なぜ「気がついたら月末」になってしまうのか?
「え、もう月末?今月も何も進んでない気がする…」 「売上目標、全然達成できそうにない!」 「来月こそは計画的にやろう…」
毎月、同じことを繰り返していませんか?
実は、多くの店舗経営者が「月の途中で軌道修正するチャンス」を逃しているのです。
今日は、月を3つに区切って確実に目標達成するための「月間チェックポイント設定法」をお伝えします。
月間管理が下手な人の共通パターン
パターン1:月初に計画を立てて、月末まで放置
典型例:
- 月初:「今月は売上300万を目指そう!」
 - 月半:特に振り返りなし
 - 月末:「あれ、売上250万しかいってない…」
 
パターン2:問題に気づくのが月末
典型例:
- 月初:新メニューを5品開発する計画
 - 月半:忙しくて手をつけられず
 - 月末:「来月に持ち越そう…」
 
パターン3:達成度を感覚で判断
典型例:
- 「なんとなく順調な気がする」
 - 「忙しいから、きっと売上も上がっているはず」
 - 数字を確認せずに月末を迎える
 
ラーメン店の劇的改善ストーリー
ラーメン店「麺や 一郎」の店主・田中さん(仮名)の月間管理改善事例をご紹介します。
改善前の失敗パターン
10月の目標: 売上400万円、新メニュー2品開発
10月1日: やる気満々で目標設定 10月15日: 忙しくて何もチェックせず 10月31日: 結果確認
- 売上:320万円(目標比80%)
 - 新メニュー:0品(忙しくて手つかず)
 
田中さんの感想:「毎月同じパターンで、全然成長できていない…」
改善後の成功パターン
11月の目標: 売上420万円、新メニュー2品開発
11月1日(月初チェック): 目標設定と具体的行動計画 11月15日(月半チェック): 進捗確認と軌道修正 11月30日(月末チェック): 結果確認と来月への反映
結果:
- 売上:415万円(目標比98.8%)
 - 新メニュー:2品完成
 
田中さんの感想:「月半でのチェックが決定的だった。遅れに気づいて追い込めた!」
月初チェックポイント(1日-3日):「設計図を描く」
月初は「今月の設計図」を描く期間です。ここでの準備が1ヶ月の成果を決定します。
月初の3つのミッション
ミッション1:数値目標の設定(具体的な数字で)
悪い例:「売上を伸ばす」「お客様を増やす」 良い例:
- 売上:前月比110%(350万円→385万円)
 - 客数:1日平均23名→25名
 - 客単価:1,520円→1,540円
 
ミッション2:行動目標の設定(実行可能な行動で)
数値目標を達成するための具体的行動:
- 新規集客:チラシ2,000枚配布
 - 単価アップ:デザートメニュー3品追加
 - リピート促進:ポイントカード導入
 
ミッション3:週別スケジュールの設定
【11月の行動スケジュール】
第1週(1-7日):デザートメニュー開発
第2週(8-14日):チラシデザイン作成・印刷
第3週(15-21日):チラシ配布開始
第4週(22-30日):効果測定と改善
美容室での月初設定例
美容室「Hair Studio YUKI」の月初チェックリスト:
数値目標:
- 売上:280万円→300万円(前月比107%)
 - 客数:140名→150名
 - 新規客:20名→25名
 
行動目標:
- Instagram投稿:週3回→週5回
 - 新メニュー(ヘッドスパ):20日から開始
 - 既存客フォロー:誕生日クーポン送付
 
週別計画:
- 第1週:新メニュー研修、Instagram強化
 - 第2週:新メニュー告知開始
 - 第3週:新メニューリリース
 - 第4週:効果測定と次月準備
 
月半チェックポイント(15日-17日):「軌道修正の黄金期」
月半は最も重要なチェックポイントです。ここで適切な軌道修正ができるかが、月末の結果を大きく左右します。
月半の3つの質問
質問1:「数値的に順調か?」
確認方法:
- 売上:月初15日で目標の50%達成できているか?
 - 客数:1日平均が目標水準に達しているか?
 - 行動:計画していた活動の50%完了しているか?
 
質問2:「何が予想と違ったか?」
よくある「予想と違った」例:
- チラシの反応が予想より低い
 - 新メニューの評判が予想より良い
 - スタッフの習得が予想より遅い
 - 材料コストが予想より高い
 
質問3:「残り半月でどう修正するか?」
修正パターン例:
- 進捗50%→計画通り継続
 - 進捗30%→行動量を1.5倍に増加
 - 進捗70%→新しい挑戦を追加
 
カフェでの月半修正例
カフェ「Beans Café」の11月15日時点での振り返り:
目標と実績の比較:
- 売上目標:200万円 → 実績:85万円(42.5%)
 - 客数目標:600名 → 実績:280名(46.7%)
 - 新メニュー売上:目標なし → 実績:好調
 
気づき:
- 全体的に目標より少し遅れ
 - 新メニューのパンケーキが予想以上にヒット
 - 雨の日の客数減少が予想より大きい
 
後半戦の修正案:
- パンケーキのSNS投稿を増やす
 - 雨の日限定サービスを検討
 - 既存客へのDM送付を追加
 
月末チェックポイント(29日-31日):「振り返りと次月準備」
月末は「今月の総括」と「来月の準備」を行う期間です。
月末の4つのステップ
ステップ1:数値の最終確認
確認項目:
- 売上実績と目標の比較
 - 客数実績と目標の比較
 - 利益実績(材料費、人件費差し引き後)
 - 行動目標の達成率
 
ステップ2:成功要因の分析
良かったことを具体的に記録:
- パンケーキメニューが1日10個売れた
 - Instagram投稿により新規客が20%増加
 - スタッフの接客レベルが向上
 
ステップ3:改善点の整理
うまくいかなかったことを分析:
- チラシの反応率が予想の半分だった
 - 雨の日の売上減少対策が不十分だった
 - 新人スタッフの研修に予想以上の時間がかかった
 
ステップ4:来月への引き継ぎ
来月に活かすべきポイント:
- 成功したパンケーキの横展開(他メニューも開発)
 - チラシに代わる集客方法の検討
 - 雨の日対策の具体的プラン作成
 
チェックポイント管理の便利ツール
アナログ派:月間管理ボード
作り方:
- A3のホワイトボードを用意
 - 月初・月半・月末のエリアを区切る
 - 目標と実績を書き込めるようにする
 
【11月管理ボード】
月初目標 | 月半実績 | 月末実績
売上300万 | 140万   | 295万
客数150名 | 72名    | 148名
デジタル派:スプレッドシート活用
Googleスプレッドシートのメリット:
- スマホからでも確認・更新可能
 - グラフで視覚的に進捗確認
 - 過去データとの比較が簡単
 
ハイブリッド派:アプリ+手書き
おすすめアプリ:
- Notion:テンプレート豊富
 - Trello:かんばん式で進捗管理
 - Evernote:写真も含めて記録
 
業態別チェックポイントカスタマイズ
居酒屋の場合
月初重点項目:
- 季節メニューの企画
 - 忘年会・新年会の準備
 - 仕入れ計画の見直し
 
月半重点項目:
- 宴会予約の進捗確認
 - 食材ロス率のチェック
 - スタッフシフトの調整
 
美容室の場合
月初重点項目:
- 新技術・新メニューの習得計画
 - 客単価向上の施策
 - 次シーズンのトレンド研究
 
月半重点項目:
- 客数の推移確認
 - スタッフのスキル向上度チェック
 - 材料・商品の売れ行き分析
 
よくある挫折パターンと対策
挫折パターン1:チェックすること自体を忘れる
対策: スマホのリマインダー設定
- 毎月1日9:00「月初チェックの時間です」
 - 毎月15日18:00「月半チェックの時間です」
 - 毎月30日20:00「月末チェックの時間です」
 
挫折パターン2:完璧を求めすぎて続かない
対策:「70%できれば合格」ルール
- 全項目をチェックしなくても良い
 - 重要な2-3項目だけでも確認する
 
挫折パターン3:数字を見るのが憂鬱
対策: 良かったことから先に確認
- まず成功した点を3つ見つける
 - その後で改善点を確認する
 
今日から始める月間管理3ステップ
ステップ1:今月の残り日数で何ができるかチェック
今日が何日で、月末まで何日あるか確認し、残り期間でできることを1つ決めてください。
ステップ2:来月1日のリマインダー設定
スマホに「来月1日9:00 月初チェック」のリマインダーを今すぐ設定してください。
ステップ3:簡単な月末振り返りを実施
今月の売上と客数の実績を確認し、来月の目標を1つだけ決めてください。
まとめ:月を制する者が年を制する
月間チェックポイント設定は、店舗経営の「羅針盤」です。
月初で方向を決め、月半で軌道修正し、月末で学びを得る。
この3つのチェックポイントを継続することで、あなたの店舗は確実に成長軌道に乗ります。
来月から、ぜひこの月間管理システムを導入してみてください。
3ヶ月後には、「こんなに計画的に経営できるようになるとは思わなかった」と実感するはずです。
次回は「週次・月次・四半期の振り返りシステム」について、より長期的な視点での改善サイクルをお伝えします。

			
			
			
			
			
			
			
			
			
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