2.目標設定と未来デザイン

5年後を見据えた経営、3つの視点

9月に入ると、なんとなく「今年もあと4ヶ月か」という感覚が出てきませんか。夏の繁盛期が一区切りして、ふと立ち止まれる瞬間が増えるこの時期、僕がよく耳にするのがこんな言葉です。

「5年後のことを考えると、今のままじゃまずいのはわかってる。でも、何から変えればいいか…」

変わらなきゃいけないと頭ではわかっている。なのに、なぜか動けない。この「わかっているのに動けない」状態、実はあなたの意志が弱いわけでも、行動力がないわけでもないんです。もっと根っこに、「現状維持機能」というメカニズムが働いています。今日はそこを正面から扱いながら、5年後を見据えた経営を動き出せる状態にするための3つの視点をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 「変わりたいのに動けない」の本当の原因
  2. 5年後から逆算して「今日の一歩」を決める手順
  3. 現状維持機能を乗り越えるための自責の視点の使い方
  4. ホットペッパー依存など「外部依存の恐怖」から抜け出した実例

こんな方におすすめ

  • ✅ 「このままではまずい」と感じながらも、具体的な一手が打てていない飲食店・美容室オーナー
  • ✅ 5年後・10年後の経営像を描こうとしても、日々の忙しさに流されてしまう方
  • ✅ グルメサイトや掲載媒体への依存から抜け出したいと思っているが、怖くて踏み出せない方
  • ✅ セミナーや本で学んでも成果につながっていない方
  • ✅ 「でも」「だって」が口癖になっていると自覚している方
5年後を見据えた経営、3つの視点 | 有限会社繁盛店研究所

「変わりたいのに動けない」のは、意志の問題じゃない

よく相談を受けるとき、こんなパターンがあります。「客単価を上げたい、でも常連さんに嫌われたら困る」「ホットペッパーの依存をやめたい、でも集客が止まったら怖い」「5年後はもっとゆとりある経営をしたい、だって今は余裕がなくて動けない」。

「でも」と「だって」——この2つの言葉が出てきたとき、人は変化を止めます。これは性格の問題ではなく、人間の脳が本来持っている「現状を維持しようとする機能」が働いているからです。僕はこれを形状記憶ラバーと呼んでいます。引っ張っても手を離すと元に戻ろうとする、あのゴムのイメージです。

問題は、この機能が「現状を維持する」ために、変化に対して「リスクを大きく見せる」という働きをすることです。ホットペッパーをやめたら、本当に集客がゼロになるかといえばそうじゃない。でも脳は「ゼロになるかもしれない恐怖」を最大化して、行動にブレーキをかけてくる。

だとすれば、必要なのは「意志を強くすること」じゃなくて、「今の現実は100%自分が作り出している」という自責の視点に立つことです。現状を外部のせいにしている限り、5年後も同じ景色が続くだけです。

「掲載をやめたら終わり」「任せたら崩れる」——変わりたいのに動けない本当の原因が、自分の認識の中にあるとわかっても、「じゃあ何から手をつける?」という問いは残ります。繁盛店ポータルに無料登録すると、AIと対話しながら自店のビジョンと目標を5ステップで整理できる「増益繁盛プランナー」と、ハワードジョイマンAIへの無料相談が使えます。メールアドレスだけで今すぐ登録できます。

ビジョンと目標を整理する無料ツールを使ってみる

視点①|5年後の「完了形」を先に決める

5年後を見据えるというのは、「5年後にどうなっていたいか」を漠然と考えることではありません。「5年後に、すでにこうなっている」という完了形で描くことが出発点です。

たとえばこんな具合です。「掲載サイトに頼らず、自分のお客様との関係で売上が安定できている」「週に1日は完全に休めている」「スタッフが仕組みに沿って動いているので、自分は経営の判断だけに集中できている」。

これを「そうなっている状態」として先に言語化する。未来から今を見る、という感覚です。

なぜ完了形が重要かというと、「なりたい」という願望のままでは、行動が「いつかやること」に分類されてしまうからです。完了形で書くことで、脳は「今、何が足りていないか」を自動的に探し始めます。これが、経営ビジョンを自分の行動に落とし込むための第一歩です。

仕組み化 STEP 1

5年後の「完了形」を3つだけ書く

紙でもスマホのメモでもいい。「5年後、自分はすでに〇〇できている」という文章を3つ書いてみてください。売上・時間・気持ちの3軸で1つずつ書くと整理しやすい。重要なのは「きれいな言葉で書こうとしない」こと。今の自分が正直に感じている「こうなっていたい」をそのまま書く。

⚠️ よくある失敗:「現実的に考えると…」と書きながら自分で制限をかけてしまう。5年後の話なので、今の状況の制約を持ち込まないこと。

視点②|1年後・3ヶ月後・今週、と逆算する

5年後の完了形が決まったら、次は逆算です。「5年後にそこにいるなら、1年後はどこにいる必要があるか」「1年後にそこにいるなら、3ヶ月後は?」「3ヶ月後のために、今週やることは1つだけ何か」。

ここで多くの方が詰まるのは、「3ヶ月で何を達成する」という目標の立て方をしてしまうからです。達成できなかったとき、「やっぱりうまくいかなかった」という証拠になってしまう。だから、「3ヶ月後の自分はこういう行動習慣を持っている」という行動レベルで逆算する方が現実的です。

仕組み化 STEP 2

「今週やること1つ」だけを決める

5年後から逆算してきた最後の問いに答えてください。「今週、1つだけやるとしたら何か?」。ここで複数出てきたら、最も利益に直結するものを1つに絞る。選べない場合は、「やらなかったときのリスクが大きいもの」を選ぶ。

⚠️ よくある失敗:「今週やること」が10個になってしまい、結局何も動かない。経営における選択と集中は、5年後の計画の中でも同じように機能します。今週の1つを守ることが、5年後への一本道になる。

✓ ここまでのポイント

  • 「変わりたいのに動けない」のは現状維持機能のせいであり、意志の問題ではない
  • 5年後を「完了形」で描き、1年後・3ヶ月・今週と逆算することで「今日の一歩」が見える
  • 今週やることは1つに絞ることが、動き続けるための最重要ルール

今週やること1つを決めようとしたとき、「利益に直結しない行動」がどれかわからず手が止まる方が多いです。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析で直結しない行動を特定する手順と、行動の6つの選択肢(なくす・任せる・外注・変える・速める・集約)を全8本の動画で学べます。有料の動画教材で、申し込み後すぐに全動画を視聴できます。

行動収益化法で「やめる行動」の見つけ方を学ぶ

「掲載費を抑えて利益率が改善できました。次回予約の仕組みでリピートが安定してきて、一番大きかったのは『掲載をやめたら終わり』という恐怖が消えたことです。」

カラー特化サロン(女性・30代)

このオーナーさんが最初に言っていたのは、「ホットペッパーをやめたいけど、やめたら新規が来なくなる気がして怖い」という言葉でした。でも実際に動き出してみると、次回予約の仕組みを整えることでリピートが安定し、掲載への依存が減っていった。変化の恐怖は「やる前が最大」です。やり始めると、思っていたほどのリスクじゃないことがほとんどです。

視点③|「原因は100%自分」の視点で、行動の棚卸しをする

5年後の絵が描けて、逆算もできた。それでも動けない場合、もう一段深いところに原因があります。それは「今の行動の中に、利益に直結しない行動が大量に混ざっている」ことです。

忙しい、時間がない、余裕がない——これは全部、外側にある問題のように聞こえます。でも「原因は100%自分」という視点に立つと、「今の時間の使い方を自分が選んできた結果、余裕がなくなっている」と見えてくる。外のせいにしている間は、変えられるものが見えない。自分の行動に原因を見る瞬間から、初めて変えられるものが出てくる。

「行動を変えようとする前に、今の行動を見なければ何も始まらない。1週間、自分が何に時間を使ったかを書き出すだけで、すでに変化は始まっている。」

ハワードジョイマン(繁盛店研究所・中小企業診断士)

仕組み化 STEP 3

1週間の行動を書き出して「やめること」を1つ決める

今週1週間、自分が何に何時間使ったかをざっくり書き出してみてください。細かくなくていい。「仕込み・接客・SNS・事務・移動・電話対応」といったカテゴリでざっくりで十分です。そこから「これ、自分じゃなくてもいいな」「これ、5年後の目標に直結してないな」というものを1つ選ぶ。それを来週からやめる、または任せる、または頻度を減らす、のどれかを決める。

⚠️ よくある失敗:「全部自分がやらないとクオリティが保てない」と思い込んで、棚卸しの段階で何も手放せない。チームで回す経営への移行は、まず「任せてみる1つ」から始まります。完璧に任せようとしなくていい。

5年後を見据えることと、今日動くことはセットだ

5年後の経営を変えたいなら、5年後の計画を立てることと、今日の行動を変えることは別々の話ではありません。むしろ、5年後の完了形を描いたことで「今日やめていいこと」が見えてくる。逆算したことで「今週の1つ」が選べる。行動の棚卸しをしたことで「外のせいにしていた自分」に気づける。

この3つの視点は、順番に積み上げていくものです。どれか1つだけやっても、「なんとなく考えた」で終わってしまいます。

僕自身、役所を辞めて独立し、開業2年半で全財産を失いました。そのどん底で気づいたのが「今の現実は100%自分が作り出している」という視点でした。外のせいにしていた間は、何も変えられなかった。自分に原因があると認めた瞬間から、変えられるものが次々に見えてきた。創業から21年、飲食店・美容室の経営者を支援してきた中で、この視点の転換が最初の分岐点になったケースを何度も見てきました。

変わらなきゃと思っているあなたが動けていないのは、能力の問題じゃない。視点の問題です。今日、完了形で5年後を1つ書いてみてください。そこから全部始まります。

5年後の完了形を描いて、逆算して、行動を棚卸しする——この3ステップは頭でわかっても、一人でやろうとすると「これで合ってるのか」という迷いで止まります。動画講座「行動収益化法」では、未来デザインマップと行動目標88シートを使って望む未来を描き、日々の行動に落とし込む一連の流れを体系的に学べます。視聴期限なし・スマホ対応で、自分のペースで繰り返し使える教材です。

「行動収益化法」の詳細・カリキュラムを確認する

-2.目標設定と未来デザイン