「今日も何もできなかった…」という錯覚から抜け出す方法
夜、疲れ切って家に帰る途中、こんなことを思ったことはありませんか?
「今日も一日バタバタしただけで、結局何も進んでない気がする…」
でも、本当にそうでしょうか?
実は、あなたは毎日たくさんのことを成し遂げています。ただ、それを「記録」していないだけなのです。
今日は、自分の頑張りを見える化して、達成感とやる気を倍増させる「フィニッシュノート」の作り方をお伝えします。
脳は「やったこと」より「やってないこと」を覚えている
人間の脳には、厄介な特性があります。
完了したことはすぐに忘れて、未完了のことばかり気になってしまうのです。
これを心理学では「ツァイガルニク効果」と呼びます。
ある寿司店大将の勘違い
寿司店を経営する佐々木さん(仮名)は、いつも「何も進歩していない」と感じていました。
でも、ある日1週間の行動を書き出してみると…
実際にやっていたこと:
- 新しい仕入れルートを3軒開拓
- メニュー表の値段を改定
- アルバイトスタッフの技術指導
- 常連客20名への季節の挨拶ハガキ作成
- 厨房の冷蔵庫を新機種に交換
- 税理士との年末調整打ち合わせ
「え、こんなにやってたの?」
佐々木さんは、自分の頑張りに改めて驚きました。
フィニッシュノートとは?
フィニッシュノートとは、「完了したこと」だけを記録するノートです。
基本的な使い方
- 何かを完了したら、すぐにノートに書く
- 小さなことでも必ず記録する
- 週に1回、見返して自分を褒める
記録する内容の例
- ポップ3枚完成
- 新メニューのレシピ決定
- スタッフとの面談実施
- 材料発注完了
- お客様からのクレーム対応
- 売上集計作業
- トイレ掃除
「そんな小さなことも?」と思うかもしれませんが、小さなことほど大切です。
美容室オーナーの1週間フィニッシュノート
美容室「Salon Rose」の店長・田村さんの実際のフィニッシュノートを見てみましょう:
月曜日
- 朝礼で今週の目標を共有
- 新人スタッフのカット練習指導
- 来月のキャンペーン企画書完成
- 常連のA様のカラーリング成功
- レジ周りの整理整頓
火曜日
- シャンプー在庫チェック完了
- スタッフのシフト調整
- ホットペッパーの写真更新
- 新商品のトリートメント試用
- 電球交換(入口の照明)
水曜日
- スタッフミーティング資料作成
- お客様アンケート10件回収
- 業者との料金交渉(成功!)
- 店内BGMのプレイリスト更新
- 明日の予約確認と準備
田村さんは、このノートを見返して言いました。
「毎日『今日は何もできなかった』と思っていたけど、こうして見ると結構やってるじゃない!自分で自分を褒めたくなりました。」
フィニッシュノート3つの効果
効果1:自己肯定感が高まる
「自分はダメだ」という思い込みから解放され、「結構頑張ってるじゃん!」という前向きな気持ちになります。
効果2:モチベーションが維持される
落ち込んだ時にノートを見返すと、「こんなにやってるんだから大丈夫」と思えるようになります。
効果3:スタッフからの評価も上がる
ノートを見せることで、「店長、いつもこんなにやってくれてたんですね」とスタッフからの信頼も深まります。
付箋タスク管理との最強コンビネーション
前回紹介した付箋タスク管理と組み合わせると、さらに効果的です。
やり方
- 付箋にタスクを書く
- 完了したら付箋を剥がす
- 剥がした付箋をフィニッシュノートに貼る
- 日付と一言コメントを添える
実例
貼った付箋:「春メニューPOP 3枚作成」
コメント:「2023年3月15日 – 桜をイメージしたデザインで、お客様に好評!」
デジタル版フィニッシュノート
「手書きは苦手」という方には、スマホやパソコンでの管理もおすすめです。
おすすめアプリ
- Evernote:写真付きで記録可能
- Google Keep:音声入力で素早く記録
- LINE自分だけグループ:気軽に投稿感覚で記録
デジタル版のメリット
- 移動中でも記録できる
- 写真付きで記録できる
- 検索機能で過去の記録を探しやすい
よくある質問と回答
Q: 毎日記録するのを忘れてしまいます A: 最初は「1日1つだけ」から始めましょう。夜寝る前に「今日一番頑張ったこと」を1つだけ書く習慣をつけてください。
Q: 小さなことを書くのが恥ずかしいです A: 小さなことほど大切です。「トイレ掃除」も「お客様への笑顔」も、立派な仕事です。誰に見せるものでもないので、遠慮なく書きましょう。
Q: 書くことが思い浮かばない日があります A: そんな日は「今日も一日お疲れ様」と書くだけでもOKです。毎日お店を開けること自体が大きな成果です。
今日から始める3ステップ
ステップ1:ノートを1冊用意する
専用のノートを1冊用意しましょう。表紙に「フィニッシュノート」と書くと、愛着が湧きます。
ステップ2:今日完了したことを3つ書く
今日1日を振り返って、完了したことを3つ書いてみてください。
ステップ3:自分を褒める
書いた後は「よくやった!」と心の中で自分を褒めてあげましょう。
まとめ:小さな達成感が大きな自信になる
フィニッシュノートの魔法は、「見える化」にあります。
毎日の小さな達成を積み重ねることで、「自分は確実に前進している」という実感が湧いてきます。
そして、その実感こそが、明日への活力となるのです。
騙されたと思って、今夜から始めてみてください。1ヶ月後には、きっと自分の成長に驚くはずです。
次回は「1日15分の振り返りで明日の準備をする習慣」について、具体的な時間の使い方をお伝えします。
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