役者志望→接客、アニメーター→POP作成の適材適所

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~スタッフの「夢」を店舗の「武器」に変える人材活用術~

「うちのバイト、将来の夢ばかり話して仕事に集中してくれない…」

でも、ちょっと待ってください。その「夢」こそが、あなたの店舗を他にはない魅力的な場所に変える秘密兵器かもしれません。

今日は、スタッフの「本当にやりたいこと」を店舗運営に活かす、win-winの人材活用術をお教えします。

なぜ「夢追い人」が個人店で働くのか?

夢を追う人たちの現実

役者志望の人:

  • オーディションの合間に収入が必要
  • 平日昼間は比較的時間が自由
  • 表現することへの強い情熱がある

アニメーター志望の人:

  • 美術系学校に通いながらアルバイト
  • 絵を描くこと、デザインすることが大好き
  • 細かい作業や創作活動が得意

音楽家志望の人:

  • ライブ活動の資金稼ぎ
  • 夜や週末は音楽活動で忙しい
  • 感性が豊かで、雰囲気作りが上手

多くの経営者の誤解: 「夢ばかり追いかけて、仕事に身が入らない人たち」

実際の彼らの特徴:

  • 将来への明確な目標がある
  • 専門的なスキルや感性を持っている
  • 情熱的で、好きなことには集中力がある
  • 表現することに慣れている

「夢」と「仕事」を結びつける発想転換

従来の考え方 vs 新しい考え方

従来の考え方: 「アルバイトは店の仕事だけに集中すべき」 「夢は仕事に持ち込まないでほしい」 「普通の接客・調理ができればそれでいい」

新しい考え方: 「夢のスキルを店舗で活かしてもらおう」 「好きなことだから、きっと上手にやってくれる」 「専門性を活かせば、他店にない魅力が作れる」

Win-Winの関係構築

スタッフにとってのメリット:

  • 好きなことを活かせる喜び
  • スキルアップの機会
  • 将来の夢につながる経験
  • やりがいを感じられる仕事

店舗にとってのメリット:

  • 専門的なスキルの無料活用
  • 他店にない独自性の創出
  • スタッフのモチベーション向上
  • 低コストでの高品質サービス

職種別・夢活用の具体例

【役者志望】→ 接客・エンターテイメント担当

活かせるスキル:

  • 表現力・演技力
  • 声の使い方
  • 人前に立つことへの慣れ
  • 感情表現の豊かさ

具体的な仕事の作り方:

居酒屋の場合:

【通常の接客】→【エンターテイメント接客】
・お客様の誕生日に特別な演出
・季節イベントでの司会進行
・お店オリジナルの「おもてなし劇場」
・常連客への個性的なお出迎え

例:誕生日のお客様に
「本日は○○様の特別な日!スタッフ一同、心を込めて
 お祝いのメッセージをお届けします!」
(ミニパフォーマンス付きでサプライズ演出)

カフェの場合:

【メニュー説明】→【ストーリーテリング】
・今日のおすすめを物語風に紹介
・コーヒーの産地を旅行記風に説明
・季節メニューの背景を演劇風に表現

例:「こちらのブレンドコーヒーは、エチオピアの
高原で朝日を浴びて育った豆たちが、遠い海を
越えてここまでやってきました...」

【アニメーター・イラストレーター志望】→ ビジュアル担当

活かせるスキル:

  • 絵を描く技術
  • デザインセンス
  • 色彩感覚
  • キャラクター作成能力

具体的な仕事の作り方:

飲食店の場合:

【通常のPOP】→【アート作品級のPOP】
・手書きイラスト入りメニューボード
・季節感のあるオリジナルキャラクター
・SNS映えする店内装飾
・お客様似顔絵サービス(特別な日に)

【オリジナルキャラクター活用】
・店舗マスコットキャラクターの創作
・キャラクターを使った販促物
・子供向けの塗り絵メニュー
・オリジナルTシャツのデザイン

美容室の場合:

【ヘアカタログ】→【アートブック】
・お客様のヘアスタイルをイラスト化
・トレンドスタイルの分かりやすいイラスト説明
・季節ごとのスタイル提案ポスター
・店内装飾のオリジナルアート作品

【音楽家志望】→ 空間演出・雰囲気作り担当

活かせるスキル:

  • 音楽に対する深い理解
  • 空間の雰囲気を読む能力
  • リズム感・タイミング感
  • 感性の豊かさ

具体的な仕事の作り方:

カフェ・バーの場合:

【BGM選択】→【空間プロデュース】
・時間帯に応じた最適な楽曲選択
・お客様の層に合わせた音楽コーディネート
・季節・天気に応じた雰囲気作り
・ライブイベントの企画・運営

【音楽企画】
・月1回の「ミニライブタイム」
・お客様の誕生日に生演奏サプライズ
・季節イベントでの音楽演出
・地域ミュージシャンとのコラボ企画

【ダンサー志望】→ イベント・パフォーマンス担当

活かせるスキル:

  • 身体表現力
  • リズム感
  • 人を楽しませる技術
  • エネルギッシュな魅力

具体的な仕事の作り方:

【イベント企画】
・お客様参加型のダンスタイム
・季節パーティーでのパフォーマンス
・子供向けイベントでの盛り上げ役
・SNS用のダンス動画作成

【接客での活用】
・エネルギッシュなお出迎え
・楽しい雰囲気作りのリーダー
・チームワーク向上の中心役
・新人スタッフの緊張ほぐし役

夢活用システムの導入方法

ステップ1:スタッフの「本当の夢」をヒアリング

効果的な質問例:

  • 「将来の夢は何ですか?」
  • 「普段はどんなことをしていますか?」
  • 「得意なこと、好きなことは?」
  • 「お店で活かせそうなスキルはありますか?」

ヒアリング時の注意点:

  • 批判的な態度を取らない
  • 「それは仕事と関係ない」と言わない
  • 真剣に聞いて、可能性を探る
  • 具体的なスキルレベルも確認

ステップ2:店舗での活用方法を一緒に考える

コラボレーション方式:

店長:「○○さんの絵の技術、お店で活かせそうですね」
スタッフ:「でも、仕事の時間にやっていいんですか?」
店長:「むしろ、お店のために描いてもらえませんか?
      例えば、今度の季節メニューのPOPとか...」
スタッフ:「それなら喜んで!どんなイメージがいいですか?」

ステップ3:小さな課題から始める

最初は低リスクで:

  • いきなり大きな仕事を任せない
  • まずは「お試し」で小さな課題を
  • 成功したら徐々に範囲を拡大
  • 失敗しても店舗運営に影響しない程度

段階的拡大の例:

【1段階】手書きPOP1枚を依頼
【2段階】週替わりメニューボードを担当
【3段階】季節装飾全体をプロデュース
【4段階】店舗リニューアル時のデザイン参加

ステップ4:正当な評価と報酬の設定

評価のポイント:

  • 専門スキルの活用は「付加価値」として評価
  • 通常業務とは別の評価軸を設ける
  • 成果物の質だけでなく、取り組み姿勢も評価
  • お客様からの反応も評価要素に

報酬の考え方:

【金銭的報酬】
・スキル活用手当(月額○千円)
・成果物完成時のボーナス
・時給の特別加算

【非金銭的報酬】
・作品をSNSで紹介(宣伝効果)
・ポートフォリオ作成の支援
・業界関係者への紹介
・将来の夢応援メッセージ

実際の成功事例

カフェ「○○珈琲」× 美大生アルバイト

スタッフ: 美術大学2年生(イラストレーション専攻)

導入した取り組み:

  1. 月替わりアートメニュー
    • 全メニューを手描きイラストで作成
    • 季節感のあるキャラクターを考案
    • SNSでの話題性が急上昇
  2. お客様似顔絵サービス
    • 誕生日・記念日限定
    • 15分程度でサッと描く
    • お持ち帰り用の特別な台紙も用意
  3. 店内アート展示
    • スタッフの作品を月替わりで展示
    • 販売も可能(売上の一部を店舗に)
    • 地域のアートスポットとして認知

結果:

  • 若い女性客が3倍に増加
  • SNSフォロワーが6ヶ月で5000人増
  • 地域情報誌で「アートなカフェ」として紹介
  • スタッフのモチベーション大幅向上

居酒屋「○○屋」× 劇団員アルバイト

スタッフ: 地域劇団所属の役者志望

導入した取り組み:

  1. エンターテイメント接客
    • お客様の誕生日に特別な演出
    • 宴会での司会進行サービス
    • 季節イベント時のパフォーマンス
  2. ストーリーテリング
    • メニューの由来を物語風に説明
    • おすすめ料理を演劇風にプレゼン
    • お客様を巻き込んだ楽しい演出
  3. イベント企画
    • 月1回の「演劇ナイト」開催
    • 劇団仲間を招いてのミニ公演
    • お客様参加型の即興劇

結果:

  • リピート率が40%向上
  • 「面白い居酒屋」として口コミで評判
  • 予約が取りにくい人気店に
  • 劇団員の演技スキル向上にも貢献

よくある課題と解決策

課題1:「本業がおろそかになる」心配

解決策:

  • 基本業務の習得を最優先に
  • スキル活用は基本ができてから
  • 時間配分を明確に設定

課題2:他のスタッフからの嫉妬

解決策:

  • 全スタッフの特技を活かす方針を明言
  • 「みんなで店を盛り上げよう」という雰囲気作り
  • 特別扱いではなく「適材適所」と説明

課題3:クオリティのばらつき

解決策:

  • 最初からプロレベルは期待しない
  • 改善点は建設的にフィードバック
  • 成長過程も楽しむ姿勢

今日から始められる3つのアクション

アクション1:スタッフの夢をヒアリング

今週中に、スタッフ一人ひとりの「本当にやりたいこと」を聞いてみてください。

アクション2:活用可能性を探る

聞いた内容を、店舗運営にどう活かせるか考えてみましょう。

アクション3:小さな依頼をしてみる

「もしよかったら、○○をお願いできませんか?」と気軽に相談してみてください。

まとめ:夢を応援する店舗が生む相乗効果

スタッフの夢を店舗運営に活かすことは、単なる人材活用を超えた価値を生み出します。

スタッフにとって:

  • 夢に一歩近づく経験
  • スキルアップの機会
  • やりがいのある仕事環境
  • 将来への自信

店舗にとって:

  • 他にない独自性の獲得
  • 低コストでの高品質サービス
  • スタッフの定着率向上
  • 地域での話題性獲得

お客様にとって:

  • 他では体験できないサービス
  • クリエイティブな空間での時間
  • スタッフの情熱を感じる体験
  • 応援したくなる店舗との出会い

「夢追い人」は、あなたの店舗を特別な場所に変える宝物です。彼らの「好きなこと」「得意なこと」を大切にして、一緒に素晴らしいお店を作り上げませんか?

きっと、今まで以上に魅力的で、愛される店舗になるはずです。

※本サイトに記載された店舗名と店主名は、個店情報のため仮名とさせていただいております。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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