に販売につながるんです。
ヘアケア商品販売の基本マインド
「販売」ではなく「相談」
❌ 販売マインド:
「このシャンプーを買ってもらおう」
→ 売り手目線で一方的
⭕ 相談マインド:
「この方の髪の悩みを解決するには、どのケア方法が最適だろう?」
→ お客さん目線で解決策を考える
「商品」ではなく「解決策」として提案
❌ 商品中心:
「このシャンプーは○○成分が入っていて…」
⭕ 悩み解決中心:
「○○さんの髪の乾燥を解決するために、
ご自宅でもこんなケアをしていただけると…」
自然な販売につながる会話の流れ
ステップ1:髪の状態を観察・分析(施術中)
プロの目で気づいたことを伝える:
「○○さん、髪を触らせていただいて気づいたのですが、毛先が少し乾燥気味ですね」
「根元はとても健康な髪なのに、中間から毛先にかけて手触りが変わっています」
お客さんの実感を確認:
「ご自分でも何か気になることはありませんか?」
「最近、髪の調子で変化を感じることはありますか?」
ステップ2:悩みや困りごとを聞き出す
日常の困りごとを聞く:
「朝のスタイリングで困っていることはありませんか?」
「お風呂上がりの髪のケアで、何か気になることは?」
「髪のことで、『もっとこうだったらいいのに』と思うことはありますか?」
具体的に聞き出す:
お客さん:「なんだか最近、髪がまとまりにくくて…」
美容師:「それはいつ頃からですか?特にどんな時に感じますか?」
ステップ3:原因を分かりやすく説明
専門知識を分かりやすく:
「実は、髪がまとまりにくい原因は、髪の水分バランスが崩れているからなんです」
「季節の変わり目は、湿度の変化で髪が不安定になりやすいんです」
お客さんの髪の特徴と関連付け:
「○○さんの髪質は、もともと乾燥しやすいタイプなので、この時期は特にケアが大切です」
ステップ4:解決策としてホームケアを提案
サロンケアとホームケアの役割分け:
「今日サロンでしっかりケアをしたので、ご自宅では状態をキープするケアが大切です」
「サロンでの集中ケアを、ご自宅で継続していただくと効果が長持ちします」
具体的な使用方法と効果:
「この髪質でしたら、こちらのシャンプーを使っていただくと、今日の仕上がりが2週間は続きます」
ステップ5:商品を自然に紹介
選んだ理由を説明:
「○○さんの髪質と今の状態を考えて、最適な商品を選ばせていただきました」
「数ある商品の中から、○○さんにぴったりのものをご提案します」
使い方の指導:
「使い方も大切なので、効果的な方法をお教えしますね」
髪の悩み別・自然な商品提案パターン
パターン1:「髪が乾燥してパサつく」
悩みの共感:
美容師:「髪の乾燥、本当に気になりますよね。特に冬場は空気が乾燥しているので、髪も水分不足になりやすいんです」
原因の説明:
「実は、普通のシャンプーは洗浄力が強すぎて、必要な油分まで取ってしまうことがあるんです」
解決策の提案:
「○○さんの髪質でしたら、保湿成分たっぷりのこちらのシャンプーがおすすめです。洗いながら潤いを補給できるので、乾燥知らずの髪になりますよ」
使用方法の指導:
「使い方にもコツがあります。シャンプー前に軽くお湯で予洗いして、シャンプーを泡立ててから優しく洗ってください。そうすると効果が格段に上がります」
効果の期待:
「2週間ほど使っていただくと、髪の手触りが全然違ってきます。朝起きた時の髪のまとまりも良くなりますよ」
パターン2:「カラーの色落ちが早い」
悩みの確認:
美容師:「せっかく美しく染めたカラーが落ちてしまうと、がっかりしますよね」
原因の説明:
「実は、普通のシャンプーに含まれる洗浄成分が、カラーの色素を洗い流してしまうんです。特に市販のシャンプーは洗浄力が強いものが多いです」
解決策の提案:
「こちらのカラーケア専用シャンプーは、色素を守りながら汚れだけを落とす処方になっています。今日の美しい色を、3ヶ月は楽しんでいただけます」
経済的メリット:
「色持ちが良くなると、次回のカラーまでの期間も延ばせるので、長期的にはとてもお得なんです」
実感の説明:
「使い始めて1週間もすると、洗髪後の色の抜け方が全然違うことを実感していただけると思います」
パターン3:「髪にボリュームが出ない」
悩みの理解:
美容師:「髪のボリューム不足、お悩みの方多いんです。○○さんのように美しい髪質の方でも、エイジングと共にボリュームの変化を感じることがあります」
原因の説明:
「実は、頭皮の血行不良や、髪を重くしてしまうシリコン系の成分が原因のことが多いんです」
解決策の提案:
「こちらのボリュームアップシャンプーは、ノンシリコンで髪を軽やかに仕上げ、頭皮の血行も促進します。根元からふんわりとしたボリュームが生まれます」
使用方法の重要性:
「頭皮マッサージをしながら洗うのがポイントです。血行が良くなって、健康な髪が育ちやすくなります」
継続効果:
「毎日続けていただくと、3ヶ月後には髪質そのものが変わってきます。若々しいボリューム感を取り戻せますよ」
パターン4:「くせ毛でまとまらない」
悩みの共感:
美容師:「くせ毛の扱い、本当に大変ですよね。湿気の多い日なんて、朝セットしても外に出た瞬間に広がってしまったり…」
くせ毛の特徴説明:
「くせ毛は、髪の内部の水分バランスが不均一になりやすいんです。だから湿気を吸って膨張したり、乾燥して広がったりするんです」
解決策の提案:
「こちらのくせ毛用シャンプーとトリートメントは、髪の内部の水分バランスを整えて、くせを落ち着かせる効果があります」
即効性の説明:
「使ったその日から、髪のまとまりが違うことを実感していただけると思います。朝のスタイリング時間も短縮できますよ」
長期効果:
「継続して使っていただくと、くせ毛そのものが扱いやすくなってきます。今日のような仕上がりを、ご自宅でも再現できるようになります」
商品提案のタイミング
施術中のベストタイミング
シャンプー時:
「今使っているシャンプーは、○○さんの髪には少し洗浄力が強いかもしれませんね」
トリートメント塗布時:
「このトリートメントの効果を持続させるために、ご自宅でのケアも大切です」
ドライ時:
「髪を乾かしながら感じるのですが、毛先の乾燥が気になりますね」
仕上げ時:
「今日のこの艶と手触りを、ご自宅でもキープしていただきたいです」
お会計前のタイミング
仕上がりの満足度確認後:
「今日の仕上がり、いかがですか?この状態をご自宅でも続けていただくために…」
次回予約の話の流れで:
「次回までの間、髪の状態をキープするケア方法をお教えしますね」
断られた時の自然な対応
「今日は考えさせて」と言われた場合
理解を示す:
「もちろんです。大切な髪のことですから、じっくりご検討ください」
情報提供継続:
「でも、髪の状態を見ていて気になることがあるので、ホームケアのアドバイスだけでもお聞きください」
種まき:
「もし何か気になることがあれば、いつでもご相談ください。○○さんの髪が美しくなるお手伝いができれば嬉しいです」
「今使ってるものがあるので」と言われた場合
現在の商品を尊重:
「そうですね。今お使いの商品との相性はいかがですか?」
比較ではなく補完提案:
「今のケアにプラスして、週に1回だけでも集中ケアをしていただくと、効果が格段に上がります」
将来への提案:
「今のものがなくなった時に、ぜひ一度試してみてください。きっと違いを実感していただけると思います」
「高いから…」と言われた場合
価値の再説明:
「確かに市販品と比べると価格は高く感じられるかもしれませんね。でも、1本で2ヶ月使えて、効果を考えると1日あたり○円の計算になります」
長期的メリット:
「良いケア商品を使うことで、髪の状態が改善されて、結果的に美容院での施術頻度も減らせることがあります」
お試し提案:
「まずは小さなサイズでお試しいただいて、効果を実感してから決めていただくのはいかがでしょうか?」
商品説明のコツ
成分ではなく効果で説明
❌ 成分中心の説明:
「この商品には○○エキスと△△オイルが配合されていて…」
⭕ 効果中心の説明:
「この商品を使うと、朝起きた時の髪のまとまりが全然違います。寝癖も付きにくくなりますよ」
数字を使って具体化
持続期間:
「1本で約2ヶ月使えます」
効果期間:
「使い始めて1週間で違いを実感できます」
コストパフォーマンス:
「1日あたり約50円で、サロン品質のケアができます」
体験談を交える
他のお客さんの成功例:
「同じような髪質の方が使われて、『朝のセットが楽になった』とおっしゃっていました」
自分の体験:
「私も実際に使っているのですが、本当に髪の調子が良くなりました」
継続購入につながるアフターフォロー
使用開始1週間後
LINE等でフォロー:
「先日お買い上げいただいたシャンプー、使い心地はいかがですか?何か気になることがあれば、お気軽にご連絡ください」
使用開始1ヶ月後
効果確認:
「シャンプーをお使いいただいて1ヶ月になりますが、髪の変化は感じられますか?」
使い方アドバイス:
「もしもっと効果を実感したいということでしたら、使い方のコツをお教えしますね」
商品がなくなる頃
タイミング良くご案内:
「そろそろシャンプーがなくなる頃でしょうか?継続していただくと、さらに効果が実感できると思います」
今日から実践できる改善ステップ
Week 1:観察力を高める
- [ ] お客さんの髪の状態を詳しく観察する
- [ ] 気づいたことを言葉にして伝える
- [ ] お客さんの反応を確認する
- [ ] 髪の悩みを聞き出す質問を練習する
Week 2:商品知識を深める
- [ ] 各商品の特徴と適用髪質を整理する
- [ ] 効果的な使用方法を覚える
- [ ] お客さんの悩み別に最適商品を選定
- [ ] 価格に対する価値を説明できるようになる
Week 3:会話術を練習
- [ ] 自然な商品提案の流れを練習する
- [ ] 断られた時の対応を練習する
- [ ] 成功事例と失敗事例を分析する
- [ ] タイミングの良い提案を心がける
Week 4:フォローアップ強化
- [ ] 購入後のお客さんに連絡する
- [ ] 効果確認と使用方法アドバイス
- [ ] 継続購入への自然な案内
- [ ] お客さん満足度を確認する
まとめ:商品販売は髪の悩み解決のお手伝い
ヘアケア商品の販売は、決して「売る」ことが目的ではありません。
お客さんの髪の悩みを解決して、美しい髪を維持していただくためのお手伝いなのです。
今日から始めてほしいこと:
- お客さんの髪の状態をプロの目で観察する
- 髪の悩みを親身になって聞く
- 悩み解決の手段として商品を提案する
- 使い方を丁寧に指導して効果を実感してもらう
お客さんが
「この商品を使って本当に良かった」と心から思ってくれれば、
自然とリピート購入してくれますし、
友人にも紹介してくれます。
押し売りではなく、髪の悩み解決のプロとして、
心を込めて商品を提案してみてくださいね!
お客さんに心から喜ばれながら売上も上がる美容室経営のノウハウは、
まだまだたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに愛されて繁盛する美容室を一緒に作っていきませんか?
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