Googleマップの写真最適化【CTR30%向上のコツ】
はじめに
「写真なんて、スマホで適当に撮ってアップすればいいんじゃない?」
「プロに頼むほどのものでもないし…」
その考えが、大きな機会損失を生んでいます。
Googleの公式データによると、写真を充実させた店舗は、
そうでない店舗と比べて、ウェブサイトへのクリック率が35%、
ルート検索が42%、電話クリックが28%も高いという結果が出ています。
さらに驚くべきことに、
ユーザーは口コミよりも写真を重視しているというデータもあります。
視覚情報は文字の60,000倍の速さで脳に伝わるため、
第一印象を決めるのは「写真」なのです。
本記事では、プロのカメラマンに依頼しなくても、
スマホで撮影できる写真最適化のテクニックから、
業種別の戦略、実際にCTRが30%向上した事例まで、実践的なノウハウを全て公開します。
なぜ写真がMEOで最重要なのか
データで見る写真の影響力
Googleの公式データ
【写真がある店舗 vs ない店舗】
ウェブサイトクリック:+35%
ルート検索:+42%
電話クリック:+28%
予約・問い合わせ:+32%
【写真枚数と効果の相関】
10枚未満:基準値
20-30枚:表示回数 +40%
50枚以上:表示回数 +110%
100枚以上:表示回数 +180%
→ 多ければ多いほど効果的
ユーザーの行動分析
【写真閲覧率】
・写真の閲覧数 > 口コミの閲覧数
・平均して1店舗あたり8-12枚の写真を見る
・滞在時間の60%を写真閲覧に使う
【意思決定への影響】
・写真の印象で70%が来店を決定
・文字情報だけでは20%
・写真+口コミで85%
→ 写真が最も重要な判断材料
写真が評価される理由
Googleのアルゴリズムにおける写真の役割
【1. エンゲージメント指標】
・写真の閲覧回数
・写真からのアクション数
→ 活発なビジネスと評価
【2. 情報の充実度】
・完成度スコアに影響
・情報が豊富 = 信頼性が高い
【3. ユーザー体験の向上】
・視覚的に分かりやすい
・来店前の不安を解消
→ Googleが重視する要素
【4. 検索関連性】
・画像認識AI
・「広い店内」「おしゃれな雰囲気」等を認識
→ 検索キーワードとマッチング
写真の種類と必要枚数
カテゴリ別の目標枚数
最低限の目標
【Phase 1:最低限(20枚)】
・外観:3枚
・内観:8枚
・商品・サービス:7枚
・スタッフ:2枚
→ まずはここを目指す
【Phase 2:充実(50枚)】
・外観:5枚
・内観:15枚
・商品・サービス:20枚
・スタッフ:5枚
・その他:5枚
→ 競合に差をつけるレベル
【Phase 3:理想(100枚以上)】
・外観:10枚
・内観:25枚
・商品・サービス:40枚
・スタッフ:10枚
・お客様との交流:10枚
・イベント:10枚
・季節の装飾:5枚
→ 圧倒的な情報量で優位に
必須の写真カテゴリ
1. 外観(3-10枚)
【絶対に必要な写真】
✓ 正面からの全体像(昼)
・建物全体が写っている
・看板がはっきり見える
・周辺の目印も入れる
✓ 入口のアップ
・ドアの様子
・「ここから入ります」が分かる
・営業中/準備中の看板
✓ 看板・ロゴ
・店名がはっきり見える
・夜の看板(ライトアップ)
【あると良い写真】
・夜の外観(雰囲気が変わる)
・駐車場(ある場合)
・建物の側面
・通りからの見え方
・最寄り駅からの道順
2. 内観(8-25枚)
【必須の写真】
✓ 店内全体の雰囲気
・入口から見た全景
・奥行きが分かるアングル
✓ 座席エリア
・テーブル席
・カウンター席
・個室(ある場合)
・ソファ席、テラス席等
✓ 待合スペース
・受付、レジカウンター
・待合室
✓ 清潔感を示す写真
・トイレ(必須!)
・洗面所
・清掃が行き届いている様子
【あると良い写真】
・窓からの景色
・照明の雰囲気
・インテリアの細部
・こだわりのポイント
・キッズスペース(ある場合)
3. 商品・サービス(7-40枚)
【業種別の必須写真】
【飲食店】
✓ 看板メニュー(3-5品)
✓ 人気メニュー(5-10品)
✓ 季節限定メニュー
✓ ドリンクメニュー
✓ デザート
✓ コース料理
【美容・サロン】
✓ ヘアスタイル例(10-20枚)
✓ ビフォーアフター(5-10枚)
✓ カラーバリエーション
✓ 施術中の様子
✓ 使用する製品・道具
【医療機関】
✓ 診療機器
✓ 待合室の雑誌・設備
✓ キッズスペース
✓ パンフレット、説明資料
【小売店】
✓ 商品ディスプレイ
✓ 人気商品
✓ 新商品
✓ 季節商品
✓ ギフトセット
【サービス業】
✓ サービス提供の様子
✓ 設備・機材
✓ 作品・成果物
✓ レッスン風景
4. スタッフ(2-10枚)
【必須の写真】
✓ オーナー・店長の顔写真
・笑顔で親しみやすく
・名前とポジションを投稿で説明
✓ スタッフ集合写真
・チーム全体の雰囲気
・「こんな人たちが働いています」
【あると良い写真】
・各スタッフの個別写真
・仕事をしている様子
・スタッフの笑顔
・お客様と接している様子
5. その他(5-10枚)
✓ お客様との交流
・許可を得た上で
・笑顔の瞬間
・イベントの様子
✓ 季節の装飾
・クリスマス、正月、バレンタイン等
・季節感を演出
✓ イベント
・周年記念
・キャンペーン
・地域イベント参加
✓ 細部のこだわり
・手書きのメッセージボード
・観葉植物
・アート作品
・こだわりのインテリア
スマホで高品質な写真を撮る10のコツ
コツ1:自然光を最大限活用
【ベストタイミング】
・午前10時〜午後2時
・曇りの日(柔らかい光)
・窓際での撮影
【避けるべき】
✗ 直射日光(影が強すぎる)
✗ 夕方の赤い光(色が不自然)
✗ フラッシュ撮影(白飛び、不自然な影)
【テクニック】
・被写体を窓の近くに配置
・逆光は避ける(被写体が暗くなる)
・レースカーテンで光を拡散
コツ2:水平・垂直を意識
【設定】
スマホのグリッド線を表示
設定 > カメラ > グリッド
【撮影時の意識】
・建物は垂直に
・テーブル、床は水平に
・地平線は水平線に沿わせる
【傾いた写真はNG】
→ プロフェッショナルに見えない
→ 違和感、不安感を与える
コツ3:構図の基本「三分割法」
【三分割法とは】
画面を縦横3分割(9分割)
交点に被写体を配置
【具体例】
料理の写真:
✗ 中央にドーン
〇 交点に主役の料理、他の要素も配置
【効果】
・バランスが良い
・プロっぽい
・視線誘導が自然
コツ4:余白を意識
【余白の効果】
・洗練された印象
・被写体が引き立つ
・圧迫感がない
【実践】
・被写体の周りに適度な空間
・上下左右のバランス
・詰め込みすぎない
【例】
料理の写真:
テーブル全体を少し見せる
→ お店の雰囲気も伝わる
コツ5:アングルを工夫
【料理・商品】
斜め45度から撮影
→ 立体感、魅力的
✗ 真上から(平面的)
✗ 真正面から(迫力がない)
【人物】
目線の高さで撮影
→ 親しみやすい
✗ 上から(威圧感)
✗ 下から(顎が強調)
【建物・内観】
少し低い位置から
→ 広く、開放的に見える
コツ6:手ブレ対策
【基本の持ち方】
・両手でしっかり持つ
・脇を締める
・息を止めてシャッター
【さらに安定させる】
・壁や柱に寄りかかる
・テーブルにスマホを置く
・セルフタイマーを使う(3秒)
【三脚の活用】
スマホ用ミニ三脚:1,000円〜
→ 店内撮影に便利
コツ7:連写で確実に
【方法】
シャッターボタンを長押し
→ 連続で10-20枚撮影
【メリット】
・手ブレを防ぐ
・ベストショットを選べる
・動きのある被写体も撮れる
【選別】
後で1枚だけ残す
ブレ、目をつぶった写真は削除
コツ8:被写体に近づく
【原則】
ズームではなく、足で近づく
【理由】
デジタルズーム = 画質劣化
物理的に近づく = 画質維持
【ただし】
近づきすぎもNG
→ 歪みが出る
→ 1-2メートルが理想
コツ9:背景を整える
【撮影前のチェック】
✓ 余計なものが写っていないか
✓ ゴミ、汚れはないか
✓ 配線、コンセントが目立っていないか
✓ プライバシー情報は写っていないか
【簡単な工夫】
・余計なものを移動
・テーブルを拭く
・小物を配置(観葉植物等)
コツ10:複数パターン撮影
【同じ被写体を】
・縦と横
・近景と遠景
・角度を変えて
・明るさを変えて(露出補正)
【撮影枚数】
同じ被写体を5-10枚
→ 後でベストを選ぶ
【削除を恐れない】
100枚撮って10枚残す
→ これが正解
写真編集の基本
おすすめ無料アプリ
【1. Snapseed(Google製)】
・プロ級の編集が可能
・直感的な操作
・完全無料、広告なし
【2. VSCO】
・おしゃれなフィルター
・シンプルな操作
・無料版で十分
【3. Adobe Lightroom(無料版)】
・プロも使用
・細かい調整が可能
・クラウド連携
必須の編集項目
1. 明るさ調整
【目的】
暗い写真を明るく
明るすぎる写真を適度に
【操作】
「明るさ」または「露出」スライダー
【目安】
・料理:やや明るめ
・内観:自然な明るさ
・外観:実際に近い明るさ
【注意】
明るくしすぎると白飛び
→ 不自然に見える
2. コントラスト調整
【効果】
メリハリがつく
はっきりした印象
【操作】
「コントラスト」スライダー
【目安】
+10〜+20程度
やりすぎは禁物
3. 彩度(鮮やかさ)
【効果】
色が鮮やかに
食欲をそそる(料理)
【操作】
「彩度」または「自然な彩度」
【目安】
自然な彩度:+10〜+15
彩度:+5〜+10
【注意】
やりすぎると不自然
→ 実物と違いすぎるとクレームに
4. トリミング(切り抜き)
【目的】
・余計な部分をカット
・構図の調整
・縦横比の統一
【推奨比率】
1:1(正方形)または 4:3
→ Googleマップでの表示に最適
【テクニック】
三分割線を意識してトリミング
5. 傾き補正
【重要度】
非常に高い
【操作】
「回転」または「傾き」で微調整
【基準】
・建物の縦線を垂直に
・テーブルの端を水平に
やってはいけない編集
✗ 過度な加工
→ 実物と違いすぎる
→ クレームの原因
✗ フィルターのかけすぎ
→ 不自然な色合い
✗ 文字の挿入
→ Googleのガイドライン違反
✗ ロゴの大量挿入
→ 小さなロゴはOK、目立ちすぎはNG
✗ 過度なシャープネス
→ ノイズが目立つ
業種別撮影戦略
飲食店
最重要ポイント
【料理写真が全て】
・美味しそうに見えるか
・食欲をそそるか
【撮影のコツ】
1. 自然光で撮る
・窓際の席
・午前中〜昼
2. 斜め45度から
・立体感
・奥行き
3. 湯気を撮る
・できたて感
・温かさ
4. 断面を見せる
・ハンバーガー、サンドイッチ
・ケーキ
5. シズル感
・ソースの照り
・野菜の水滴
・チーズのとろけ
撮影リスト
□ 看板メニュー(5品以上)
□ ランチメニュー(3-5品)
□ ディナーメニュー(5-10品)
□ デザート(3品以上)
□ ドリンク(5種類以上)
□ コース料理(全ての皿)
□ テーブルセッティング
□ 店内全体
□ カウンター席
□ 個室
□ 外観(昼・夜)
成功事例
【ケース:東京都内のラーメン店】
改善前:
・写真10枚
・料理写真は3枚のみ
・暗い、美味しそうに見えない
改善後:
・写真50枚
・料理写真30枚
・自然光、湯気、麺のリフト
・トッピングバリエーション
結果:
・表示回数 +45%
・ウェブサイトクリック +60%
・来店数 +35%
美容・サロン
重要ポイント
【ビフォーアフターが最強】
・変化が一目瞭然
・説得力
【撮影のコツ】
1. 必ずお客様の許可を得る
・顔出しNG → モザイクまたは後ろ姿
・SNS投稿の許可も確認
2. 同じ角度、同じ明るさで
・Before → After
・比較しやすく
3. スタイルのバリエーション
・ショート、ミディアム、ロング
・カラーバリエーション
・年代別
4. プロセスも見せる
・カウンセリング
・シャンプー
・カット中
・仕上げ
撮影リスト
□ ビフォーアフター(10-20組)
□ ヘアスタイル実例(20-30枚)
□ カラーバリエーション(10枚)
□ 施術中の様子(5枚)
□ スタイリスト紹介(各1枚)
□ 店内雰囲気(10枚)
□ シャンプー台
□ 待合スペース
□ 使用製品
□ 外観
医療機関
重要ポイント
【清潔感が最優先】
・明るい
・清潔
・安心感
【患者のプライバシー保護】
・患者が写った写真はNG
・診察中の写真も基本的にNG
撮影のコツ
1. 設備・機器
・最新機器をアピール
・清潔に保たれている様子
2. 待合室
・明るく撮影
・雑誌、ウォーターサーバー等も
3. スタッフ
・白衣姿で笑顔
・親しみやすさ
4. 院内の清潔感
・トイレも重要
・受付カウンター
・廊下
撮影リスト
□ 外観(昼・夜、看板)
□ 受付カウンター
□ 待合室(複数角度)
□ 診察室(患者なし)
□ 医療機器
□ キッズスペース(ある場合)
□ トイレ
□ 院長・スタッフ写真
□ 駐車場
□ アクセス(駅からの道順)
小売店
重要ポイント
【商品の魅力を最大限に】
・ディスプレイ
・バリエーション
・季節感
【撮影のコツ】
1. 商品ディスプレイ
・全体の雰囲気
・色のバランス
2. 人気商品のクローズアップ
・細部まで見える
・質感を伝える
3. 店内を広く見せる
・奥行きを意識
・動線が分かる
4. 季節の変化
・シーズンごとに更新
・イベント装飾
写真アップロードの戦略
アップロード方法
パソコンから
1. GBP管理画面 > 写真
2. 「写真を追加」
3. カテゴリを選択
・外観
・内観
・商品
・サービス
・スタッフ
・その他
4. ファイルを選択(複数可)
5. アップロード
スマートフォンから
1. Googleマップアプリ
2. 自分のビジネスを検索
3. 「写真を追加」
4. カメラロールから選択
または撮影
5. カテゴリを選択
6. アップロード
継続的な更新スケジュール
【初期(最初の1ヶ月)】
・週10枚ペース
・合計40-50枚を目指す
【定常運用】
・週2-3枚
・月間10-15枚
【特別なタイミング】
・新商品:即日アップ
・イベント:当日または翌日
・季節の変わり目:装飾写真
・リニューアル:全面的に撮り直し
よくある失敗と対策
失敗1:暗い写真
【原因】
・室内照明が暗い
・夜に撮影
・逆光
【対策】
・昼間、窓際で撮影
・照明を追加
・編集で明るさ調整
【最終手段】
暗い写真は削除
→ ないほうがマシ
失敗2:ブレた写真
【原因】
・手ブレ
・被写体が動いた
・シャッタースピードが遅い
【対策】
・三脚使用
・連写で撮影
・明るい場所で撮る
失敗3:実物と違いすぎる
【問題】
過度な加工で実物と乖離
【影響】
「写真と違う!」
→ 悪い口コミ
【対策】
・自然な編集に留める
・実物に忠実に
失敗4:統一感がない
【問題】
・明るさがバラバラ
・色味が統一されていない
・構図がバラバラ
【対策】
・同じフィルターを使う
・編集の設定を統一
・撮影のルールを決める
まとめ
写真最適化の5つの鉄則
1. 量と質の両立
最低50枚、理想100枚以上
全て高品質に
2. 自然光を活用
昼間、窓際で撮影
3. 継続的な更新
月10-15枚のペース
4. 業種に合わせた戦略
飲食店:料理が主役
美容室:ビフォーアフター
医療機関:清潔感
5. 実物に忠実
過度な加工はNG
今日から始める3ステップ
【Step 1】現状確認(今日)
自分のGBPを開いて写真枚数を確認
→ 50枚未満なら増やす計画を
【Step 2】撮影(今週)
スマホで20枚撮影
→ 外観、内観、商品・サービス
【Step 3】継続(今月から)
週2-3枚のペースで追加
→ 習慣化する
写真は、言葉以上に多くを語ります。
今日撮影した1枚の写真が、明日の新規顧客を連れてきます。
スマホを手に、今すぐ撮影を始めましょう。

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