お客さんの髪の悩みに寄り添う共感力の身につけ方

お客さんの髪の悩みに寄り添う共感力の身につけ方

目次

なぜお客さんの悩みを理解することが大切なの?

美容室に来るお客さんは、
みんなそれぞれ髪の悩みを抱えています。
「髪がうねってまとまらない」
「白髪が気になる」
「ボリュームがなくなった」など、
お客さん一人ひとりが違う悩みを持っているんです。

でも、多くの美容師さんは技術のことばかり考えて、
お客さんの本当の気持ちを聞き逃してしまうことがあります。
これってとてももったいないことなんです。

お客さんの悩みに心から寄り添えるようになると、
お客さんは「この美容師さんは私のことを分かってくれる」と感じて、
必ずあなたのお店に戻ってきてくれます。

共感力って何?どうして必要なの?

共感力とは、相手の気持ちを自分のことのように感じ取る力のことです。

例えば、お客さんが
「朝、髪をセットするのに時間がかかって大変なんです」と言ったとします。

×共感力が低い反応:
「そうですね。では今日はまとまりやすいスタイルにしましょう」

○共感力が高い反応:
「毎朝大変ですよね。お忙しい中、
髪のセットに時間を取られるとストレスも溜まりますし、
一日の始まりが憂鬱になってしまいますよね」

この違い、分かりますか?共感力が高い美容師さんは、
お客さんの困っている状況だけでなく、
その時の気持ちまで理解しているんです。

お客さんの悩みを見つける3つのステップ

ステップ1:じっくり話を聞く

お客さんが何かを話し始めたら、
手を止めて目を見て聞きましょう。
「ながら聞き」は絶対にダメです。

良い例

  • 「そうなんですね、詳しく教えてください」
  • 「それは大変でしたね」
  • 「具体的にはどんな時に困りますか?」

悪い例

  • 「はい、はい」(返事だけ)
  • カットしながら適当に相づち
  • 話を途中で遮って技術の話に変える

ステップ2:質問で深く掘り下げる

お客さんの最初の話は、
実は本当の悩みの表面だけのことが多いんです。
質問を使って、もっと深い部分を聞き出しましょう。

効果的な質問の例

  • 「その悩みはいつ頃から気になり始めましたか?」
  • 「どんな時に一番困りますか?」
  • 「理想はどんな髪型ですか?」
  • 「朝のセット時間はどのくらいかけられますか?」

ステップ3:気持ちに寄り添う言葉をかける

お客さんの悩みが分かったら、
技術的な解決策を提案する前に、
まず気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。

寄り添う言葉の例

  • 「毎朝大変な思いをされてたんですね」
  • 「そんな悩みがあったら、外出するのも億劫になりますよね」
  • 「鏡を見るたびに気になってしまいますよね」
  • 「お友達と会う時も気になって楽しめませんよね」

実際の会話例で練習してみよう

悪い例(共感力が低い会話)

お客さん
「最近、髪にツヤがなくなって、老けて見えるような気がするんです」

美容師
「そうですね。トリートメントをすればツヤは戻りますよ。
今日はどうしますか?」

良い例(共感力が高い会話)

お客さん
「最近、髪にツヤがなくなって、老けて見えるような気がするんです」

美容師
「それはお辛いですね。鏡を見るたびに気になってしまいますよね。
いつ頃からそう感じるようになりましたか?」

お客さん
「3ヶ月くらい前からでしょうか。写真を撮られるのも嫌になって…」

美容師
「写真まで嫌になってしまうなんて、
本当にお辛い思いをされてましたね。
せっかくの楽しい瞬間なのに、
髪のことが気になって心から楽しめないのは悲しいですよね」

お客さん
「そうなんです!分かってもらえて嬉しいです」

今日から始められる共感力アップの練習法

1. 「○○ですよね」を使う

お客さんの気持ちを代弁する時は、
最後に「○○ですよね」をつけてみてください。
これだけで共感している感じが伝わります。

  • 「毎朝大変ですよね」
  • 「気になって仕方ないですよね」
  • 「思うようにいかないとイライラしますよね」

2. 自分の体験と重ね合わせる

お客さんの悩みを聞いた時、
自分や身近な人の似た体験を思い出してみてください。
実際に体験したことがある感情は、自然に相手に伝わります。

3. 感情を表す言葉を増やす

「大変」「困る」だけでなく、
もっと細かい感情を表す言葉を覚えましょう。

感情を表す言葉の例

  • つらい、悲しい、悔しい、情けない
  • 憂鬱、不安、心配、ストレス
  • 恥ずかしい、みじめ、落ち込む

共感力が高い美容師さんになると起こる嬉しい変化

お客さんがファンになる

「この人は私のことを本当に分かってくれる」と感じたお客さんは、
必ずあなたのファンになります。
ファンになったお客さんは他の美容室には行きません。

口コミで新しいお客さんが来る

お客さんは友達に
「すごく話を聞いてくれる美容師さんがいるの」
と自然に話すようになります。
これが一番効果的な宣伝になるんです。

仕事が楽しくなる

お客さんとの会話が深くなると、
美容師の仕事がもっと楽しくなります。
技術だけでなく、
人の心も癒せる素晴らしい仕事だということを実感できるでしょう。

まとめ:今日からできる小さな一歩

共感力は一日で身につくものではありませんが、
意識するだけで必ず変わります。

今日から始めてほしいこと

  1. お客さんが話している時は、必ず手を止めて聞く
  2. 「○○ですよね」を1日に3回使ってみる
  3. お客さんの悩みに対して、まず気持ちに寄り添う言葉をかける

小さな変化の積み重ねが、
やがて大きな成果につながります。
お客さんの心に寄り添える美容師さんになって、
もっと愛される美容室を作っていきましょう!


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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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