どうしたらできるかだけを考える習慣化メソッド
「いつも『できない理由』ばかり浮かんでしまう」 「頭では分かっているけど、つい否定的に考えてしまう」 「『どうしたらできるか』を考えようとしても、すぐに忘れてしまう」
前回の記事で「できない理由」思考の問題について学びましたが、実際にその思考パターンを変えるのは簡単ではありませんよね。
でも大丈夫です。習慣化メソッド を使えば、自然と「どうしたらできるか」を考える思考パターンを身につけることができます。
この記事では、解決思考を無意識レベルで身につけて、どんな困難が来ても自然と前向きに考えられるようになる具体的な方法を分かりやすく解説します。
習慣化メソッドとは
思考も習慣になる
多くの人は、思考は意識的にコントロールするものだと思っていますが、実は 思考の大部分は習慣 です。
思考習慣の例:
- 困ったことがあると、すぐに「なんで?」と考える人
- 失敗すると、必ず「どうせダメだ」と思う人
- 新しいことがあると、「面白そう!」と考える人
- 問題が起こると、「どう解決しよう?」と考える人
重要なポイント: 思考は習慣なので、意識的に練習すれば変えることができる のです。
21日間ルール
脳科学の研究によると、新しい習慣を身につけるには 21日間の継続 が効果的だとされています。
21日間で起こること:
- 1-7日目:意識して頑張る期間(疲れる)
- 8-14日目:慣れてくる期間(楽になる)
- 15-21日目:自然にできる期間(習慣化)
「どうしたらできるか」思考の5段階習慣化プログラム
第1段階:「気づき」習慣(1-3日目)
目標: 自分が「できない理由」を考えていることに気づけるようになる
やること: 手首に輪ゴムをはめて、「できない理由」を考えている自分に気づいたら、輪ゴムを軽く弾く
具体的な練習:
- 「時間がない」と思った → 輪ゴムパチン
- 「お金がない」と思った → 輪ゴムパチン
- 「難しそう」と思った → 輪ゴムパチン
なぜ輪ゴムを使うのか: 物理的な刺激で、思考パターンに気づきやすくなる
飲食店での実践例: 「新メニューを作りたいけど、忙しくて…」と考えた瞬間 → 輪ゴムパチン → 「あ、今『できない理由』を考えていた」と気づく
第2段階:「質問転換」習慣(4-7日目)
目標: 「できない理由」に気づいたら、すぐに「どうしたらできるか」に質問を変える
やること: 「できない理由」に気づいたら、必ず「でも、どうしたらできるかな?」と声に出して質問し直す
質問のバリエーション:
- 「でも、どうしたらできるかな?」
- 「どんな方法があるだろう?」
- 「誰に相談すれば解決できるかな?」
- 「小さく始めるとしたら、何からできるかな?」
美容室での実践例: 「新技術を覚えたいけど、時間がない」 → 輪ゴムパチン → 「でも、どうしたら時間を作れるかな?」と声に出す
第3段階:「即答」習慣(8-14日目)
目標: 質問をしたら、必ず答えを3つ以上考える
やること: 「どうしたらできるかな?」と質問したら、必ず3つの答えを考える(どんなに小さなことでもOK)
即答のコツ:
- 完璧な答えを求めない
- とりあえず思いついたことを3つ
- 「こんなこと無理だろう」と思っても、まずは考えてみる
飲食店での実践例: 「テイクアウトを始めたいけど、容器代が…」 ↓ 「でも、どうしたらできるかな?」 ↓ 即答3つ:
- 「まずは家にある容器で1回だけ試してみる」
- 「容器代の安い業者をネットで探してみる」
- 「最初は1品だけでテイクアウト対応してみる」
第4段階:「行動選択」習慣(15-18日目)
目標: 3つの答えの中から、今日できることを1つ選んで実行する
やること: 3つの答えの中で、「今日または明日にできること」を1つ選んで、実際に行動する
行動選択の基準:
- 30分以内でできる
- お金がほとんどかからない
- 失敗してもダメージが少ない
美容室での実践例: 前の例の3つの答えから: 「今日は『YouTubeで基礎技術の動画を10分見る』をやってみよう」 → 実際に10分動画を見る
第5段階:「自動化」習慣(19-21日目)
目標: 意識しなくても「どうしたらできるか」を考えるようになる
やること: 輪ゴムを外して、自然に「どうしたらできるか」思考ができているかチェックする
自動化のサイン:
- 問題が起こっても、すぐに解決策を考えている
- 「できない理由」を考える時間が短くなった
- 周りの人から「前向きになったね」と言われる
習慣化を加速する6つのテクニック
テクニック1:「解決思考」環境作り
物理的環境の整備:
- 「どうしたらできるか?」と書いた紙を見えるところに貼る
- 解決した問題のリストを作って飾る
- 成功体験の写真を置く
飲食店での例: レジ横に「今日の解決: ○○の方法を見つけた!」と書くスペースを作る
美容室での例: 鏡の前に「お客さんの笑顔のために、どうしたらできるかな?」と書いた小さなカードを置く
テクニック2:「仲間作り」システム
一緒に頑張る人を見つける:
- 同じ習慣化に取り組む仲間
- 解決思考で成功している先輩
- 家族や友人に協力してもらう
仲間との約束例:
- 毎日「今日見つけた解決策」をLINEで報告し合う
- 週1回、解決思考の練習結果を話し合う
- 「できない理由」を言ったら、お互いに注意し合う
テクニック3:「記録」システム
解決思考日記: 毎日、以下を記録する
- 今日、「どうしたらできるか」を考えた回数
- 見つけた解決策
- 実際に行動したこと
- うまくいったこと、改善点
記録例:
3月15日
- 解決思考回数:5回
- 見つけた解決策:新メニューのアイデア3つ
- 行動:材料の値段を調べた
- 結果:思ったより安い材料を発見!
テクニック4:「ご褒美」システム
小さなご褒美で習慣を強化:
- 1週間続けたら、好きなものを買う
- 3週間続けたら、美味しいものを食べに行く
- 21日達成したら、欲しかったものを購入
ご褒美のポイント:
- 小さくても確実にもらえるもの
- 習慣化の努力を認める意味があるもの
- 次の目標への意欲が湧くもの
テクニック5:「失敗対策」システム
習慣が途切れたときの対処法:
- 自分を責めない
- 「今から再開すればいい」と考える
- なぜ途切れたかを分析する
- より続けやすい方法に修正する
よくある失敗と対策:
- 忙しくて忘れる → スマホのアラームを設定
- やる気が出ない → より小さな行動から始める
- 効果が感じられない → 記録を見直して小さな変化を確認
テクニック6:「段階的レベルアップ」システム
21日後のさらなる成長: 基本の習慣が身についたら、より高度なレベルに挑戦
レベル2:応用思考(22-42日目)
- 複雑な問題でも解決策を見つける
- 他人の問題解決も手伝う
- 予防的な解決策を考える
レベル3:創造思考(43-63日目)
- 問題を新しいチャンスとして捉える
- 独創的な解決策を生み出す
- 業界の常識を変える発想をする
業界別実践プログラム
飲食店経営者向け21日間プログラム
第1週(1-7日目):基礎習慣
- 朝礼で「今日の解決フォーカス」を決める
- 問題が起こったら「どうしたら解決できるかな?」と必ず言う
- 夜に「今日見つけた解決策」を1つ記録
第2週(8-14日目):実践習慣
- スタッフにも解決思考を教える
- お客さんの要望を「解決するチャンス」として捉える
- 週末に「今週の解決成果」を振り返る
第3週(15-21日目):発展習慣
- 競合店の成功を「学ぶチャンス」として分析
- 新しい解決策を週1回は試してみる
- 解決思考が自然にできているかセルフチェック
美容室経営者向け21日間プログラム
第1週(1-7日目):基礎習慣
- お客さんとの会話で「どうしたら…」を口癖にする
- 技術的な課題を「成長のチャンス」として捉える
- 毎日「今日の学び」を1つ記録
第2週(8-14日目):実践習慣
- お客さんの要望を「新しい技術を覚えるきっかけ」にする
- 失敗を「改善点発見」として前向きに捉える
- 同業者との情報交換で解決策を共有
第3週(15-21日目):発展習慣
- お客さんと一緒に「理想の髪型」を実現する方法を考える
- 業界のトレンドを「新しいサービスの機会」として活用
- 解決思考でお客さん満足度向上を実現
習慣化成功事例
飲食店の事例:21日間で解決思考が自然に
Kさん(定食屋)の場合:
習慣化前の状態: 「材料費が上がった」「お客さんが減った」「スタッフが足りない」など、いつも問題ばかり考えていた
21日間プログラムの実践:
第1週: 「できない理由」を考えている自分に気づく練習
- 1日目:輪ゴムを10回以上弾く(思った以上に否定的だった)
- 3日目:5回程度に減少
- 7日目:自然に気づけるようになった
第2週: 「どうしたらできるか」質問の練習
- 材料費上昇 → 「どうしたら利益を保てるかな?」→ 無駄を減らす方法、新メニューで客単価アップなど
- お客さん減少 → 「どうしたら来てもらえるかな?」→ サービス改善、地域イベント参加など
第3週: 実際の行動と成果
- 新メニュー3品開発
- 地域の高齢者向けサービス開始
- スタッフとの協力体制改善
結果(21日後):
- 解決思考が口癖になった
- スタッフも前向きになり、職場の雰囲気が改善
- 売上5%アップ、お客さん満足度向上
3ヶ月後:
- 「問題は成長のチャンス」が完全に習慣化
- 地域で「いつも前向きで元気な店主」として有名に
- 売上20%アップを達成
美容室の事例:習慣化で技術力とサービス力が向上
Lさん(美容室)の場合:
習慣化前の状態: 新しい技術を覚えるのが苦手で、「自分にはセンスがない」「年だから覚えられない」と思い込んでいた
21日間プログラムの実践:
第1週: ネガティブ思考への気づき
- 1日目:「無理だ」「難しい」を1日15回以上言っていることに気づく
- 5日目:半分程度に減少
- 7日目:言う前に「あ、また否定的になってる」と気づけるように
第2週: 解決策思考への転換
- 「新技術が覚えられない」→「どうしたら覚えやすくなるかな?」→ 動画学習、先輩指導、練習時間確保
- 「お客さんの要望が難しい」→「どうしたら実現できるかな?」→ 技術研究、カウンセリング改善
第3週: 実践と成果
- 毎日30分の技術練習開始
- お客さんとのカウンセリング時間を2倍に
- 「一緒に理想を実現しましょう」が口癖に
結果(21日後):
- 「どうしたら…」が自然に口から出るようになった
- 新技術への挑戦が楽しくなった
- お客さんとの関係が大幅改善
6ヶ月後:
- 新技術を3つマスター
- 「相談しやすい美容師」として地域で評判
- 予約が取りにくい人気店に成長
まとめ:習慣化で人生が変わる
「どうしたらできるか」を考える思考は、習慣化によって確実に身につけることができます。
重要なポイント:
- 21日間の継続 – 毎日少しずつでも続けることが大切
- 段階的なアプローチ – いきなり完璧を求めず、5段階で習慣化
- 環境とシステム – 続けやすい環境と仕組みを作る
- 記録と振り返り – 小さな変化も記録して成長を実感
- 失敗を恐れない – 途切れても再開すればいい
今日から始められること: まずは手首に輪ゴムをつけて、「できない理由」を考えている自分に気づく練習から始めてください。それだけでも、思考パターンは確実に変わり始めます。
21日後のあなたは、どんな困難が来ても自然と「どうしたらできるかな?」と考える、解決思考の達人になっているはずです。
次のステップ
解決思考の習慣化ができたら、次は言葉の力について学びましょう。
次の記事「ネガティブ思考を瞬時にポジティブに変える言葉の力」では、思考を変えるだけでなく、使う言葉を変えることで、より早く確実にポジティブなマインドセットを身につける方法について詳しく解説します。
今日のアクション: 今すぐ手首に輪ゴムをつけてください。そして今日一日、「できない理由」「無理」「だめ」などの否定的な言葉を考えた瞬間に、輪ゴムを軽く弾いて自分に気づかせてください。明日からは、気づいた瞬間に「でも、どうしたらできるかな?」と質問し直す練習を始めましょう。これが21日間の習慣化プログラムの第一歩です。
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