営業時間・特別営業時間の設定で集客力アップ

営業時間・特別営業時間の設定で集客力アップ

目次

はじめに

「営業時間なんて、正確に書いてあれば十分でしょ?」
「特別営業時間って、そんなに重要なの?」

実は、営業時間の設定は、MEO対策において極めて重要な要素です。

Googleの調査によると、ユーザーがローカル検索を行う際、
76%が営業時間を確認し、
営業中のビジネスは検索結果で優遇されることが明らかになっています。
さらに、営業時間が不正確だった場合、
67%のユーザーがそのビジネスを選択肢から外すというデータもあります。

「今、開いてる?」という疑問に即座に答えられるかどうかが、
来店を左右する決定的な要因なのです。

本記事では、営業時間設定の基本から、特別営業時間の戦略的活用、
業種別のベストプラクティス、
そして実際に集客力がアップした事例まで、詳しく解説します。


営業時間設定の重要性

なぜ営業時間が重要なのか

データで見る影響力

【Googleの調査結果】

営業時間を確認するユーザー:76%
営業中の店舗への来店率:3.2倍
営業時間が不正確な場合の離脱率:67%

【検索アルゴリズムへの影響】

「今すぐ行きたい」検索:
・「今営業中」のビジネスを優先表示
・営業時間外は順位が下がる

例:
夜8時に「ラーメン」で検索
→ 営業中の店が上位に
→ 閉店済みの店は下位に

ユーザーの検索行動

【モバイル検索の特徴】

検索の80%が「近くの〇〇」
そのうち50%が「今すぐ」を求める

【意思決定の流れ】

1. 「近くのカフェ」で検索
2. 営業中かどうか確認
3. 営業中なら → 詳細を見る
4. 営業時間外なら → スキップ

→ 営業時間の表示が第一関門

正確な営業時間のメリット

【1. 機会損失の防止】
誤った情報で客足が遠のくことを防ぐ

【2. 信頼性の向上】
正確な情報 = 信頼できる店

【3. 検索順位の向上】
Googleが評価する信頼性指標

【4. カスタマーサポートの削減】
「今日開いてる?」の電話が減る

【5. 顧客満足度の向上】
無駄足を防ぐ = 良い体験

基本の営業時間設定

設定方法(ステップバイステップ)

パソコンから設定

【手順】

1. Googleビジネスプロフィール管理画面にログイン
   https://business.google.com/

2. 左メニュー「情報」をクリック

3. 「営業時間」セクションを見つける

4. 鉛筆アイコン(編集)をクリック

5. 曜日ごとに時間を設定

   月曜日:9:00 - 18:00
   火曜日:9:00 - 18:00
   水曜日:9:00 - 18:00
   木曜日:9:00 - 18:00
   金曜日:9:00 - 18:00
   土曜日:10:00 - 17:00
   日曜日:定休日(チェックを外す)

6. 「保存」をクリック

7. 変更が反映される(通常、数分以内)

スマートフォンから設定

【手順】

1. Googleマップアプリを開く

2. メニュー(三本線)→「ビジネスプロフィール」

3. 自分のビジネスを選択

4. 「情報」タブ

5. 「営業時間」をタップ

6. 各曜日をタップして時間を設定

7. 「保存」をタップ

記入のルール

正確性が最優先

【原則】
お客様が入店できる時間 = 営業時間

【準備時間は含めない】

✗ 8:30 準備開始、9:00 開店
→ 営業時間は「9:00開始」

✗ 18:00 閉店、18:30 片付け終了
→ 営業時間は「18:00終了」

【ラストオーダーの扱い】

飲食店などでLOがある場合:
・営業時間 = 店を閉める時間
・LOはビジネス説明文や投稿で案内

例:
営業時間:11:00 - 22:00
説明文:「ラストオーダーは21:30です」

複数の時間帯がある場合

【例:昼夜営業の飲食店】

ランチ:11:30 - 14:30
ディナー:17:30 - 22:00

【設定方法】
同じ曜日に複数の時間帯を追加

月曜日:
11:30 - 14:30
17:30 - 22:00

→ 「営業時間を追加」ボタンで設定

24時間営業の場合

【設定方法】
「24時間営業」にチェック

【注意点】
・本当に24時間営業の場合のみ
・深夜に臨時休業する場合は使わない
・清掃時間等で一時閉店する場合も✗

定休日の設定

【方法】
該当する曜日のチェックを外す

【複数の定休日】
例:火曜・水曜が定休日
→ 両方のチェックを外す

【不定休の場合】
・代表的な営業日を設定
・ビジネス説明文で「不定休」と明記
・投稿で具体的な休業日を案内

特別営業時間の戦略的活用

特別営業時間とは

【定義】
通常の営業時間とは異なる、
特定の日の営業時間

【設定できる期間】
・1日単位
・数日〜数週間
・数ヶ月先まで

【主な用途】
・祝日
・年末年始
・臨時休業
・イベント日
・短縮営業

設定すべきタイミング

必須の設定

【1. 祝日】
多くのビジネスで通常と異なる営業時間

例:
通常:月-金 9:00-18:00
祝日:10:00-17:00(短縮)
または定休日

【2. 年末年始】
12/31: 9:00-15:00(短縮)
1/1-1/3: 定休日
1/4: 11:00-17:00(短縮)

【3. お盆期間】
8/13-8/15: 定休日
または短縮営業

【4. 臨時休業】
・設備点検
・スタッフ研修
・天候不良
・オーナーの私用

推奨の設定

【5. イベント開催日】
通常より長く営業
または特別な時間帯

例:
通常:9:00-18:00
イベント日:9:00-20:00

【6. 繁忙期・閑散期】
季節に応じた営業時間調整

例(海の家):
夏季:9:00-21:00
春秋:10:00-17:00
冬季:定休日

設定方法(詳細)

ステップバイステップ

【手順】

1. GBP管理画面 > 情報 > 営業時間

2. 「特別営業時間」セクション

3. 「特別営業時間を追加」をクリック

4. 日付を選択
   ・単日:特定の1日
   ・期間:開始日と終了日

5. 営業時間を設定
   ・通常通り営業
   ・短縮営業(時間を指定)
   ・終日休業

6. 「保存」

7. 複数の特別営業時間を設定可能

具体的な設定例

【例1:年末年始】

12/30(土): 9:00-17:00(短縮)
12/31(日): 9:00-15:00(短縮)
1/1(月): 定休日
1/2(火): 定休日
1/3(水): 定休日
1/4(木): 11:00-18:00(短縮)
1/5(金)以降: 通常営業

【例2:ゴールデンウィーク】

5/3(金): 10:00-19:00
5/4(土): 10:00-19:00
5/5(日): 10:00-19:00
5/6(月): 定休日(振替)

事前告知の重要性

【いつ設定すべきか】

最低でも1週間前
推奨:2-4週間前

【理由】
・お客様が計画を立てやすい
・Googleが事前に通知できる
・検索結果に反映される時間

【告知の流れ】

1. 特別営業時間を設定(1ヶ月前)
2. 投稿で告知(2週間前)
3. ウェブサイトでも告知
4. SNSで告知
5. 店頭ポスターで告知

その他の営業時間項目

カテゴリ別の営業時間

飲食店の詳細設定

【設定可能な項目】

1. 朝食:6:00-10:00
2. ブランチ:10:00-14:00
3. ランチ:11:00-15:00
4. ディナー:17:00-22:00
5. テイクアウト:11:00-21:30
6. 宅配:11:00-21:00
7. ドライブスルー:7:00-23:00
8. ハッピーアワー:17:00-19:00

【メリット】
・詳細な情報提供
・ユーザーの検索意図に対応
・「ブランチ 営業中」などで表示

【設定方法】
GBP管理画面 > 情報 > 各項目を展開

業種別の特殊な営業時間

【医療機関】
・診療時間
・受付時間
・予約診療時間

例:
診療時間:9:00-18:00
受付時間:9:00-17:30
予約優先:14:00-17:00

【フィットネスジム】
・スタッフ常駐時間
・24時間利用可能時間

例:
スタッフ常駐:9:00-22:00
セキュリティキー利用:0:00-24:00

【小売店】
・店舗営業時間
・オンライン注文受付時間
・店頭受取可能時間

業種別ベストプラクティス

飲食店

基本戦略

【設定すべき項目】
✓ 通常営業時間
✓ ランチタイム
✓ ディナータイム
✓ ラストオーダー時間(説明文で)
✓ テイクアウト時間
✓ 宅配時間
✓ ハッピーアワー(該当する場合)

【注意点】
・ランチとディナーで時間が分かれる場合、明確に
・ラストオーダーは営業時間の30分前が一般的
・特別営業時間(年末年始、GW等)は必ず設定

成功事例

【ケース:東京都内のイタリアンレストラン】

改善前:
・営業時間:11:00-22:00のみ記載
・ランチ・ディナーの区別なし
・特別営業時間なし

改善後:
・営業時間:11:00-22:00
・ランチ:11:00-15:00
・ディナー:17:00-22:00
・テイクアウト:11:00-21:30
・祝日、年末年始の特別営業時間設定

結果:
・「ランチ 営業中」での検索流入が35%増
・「テイクアウト」検索からの問い合わせ増加
・年末年始の予約が前年比2倍

美容・サロン

基本戦略

【特徴】
・完全予約制が多い
・最終受付時間が重要
・定休日が変則的

【設定のコツ】
・営業時間 = 施術可能時間
・最終受付はビジネス説明文で明記
・不定休の場合、特別営業時間で管理

【例:美容室】
営業時間:9:00-19:00
説明文:「最終受付は18:00です」
定休日:毎週月曜、第2・第4火曜

→ 不定休部分は特別営業時間で設定

医療機関

基本戦略

【重要ポイント】
・診療時間と受付時間を明確に
・休診日が多い(木曜午後、日曜等)
・急な休診も多い

【設定方法】
営業時間 = 診療時間

例:
月-金:9:00-12:00, 14:00-18:00
土:9:00-13:00
日・祝:定休日

説明文で補足:
「受付は診療終了30分前まで」
「木曜午後は休診」

注意すべき点

【臨時休診の即時更新】
医師の学会参加、急病等

→ 特別営業時間で「定休日」に設定
→ 投稿でも告知
→ ウェブサイト、院内掲示でも告知

【患者からのクレーム防止】
「来院したら休診だった」
→ 最悪の体験、悪い口コミに

→ 正確な情報更新が最優先

小売店

基本戦略

【設定項目】
✓ 店舗営業時間
✓ 店頭受取可能時間
✓ オンライン注文受付時間(該当する場合)

【年中無休の店舗】
コンビニ、ドラッグストア等

→ 365日、全て営業時間を設定
→ 元日も営業する場合は特別営業時間で明記

よくあるミスと対処法

ミス1:情報が古い

【問題】
3ヶ月前に営業時間を変更したのに、
GBPは更新していない

【影響】
・お客様が来店できない
・悪い口コミ
・機会損失

【対処】
・営業時間変更時は即座に更新
・月1回、情報の見直し
・複数の媒体(GBP、ウェブサイト、SNS)を同時更新

ミス2:準備時間を含める

【問題】
開店準備を8:30から始めるので、
営業時間を8:30開始と記載

【影響】
・8:30に来店したお客様が入れない
・クレーム、悪い口コミ

【対処】
・お客様が入店できる時間のみ記載
・準備時間は含めない

ミス3:特別営業時間の設定忘れ

【問題】
年末年始、短縮営業だったが、
特別営業時間を設定していなかった

【影響】
・お客様が通常時間に来店
・「閉まってる!」とクレーム
・悪い口コミ

【対処】
・年間カレンダーを作成
・祝日、年末年始、お盆は必ず設定
・最低でも2週間前に設定

ミス4:複数媒体で情報が異なる

【問題】
GBP:9:00-18:00
ウェブサイト:10:00-19:00
Facebook:9:00-19:00

→ バラバラ

【影響】
・お客様が混乱
・信頼性の低下
・Googleの評価も下がる

【対処】
・NAP(Name, Address, Phone)一致の原則
・営業時間も全媒体で統一
・変更時は全て同時更新

営業時間の戦略的活用

営業時間の延長で集客増

事例:カフェの営業時間延長

【背景】
東京都内のカフェ
従来:7:00-18:00

【施策】
夜カフェ需要に着目
営業時間を延長:7:00-22:00

【GBP対応】
1. 営業時間を更新
2. 投稿で告知
3. 夜カフェの写真を追加
4. ディナータイム設定:17:00-22:00

【結果】
・夜の検索流入が5倍
・売上が30%増加
・特に平日夜の客層が拡大

早朝営業で差別化

事例:美容室の早朝営業

【背景】
競合が多い激戦区

【施策】
早朝営業を開始
従来:10:00-20:00
変更後:7:00-20:00

【訴求ポイント】
「出勤前にヘアセット」
「朝活美容」

【GBP対応】
1. 営業時間を7:00開始に
2. ビジネス説明文で早朝営業を強調
3. 投稿で「朝7時から営業中!」
4. 早朝予約の写真投稿

【結果】
・「早朝 美容室」で上位表示
・ビジネスマン・OLの新規顧客獲得
・予約稼働率が15%向上

効果測定

確認すべき指標

【Googleインサイト】
GBP管理画面 > インサイト

1. 時間帯別の表示回数
どの時間帯に検索されているか

2. 時間帯別のアクション
営業時間内/外でのアクション数

3. ルート検索の時間帯
実際に来店する人の時間帯

【分析のポイント】
・営業時間外の検索が多い
→ 営業時間延長を検討

・特定の時間帯の検索が多い
→ その時間帯の強化

改善のPDCAサイクル

【Plan(計画)】
データを見て、仮説を立てる
例:「夜の検索が多いから延長したら?」

【Do(実行)】
営業時間を変更
GBPを更新、告知

【Check(確認)】
1ヶ月後、データを確認
・表示回数の変化
・アクション数の変化
・実際の売上

【Act(改善)】
結果を見て、さらに調整
・うまくいったら継続
・効果が薄ければ元に戻す、または別の施策

まとめ

営業時間設定の5つの鉄則

1. 正確性が最優先
   実際に入店できる時間のみ記載

2. こまめな更新
   変更があれば即座に反映

3. 特別営業時間を活用
   祝日、年末年始は必ず設定、2週間前に

4. 詳細情報を充実
   ランチ、ディナー等の時間も設定

5. 全媒体で統一
   GBP、ウェブサイト、SNS全てで同じ情報

今日から始める3つのアクション

【アクション1】現状確認(今日)
自分のGBPを開いて、営業時間を確認
→ 正確か?
→ 他の媒体と一致しているか?

【アクション2】特別営業時間の設定(今週)
今後3ヶ月の祝日、年末年始をチェック
→ 特別営業時間を事前設定

【アクション3】詳細項目の設定(今月)
ランチ、ディナー等の時間帯別営業時間を設定
→ より詳細な情報提供

営業時間の正確な設定は、MEOの基本中の基本です。
しかし、多くのビジネスが見落としています。
今日から改善すれば、明日から集客力が変わります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

こうした活動を続ける中で、業績を伸ばし年収が増える経営者が増えるも増えた年収は銀行口座の中に眠ったまま。しかし、昨今の円安などにより円の資産価値が年々減少する状況下から、株式投資の方法を会員さんからリクエストされ自身の投資メソッドを希望する会員さんにレクチャーすると、会員さんが株式投資でも資産を増やす方が続出。

現在、株式投資コミュニティ「株研」も運営し、資産形成のサポートも行っている。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

コメント

コメントする

目次