お客さんの時間を大切にする予約管理のコツ

お客さんの時間を大切にする予約管理のコツ

目次

なぜ予約管理がお客さんの満足度を左右するの?

「予約をしたのに30分も待たされた…」
「急に予約をキャンセルされて困った…」
「電話をしても繋がらない…」

こんな経験をしたお客さんは、
もうその美容室には行きたくないと思ってしまいます。

現代のお客さんは、時間をとても大切にしています
忙しい日常の中で、美容室に行く時間を作ってくれているのに、
その時間を無駄にしてしまったら、
お客さんの信頼を失ってしまうのです。

逆に、時間をきちんと守り、
スムーズな予約管理ができている美容室は、
それだけでお客さんから高く評価されるのです。

お客さんが予約で困ること・嫌がること

困ること

予約が取りにくい

  • 電話が繋がらない
  • 希望の日時に空きがない
  • 何度もかけ直さないといけない
  • 営業時間外は予約が取れない

予約の変更・キャンセルが大変

  • 変更方法が分からない
  • 直前の変更ができない
  • キャンセル料の説明がない
  • 連絡先が分からない

嫌がること

時間を守ってもらえない

  • 予約時間に始まらない
  • 待ち時間の説明がない
  • 終了予定時間を大幅に過ぎる
  • 次の予定に間に合わない

予約の管理がずさん

  • ダブルブッキング
  • 予約内容の間違い
  • スタッフ間の情報共有不足
  • 前回の記録が残っていない

基本的な予約管理のルール

ルール1:予約時間は絶対に守る

お客さんを待たせる時間の目安

  • 5分以内:許容範囲(でも謝る)
  • 10分以内:しっかりと謝罪が必要
  • 15分以上:お詫びのサービスを検討
  • 30分以上:信頼関係に大きな傷

時間を守るための工夫

  • 予約と予約の間に余裕を持たせる
  • 施術時間を正確に把握する
  • 前のお客さんが長引いた時の対応策を準備
  • スタッフ間の連携を密にする

ルール2:予約の受付は分かりやすく簡単に

電話予約のコツ

  • 3コール以内に出る
  • 明るい声で応対する
  • 希望を聞いてから空き状況を確認
  • 複数の選択肢を提示する
  • 復唱して確認する

ネット予約の活用

  • 24時間いつでも予約可能
  • お客さんの都合に合わせられる
  • 電話が苦手なお客さんも安心
  • スタッフの負担軽減

ルール3:情報共有は徹底的に

予約台帳の管理

  • お客さんの情報を詳しく記録
  • 前回の施術内容を必ず確認
  • 特別な要望や注意事項の記載
  • スタッフ全員が見られる場所に保管

デジタル管理の活用

  • 予約管理システムの導入
  • お客さん情報のデータベース化
  • リアルタイムでの情報更新
  • バックアップの確保

レベル別予約管理システム

レベル1:基本の管理(手帳・ノート)

必要な道具

  • 大きめの手帳やスケジュール帳
  • お客さん情報を記録するノート
  • 色分け用のペン
  • 付箋

管理方法

  • 時間軸で予約を記入
  • お客さんごとに色分け
  • 施術内容を略語で記載
  • 変更・キャンセルは付箋で管理

メリット・デメリット

  • ○導入コストが安い
  • ○停電などの影響を受けない
  • ×情報共有が難しい
  • ×検索機能がない

レベル2:改良版管理(表計算ソフト)

使用するツール

  • ExcelやGoogleスプレッドシート
  • タブレットやパソコン

管理方法

  • 時間と日付で表を作成
  • お客さん情報を別シートで管理
  • 関数を使って自動計算
  • クラウドで情報共有

メリット・デメリット

  • ○低コストで高機能
  • ○検索・集計が簡単
  • ○複数人で共有可能
  • ×操作に慣れが必要
  • ×ネット環境が必要

レベル3:プロ仕様管理(専用システム)

専用システムの機能

  • ネット予約との連携
  • 自動リマインド機能
  • 顧客管理データベース
  • 売上分析機能
  • スタッフスケジュール管理

導入効果

  • 予約受付の自動化
  • 情報共有の完全化
  • お客さん満足度の向上
  • 業務効率の大幅改善

時間管理の実践テクニック

施術時間の見積もり方

基本の計算式

予約時間 = カウンセリング + 施術 + 仕上げ + バッファ

各工程の時間目安

  • カウンセリング:5-10分
  • カット:30-45分
  • カラー:60-90分
  • パーマ:90-120分
  • 仕上げ:10-15分
  • バッファ(余裕時間):5-10分

効率的なスケジュールの組み方

同時進行を活用

  • カラーの放置時間に他のお客さんのカット
  • パーマの巻き時間に他のお客さんの仕上げ
  • 待ち時間を最小限に抑える

スタッフの特性を活かす

  • 早い人:短時間メニュー中心
  • 丁寧な人:時間をかけるメニュー中心
  • 経験豊富な人:難しいメニュー担当

お客さんとのコミュニケーション術

予約を取る時の会話例

良い例
「お疲れ様です。ご予約ありがとうございます。
どのような施術をご希望でしょうか?」
→ 施術内容を確認
「かしこまりました。お時間は約○時間を予定しております。
○月○日の○時からはいかがでしょうか?」
→ 時間の目安を最初に伝える

悪い例
「はい、○月○日空いてます」 → 施術内容や時間の説明なし

待ち時間が発生した時の対応

すぐに謝罪
「申し訳ございません。
前のお客様が長引いており、
約○分ほどお待ちいただくことになります」

選択肢を提示
「このままお待ちいただくか、
お時間を変更していただくことも可能です。
いかがいたしましょうか?」

待ち時間を有効活用

  • 雑誌や本の提供
  • ドリンクサービス
  • ヘアケアアドバイス
  • 次回予約の相談

よくあるトラブルと対処法

トラブル1:ダブルブッキング

予防策

  • 予約確定前に必ず空き状況を再確認
  • 電話とネット予約の情報を即座に同期
  • 予約台帳の記入ルールを統一

対処法

  • 心からお詫びする
  • 両方のお客さんに選択肢を提示
  • 次回特別サービスの提案
  • 原因を突き止めて再発防止

トラブル2:お客さんの遅刻

10分以内の遅刻

  • 温かく迎える
  • 終了時間への影響を説明
  • 可能な範囲で調整

15分以上の遅刻

  • 状況を確認する
  • 短縮メニューの提案
  • 次回への変更提案

連絡なしの大幅遅刻

  • 心配の気持ちを伝える
  • 他のお客さんへの影響を説明
  • 柔軟な対応を心がける

トラブル3:急なキャンセル

当日キャンセル

  • 理由を聞いて共感を示す
  • キャンセル料について丁寧に説明
  • 次回予約の提案

無断キャンセル

  • 心配する気持ちを伝える連絡
  • 事情を聞く
  • 今後の予約ルールを確認

デジタルツールの活用法

LINE公式アカウントの活用

予約受付

  • 24時間自動受付
  • 選択式で簡単予約
  • 写真付きでメニュー紹介

リマインド機能

  • 前日の確認メッセージ
  • 当日の時間確認
  • 変更・キャンセル方法の案内

予約管理アプリの選び方

必要な機能

  • 予約カレンダー
  • 顧客管理機能
  • 売上集計機能
  • スタッフ管理機能
  • ネット予約連携

選ぶポイント

  • 操作の簡単さ
  • 月額料金
  • サポート体制
  • カスタマイズ性
  • セキュリティ

今日から始められる改善ステップ

Week 1:現状把握

  • [ ] 現在の予約管理方法を見直す
  • [ ] お客さんの待ち時間を記録する
  • [ ] スタッフの施術時間を測定する
  • [ ] 予約トラブルの頻度を確認する

Week 2:基本ルール作り

  • [ ] 予約受付の標準的な流れを決める
  • [ ] 施術時間の目安を設定する
  • [ ] 情報共有の方法を統一する
  • [ ] 緊急時の対応方法を決める

Week 3:システム改善

  • [ ] 予約台帳の書式を統一する
  • [ ] デジタルツールの導入を検討する
  • [ ] スタッフ間の連絡方法を改善する
  • [ ] お客さんへの連絡方法を整理する

Week 4:運用と改善

  • [ ] 新しいシステムで1週間運用する
  • [ ] 問題点を洗い出す
  • [ ] お客さんからの意見を聞く
  • [ ] さらなる改善策を検討する

予約管理チェックリスト

毎日のチェック項目

  • [ ] 翌日の予約確認
  • [ ] お客さん情報の準備
  • [ ] 施術時間の最終調整
  • [ ] スタッフ間の情報共有
  • [ ] 緊急時の連絡先確認

週1回のチェック項目

  • [ ] 予約状況の分析
  • [ ] キャンセル率の確認
  • [ ] 待ち時間の平均算出
  • [ ] お客さん満足度の確認
  • [ ] システムの見直し

月1回のチェック項目

  • [ ] 予約システムの効果測定
  • [ ] トラブル件数の集計
  • [ ] スタッフの習熟度確認
  • [ ] お客さんアンケートの実施
  • [ ] システム改善の検討

まとめ:時間を大切にする美容室がお客さんに愛される

予約管理は、美容室の「顔」とも言える大切な業務です。

お客さんの貴重な時間を預かっているという意識を持って、
一つひとつの予約を大切に扱いましょう。

今日から始めてほしいこと

  1. お客さんを絶対に待たせない仕組みを作る
  2. 予約の受付から終了まで、すべての過程を見直す
  3. スタッフ全員で情報共有を徹底する
  4. デジタルツールを活用して効率化を図る

時間を大切にしてくれる美容室には、
お客さんも安心して通い続けてくれます。
「あの美容室は時間をきちんと守ってくれるから安心」
と言ってもらえる美容室を目指しましょう!


お客さんの時間を大切にする美容室作りのコツは、
予約管理以外にもたくさんあります。
もっと詳しく学んで、
お客さんに愛される美容室を一緒に作っていきませんか?

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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