3.行動戦略と時間創出

経営者が休みを取る3つの方法

「休みたい」と思いながら、何年も休めていない経営者がどれくらいいると思いますか?

中小企業庁の「中小企業・小規模事業者の人手不足対応に関する調査(2019年)」によれば、小規模事業者の経営者・オーナーの約6割が「十分な休暇を取れていない」と回答しています。飲食店・美容室に限って言えば、その割合はさらに高くなる実感があります。21年間、全国の飲食店・美容室オーナーを支援してきた私、ハワードジョイマンの体感値でも「週1日も休めていない」というオーナーはざらにいます。

でも、ここで正直に言わせてください。「休めない」のは、忙しいからじゃないんです。休める仕組みがないからです。そして、その仕組みを一人で考え続けているから、解決策が見つからないまま時間だけが過ぎていく。

この記事では、経営者が実際に休みを取るための3つの方法を、具体的な数字と事例を交えてお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 「休めない経営者」に共通する構造的な原因
  2. 休みを取るための3つの具体的な方法と着手順序
  3. 一人で抱え込む経営から抜け出すためのコミュニティ活用の考え方
  4. 実際に週2日の休みを実現したオーナーの変化

こんな方におすすめ

  • ✅ 何年も「来月から休む」と言い続けている飲食店・美容室オーナー
  • ✅ 自分が現場を離れると売上が落ちるのでは、と不安を感じている方
  • ✅ 経営の悩みを相談できる相手がおらず、一人で考え込んでいる方
  • ✅ 仕組み化や委譲に興味はあるが、何から始めればいいか分からない方
  • ✅ 休みながらも売上を伸ばしている経営者の話を聞きたい方
経営者が休みを取る3つの方法 | 有限会社繁盛店研究所

「休めない」は忙しさではなく、構造の問題

「うちは自分がいないと回らないから」という言葉、何度聞いたか分かりません。でも少し立ち止まって考えてみてください。本当に「あなたにしかできないこと」はどれだけありますか?

たとえば飲食店なら、仕入れの発注・仕込みの指示・レジの締め・スタッフのシフト調整……。一つひとつを分解してみると、そのほとんどは「やり方を決めて手渡せる仕事」です。美容室も同様で、予約管理・受付・材料補充・SNS投稿などは、手順を決めれば任せられるものがほとんどです。

「自分がいないと回らない」は事実ではなく、任せる仕組みをまだつくっていないだけ、というケースが大半です。これは批判ではありません。私自身、開業当初は全部を一人で抱え込んで破綻した経験があります。だからこそ、この構造の怖さはよく分かります。

問題をさらに深くしているのが、「相談できる相手がいない」という孤独です。同じ立場の経営者が周囲にいないと、自分の状況が「当たり前」に見えてしまいます。比較対象がないから、改善のヒントが入ってこない。この孤立こそが、休めない状態を長引かせる最大の原因の一つなんです。

方法① 1週間の行動をすべて書き出し、「やめる仕事」を決める

休みを取る第一歩は、時間管理の工夫ではありません。「今やっていること」を全部見える化して、やめる判断をすることです。

具体的には、月曜から日曜の1週間、自分が何に時間を使っているかをすべて書き出します。15分単位で構いません。書き出してみると、多くのオーナーが「これ、なんでやってるんだろう」という作業を複数発見します。

チェックポイント1:売上に直結しない作業に時間を奪われていないか

「店のInstagramを毎日1時間かけて更新している」「仕入れ業者への電話を毎朝自分でかけている」など、誰かに任せたり仕組みを変えたりすれば不要になる作業が必ずあります。

✅ ポイント:「儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくること」が経営者の仕事です。それ以外の作業は、止める・任せる・外注するの3択で整理しましょう。

チェックポイント2:「自分がやった方が早い」という思い込みはないか

短期的には自分でやる方が早いかもしれません。でも長期的には、「任せる仕組み」をつくらない限り永遠に自分でやり続けることになります。

✅ ポイント:仕事を大きな塊で見ず、工程に分解してみてください。「全部は任せられない」でも「この工程だけなら任せられる」というものが必ず出てきます。

この作業だけで、週に数時間の時間が捻出できるケースが多いです。実際、ラーメン店のオーナー(30代・男性)は行動の棚卸しをしたことで回転効率が改善し、月商が330万円を超え、実働時間も短縮できています。

方法② 業務を工程分解して、任せられる状態をつくる

「任せたいけど不安」という気持ち、よく分かります。でもその不安の正体は、判断基準や手順が言語化されていないことです。マニュアルも基準もなければ、任せた後に品質が下がるのは当然です。

大切なのは、「任せてから仕組みをつくる」のではなく、「仕組みをつくってから任せる」順序です。

仕組み化のSTEP 1

担当している業務を3〜5の工程に分解する

たとえば「開店準備」という塊ではなく、「食材の冷蔵庫確認」「テーブルセッティング」「POPの設置」「レジの起動と両替確認」と分解します。分解することで「これはスタッフでもできる」という工程が明確になります。

⚠️ よくある失敗:一度に全部を任せようとして失敗するケース。最初は1〜2工程だけ渡すことから始めましょう。

仕組み化のSTEP 2

手順を文字・写真・動画で残す

口頭の引き継ぎだけでは属人化が解消されません。スマホで撮影したショート動画でも構いません。「見ればできる」状態にすることが目的です。

⚠️ よくある失敗:完璧なマニュアルをつくろうとして、作業が止まること。まずは「ざっくりでも使えるもの」を優先してください。

仕組み化のSTEP 3

スタッフがやった後の確認ポイントだけ自分が担う

すべてをチェックするのではなく、「ここだけ確認すればOK」という基準点を決めます。これにより、現場からは離れつつも品質を保てます。

⚠️ よくある失敗:任せた後も細かく口を出し続け、スタッフが「どうせ社長がやり直す」と学習してしまうこと。任せたら信頼することも仕組みの一部です。

✓ ここまでのポイント

  • 「休めない」の正体は、任せる仕組みがまだできていないだけ
  • 行動の棚卸しで「やめられる仕事」を見つけることが最初の一手
  • 工程分解→手順の言語化→確認基準の設定、という順序で仕組み化を進める

方法③ 同じ立場の経営者コミュニティに入り、「普通の基準値」を上げる

ここが、多くのオーナーが見落としている最重要ポイントです。

仕組み化の方法を学んでも、行動に移せない経営者がいます。その多くに共通するのが、「孤立した環境」です。周囲に同じ立場の経営者がいないと、「週2日休む」「自分がいなくても売上が上がる」という話が「どこか遠い話」に聞こえてしまいます。

「同じ境遇の経営者仲間ができて、初めて『自分の常識』が常識じゃなかったと気づきました。休めない・任せられない、それは仕方ないことじゃなかったんです」

焼肉店オーナー(男性・40代)

この焼肉店のオーナーは、コミュニティに参加する前は月商420万円の状態で、ほぼ休みなく働いていました。経営の相談を誰にもできず、「うちはこんなもんだ」と半ば諦めていた。でもコミュニティに入って同業の経営者の話を聞き、行動を変えた結果、月商は560万円へ。そして週2日の休みを確保することができました。さらに値引き競争から完全に抜け出し、「料理の価値で選ばれている」という自信まで取り戻しています。

この変化のきっかけは、技術の向上でも設備投資でもありません。「同じ立場で、先に変わった人の話を聞いたこと」です。

「経営者の孤独は、情報不足よりも視野の狭さから来ることが多い。自分の基準値が低いまま頑張っても、同じ場所をぐるぐるするだけです。基準値の高い環境に身を置くことが、一番コスパの良い投資です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所)

私が主宰する会員制コミュニティ「増益繁盛クラブ」には、全国から約500名の飲食店・美容室オーナーが参加しています。「週2日休めた」「任せられる体制ができた」「客単価が上がった」という話が日常的に飛び交う環境に身を置くと、それが「当たり前」になっていきます。

人は環境の生き物です。「休んでいる経営者が周りに誰もいない」環境と、「みんなが当たり前に休んでいる」環境では、行動の基準値がまったく変わります。

❌ 一人で試行錯誤し続けるパターン

  • 相談相手がいないため、課題を自分の中で抱え込み続ける
  • 「自分だけが特殊な状況」と思い込み、解決策が見えない
  • 成功事例に触れる機会がなく、モチベーションが続かない

✅ 基準値の高いコミュニティを活用するパターン

  • 似た課題を先に解決した経営者の話が日常的に入ってくる
  • 「壁打ち」相手ができ、思考が整理され行動が早まる
  • 「休めている経営者が普通にいる」環境に慣れ、自分の基準値が自然と引き上がる

「週2日休める経営者」になるための最短ルート

3つの方法をまとめると、こうなります。

①行動の棚卸しで「やめる仕事」を決める→②工程分解と仕組み化で任せられる状態をつくる→③基準値の高い経営者環境に身を置いて行動を加速させる。

この3つは並行して進めるより、①②③の順番で取り組む方が確実です。①で時間を少し作り、その時間を使って②の仕組み化を進める。③は最初から始めて構いません。むしろ③の環境に入ることで、①②が加速するケースが多いです。

焼肉店のオーナーが月商420万→560万、週2日の休みを実現するまでにかかった期間は、そう長くはありませんでした。何年もかけた話ではない。変わるのに必要なのは時間よりも、「今の自分のやり方を疑う一歩」です。

原因は100%自分の中にある。でも、それは責めることではなく、「自分が変えられる」ということでもあります。

「『今の現実は100%自分が作り出している』という視点に立つと、逆に言えば未来も100%自分が変えられる、ということです。休めない現実は、誰かのせいでも業界のせいでもない。だからこそ、変えられます」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所)

まとめ:休みを取ることは、サボりではなく経営の仕事

「経営者が休む」と聞くと、後ろめたさを感じる方もいるかもしれません。でも考えてみてください。疲弊した状態で現場に立ち続けるより、休んでリフレッシュし、経営を俯瞰する時間を持てる方が、お客様にもスタッフにも絶対にいい影響を与えます。

休みを取ることは、逃げることではありません。休んでも回る仕組みをつくることが社長の仕事であり、それが結果的に売上と利益を安定させます。

今日からできる一歩は、今週1週間の自分の行動を書き出すことです。15分あれば始められます。そして、経営の悩みを一人で抱えているなら、同じ立場の経営者が集まる環境に飛び込んでみてください。視野が広がった瞬間、「休めない」という呪縛が解けていきます。

「行動収益化法」では、こうした行動の棚卸しと時間捻出のプロセスを、全8本・約6時間17分の動画でステップごとに学べるようにしています。「変わりたいけど何から始めればいいか分からない」という方は、まずここから踏み出してみてください。

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