なぜ「やることリスト」は3つで止まってしまうのか?
「今月の目標達成のために何をしよう?」と考えて、
- 新メニュー開発
- チラシ作成
- スタッフ研修
「うん、これで十分かな…」
でも本当にそうでしょうか?
実は、目標達成には もっと多くの具体的なアクション が必要なのです。
今日は、1つの目標から64個の具体的行動を生み出す「マンダラシステム」をお伝えします。
大谷翔平が高校時代に使った「目標達成の設計図」
このマンダラシステム、実は大谷翔平選手が高校時代に使っていた方法として有名になりました。
大谷選手の中心目標:「ドラフト1位指名」
この1つの目標から、彼は64個の具体的な行動を導き出し、それを毎日実践していたのです。
大谷選手のマンダラ構造(一部)
中心目標: ドラフト1位指名
8つの要素:
- 体作り
- コントロール
- キレ
- メンタル
- スピード160km
- 人間性
- 運
- 変化球
体作りの8つの行動:
- 体のケア
- サプリメント摂取
- FSQ90kg(下半身強化)
- 柔軟性向上
- RSQ60kg(上半身強化)
- スタミナ強化
- 可動域拡大
- 食事管理(毎朝3杯)
このように、1つの要素からさらに8つの具体的行動を導き出していったのです。
居酒屋オーナーのマンダラシステム成功例
居酒屋「串カツ横丁」のオーナー・佐藤さん(仮名)が、マンダラシステムで売上を30%向上させた実例をご紹介します。
佐藤さんの中心目標
「月商300万円達成」
第1段階:8つの要素に分解
- 集客力向上
- 客単価アップ
- リピート率向上
- オペレーション効率化
- スタッフのスキルアップ
- コスト削減
- メニュー開発
- 顧客満足度向上
第2段階:各要素を8つの具体的行動に分解
例:集客力向上の8つのアクション
- チラシ5,000枚配布
- Instagram週3回投稿
- Googleマイビジネス最適化
- 看板メニューのPOP作成
- 近隣オフィスへの営業
- 紹介キャンペーン実施
- 地域イベントへの参加
- 食べログ・ぐるなび強化
例:客単価アップの8つのアクション
- おすすめメニュー表作成
- ドリンク追加注文の声かけ
- デザートメニュー3品追加
- セットメニューの充実
- 高単価メニューの開発
- 店員からの提案強化
- メニュー表のレイアウト改善
- 限定メニューで希少価値演出
結果:3ヶ月で64のアクションを実行
成果:
- 売上:235万円→305万円(30%UP)
- 客数:月780名→月920名(18%UP)
- 客単価:3,012円→3,315円(10%UP)
佐藤さんの感想:「最初は64個なんて多すぎると思いましたが、やってみると意外とできるものですね。しかも、小さなアクションの積み重ねで、こんなに大きな変化が生まれるとは驚きです。」
マンダラシステムの作成手順
手順1:中心目標の設定(5分)
良い中心目標の条件:
- 具体的な数字が入っている
- 期限が明確
- ワクワクする内容
- 少し背伸びが必要なレベル
悪い例:「売上を伸ばす」 良い例:「6ヶ月で月商400万円達成」
手順2:8つの要素に分解(15分)
分解のコツ:
- 「どんな要素が必要?」を自問
- 業務の流れに沿って考える
- 内部要因と外部要因を混ぜる
美容室の例:月商350万円達成
- 新規客獲得
- 既存客単価UP
- リピート率向上
- 技術レベル向上
- 接客品質向上
- 効率化・時短
- 商品販売強化
- コスト最適化
手順3:各要素を8つのアクションに分解(40分)
分解のコツ:
- 「これを実現するには何をする?」を8回考える
- 大きすぎるアクションはさらに分解
- 数字や期限を具体的に入れる
例:新規客獲得の8つのアクション
- Instagram毎日投稿(before/after写真中心)
- ホットペッパービューティー写真更新(月2回)
- 紹介キャンペーン(紹介者・被紹介者両方に特典)
- 近隣マンションのポスティング(月1,000枚)
- Googleマイビジネスの口コミ獲得強化
- 美容系YouTuberとのコラボ企画
- 地域イベントでのヘアアレンジ実演
- 他業種との相互紹介システム構築
業態別マンダラシステム実例
カフェの場合
中心目標: 客数20%増(月600名→720名)
8つの要素:
- 朝の集客強化
- 昼の集客強化
- 夕方の集客強化
- 居心地の良さ向上
- メニューの魅力度UP
- SNSでの認知拡大
- 口コミ・紹介促進
- 地域密着度向上
ラーメン店の場合
中心目標: 行列のできる店になる(待ち時間平均15分)
8つの要素:
- 味の独自性確立
- 話題性の創出
- SNS映えの演出
- 口コミ拡散の仕組み
- メディア露出の獲得
- 限定感の演出
- 感動体験の提供
- ファン化の促進
マンダラシステム運用の3つのポイント
ポイント1:全部同時にやろうとしない
64個のアクションを一度に実行するのは不可能です。
推奨ペース:
- 第1週:8個のアクション実行
- 第2週:別の8個のアクション実行
- 第3週:また別の8個のアクション実行
- …8週間で全64個を1回ずつ実行
ポイント2:効果測定を必ず行う
各アクションの効果を必ず記録します。
記録項目:
- 実行日
- 所要時間
- 費用
- 効果(数値で)
- 難易度(5段階)
- 継続意思(Yes/No)
ポイント3:PDCAサイクルで改善
Plan(計画): マンダラでアクション設計 Do(実行): アクションを順次実行 Check(確認): 効果測定と分析 Action(改善): 効果の高いアクションを継続・拡大
デジタルツールでのマンダラ管理
Excel・Googleスプレッドシート活用
シート構成:
- マンダラ全体図シート
- アクション詳細シート
- 実行記録シート
- 効果測定シート
専用アプリの活用
MindMeister:
- マインドマップ形式で作成
- チーム共有機能
- 進捗管理機能
Notion:
- データベース機能で管理
- テンプレート化が容易
- 画像・動画も添付可能
マンダラシステムでよくある失敗と対策
失敗1:抽象的なアクションが多い
悪い例:「接客を改善する」 良い例:「お客様との会話時間を1人あたり30秒延ばす」
対策:「誰が見ても同じ行動ができる」レベルまで具体化
失敗2:大きすぎるアクションを設定
悪い例:「ホームページを全面リニューアル」 良い例:「トップページの写真を5枚更新」
対策: 1週間以内に完了できるサイズに分割
失敗3:効果測定をしない
問題: どのアクションが効果的だったかわからない 対策: 簡単でも必ず記録する習慣をつける
マンダラシステムの応用技
応用1:季節別マンダラ
春夏秋冬それぞれのマンダラを作成し、季節に応じたアクションプランを立てる
応用2:競合対策マンダラ
競合店に対抗するためのマンダラを別途作成
応用3:チームマンダラ
スタッフ全員でマンダラを作成し、役割分担を明確化
今日から始めるマンダラシステム3ステップ
ステップ1:中心目標を1つ決める
あなたが最も実現したい目標を1つ、具体的な数字と期限付きで決めてください。
ステップ2:8つの要素に分解する
その目標を達成するために必要な要素を8つ書き出してください。
ステップ3:1つの要素を8つのアクションに分解
8つの要素のうち1つを選んで、具体的なアクション8つに分解してください。
まとめ:小さなアクションが大きな成果を生む
マンダラシステムの真の価値は、 「やるべきことの見える化」 にあります。
漠然とした目標を64個の具体的なアクションに分解することで、
- 何をすればいいかが明確になる
- 小さな成功体験を積み重ねられる
- 確実に目標に近づいている実感が得られる
大谷翔平選手が証明したように、この手法は確実に結果を生み出します。
今日から、あなたもマンダラシステムで目標達成への道のりを具体化してみてください。
3ヶ月後には、「こんなに多くのことができるようになるとは思わなかった」と驚くはずです。
次回は「中心テーマから8要素を導き出す思考プロセス」について、より詳しい分解技術をお伝えします。
コメント