1日15分の振り返りで明日の準備をする習慣

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なぜ朝一番に「今日は何をしよう?」と悩むのか?

朝、お店を開ける準備をしながら、こんなことを考えたことはありませんか?

「さて、今日は何から始めようかな?」 「あ、そうだ、昨日の続きがあった」 「でも、急ぎの仕事もあったはず…」

この「朝の迷い」こそが、1日の生産性を大きく下げている原因です。

今日は、この迷いを完全になくし、毎朝スムーズなスタートを切るための「15分振り返り習慣」をお伝えします。

成功する経営者の「終わり方」に隠された秘密

実は、成功している店舗経営者の多くが、共通した習慣を持っています。

それは、 「1日の最後に明日の準備をしてから店を出る」 ということです。

繁盛店の居酒屋オーナーの場合

都内で3店舗を経営する居酒屋オーナーの山本さん(仮名)は、どんなに忙しくても、必ず閉店後に15分だけ時間を取ります。

山本さんの15分ルーティン:

5分間の振り返り

  • 今日うまくいったこと3つ
  • 今日の反省点2つ
  • 明日に持ち越すこと1つ

10分間の明日準備

  • 明日の最優先タスク3つを決定
  • 必要な準備物をチェック
  • スタッフへの指示事項をメモ

この習慣を始めてから、山本さんに起こった変化:

変化前:

  • 朝来て「あれ、昨日何をするつもりだったっけ?」
  • 思い出すのに時間がかかる
  • 結局、目の前のことから場当たり的に対応
  • 重要なことを忘れてしまうことがある

変化後:

  • 朝一番からスムーズに作業開始
  • 迷いがないので集中力が持続
  • 計画的に仕事が進む
  • スタッフからも「指示が明確で分かりやすい」と評価

脳科学が証明する「寝る前準備」の効果

なぜ前日の準備がこれほど効果的なのでしょうか?

実は、これには脳科学的な根拠があります。

睡眠中の脳の働き

人間の脳は、眠っている間に「明日やること」を整理し、最適な手順を考えてくれます。

つまり、寝る前に明日のタスクを決めておくと、睡眠中に脳が勝手に段取りを考えてくれるのです。

美容室での実証例

美容室「Hair Design K」の店長・小林さんの体験談:

「以前は朝来てから『今日は何をしよう』と考えていましたが、15分振り返り習慣を始めてから、朝起きた瞬間に『今日はまず新人の技術チェック、それから材料発注、最後にPOP作成』と頭に浮かぶようになりました。不思議ですが、夜寝る前に決めたことが、朝には頭の中で整理されているんです。」

15分振り返りの具体的なやり方

ステップ1:5分間の今日振り返り

質問1「今日うまくいったことは?」(3つ)

  • 新メニューがお客様に好評だった
  • スタッフが自主的に清掃してくれた
  • 仕入れコストを5%削減できた

質問2「今日の反省点は?」(2つ)

  • お客様を待たせてしまった
  • 材料の在庫確認を忘れた

質問3「明日に持ち越すことは?」(1つ)

  • 来月のシフト表作成

ステップ2:10分間の明日準備

明日の最優先タスク3つを決定

  1. 来月シフト表作成(完了まで集中)
  2. 新人スタッフの技術チェック
  3. 春メニューのPOP作成

必要な準備物チェック

  • シフト表のテンプレート
  • 新人チェックリスト
  • POP用のマーカーと台紙

スタッフへの指示事項

  • Aさん:明日は材料在庫チェックお願いします
  • Bさん:お客様アンケート回収をお願いします

よくある「15分が取れない」という悩みの解決法

悩み1:「忙しすぎて15分も取れない」

解決策: 最初は5分だけでもOKです。

  • 3分振り返り+2分明日準備
  • 慣れてきたら徐々に時間を延ばす

悩み2:「家に帰ってからやろうと思うけど忘れる」

解決策: お店で完了させる仕組みを作る

  • 閉店作業のチェックリストに追加
  • アラームを設定して思い出す

悩み3:「毎日は続かない」

解決策: 完璧主義を捨てる

  • 週5日できれば上出来
  • できなかった日は「明日やろう」で終わり

デジタルツールの活用法

スマホのメモアプリ活用

  • 音声入力で素早く記録
  • テンプレートを作って効率化
  • 写真で必要なものを記録

おすすめテンプレート

【今日の振り返り】
✓うまくいったこと:
✓反省点:
✓持ち越し:

【明日の準備】
①最優先:
②次に重要:
③時間があれば:

【準備物】
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ワンランク上の活用法

週単位での振り返り

金曜日は特別に20分取って、1週間の振り返りを行います。

週振り返りの質問

  • 今週最も成果があったことは?
  • 来週改善したいことは?
  • 来週の最重要目標は?

スタッフとの共有

振り返りの一部をスタッフと共有することで、チーム全体の方向性を合わせることができます。

共有例 「明日の最優先は新メニューの試作です。Aさんは材料準備、Bさんは試食用の盛り付け準備をお願いします。」

3つの注意点

注意点1:完璧を求めすぎない

毎日完璧にできなくても問題ありません。「継続」が最重要です。

注意点2:長時間やりすぎない

15分以上やると、逆に疲れてしまいます。短時間で集中することが大切です。

注意点3:ネガティブになりすぎない

反省は大切ですが、自分を責めすぎないように。「明日はこうしよう」という前向きな気持ちで終わりましょう。

今日から始める3ステップ

ステップ1:今夜、5分だけ試してみる

今日の閉店後、5分だけ時間を取って振り返りをしてみてください。

ステップ2:明日の朝の違いを確認する

明日の朝、いつもより迷いが少ないことを実感してください。

ステップ3:1週間続けてみる

効果を実感するには、最低1週間の継続が必要です。

まとめ:「終わり良ければ全て良し」の法則

1日15分の振り返り習慣は、まさに「終わり良ければ全て良し」を体現する方法です。

1日の最後の15分が、翌日の生産性を決定します。

そして、その積み重ねが、あなたの店舗経営を確実に前進させてくれるのです。

今夜から、ぜひ始めてみてください。明日の朝の爽快感に、きっと驚くはずです。


次回は「5分振り返り+10分明日準備の黄金ルーティン」について、さらに具体的な時間配分をお伝えします。

※本サイトに記載された店舗名と店主名は、個店情報のため仮名とさせていただいております。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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