24時間×7日間の完全見える化手法

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24時間×7日間の完全見える化手法

目次

あなたの時間は一体どこに消えているのか?

カフェオーナーのLさんは、毎日朝6時から夜10時まで働いているのに、なぜか思うように売上が伸びませんでした。

「こんなに頑張っているのに、なぜ?」

そんなLさんに、1週間の行動を15分刻みで記録してもらいました。

すると、衝撃的な事実が判明したのです。

1日16時間労働のうち、実際に売上に直結する行動はたった2時間でした。

残りの14時間は何をしていたのでしょうか?

なぜ「忙しい」のに「成果が出ない」のか

多くの経営者の共通点

美容室、飲食店、エステサロン…業種は違っても、うまくいかない経営者には共通点があります。

共通点1:「体感時間」と「実際の時間」のズレ

「集客活動に1日3時間かけている」と思っていても、実際に測ってみると30分程度しかやっていない。

共通点2:「見えない時間泥棒」の存在

スマホチェック、何となくの雑談、探し物…5分、10分の積み重ねが大きな時間ロスになっている。

共通点3:「重要度」と「緊急度」の混同

目の前の緊急事項(電話対応、クレーム処理)ばかりに追われて、重要事項(集客、スタッフ教育)に時間を使えていない。

24時間×7日間記録の威力

実例:居酒屋Mマスターの場合

Mマスターは「1日12時間、販促活動もしっかりやっている」と自信満々でした。

しかし、1週間の記録を取ってみると…

月曜日の実際の時間配分

  • 6:00-7:00 開店準備
  • 7:00-8:00 仕入れ
  • 8:00-9:00 仕込み
  • 9:00-9:15 スマホチェック(ニュースアプリ)
  • 9:15-10:00 仕込み続き
  • 10:00-10:20 業者との雑談
  • 10:20-10:30 探し物(調味料)
  • 10:30-11:00 仕込み
  • 11:00-11:15 スマホチェック(SNS)
  • 11:15-12:00 清掃
  • 12:00-17:00 営業(接客)
  • 17:00-17:30 休憩(スマホ)
  • 17:30-22:00 営業
  • 22:00-23:00 片付け

衝撃の分析結果

  • 総労働時間:17時間
  • 売上に直結する活動(営業):9時間30分
  • 販促・集客活動:0分
  • スマホ時間:1時間
  • 雑談・探し物:50分

「販促をしっかりやっている」という認識は完全な勘違いでした。

見える化で判明する「時間泥棒」TOP5

1位:スマホ・インターネット(平均1日2時間)

よくあるパターン

  • 朝の情報チェック:30分
  • 昼休みのSNS:30分
  • 夕方の息抜き:30分
  • 寝る前のネットサーフィン:30分

対策 チェック時間を決める(例:12:00-12:15、18:00-18:15の2回のみ)

2位:探し物・整理整頓(平均1日1時間30分)

よくあるパターン

  • 調味料を探す:5分×6回=30分
  • 書類を探す:10分×3回=30分
  • 掃除用具を探す:5分×6回=30分

対策 物の置き場所を決めてラベル表示

3位:無駄な移動・待ち時間(平均1日1時間)

よくあるパターン

  • 仕入れ先を効率的に回れていない
  • 業者を待つ時間
  • 材料を取りに行ったり来たり

対策 移動ルートの最適化、まとめて作業

4位:だらだら作業(平均1日1時間)

よくあるパターン

  • 集中せずに仕込み
  • 何となく清掃
  • 目的なく在庫チェック

対策 作業時間を決めてタイマーを設定

5位:無駄な会話・電話(平均1日30分)

よくあるパターン

  • 業者との雑談
  • 常連客との長話
  • プライベートな電話

対策 会話時間の目安を決める

完全見える化の実践方法

ステップ1:記録ツールを準備する

オススメツール

  1. スマホアプリ
    • TimeTree(カレンダーアプリ)
    • Toggl(時間管理アプリ)
  2. 手書きノート
    • 15分刻みの時間軸を書いたノート
    • ポケットサイズで持ち歩きやすいもの
  3. Excel・Googleスプレッドシート
    • 時間軸と行動内容を記録
    • 後で分析しやすい

ステップ2:記録のルールを決める

基本ルール

  • 15分刻みで記録(最低でも30分刻み)
  • 行動内容を具体的に書く
  • 感情も一緒に記録(楽しい、疲れた、イライラなど)
  • 最低7日間は継続する

記録例

6:00-6:15 起床・身支度(眠い)
6:15-6:30 朝食(スマホ見ながら)
6:30-7:00 通勤・開店準備
7:00-7:15 仕入れリスト確認
7:15-7:45 仕入れ買い出し
7:45-8:00 材料整理
8:00-8:15 スマホチェック(ついつい)
8:15-9:00 仕込み作業(集中)

ステップ3:カテゴリー分けをする

行動を以下のカテゴリーに分類します。

A:売上に直結する活動

  • 接客・サービス提供
  • 販促活動(チラシ作成、SNS投稿)
  • 新商品開発

B:必要だが売上に直結しない活動

  • 仕込み・準備
  • 清掃・整理
  • 事務作業

C:改善可能な活動

  • 移動時間
  • 待ち時間
  • 探し物

D:無駄な活動

  • 意味のないスマホ時間
  • だらだら作業
  • 無駄な雑談

ステップ4:1週間後に分析する

分析項目

  1. カテゴリー別の時間配分
  2. 最も時間を使っている活動
  3. 改善できそうな活動
  4. 意外に時間がかかっている活動

見える化で人生が変わった実例

実例1:美容室Nオーナーの場合

記録前の認識 「接客8時間、事務2時間、集客活動2時間の配分でやっている」

記録後の現実

  • 接客:6時間
  • 事務・雑用:4時間
  • 集客活動:15分
  • スマホ・雑談:1時間45分

改善後(3ヶ月後)

  • 接客:6時間(変わらず)
  • 事務・雑用:2時間30分(効率化)
  • 集客活動:1時間30分(大幅増加)
  • 自由時間:30分(ストレス軽減)
  • 結果:新規客20%増加

実例2:カフェOオーナーの場合

最大の発見 1日のうち40分間を「コーヒー豆を探す時間」に使っていた。

改善策

  • 豆の保管場所を統一
  • ラベル表示を徹底
  • 在庫管理シートを作成

効果

  • 探す時間:40分→5分(35分短縮)
  • その時間で追加提供できるコーヒー:7杯
  • 増加売上:月額約105,000円

よくある記録時の失敗と対策

失敗1:「後でまとめて書こう」

問題点:記憶があいまいで正確性に欠ける

対策:リアルタイムで記録する習慣をつける

失敗2:「大まかに書けばいい」

問題点:改善ポイントが見つからない

対策:具体的に詳細を記録する

失敗3:「忙しくて記録できない」

問題点:記録しない理由を探している

対策:まさにその「忙しさ」を客観視するために記録が必要

記録を続けるための3つのコツ

コツ1:完璧を求めない

最初は30分刻みでも構いません。大切なのは続けることです。

コツ2:楽しみながらやる

「時間泥棒を見つけるゲーム」として楽しんでみてください。

コツ3:改善効果を実感する

小さな改善でも効果を数字で確認し、モチベーションを維持しましょう。

今すぐ始める「見える化」チャレンジ

今日から始められる簡単版

朝の準備編(30分間の記録)

  1. 起床から開店準備完了まで
  2. 何に何分使ったかを記録
  3. 無駄な時間を1つ見つける
  4. 明日はその時間を短縮してみる

成功体験を積み重ねて、1週間の完全記録に挑戦しましょう。

まとめ:見える化は改善の第一歩

時間は目に見えないからこそ、無駄に使ってしまいがちです。

しかし、24時間×7日間の完全見える化により:

  • 現実と認識のギャップが明確になる
  • 時間泥棒の正体が判明する
  • 改善の優先順位が見えてくる
  • 具体的な行動が決まる

あなたも今日から1週間、自分の時間の使い方を記録してみませんか?

きっと、今まで見えなかった「時間の無駄遣い」が見つかり、驚くほど効率的な1日を送れるようになるはずです。


次回予告 次の記事では「現状の行動が今の結果を生んでいる事実確認法」について解説します。記録した1週間のデータから、なぜ今の売上・利益になっているのかの因果関係を明確にする方法をお伝えします。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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