タスク管理vs時間管理の決定的な違い

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なぜあなたの時間管理は失敗するのか?

「今日は9時半から10時までポップ作成、10時から10時半まではDM作成…」

こんなふうにスケジュールを組んで、結局何も完成せずに1日が終わってしまった経験はありませんか?

実は、多くの店舗経営者が陥っている罠があります。それは「時間管理」と「タスク管理」を混同していることです。

時間管理の落とし穴~ある居酒屋店長の失敗例

山田さん(仮名)は、都内で居酒屋を経営しています。売上アップのために、こんなスケジュールを立てました:

9:30-10:00 ポップ作成(新メニュー5枚)
10:00-10:30 DM文章作成
10:30-11:00 SNS投稿準備

ところが現実は…

9時半からポップに取りかかったものの、「焼き鳥の新メニューって、どんなキャッチコピーがいいかな?」と悩んでしまい、気がつけば10時。

「あ、もうDMの時間だ」と切り替えたものの、ポップが中途半端で気になってしまい、DMも集中できない。

結局10時半になっても、ポップもDMも完成せず…

これが時間管理の落とし穴です。

タスク管理なら確実に進む理由

では、タスク管理ならどうでしょうか?

同じ山田さんが今度はこう考えました:

  1. 今日の最優先タスク:ポップ5枚完成
  2. 2番目のタスク:DM文章完成
  3. 3番目のタスク:SNS投稿3件

そして、ポップ5枚が完成するまでは、絶対に他のことはしないと決めました。

結果は…

集中してポップに取り組み、11時15分に5枚完成。達成感と共にDMに取りかかり、12時にDMも完成。午後にはSNS投稿も余裕でクリア。

なぜタスク管理の方が効果的なのか?

理由1:完了の達成感が次のエネルギーになる

時間管理だと「10時になったから次の作業」となり、前の作業が中途半端で気持ち悪い状態が続きます。

タスク管理なら「ポップ完成!」という達成感が、次のDM作成への集中力を高めてくれます。

理由2:本当の所要時間が見えてくる

「ポップ5枚は30分でできる」と思っていたのが、実際は1時間45分かかることがわかります。

これにより、次回からより現実的な計画が立てられるようになります。

理由3:優先順位が明確になる

「今日は絶対にポップを完成させる」という明確な目標があることで、迷いがなくなります。

美容室での実践例

美容室を経営する佐藤さん(仮名)の場合:

以前の時間管理:

  • 9:00-9:30 顧客カルテ整理
  • 9:30-10:00 新メニュー企画
  • 10:00-10:30 スタッフミーティング資料作成

現在のタスク管理:

  1. 来月の新メニュー企画完成
  2. 週末のスタッフミーティング資料完成
  3. 今月分の顧客カルテ整理完了

結果、企画もミーティング資料も質が向上し、スタッフからも「前より具体的でわかりやすい」と評価されるようになりました。

今日から始められる3つのステップ

ステップ1:やることを3つだけ書き出す

朝一番に、今日絶対に完了させたいことを3つだけ書きます。4つ以上は書きません。

ステップ2:優先順位をつける

3つに①②③の番号をつけ、①から順番に取り組みます。

ステップ3:完了するまで次に進まない

①が完了するまでは、絶対に②に手を出しません。これが最重要ポイントです。

よくある質問

Q: 急な対応が入ったらどうすればいいですか? A: 緊急性が高い場合は対応し、終わったら元のタスクに戻ります。大切なのは「今何をやるべきか」が常に明確になっていることです。

Q: 1つのタスクに時間がかかりすぎる場合は? A: そのタスクをさらに小分けにします。例えば「ポップ5枚」を「ポップ1枚ずつ」に分けて、1枚完成するごとに達成感を味わいましょう。

まとめ:確実に前進する方法

時間管理は「予定を立てること」 タスク管理は「完了させること」

この違いを理解して、今日からタスク管理に切り替えてみてください。

小さな完了の積み重ねが、あなたの店舗経営を確実に前進させてくれます。


次回は「付箋活用法で可視化するタスク管理術」について、さらに具体的な方法をお伝えします。

※本サイトに記載された店舗名と店主名は、個店情報のため仮名とさせていただいております。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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