継続的改善のためのミーティング運営術

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~お店がどんどん良くなる会議の秘密~

「うちの店、毎日同じ問題の繰り返しなんです…」

こんな悩みを抱えていませんか?レジが混雑する、注文ミスが起こる、お客様からの要望に対応できない。毎日バタバタと問題を解決しているけれど、根本的な改善にはつながらない。

実は、その原因は「振り返りをしていない」ことにあります。今日は、お店が確実に良くなっていく魔法のような会議術をお教えします。

なぜ多くのお店で同じ問題が繰り返されるのか?

火消し人生から抜け出せない店長の共通点

多くの個人店オーナーは、毎日が「火消し」の連続です。

  • お客様からのクレーム対応
  • スタッフのミス対応
  • 急な欠勤への対応
  • 機械の故障対応

「今日もなんとか乗り切った…」と思って家に帰る。でも翌日、また同じような問題が起こる。

なぜでしょうか?

答えは簡単です。問題を解決しているだけで、原因を取り除いていないからです。

成功している店との決定的な違い

繁盛しているお店の店長は、問題が起きたとき、こう考えます:

❌「今回はこれで対処できた」 ⭕「なぜこの問題が起きたのか?二度と起こらないようにするには?」

この違いが、1年後、3年後の大きな差を生み出します。

継続的改善ミーティングの基本構造

【基本】15分間の魔法の時間割

毎週1回、15分だけ時間を作ってください。この15分が、あなたのお店を劇的に変えます。

【5分】先週起きた問題の振り返り
【5分】原因分析と改善策の検討
【5分】来週の改善実行計画

「そんな時間ないよ!」と思ったあなた。この15分をケチることで、毎日30分の火消し時間を生み出していることに気づいてください。

実際のミーティング進行例

ステップ1:問題の洗い出し(5分)

「今週、困ったことを全部書き出してみましょう」

例:

  • 金曜の夜、レジに長蛇の列ができた
  • 新人スタッフが注文を間違えた
  • 常連のお客様から「前と味が違う」と言われた
  • 冷蔵庫の調子が悪くて食材が傷んだ

ステップ2:原因分析(5分)

1つの問題に対して「なぜ?」を3回繰り返します。

例:レジに長蛇の列ができた

  • なぜ?→会計に時間がかかったから
  • なぜ会計に時間がかかった?→釣り銭の準備ができていなかったから
  • なぜ釣り銭の準備ができていなかった?→事前の準備チェックリストがないから

ステップ3:改善実行計画(5分)

具体的な対策を決めて、実行責任者と期限を明確にします。

例:

  • 対策:ピーク時間前の準備チェックリスト作成
  • 責任者:店長
  • 期限:来週火曜日まで
  • 確認方法:次回ミーティングで報告

スタッフを巻き込む参加型ミーティング術

「意見を言いやすい」雰囲気作りのコツ

多くの店長は、ミーティングで一方的に話してしまいます。でも、現場で実際に困っているのはスタッフです。

効果的な質問例:

❌「何か問題ありませんか?」 ⭕「今週一番困ったのはどんなことでしたか?」

❌「改善案はありますか?」
⭕「もしあなたがお客さんだったら、どこを直してほしいですか?」

スタッフのアイデアを引き出す3つの魔法の言葉

  1. 「なるほど、それは気づかなかった!」 → スタッフの意見を肯定的に受け止める
  2. 「他にも何かありますか?」 → さらなる意見を促す
  3. 「じゃあ、来週試してみましょう」 → 即座に行動に移す姿勢を示す

改善が続く仕組み作り

記録を残す重要性

人の記憶は曖昧です。口約束だけでは、改善は続きません。

シンプルな記録方法:

【改善ミーティング記録】2024年○月○日

■今週の問題
・○○が発生(担当:△△)

■原因
・□□が不十分だったため

■改善策  
・××を実施する(責任者:○○、期限:○月○日)

■次回確認事項
・××の効果測定

小さな成功を積み重ねる

大きな問題を一度に解決しようとすると挫折します。1週間に1つの小さな改善から始めましょう。

改善例:

  • 第1週:レジ横にお箸の補充
  • 第2週:メニューの写真を1枚追加
  • 第3週:トイレの清掃チェック表作成
  • 第4週:スタッフの笑顔練習タイム

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:「時間がない」と言ってやらない

対策:営業終了後の5分だけでもOK

完璧を求めず、まずは習慣化することが大切です。

失敗パターン2:店長だけが話してスタッフが聞くだけ

対策:必ずスタッフに質問を投げかける

「○○さんはどう思いますか?」を口癖にしましょう。

失敗パターン3:決めたことを実行しない

対策:次回ミーティングで必ず前回の確認をする

実行できなかった場合も責めずに、「なぜできなかったか?」を一緒に考えます。

実際に改善が続いているお店の事例

事例1:居酒屋「○○亭」の場合

問題: 金曜夜の注文ミスが多発

改善プロセス:

  • 第1週:注文ミスの記録を開始
  • 第2週:ピーク時の役割分担を明確化
  • 第3週:復唱確認の徹底
  • 第4週:お客様への確認方法を統一

結果: 注文ミスが80%減少、お客様満足度向上

事例2:美容室「□□salon」の場合

問題: 予約時間の遅れが常態化

改善プロセス:

  • 第1週:各施術の実際の所要時間を測定
  • 第2週:予約間隔の見直し
  • 第3週:準備時間の短縮方法を検討
  • 第4週:お客様への事前連絡システム構築

結果: 待ち時間クレームがゼロに、リピート率向上

今日から始められる3つのステップ

ステップ1:次回のミーティング日を決める

カレンダーに「改善ミーティング」の予定を入れてください。まずは2週間後から始めましょう。

ステップ2:記録用のノートを1冊用意する

専用のノートまたはファイルを準備します。スマホのメモ機能でもOKです。

ステップ3:スタッフに予告する

「来週から、お店をもっと良くするための短い会議を始めます。みんなの意見を聞かせてください」

まとめ:継続が生み出す奇跡

継続的改善ミーティングは、魔法ではありません。でも、継続することで確実にお店は変わります。

3ヶ月後: 同じ問題の繰り返しが減る 6ヶ月後: スタッフが自主的に改善提案をするようになる 1年後: お客様から「前より良くなったね」と言われる

最初は面倒に感じるかもしれません。でも、1年後の自分とお店のために、今日から始めてみませんか?

明日から使える「改善ミーティング進行シート」を用意しました。まずは来週、15分だけ時間を作って、スタッフと一緒に「今週困ったこと」を話し合ってみてください。

その小さな一歩が、あなたのお店を「問題が起きにくい、みんなが働きやすい」店に変えていきます。

※本サイトに記載された店舗名と店主名は、個店情報のため仮名とさせていただいております。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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