オプションメニューの効果的な見せ方・提案タイミング

オプションメニューの効果的な見せ方・提案タイミング

目次

なぜオプションメニューが選ばれないの?

「ヘッドスパやトリートメントなど、
良いオプションメニューがあるのに全然選ばれない…」
「お客さんに提案しても『今度で』と言われてしまう…」

こんな悩みを抱えている美容室は本当に多いですよね。

実は、オプションメニューが選ばれない理由の多くは
「見せ方」と「提案タイミング」にあるんです。

オプションが選ばれない理由:

  • どんなメニューがあるのか、お客さんが知らない
  • 効果や価値が伝わっていない
  • 提案するタイミングが悪い
  • 押し売りっぽく感じられている
  • 基本メニューとの違いが分からない
  • なぜ今やる必要があるのか理解できない

でも、効果的な見せ方と最適なタイミングで提案すれば、
お客さんは自然にオプションメニューを選んでくれるようになります。

オプションメニューの「見せ方」改革

メニュー表の作り方

❌ 従来のメニュー表

カット          3,000円
カラー          4,000円
パーマ          5,000円
トリートメント   2,000円
ヘッドスパ      1,500円

→ 単なる価格表で魅力が伝わらない

⭕ 改良版メニュー表

【髪質改善トリートメント】2,000円
✓ 髪の内部から潤い補給
✓ 2週間ツヤツヤ髪が続く
✓ 朝のスタイリング時間半減
「髪がこんなに変わるなんて!」(30代女性)

【至福のヘッドスパ】1,500円  
✓ 日頃のストレス解消
✓ 頭皮の血行促進で健康な髪へ
✓ 極上のリラックス体験
「まるで別世界にいるみたい」(40代女性)

→ 効果とお客さんの声で価値を表現

ビジュアル活用術

Before & After写真

  • 実際のお客さんの施術前後を撮影
  • 「○○様(同意済み)実際の変化」として掲示
  • スマホで見せながら説明

体験動画の活用

  • ヘッドスパの施術風景を短い動画で撮影
  • お客さんの表情(リラックスした様子)を含める
  • 待合室で流して興味を引く

手触り体験ボード

  • トリートメント前後の髪の毛サンプルを用意
  • 実際に触って違いを実感してもらう
  • 「触ってみてください」と積極的に体験を促す

最適な提案タイミング

タイミング1:予約電話の時

現状の問題点: 「今度カットお願いします」
「はい、分かりました。○月○日はいかがですか?」
→ オプションの話が全く出ない

改良版の対応: 「カットですね、ありがとうございます。最近髪の調子はいかがですか?」 「そうでしたら、カットと一緒に髪質改善のケアもできますので、当日ご相談させていただきますね」 → 事前に期待感を作る

タイミング2:来店時のカウンセリング

効果的な流れ

  1. 近況確認:「お疲れ様です。最近髪のことで気になることはありませんか?」
  2. 悩み発見:「そうですね、この時期は乾燥しやすいですからね」
  3. 解決策提示:「今日はカットの他に、乾燥対策もできるんですよ」
  4. 選択肢提示:「お時間は大丈夫ですか?せっかくの機会なので、一緒にケアしちゃいましょうか?」

タイミング3:施術中の自然な流れ

シャンプー時: 「○○さん、頭皮を触らせていただいて気づいたのですが、少し血行が悪くなっているみたいです。ヘッドスパで血行促進すると、髪質も改善しますよ」

カット中: 「髪を切りながら感じるのですが、毛先の傷みが気になりますね。今日トリートメントで集中ケアしておくと、カットラインもより美しく見えます」

カラー放置中: 「カラーの放置時間を有効活用して、ヘッドスパはいかがですか?血行が良くなると、カラーの発色も良くなるんです」

タイミング4:仕上げ前の「もう一押し」

効果実感の瞬間: 「今日のカットライン、とても美しく仕上がりましたね。この美しさを長持ちさせるために、トリートメントで髪に栄養を与えておきませんか?」

次回への投資: 「次回まで美しい状態をキープするために、今日しっかりケアしておくと安心ですよ」

お客さんタイプ別・提案方法

忙しいワーキングマザー

価値観:時間効率、手間軽減、長持ち効果

効果的な提案: 「○○さんみたいにお忙しい方にこそ、このトリートメントをおすすめします。一度やっておくと、2週間は朝のセットが楽になります。毎朝10分短縮できたら、2週間で140分、つまり2時間以上の節約になりますね」

提案タイミング: カット中に「普段、朝の準備に時間かかりませんか?」から話を広げる

美意識の高いOL

価値観:美しさ、トレンド、自分への投資

効果的な提案: 「○○さんのように美意識の高い方でしたら、この最新のトリートメントがおすすめです。美容雑誌でも話題になっている技術で、内面から輝く美しさを引き出します」

提案タイミング: 「最近話題の○○って知ってますか?」から美容トレンドの話に持ち込む

年配の上品な女性

価値観:品質、安心感、丁寧さ、健康

効果的な提案: 「○○さんのような品のある方には、この上質なヘッドスパをおすすめします。天然成分100%で、髪だけでなく心もリフレッシュできます。年齢を重ねた髪には、特に丁寧なケアが大切ですからね」

提案タイミング: 「健康な髪を保つためには…」から話を始める

初回来店のお客さん

心理状態:緊張、様子見、警戒心

効果的な提案: 「初めてお越しいただいたので、当店のトリートメントを体験価格でご提供します。どんな効果があるか、まず実感していただければと思います」

提案タイミング: 施術が順調に進んで、お客さんがリラックスしてきたタイミング

断られにくい提案フレーズ集

選択肢を与える提案

❌ Yes/Noで答える質問: 「トリートメントはいかがですか?」 → 断りやすい

⭕ 選択肢を与える質問: 「髪のケアなんですが、しっかりとした栄養補給か、軽めの保湿ケア、どちらがお好みですか?」 → どちらかを選ぶ心理になる

理由付きの提案

現状の問題点+解決策: 「髪の乾燥が気になるようでしたら、今日しっかりケアしておくと安心ですね」

時期的な理由: 「この季節は髪が傷みやすいので、予防のためにもケアをおすすめします」

効果的なタイミング: 「カラーをした今日だからこそ、栄養補給のベストタイミングです」

小さなコミット→大きな提案

段階的アプローチ

  1. 「髪の状態、確認させてください」(小さなコミット)
  2. 「やっぱり少しケアが必要ですね」(問題認識)
  3. 「簡単なケアから始めましょうか?」(解決策提示)

価格に対する心理的ハードルを下げる技術

「分割思考」で負担感軽減

時間単価で説明: 「このヘッドスパは30分1,500円なので、1分あたり50円の計算です。缶ジュース1本分以下の価格で、極上のリラックス体験ができます」

効果持続期間で割る: 「2,000円のトリートメントの効果が2週間続くので、1日あたり約143円。コーヒー1杯より安い価格で美しい髪が保てます」

「比較」で価値を明確化

他店との比較: 「他のサロンでは同じレベルのトリートメントが3,000円以上しますが、当店では特別価格でご提供しています」

市販品との比較: 「市販のトリートメントを毎日使うコストを考えると、月1回サロンでしっかりケアした方が経済的です」

「投資」として考えてもらう

未来価値の提示: 「今日の投資で、1ヶ月間美しい髪でいられます」

問題予防の価値: 「今ケアしておくことで、将来的な髪の悩みを防げます」

オプション選択率を上げるシステム作り

「当たり前化」の導入

基本セットとしての提案: 「今日はカット+保湿ケアの組み合わせがおすすめです」 → オプション感を薄める

段階的メニュー構成

  • ベーシックコース:カットのみ
  • スタンダードコース:カット+簡単ケア
  • プレミアムコース:カット+集中ケア → 真ん中を選ぶ心理を活用

「限定性」で特別感演出

時間限定: 「今の時期だけの特別ケアメニューです」

人数限定: 「1日3名様限定のプレミアムケアです」

初回限定: 「初回お試し価格でご提供します」

体験から入るアプローチ

ワンコイン体験: 「まずは500円で体験してみませんか?」

お試しサイズ: 「15分の簡単バージョンから始めてみましょう」

効果保証: 「効果を実感できなければ、次回調整いたします」

スタッフ全体でのオプション提案力向上

ロールプレイング練習

シチュエーション別練習

  • 忙しそうなお客さんへの提案
  • 初回のお客さんへの提案
  • 断られた時の対応
  • 価格について聞かれた時の説明

成功パターンの共有

  • うまくいった提案事例の分析
  • お客さんの反応が良かった言葉
  • 効果的だったタイミング

お客さんデータの活用

好み・傾向の記録

  • どんなオプションを選ぶ傾向があるか
  • 断る理由は何が多いか
  • どんな説明に反応するか

次回来店への活用

  • 前回断ったオプションの再提案方法
  • 季節や髪の状態に合わせた提案
  • 個別にカスタマイズした提案

実践的な改善ステップ

Week 1:現状把握と改善点発見

  • [ ] 現在のオプション選択率を確認
  • [ ] お客さんがオプションを断る理由を分析
  • [ ] メニュー表やPOPを見直し
  • [ ] スタッフの提案スキルを確認

Week 2:見せ方改善

  • [ ] メニュー表を効果重視に変更
  • [ ] Before&After写真を準備
  • [ ] 体験ツールを作成
  • [ ] 店内ディスプレイを工夫

Week 3:提案タイミング練習

  • [ ] カウンセリング時の質問パターン練習
  • [ ] 施術中の自然な提案練習
  • [ ] 断られた時の対応練習
  • [ ] お客さんタイプ別提案練習

Week 4:システム化と継続改善

  • [ ] 成功事例の記録と分析
  • [ ] スタッフ間での共有システム確立
  • [ ] お客さんデータの活用方法確立
  • [ ] 継続的改善の仕組み作り

まとめ:オプションは「追加」ではなく「必要なケア」

オプションメニューは、決して「追加で売りたいもの」ではありません。

お客さんの髪をより美しくするために必要なケアなのです。

その価値をしっかりと伝えて、最適なタイミングで提案すれば、お客さんは自然に選んでくれるようになります。

今日から始めてほしいこと

  1. オプションメニューの真の価値を明確にする
  2. お客さんの悩みと解決策を結びつける
  3. 最適なタイミングで自然に提案する
  4. 押し売りではなく、ケアの相談として伝える

お客さんが「やって良かった!」
と心から思えるオプションメニューになれば、
リピート率も満足度も必ず上がります。

一人ひとりのお客さんに最適なケアを提案して、
もっと美しい髪になってもらいましょう!


お客さんに心から喜ばれながら売上も向上する美容室経営のコツは、
まだまだたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに愛されて繁盛する美容室を一緒に作っていきませんか?

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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