スタッフ別の予約管理で生産性を向上させる方法

スタッフ別の予約管理で生産性を向上させる方法

美容室を経営していると
「今日は田中さんの予約がパンパンなのに、佐藤さんはヒマそう…」
「せっかくお客さんから予約の電話があったのに、希望の時間に空きがない…」
なんて経験、ありませんか?

これって実は、スタッフ別の予約管理がうまくできていないサインなんです。
今日は、この予約管理を改善することで、
お店全体の売上を大幅にアップさせる方法をお話しします。

難しそうに聞こえるかもしれませんが、
実はちょっとした工夫で劇的に改善できるんですよ!

目次

なぜスタッフ別予約管理が重要なの?

1. 売上の最大化

例えば、3人のスタッフがいる美容室で考えてみましょう。

改善前

  • Aさん:1日6人(満席)
  • Bさん:1日3人(半分空き)
  • Cさん:1日4人(少し空き)
  • 合計:13人/日

改善後

  • Aさん:1日6人
  • Bさん:1日5人
  • Cさん:1日6人
  • 合計:17人/日

同じスタッフ数でも、
1日4人も多くお客さんを受け入れられるようになります。
月にすると120人、年間だと1,440人の差!
これは大きな売上アップにつながりますよね。

2. スタッフのモチベーション向上

予約が偏ると、忙しいスタッフは疲れてしまい、
ヒマなスタッフは不安になってしまいます。
バランス良く予約が入ることで、チーム全体のモチベーションが上がります。

3. お客さんの満足度アップ

「希望の時間に予約が取れない」という問題が解決されて、
お客さんにも喜んでもらえます。

現状を把握しよう:予約の偏りをチェック

まずは、あなたのお店の現状を数字で確認してみましょう。

簡単チェック方法

1週間分の予約表を見て、以下をチェック

  1. スタッフごとの1日平均客数
  • Aさん:月曜4人、火曜6人、水曜5人…
  • Bさん:月曜2人、火曜3人、水曜4人…
  1. 時間帯別の空き状況
  • 10-12時:Aさん満席、Bさん空き
  • 14-16時:全員満席
  • 18-20時:Cさんのみ空き
  1. 曜日別の忙しさ
  • 土曜日:全員満席
  • 平日:バラツキあり

問題のパターンを見つけよう

よくある問題パターン

パターン1:人気スタッフに集中
→ ベテランスタッフばかりに予約が集まる

パターン2:時間帯の偏り
→ 夕方や土日に予約が集中する

パターン3:メニューの偏り
→ カットは人気、カラーは不人気

パターン4:新人スタッフが空いている
→ 指名予約が取れない

どのパターンに当てはまるかで、対策が変わってきます。

実践!スタッフ別予約管理の改善方法

ステップ1:スタッフの特徴と強みを整理する

まず、各スタッフの得意分野と特徴を明確にしましょう。

スタッフ特徴シート例

Aさん(ベテラン・10年目)

  • 得意:カット全般、ショートヘア
  • 特徴:相談しやすい、安心感がある
  • 客層:30-50代女性
  • 単価:平均6,000円

Bさん(中堅・5年目)

  • 得意:カラー、トリートメント
  • 特徴:トレンドに詳しい、丁寧
  • 客層:20-40代女性
  • 単価:平均7,000円

Cさん(新人・2年目)

  • 得意:基本カット、シャンプー
  • 特徴:元気、フレッシュ
  • 客層:学生、20代
  • 単価:平均4,500円

ステップ2:スタッフ別メニュー設定

各スタッフの強みを活かしたメニューを作りましょう。

例:Aさん専用メニュー

  • 「大人女性のためのエイジングケアカット」
  • 「忙しいママさん向け時短カット」
  • 「白髪が気になる方の相談カット」

例:Bさん専用メニュー

  • 「最新トレンドカラー」
  • 「髪質改善トリートメントコース」
  • 「結婚式前の特別ケア」

例:Cさん専用メニュー

  • 「学生さん応援カット」
  • 「初めて美容室デビューサポート」
  • 「就活ヘアスタイリング」

ステップ3:予約振り分けのルールを作る

電話やネット予約が入った時の振り分けルールを決めましょう。

基本ルール例

  1. 指名がある場合
    → 指名スタッフで調整
  2. 指名がない場合
    → 以下の順序で判断
  • お客さんの年齢・希望メニューに合うスタッフ
  • 空いているスタッフ
  • 経験の浅いスタッフの練習機会
  1. 満席の場合
    → 他のスタッフで同等のサービスができるか提案

振り分けフローチャート例

お客さんの予約 → 指名あり?
          ↓はい
       指名スタッフで調整
          ↓いいえ
     年齢・メニューを確認
          ↓
    最適なスタッフに振り分け

ステップ4:予約管理ツールの活用

手書きの予約表の場合

  • スタッフごとに色分けペンを使う
  • 空き時間を見やすくマークする
  • 1週間先までの空き状況を把握する

デジタル管理の場合

  • 予約管理アプリを導入する
  • スタッフごとの稼働率を数字で確認
  • 自動振り分け機能を活用する

ステップ5:チーム内での情報共有

朝礼での確認事項

  • 今日の各スタッフの予約状況
  • 空き時間のある人
  • 急な予約に対応できる人
  • 特別な配慮が必要なお客さん

予約調整の合言葉
「みんなで頑張って、みんなで稼ごう!」

具体的な改善テクニック

テクニック1:「バランス予約」の提案

お客さんに複数の選択肢を提示する時、意図的にバランスを取ります。


「ご希望の土曜日ですが、14時からでしたらAさん、
15時からでしたらBさんが空いております。
どちらも同じように上手ですので、お時間のご都合はいかがですか?」

テクニック2:「お試し指名」システム

新人スタッフの稼働率を上げるための工夫です。


「今度、新しいスタッフのCさんにカットしてもらいませんか?
とても勉強熱心で丁寧なんです。
もしご満足いただけなかった場合は、
次回Aさんが調整いたします」

テクニック3:「時間ずらし」の提案

忙しい時間帯から空いている時間帯への誘導です。


「14時は少しお待ちいただくことになりますが、
13時でしたらすぐにご案内できます。
1時間早くても大丈夫でしょうか?」

テクニック4:「セット予約」の活用

複数のサービスを異なるスタッフで分担します。


「カットはAさん、カラーはBさんという形で、
お二人で担当させていただきます。
それぞれの得意分野で最高の仕上がりをお約束します」

スタッフのモチベーション管理

1. 平等な機会の提供

売上目標の設定

  • 個人目標ではなく、チーム目標を重視
  • 経験に応じた現実的な目標設定
  • 達成時はチーム全体で祝う

2. スキルアップサポート

新人スタッフへの配慮

  • 練習の機会を意図的に作る
  • ベテランスタッフとのペア施術
  • お客さんからの良い評価を共有

3. 情報共有と連携

スタッフ間の連携強化

  • お客さんの好みや要望を共有
  • 技術的なアドバイスの交換
  • 「チーム○○美容室」の意識作り

数字で効果を測定しよう

管理すべき指標

1. スタッフ別稼働率

  • 目標:全スタッフ80%以上
  • 計算:実働時間 ÷ 営業時間

2. 客数のバラツキ

  • 目標:最大差20%以内
  • 計算:最多客数スタッフ – 最少客数スタッフ

3. 売上のバラツキ

  • 目標:経験年数を考慮した適正範囲内
  • 月次で確認

4. お客さんの満足度

  • 指名率の変化
  • リピート率の変化
  • 口コミ・評価の内容

月次レビューでの確認

毎月末に確認すること

  1. 各スタッフの稼働率
  2. 売上のバランス
  3. お客さんからの声
  4. スタッフの満足度
  5. 来月の改善点

実際の成功事例

Cさんの美容室(スタッフ4名)での事例

改善前の課題

  • ベテランAさんに予約集中(稼働率95%)
  • 新人Dさんが暇(稼働率40%)
  • 売上格差が大きくスタッフ間に不和

実施した改善策

  1. スタッフ別メニューの明確化
  2. 新人スタッフの「お試し指名」制度
  3. ペア施術の導入
  4. 朝礼での予約調整

3ヶ月後の結果

  • 全スタッフの稼働率70%以上達成
  • チーム全体の売上20%アップ
  • スタッフ間の協力関係が改善
  • お客さんからの満足度向上

Cさんのコメント
「最初は新人のDさんが心配でしたが、
今では多くのお客さんに愛されています。
チーム全体で成長できているのを実感します」

今すぐできる!簡単スタート法

今週中にできること

1. 現状把握

  • 1週間分の予約表を分析
  • スタッフごとの客数・売上を計算
  • 問題点を3つ書き出す

2. ルール作り

  • 指名なし予約の振り分けルールを決める
  • スタッフ間で情報共有
  • 朝礼での確認事項を決める

来月までにできること

1. システム改善

  • 予約管理方法の見直し
  • スタッフ別メニューの作成
  • お客さんへの提案方法の統一

2. チーム作り

  • スタッフ全員での目標設定
  • 連携方法の確立
  • 月次レビューの仕組み作り

3ヶ月後の目標

  • 全スタッフの稼働率20%以上改善
  • お客さんの満足度向上
  • スタッフのモチベーションアップ
  • お店全体の売上10%以上アップ

まとめ:チーム全体で成長する美容室を作ろう

スタッフ別の予約管理は、最初は少し複雑に感じるかもしれません。
でも、一つずつ改善していけば、必ず結果は出ます。

成功の秘訣

  1. 現状を数字で把握する
  2. スタッフの特徴を活かす
  3. チーム全体で協力する
  4. お客さんの満足を最優先にする
  5. 継続的に改善し続ける

大切なのは「一人のスーパースター」を作ることではなく、
「みんなで成長する強いチーム」を作ることです。

あなたの美容室が、スタッフ全員が活躍し、
お客さんに愛され、安定した売上を確保できる
お店になることを心から応援しています!

まずは今日から、一歩ずつ始めてみてくださいね。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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