目標に直結しない時間の発見と改善策

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目標に直結しない時間の発見と改善策

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1日3時間の「なんとなく時間」を宝の時間に変える方法

整体院のSオーナーは、毎日朝8時から夜9時まで働いているのに、月の売上目標70万円にいつも届きませんでした。

「こんなに長時間働いているのに、なぜ目標に届かないんだろう…」

1週間の行動記録を詳しく分析してみると、驚くべき事実が判明しました。

13時間の労働時間のうち、目標達成に直結する時間はたった7時間。 残りの6時間は「なんとなく」過ごしていたのです。

この6時間を目標達成のために使えたら、どれほど結果が変わるでしょうか?

「目標に直結しない時間」の正体を暴く

直結時間と非直結時間の分類

まず、あなたの行動を3つのカテゴリーに分けてみましょう。

A:目標に直結する時間

  • 実際の施術・接客
  • 新規集客活動
  • リピート促進活動
  • スキルアップ学習

B:必要だが直結しない時間

  • 準備・片付け
  • 事務処理
  • 仕入れ・買い物
  • 清掃・整理

C:目標に無関係な時間

  • なんとなくスマホ
  • 意味のない雑談
  • だらだら作業
  • ボーッとしている時間

整体院Sオーナーの1日分析

8:00-9:00 開院準備(B:必要時間) 9:00-9:15 スマホでニュースチェック(C:無関係) 9:15-10:00 施術(A:直結) 10:00-10:15 次の患者を待ちながらボーッ(C:無関係) 10:15-11:15 施術(A:直結) 11:15-11:30 雑談(C:無関係) 11:30-12:30 施術(A:直結) 12:30-13:30 昼休み+スマホ(C:無関係) 13:30-13:45 院内をなんとなく掃除(C:無関係) 13:45-14:45 施術(A:直結) 14:45-15:00 コーヒーブレイク(C:無関係) 15:00-16:00 施術(A:直結) 16:00-16:20 業者との雑談(C:無関係) 16:20-17:20 施術(A:直結) 17:20-17:30 整理整頓(B:必要) 17:30-18:30 施術(A:直結) 18:30-19:00 片付け(B:必要) 19:00-21:00 事務作業+スマホ(B:必要+C:無関係)

集計結果

  • A(直結):7時間
  • B(必要):3時間30分
  • C(無関係):2時間30分

発見:2時間30分の無関係時間があった!

よく見つかる「隠れた無駄時間」TOP10

1位:「待ち時間」の無駄遣い(平均1日30分)

よくあるパターン

  • 次の予約まで10分空いてボーッ
  • 仕入れ先で待たされている間にスマホ
  • 電車の待ち時間に何もしない

改善策

  • 10分でできる作業リストを作成
  • 移動中は学習音声を聞く
  • SNS投稿の下書きを準備

2位:「移動時間」の非効率(平均1日45分)

よくあるパターン

  • 仕入れ先を効率的に回れていない
  • 無駄な往復移動
  • 移動中の時間を活用していない

改善策

  • 移動ルートの最適化
  • 移動中の学習・企画時間
  • オンライン仕入れの活用

3位:「スマホのダラダラ時間」(平均1日45分)

よくあるパターン

  • 朝の情報収集のつもりが30分経過
  • 休憩時間のSNSが長時間化
  • 寝る前のネットサーフィン

改善策

  • スマホ時間をタイマーで管理
  • 業務に関係ない通知をOFF
  • 目的なしでスマホを触らない

4位:「だらだら作業」(平均1日30分)

よくあるパターン

  • 集中せずに清掃作業
  • 時間を決めずに在庫整理
  • 効率を考えない事務処理

改善策

  • 作業時間を事前に決める
  • タイマーを使って集中
  • 作業手順をマニュアル化

5位:「無駄な会話」(平均1日20分)

よくあるパターン

  • 業者との長時間雑談
  • 同業者との愚痴話
  • 家族との長電話

改善策

  • 会話時間の目安を決める
  • 業務に関する話題に集中
  • プライベート通話は業務時間外

「時間の分類」実践ワークショップ

ステップ1:1日の行動を15分刻みで書き出す

記録例(美容室の場合)

9:00-9:15  開店準備
9:15-9:30  前日売上計算
9:30-9:45  スマホチェック
9:45-10:30 カット(Aさん)
10:30-10:45 清掃・準備
10:45-11:45 カット+カラー(Bさん)
11:45-12:00 次の準備+雑談
12:00-13:00 昼休み
13:00-13:15 Instagram見る
(以下続く)

ステップ2:各行動にA・B・Cのラベルを付ける

A:目標に直結

  • 実際の施術
  • 新規集客のためのSNS投稿
  • 次回予約の提案

B:必要だが非直結

  • 開店準備・清掃
  • 売上計算・事務処理
  • 材料準備

C:目標に無関係

  • 意味のないスマホ時間
  • だらだら雑談
  • ボーッとしている時間

ステップ3:Cの時間を合計する

美容室の例

  • スマホチェック:45分
  • 意味のない雑談:30分
  • だらだら時間:25分
  • 合計:1時間40分

ステップ4:Cの時間をAに変換する計画を立てる

1時間40分をどう活用するか

  • Instagram投稿:20分
  • 顧客フォローメール:30分
  • 技術練習:30分
  • 新メニュー企画:20分

実際の改善事例:カフェTオーナーの大変身

改善前の時間配分

1日10時間労働の内訳

  • A(直結):6時間(実際の営業)
  • B(必要):2時間(準備・片付け)
  • C(無関係):2時間(スマホ・雑談・だらだら)

月間売上:45万円

発見された無駄時間の詳細

朝の準備時間の無駄

  • 予定:1時間 → 実際:1時間30分
  • 原因:段取りが悪く、探し物に時間を浪費

空き時間の無駄

  • お客様の合間にスマホ:1日30分
  • 意味のない掃除:1日20分
  • ボーッとする時間:1日15分

夕方の無駄

  • 営業終了後のだらだら:30分
  • 無駄な雑談:25分

改善策の実施

朝の準備効率化

  • 前日に翌日の段取りを決める
  • 物の置き場所を決めてラベル表示
  • 準備の手順をチェックリスト化
  • 効果:30分短縮

空き時間の有効活用

  • スマホ時間をSNS投稿に限定
  • 掃除は週次でまとめて実施
  • 空き時間は新メニュー開発に使用
  • 効果:1時間の有効活用

夕方時間の活用

  • 営業終了後すぐに翌日準備
  • 雑談時間を顧客分析に変更
  • 効果:30分の有効活用

改善後の時間配分

1日10時間労働の内訳

  • A(直結):8時間(営業+集客・企画活動)
  • B(必要):1時間30分(効率化された準備・片付け)
  • C(無関係):30分(完全になくすのは現実的でない)

結果(3ヶ月後)

  • 月間売上:45万円 → 65万円
  • 新規客数:20人/月 → 35人/月
  • リピート率:60% → 75%

「B時間」も効率化して「A時間」を増やす方法

必要作業の効率化テクニック

1. バッチ処理 同じ種類の作業をまとめて処理

例:事務処理

  • 改善前:1日3回×10分=30分
  • 改善後:1日1回×20分=20分
  • 効果:10分短縮

2. 標準化 作業手順を決めて迷う時間をなくす

例:開店準備

  • チェックリストを作成
  • 手順を最適化
  • 効果:15分短縮

3. 道具の工夫 効率的な道具・システムを導入

例:清掃作業

  • 清掃道具を各所に配置
  • 清掃ルートを最適化
  • 効果:10分短縮

「無関係時間」を「直結時間」に変える具体例

変換例1:待ち時間 → 学習時間

Before 次の予約まで15分、ボーッとスマホ

After

  • 業界情報の収集:5分
  • 技術動画の視聴:5分
  • 次回提案の企画:5分

変換例2:移動時間 → 企画時間

Before 仕入れの移動中、音楽を聞いているだけ

After

  • 新メニューのアイデア出し
  • SNS投稿内容の企画
  • 顧客への提案内容を考える

変換例3:雑談時間 → 情報収集時間

Before 業者との無駄な世間話

After

  • 他店の動向を聞く
  • 新商品情報の収集
  • 業界トレンドの情報交換

今すぐできる「時間の見直し」3ステップ

ステップ1:明日1日だけ記録してみる

簡単記録法

  • 30分刻みで行動を記録
  • A・B・Cのラベルを付ける
  • Cの時間を合計する

ステップ2:一番多いC時間を特定する

質問

  • どの時間帯にC時間が多いか?
  • どんな行動がC時間になっているか?
  • なぜその行動をしてしまうのか?

ステップ3:明後日は1つだけ改善してみる

改善例

  • スマホ時間を半分にする
  • 雑談を5分以内にする
  • 待ち時間に学習音声を聞く

よくある「改善できない」言い訳と対策

言い訳1:「リフレッシュが必要だから」

対策 リフレッシュと目標達成を両立する方法を見つける

  • 散歩しながら企画を考える
  • 好きな音楽を聞きながら作業する

言い訳2:「お客様との雑談は大切だから」

対策 雑談の質を高める

  • 次回来店につながる話題を選ぶ
  • お客様の情報を収集する機会にする

言い訳3:「完璧にやりたいから時間がかかる」

対策 80%の完成度で十分な作業を見極める

  • 重要度の低い作業は効率重視
  • 完璧を求める作業と効率重視の作業を分ける

まとめ:時間は作るものではなく、見つけるもの

多くの人は「時間がない」と言いますが、実際には「時間の使い方を把握していない」だけです。

1日の行動を詳しく分析すれば、必ず「目標に直結しない時間」が見つかります。

今日のアクション

  1. 明日1日の行動を30分刻みで記録する
  2. A・B・Cに分類する
  3. Cの時間を1つだけAに変換してみる

この小さな一歩が、あなたの目標達成を大きく加速させるはずです。


次回予告 次の記事では「細切れ時間の集約で1日2時間を作る方法」について解説します。5分、10分の小さな時間を集めて、まとまった作業時間を創出する具体的なテクニックをお伝えします。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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