Googleビジネスプロフィールのインサイト活用法

Googleビジネスプロフィールのインサイト活用法

目次

はじめに

「Googleビジネスプロフィール、登録したまま放置している…」
「インサイトって何を見ればいいの?」
「数字は見ているけど、活用方法が分からない…」

GBPインサイトは、MEO対策の効果を測る最重要ツールです。

本記事では、インサイトの見方から分析方法、具体的な改善アクション、
実例まで、実践的に解説します。
この記事を読めば、今日からデータドリブンなMEO対策ができるようになります。


インサイトとは

基本情報

定義: GBPのパフォーマンスデータを確認できる分析ツール。完全無料。

アクセス方法:

  1. GBPにログイン
  2. 「インサイト」をクリック
  3. データを確認

確認できる期間:

  • 最近7日間
  • 最近30日間
  • 最近3ヶ月間

注意点:

  • データは数日の遅延あり
  • 3ヶ月以上前のデータは見られない
  • 定期的にエクスポート推奨

インサイトで確認できる7つのデータ

1. ビジネスの検索方法

見られる情報:

  • 直接検索:店舗名で直接検索された回数
  • 間接検索:業種・地域で検索された回数

例:

  • 直接検索:「さくらラーメン」
  • 間接検索:「渋谷 ラーメン」

分析ポイント:

✅ 理想的な比率

  • 開業初期:間接70% / 直接30%
  • 安定期:間接50% / 直接50%
  • 人気店:間接30% / 直接70%

改善アクション:

間接検索が少ない場合: → 写真・投稿の充実 → 口コミ増加施策 → キーワード最適化

直接検索が少ない場合: → ブランド認知度向上 → チラシ、SNS等で店名訴求


2. ユーザーの反応

見られる情報:

  • ウェブサイトへのアクセス数
  • ルート検索の回数
  • 電話の着信回数
  • メッセージ数(有効化している場合)

重要性: 実際の行動=コンバージョンに直結。

分析ポイント:

✅ 電話が多い業種: 飲食店、美容室、クリニック → 電話番号を見やすく表示

✅ ルート検索が多い業種: 実店舗全般 → アクセス情報の充実

✅ ウェブサイトが多い業種: 工務店、BtoB → ウェブサイトの質向上

改善アクション:

アクション数が少ない場合: → CTA(行動喚起)を明確に
→ 投稿で「お電話ください」等の訴求 → 写真・口コミで魅力度向上


3. ビジネスが認知された場所

見られる情報:

  • Google検索での表示回数
  • Googleマップでの表示回数

分析ポイント:

✅ マップが多い場合: ユーザーが場所を重視 → ルート案内の充実 → 駐車場情報の明記

✅ 検索が多い場合: 情報収集段階 → 詳細情報の充実 → 写真・口コミの強化


4. 検索に使用されたキーワード

見られる情報: ユーザーがどんなキーワードで検索したか(上位10個)

例:

  1. 渋谷 ラーメン(520回)
  2. 渋谷駅 ラーメン(280回)
  3. 渋谷 二郎系(150回)
  4. さくらラーメン(120回)
  5. 渋谷 深夜 ラーメン(80回)

活用方法:

✅ 上位キーワードを投稿・説明文に含める 例:「渋谷 深夜 ラーメン」が多い → 投稿で「深夜営業中!」を訴求

✅ 予想外のキーワードを発見 例:「渋谷 ヘルシー ラーメン」 → 低カロリーメニューの開発・訴求

✅ 競合と差別化できるキーワード 例:「渋谷 個室 ラーメン」 → 個室の存在をアピール


5. 写真の閲覧数と枚数

見られる情報:

  • 自社の写真閲覧数
  • 競合との比較
  • どの写真が人気か

分析ポイント:

✅ 競合比較 「同じカテゴリの他のビジネスと比較して〇%」

  • 100%以上:良好
  • 80-100%:平均
  • 80%以下:改善必要

改善アクション:

閲覧数が少ない場合: → 写真を50枚以上追加 → 高画質・魅力的な写真に → 定期的に更新(月10枚目安)

人気の写真を分析: → 料理写真が人気?外観? → 人気ジャンルを増やす


6. 電話をかけた曜日・時間帯

見られる情報: 曜日別・時間帯別の電話着信数

活用方法:

✅ 繁忙時間の把握 例:金曜18時が最多 → その時間帯のスタッフ増強

✅ 閑散時間の活用 例:火曜14時が少ない → 「火曜日限定割引」等の施策


7. ルート検索の出発地点

見られる情報: どこからルート検索されたか(地図表示)

活用方法:

✅ 商圏の把握 例:半径2km以内が80% → その地域へのチラシ配布強化

✅ 予想外の地域からの流入 例:隣の市から10% → その地域の特徴分析 → 広域戦略の検討


インサイトの見方【実践編】

週次チェックルーティン(毎週月曜10分)

Step 1:前週との比較

表示回数:1,200回 → 1,450回(+21%)✅
ウェブサイトクリック:85回 → 102回(+20%)✅
電話:12回 → 15回(+25%)✅
ルート検索:28回 → 32回(+14%)✅

Step 2:要因分析

なぜ増加した?
→ 先週の投稿が3本(前週は1本)
→ 写真を20枚追加
→ 口コミが+5件

改善施策が効果あり

Step 3:課題抽出

表示回数は増えたが、電話が少ない
→ CTAが弱い?
→ 今週の投稿で「お電話ください」を明記

Step 4:Excelに記録 長期的な推移を把握するため、週次データを記録。


月次レビュー(月初60分)

1. 月間サマリー作成

【4月の実績】
表示回数:20,500回(前月比+15%)
クリック合計:580回(前月比+22%)
口コミ:+12件(累計58件)
平均評価:4.8★(前月4.7★)

2. トレンド分析

グラフ化して推移を確認
→ 右肩上がり?横ばい?下降?
→ 下降なら即座に対策

3. 競合比較

写真閲覧数:競合比120%✅
→ 写真戦略が功を奏している
→ 引き続き強化

4. 次月の目標設定

表示回数:25,000回(+22%)
電話:月60回(+20%)
口コミ:+15件

データから導く改善アクション

パターン1:表示回数が少ない

原因:

  • 写真が少ない
  • 投稿していない
  • 口コミが少ない
  • 情報が不足

改善策:

  1. 写真を100枚まで増やす
  2. 週3回投稿
  3. 口コミ依頼の強化
  4. ビジネス説明文の充実

パターン2:表示はされるがクリックされない

原因:

  • 写真の質が低い
  • 評価が低い
  • 情報が魅力的でない

改善策:

  1. プロカメラマンに写真撮影依頼
  2. 口コミ返信の徹底
  3. 投稿で魅力を訴求
  4. 特典・キャンペーンの実施

パターン3:電話・ルート検索が少ない

原因:

  • CTAが弱い
  • 営業時間が不明確
  • アクセス情報不足

改善策:

  1. 投稿で「ご予約はお電話で」明記
  2. 営業時間を分かりやすく
  3. 地図・アクセス情報の充実
  4. 駐車場情報の明記

パターン4:週末だけ急増

分析: 週末需要が高い業種(飲食店等)

活用法:

  1. 週末前(金曜)に投稿強化
  2. 「週末営業中」の告知
  3. 週末限定メニュー・サービス

パターン5:特定の曜日・時間が多い

分析: ランチタイム(12時)に電話集中

活用法:

  1. その時間帯のスタッフ増員
  2. オンライン予約の促進
  3. 混雑情報の事前告知

実例:データドリブンな改善事例

ケース1:渋谷のラーメン店

初期状態(1月):

  • 表示回数:850回/月
  • 電話:8回/月
  • 口コミ:15件

インサイト分析:

  • 「渋谷 深夜 ラーメン」の検索が多い
  • しかし深夜営業の情報が不明確
  • 写真が12枚のみ

改善アクション:

  1. 営業時間に「深夜3時まで営業」を明記
  2. 投稿で「深夜営業中」を週2回訴求
  3. 深夜の店内写真を20枚追加
  4. 検索キーワード「深夜」を説明文に含める

結果(3ヶ月後):

  • 表示回数:2,800回/月(+229%)
  • 電話:32回/月(+300%)
  • 口コミ:48件(+220%)

ROI: 投資ゼロ(自社で対応) 売上:月+120万円


ケース2:藤沢の美容室

初期状態:

  • 表示回数は多い(5,000回/月)
  • しかしウェブサイトクリック少ない(80回)

インサイト分析:

  • 写真閲覧数が競合比50%
  • 写真が古い(2年前)
  • ビフォーアフターがない

改善アクション:

  1. プロカメラマンに施術写真撮影依頼
  2. ビフォーアフター写真を50枚追加
  3. 週2回、施術事例を投稿

結果(2ヶ月後):

  • 写真閲覧数:競合比130%
  • ウェブサイトクリック:280回(+250%)
  • 予約:月+35名

投資: 写真撮影:10万円 ROI:予約増で月+70万円の売上増


インサイトの落とし穴(注意点)

1. データの遅延

問題: リアルタイムではない(2-3日の遅延)

対策: 即座の効果測定は期待しない 週次・月次で確認


2. 絶対値ではなく相対値

問題: 業種・地域により数値が大きく異なる

対策: 自店舗の過去データと比較 競合比較を活用


3. データ保存期間が短い

問題: 3ヶ月以上前のデータは見られない

対策: 月次でExcelにエクスポート 長期的な推移を記録


4. 外部要因の影響

問題: 季節、天候、イベント等で変動

例: 雨の日は来店減→データ悪化 → 施策の問題ではない

対策: 前年同月と比較 外部要因を考慮した分析


まとめ:インサイト活用の3ステップ

Step 1:定期チェックの習慣化

  • 毎週月曜:10分でサッと確認
  • 月初:60分で詳細分析
  • データをExcelに記録

Step 2:データから課題発見

  • 表示回数減少?
  • クリック率低下?
  • 特定の曜日・時間に偏り?

Step 3:即座に改善アクション

  • 写真追加
  • 投稿強化
  • 情報の充実
  • 口コミ促進

結論: インサイトは「見るだけ」では意味がない。
「分析→改善→測定」のPDCAサイクルを回すことで、
MEO対策の効果が最大化される。

今日から、インサイトを活用した データドリブンなMEO対策を始めましょう。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

こうした活動を続ける中で、業績を伸ばし年収が増える経営者が増えるも増えた年収は銀行口座の中に眠ったまま。しかし、昨今の円安などにより円の資産価値が年々減少する状況下から、株式投資の方法を会員さんからリクエストされ自身の投資メソッドを希望する会員さんにレクチャーすると、会員さんが株式投資でも資産を増やす方が続出。

現在、株式投資コミュニティ「株研」も運営し、資産形成のサポートも行っている。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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