心からの望みと「書かなければいけない」目標の見分け方

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心からの望みと「書かなければいけない」目標の見分け方

「目標を立てなければいけないと思って書いたけど、なぜかやる気が出ない」 「やらなければいけないとわかっているのに、どうしても行動できない」 「本当にこれが自分のやりたいことなのか、わからなくなった」

こんな混乱を感じたことはありませんか?

実は、多くの人が 「心からの望み」と「書かなければいけない目標」を混同してしまい、本当の成功から遠ざかっているのが現実です。

「書かなければいけない目標」は外部からの期待や社会的な圧力から生まれる義務的な目標で、一時的にはモチベーションを生むものの、長続きせず、達成しても満足感が得られません。

一方、「心からの望み」は自分の内側から湧き上がる純粋な欲求で、自然な行動力を生み出し、困難があっても継続でき、達成時には深い充実感をもたらします。

この記事では、この2つを正確に見分ける方法と、「書かなければいけない目標」を「心からの望み」に変換する具体的な技術を、飲食店・美容室経営者の実例とともに分かりやすく解説します。

目次

「心からの望み」vs「書かなければいけない目標」の根本的違い

エネルギーの源泉が正反対

心からの望みのエネルギー源

内発的動機:

  • 自分の価値観から生まれる
  • 純粋な興味や関心
  • 成長への自然な欲求
  • 他者への貢献したい気持ち
  • 創造や表現への衝動

エネルギーの特徴:

持続性:長期間継続する
再生性:疲れても自然に回復する
成長性:取り組むほど強くなる
喜び:プロセス自体が楽しい
自然性:無理なく行動できる

「書かなければいけない目標」のエネルギー源

外発的動機:

  • 他人の期待や評価
  • 社会的なプレッシャー
  • 恐怖や不安からの逃避
  • 「普通」や「常識」への同調
  • 義務感や責任感

エネルギーの特徴:

消耗性:時間とともに減る
枯渇性:疲れると回復しにくい
固定性:取り組んでも強くならない
苦痛:プロセスが辛い
無理:意志力で無理やり行動

判断基準の違い

心からの望みの判断基準

内的基準:

  • 「これは自分にとって意味があるか?」
  • 「これをやっていると充実するか?」
  • 「これは自分の価値観と一致するか?」
  • 「これで誰かの役に立てるか?」

「書かなければいけない目標」の判断基準

外的基準:

  • 「これは社会的に評価されるか?」
  • 「これは周りから期待されているか?」
  • 「これをやらないと批判されるか?」
  • 「これは常識的に正しいか?」

実例で見る違い

飲食店経営者の例

心からの望み: 「地域のお客さんに『ここに来ると心が温まる』と言ってもらえる店にしたい」

判断の根拠:

  • お客さんの笑顔を見ると自分も嬉しい(内的喜び)
  • 料理を通じて人を幸せにしたい(価値観)
  • 地域の人々のつながりを作りたい(貢献欲求)

書かなければいけない目標: 「経営者として売上を20%向上させなければいけない」

判断の根拠:

  • 経営者なら売上向上は当然(社会的期待)
  • 他店と比較して負けたくない(競争圧力)
  • 家族を養わなければいけない(義務感)

美容室経営者の例

心からの望み: 「髪型を変えることで、お客さんが自分らしく輝けるお手伝いをしたい」

判断の根拠:

  • お客さんの変身を見ると感動する(内的感動)
  • 美しさを通じて自信を与えたい(使命感)
  • 技術を極めることが楽しい(成長欲求)

書かなければいけない目標: 「美容師として最新技術を習得しなければいけない」

判断の根拠:

  • 美容師なら技術向上は当然(職業的義務)
  • 他の美容師に遅れをとりたくない(競争不安)
  • お客さんから期待されている(外部期待)

見分け方1:「エネルギーテスト」

エネルギーテストの方法

ステップ1:目標を思い浮かべる

具体的な目標を1つ選んで、その内容を明確に思い浮かべてください。

ステップ2:身体の反応を観察

心からの望みの身体反応:

  • 胸が軽やかになる
  • 呼吸が深くなる
  • 自然と笑顔になる
  • エネルギーが湧いてくる感覚
  • 前向きな気持ちになる

「書かなければいけない目標」の身体反応:

  • 胸が重くなる
  • 呼吸が浅くなる
  • 表情が硬くなる
  • 疲れを感じる
  • 憂鬱な気持ちになる

ステップ3:行動イメージの確認

目標に向かって行動している自分を想像してください:

心からの望みの場合:

  • 行動している自分が生き生きと見える
  • 困難があっても乗り越えている姿が想像できる
  • プロセス自体を楽しんでいる様子が見える
  • 達成時の喜びが鮮明に想像できる

「書かなければいけない目標」の場合:

  • 行動している自分が疲れて見える
  • 困難に直面して挫折している姿が想像される
  • プロセスが苦痛に見える
  • 達成時の喜びが薄い

実践例:エネルギーテスト

カフェ経営者IIさんのエネルギーテスト

テストした目標A: 「月商を40万円から50万円に向上させる」

身体反応:

  • 目標を思い浮かべると胸が重くなった
  • 「やらなければいけない」という圧迫感
  • 行動している自分が辛そうに見えた
  • 達成しても「次は60万円にしなければ」と思った

判定:「書かなければいけない目標」

テストした目標B: 「地域の人たちが『第二の家』のように感じられるカフェを作る」

身体反応:

  • 目標を思い浮かべると胸が温かくなった
  • 自然と笑顔になり、やる気が湧いてきた
  • 行動している自分が楽しそうに見えた
  • 達成時にお客さんと喜びを分かち合っている姿が鮮明に想像できた

判定:「心からの望み」

結果: 目標Bに集中して取り組んだ結果、1年後に地域で愛されるカフェとなり、売上も自然と50万円を超えた。

美容室経営者JJさんのエネルギーテスト

テストした目標A: 「競合に負けないよう技術力を向上させる」

身体反応:

  • 不安と焦りを感じた
  • 「他店に遅れをとったらどうしよう」という恐怖
  • 技術練習している自分が義務的に見えた
  • 達成しても「まだ足りない」と感じそうだった

判定:「書かなければいけない目標」

テストした目標B: 「お客さんの『なりたい自分』を技術で実現したい」

身体反応:

  • 胸が躍るような楽しさを感じた
  • お客さんの喜ぶ顔が自然と浮かんだ
  • 技術を磨いている自分が充実して見えた
  • 達成時にお客さんと感動を共有している場面が鮮明に見えた

判定:「心からの望み」

結果: 目標Bに向けて技術向上に取り組んだ結果、自然と技術力が向上し、お客さん満足度も大幅に改善した。

見分け方2:「5歳の子供テスト」

5歳の子供テストとは

テストの概念: 5歳の子供に「なぜそれをやりたいの?」と純粋に質問されたと想像して、その答えを考える方法

5歳の子供の特徴:

  • 純粋で率直な質問をする
  • 建前や社会的な理由を理解しない
  • 「楽しいから」「好きだから」という理由を重視する
  • 大人の事情や義務感には興味がない

テストの実践方法

ステップ1:目標を5歳の子供に説明

例: 「おじちゃんは、お店の売上を上げたいんだ」

ステップ2:子供からの「なぜ?」に答える

5歳の子供:「なんで売上を上げたいの?」

答え方のパターン:

心からの望みの場合: 「お客さんにもっと喜んでもらいたいから」 「美味しい料理をたくさんの人に食べてもらいたいから」 「みんなが笑顔になってくれるのが嬉しいから」

「書かなければいけない目標」の場合: 「経営者だから当然だよ」 「他のお店に負けたくないから」 「そうしないといけないんだ」

ステップ3:さらなる「なぜ?」への対応

5歳の子供:「なんで喜んでもらいたいの?」

心からの望みの場合: 具体的で感情的な理由が次々と出てくる

「喜んでくれると、おじちゃんも嬉しいから」
「みんなが元気になってくれるから」
「お料理を作るのが楽しいから」

「書かなければいけない目標」の場合: 抽象的で義務的な理由しか出てこない

「それが仕事だから」
「そういうものだから」
「みんなそうしているから」

実践例:5歳の子供テスト

定食屋経営者KKさんの5歳の子供テスト

目標:「地域で一番愛される定食屋になりたい」

テストの会話:

子供:「なんで一番になりたいの?」
KKさん:「お客さんに『ここの料理は心が温まる』と言ってもらいたいから」

子供:「なんで心が温まってほしいの?」
KKさん:「みんなが忙しくて疲れているから、少しでも元気になってもらいたいから」

子供:「なんで元気になってもらいたいの?」
KKさん:「元気になったお客さんの笑顔を見ると、おじちゃんもすごく嬉しいから。それに、昔お母さんが作ってくれた料理で元気になったように、今度は自分が誰かを元気にしたいから」

子供:「それって楽しいの?」
KKさん:「すごく楽しい!お客さんが喜んでくれると、疲れなんて吹っ飛んじゃうよ」

判定:「心からの望み」 → 5歳の子供でも理解できる純粋で感情的な理由

美容室経営者LLさんの5歳の子供テスト

目標:「最新技術を習得して他店と差別化する」

テストの会話:

子供:「なんで新しいことを覚えたいの?」
LLさん:「他のお店に負けたくないから」

子供:「なんで負けたくないの?」
LLさん:「負けるとお客さんが来なくなるから」

子供:「なんでお客さんが来ないといけないの?」
LLさん:「それは...仕事だから、当然でしょ」

子供:「でも、それって楽しいの?」
LLさん:「楽しいかどうかじゃなくて、やらなければいけないことなの」

子供:「なんで?」
LLさん:「そういうものだから...」

判定:「書かなければいけない目標」 → 5歳の子供には理解しにくい義務的な理由

目標の見直し後: 「お客さんを『世界で一番美しい自分』にしてあげたい」

再テストの会話:

子供:「なんで美しくしてあげたいの?」
LLさん:「美しくなったお客さんが鏡を見て、『わあ!』って驚いて喜ぶ顔を見るのが大好きだから」

子供:「どうして大好きなの?」
LLさん:「その瞬間、お客さんがとても幸せそうで、おばちゃんも一緒に幸せになるから。それに、きれいになったお客さんが自信を持って帰っていくのを見ると、『良いことをした』って思えるから」

子供:「それって楽しい?」
LLさん:「とても楽しい!毎日がワクワクするよ」

判定:「心からの望み」

見分け方3:「時間忘却テスト」

時間忘却テストとは

テストの概念: その目標に関連する活動をしている時に、時間を忘れて没頭できるかどうかを確認する方法

フロー状態の特徴:

  • 時間の感覚を忘れる
  • 疲れを感じない
  • 集中力が高まる
  • 楽しさや充実感を感じる
  • 自然と継続したくなる

テストの実践方法

ステップ1:目標関連活動の実行

目標に関連する具体的な活動を1時間程度実行してみる

ステップ2:時間感覚の確認

心からの望みの場合:

  • 気がついたら時間が過ぎていた
  • 「もう1時間?早いな」と感じる
  • 「もう少し続けたい」と思う
  • 疲れよりも充実感を感じる

「書かなければいけない目標」の場合:

  • 時計を何度も見てしまう
  • 「まだ30分?長いな」と感じる
  • 「早く終わらないかな」と思う
  • 疲労感や退屈さを感じる

ステップ3:継続欲求の確認

活動終了後の気持ち:

心からの望みの場合:

  • 「明日も続けたい」
  • 「もっと上達したい」
  • 「次はこうしてみよう」
  • 自発的な改善アイデアが浮かぶ

「書かなければいけない目標」の場合:

  • 「今日はこれで十分」
  • 「やらなければいけないから明日もやる」
  • 「いつまで続ければいいのか」
  • 義務感でしか継続を考えられない

実践例:時間忘却テスト

ラーメン店経営者MMさんの時間忘却テスト

目標A:「売上向上のためのメニュー改善」

テスト活動: 新メニューの開発作業(1時間)

結果:

  • 15分ごとに時計を確認
  • 「売上につながるかな」「コストは大丈夫かな」と心配
  • 50分経過時点で「疲れた、今日はここまで」
  • 作業後に「義務を果たした」という感覚

判定:「書かなければいけない目標」

目標B:「お客さんが『感動する』ラーメンを作りたい」

テスト活動: 理想のスープ作り研究(1時間)

結果:

  • 時間を全く気にしていなかった
  • 「どうすればもっと美味しくなるか」に夢中
  • 1時間後に「えっ、もうこんな時間?」
  • 作業後に「明日はあの調味料を試してみよう」とアイデアが湧いた

判定:「心からの望み」

その後の変化: 目標Bに集中した結果、スープ作りが趣味のように楽しくなり、6ヶ月後に「地域で一番美味しいスープ」として評判になった。

エステサロン経営者NNさんの時間忘却テスト

目標A:「競合に負けないための技術習得」

テスト活動: 新しいマッサージ技術の練習(1時間)

結果:

  • 「他店はもう使っているかな」と不安になる
  • 20分ごとに「どのくらい上達したか」を気にする
  • 45分で「今日はもういいかな」と思った
  • 練習後に「これで遅れをとらずにすむ」という安堵感

判定:「書かなければいけない目標」

目標B:「お客さんの疲れを癒して、心から元気になってもらいたい」

テスト活動: お客さんが最もリラックスできる技術の研究(1時間)

結果:

  • お客さんの喜ぶ顔を想像しながら集中
  • 時間を忘れて技術の細部にこだわった
  • 1時間があっという間に過ぎた
  • 練習後に「明日のお客さんに早く試してみたい」とワクワク

判定:「心からの望み」

その後の変化: 目標Bに向けて技術を磨いた結果、お客さんからの感謝の言葉が増え、リピート率が95%に向上した。

見分け方4:「達成後想像テスト」

達成後想像テストとは

テストの概念: 目標を達成した後の自分の感情や状況を詳細に想像して、その時の気持ちを確認する方法

テストの実践方法

ステップ1:達成シーンの詳細な想像

目標を達成した瞬間とその後の生活を、5分間じっくりと想像する

ステップ2:感情の質の確認

心からの望みの達成時:

  • 深い満足感と充実感
  • 「やり切った」という清々しさ
  • 他人と喜びを分かち合いたい気持ち
  • 「次はもっと大きな目標に挑戦したい」という意欲
  • 自分自身を誇らしく思う気持ち

「書かなければいけない目標」の達成時:

  • 「やっと終わった」という安堵感
  • 空虚感や「これだけ?」という物足りなさ
  • 達成を誰かに報告したい気持ちが薄い
  • 「これで何とかなった」という消極的な満足
  • すぐに次の「やらなければいけないこと」が気になる

ステップ3:継続性の確認

達成後の行動想像:

心からの望みの場合:

  • 「さらに高い目標に挑戦したい」
  • 「この経験を他の人にも伝えたい」
  • 「もっと深く追求したい」
  • 成長の喜びを感じ続けている

「書かなければいけない目標」の場合:

  • 「これで義務は果たした」
  • 「次は何をしなければいけないのか」
  • 「しばらくは何もしたくない」
  • 燃え尽き症候群のような状態

実践例:達成後想像テスト

パン屋経営者OOさんの達成後想像テスト

目標A:「月商60万円達成」

達成後の想像:

  • 売上集計表を見て「やっと60万円になった」と一瞬安堵
  • でも「来月も維持できるかな」とすぐに不安になる
  • 家族に報告するが、「良かったね」程度の反応
  • 達成したが、何か物足りない感じ
  • 「次は70万円にしなければ」というプレッシャーを感じる

判定:「書かなければいけない目標」

目標B:「地域の人たちが『毎朝が楽しみになる』パンを作る」

達成後の想像:

  • 常連のおばあちゃんから「あなたのパンのおかげで毎朝が楽しみ」と言われた瞬間、涙が出そうになる
  • 家族に興奮して報告し、一緒に喜んでもらえる
  • スタッフとも達成の喜びを分かち合う
  • 「もっと多くの人に喜んでもらいたい」という意欲が湧く
  • パン作りがさらに楽しくなっている自分が想像できる

判定:「心からの望み」

結果: 目標Bに向けて取り組んだ結果、お客さんとの関係が深まり、口コミで人気店となって売上も自然と向上した。

「書かなければいけない目標」を「心からの望み」に変換する方法

変換法1:「なぜ?」の深掘り

5回のなぜで本質を探る

実践例:美容室経営者の場合

変換前:「売上を月30万円から50万円に向上させる」

5回のなぜ:

  1. なぜ50万円にしたいのか? → 生活を安定させたいから
  2. なぜ生活を安定させたいのか? → 家族に心配をかけたくないから
  3. なぜ家族に心配をかけたくないのか? → 家族に幸せでいてもらいたいから
  4. なぜ家族に幸せでいてもらいたいのか? → 大切な人が笑顔でいることが自分の喜びだから
  5. なぜ大切な人の笑顔が喜びなのか? → 愛する人の幸せが自分の存在意義だから

変換後:「家族とお客さん、みんなが笑顔でいられるような価値を提供したい」

変換法2:「誰のために?」の明確化

受益者を具体化する

変換前:「技術力を向上させる」(誰のためかが不明確)

受益者の明確化:

  • 具体的にどのお客さんのために?
  • そのお客さんはどんな状況で?
  • どんな変化を望んでいるのか?
  • その変化が実現したら、お客さんはどう喜ぶか?

変換後:「仕事で疲れているお客さんが、施術後に『生まれ変わったみたい』と笑顔になってもらいたい」

変換法3:「プロセスの楽しさ」発見

目標に向かう過程の魅力を見つける

変換前:「客数を増やす」(プロセスが見えない)

プロセスの楽しさ発見:

  • どんな方法で客数を増やすのか?
  • その方法のどの部分が楽しそうか?
  • お客さんとのどんな関わりが生まれるか?
  • 自分のどんな能力が成長するか?

変換後:「一人一人のお客さんとの会話を大切にして、『ここに来ると元気になる』と言ってもらえる関係を築きたい」

変換法4:「成長物語」の創造

目標達成を自分の成長ストーリーとして位置づける

変換前:「競合に負けないようにサービス改善」

成長物語の創造:

【第1章:気づき】
お客さんの満足度をもっと上げたいという想い

【第2章:学習】
サービスについて学び、研究する楽しさ

【第3章:実践】
新しいサービスを試行錯誤する過程

【第4章:成果】
お客さんの喜ぶ姿を見る感動

【第5章:成長】
サービス業としての誇りと自信を得る

変換後:「お客さんの期待を超えるサービスを提供することで、自分自身も成長し、この仕事に誇りを持てるようになりたい」

実践成功事例:変換によって人生が変わった経営者たち

事例1:定食屋経営者PPさんの劇的変化

変換前の目標: 「売上向上のために営業時間を延長し、メニューを増やす」

問題点:

  • 長時間労働で疲弊
  • メニューが多すぎて品質低下
  • 家族との時間がなくなった
  • やる気が続かず3ヶ月で挫折

変換プロセス:

5回のなぜ:

  1. なぜ売上を上げたいのか? → 家族を養うため
  2. なぜ家族を養いたいのか? → 幸せになってもらいたいから
  3. なぜ幸せになってもらいたいのか? → 家族が人生で一番大切だから
  4. なぜ家族が一番大切なのか? → 愛しているから
  5. なぜ愛しているのか? → 存在そのものが自分の喜びだから

受益者の明確化:

  • 家族:安心して暮らせる
  • お客さん:美味しい料理で元気になる
  • 自分:やりがいのある仕事ができる

変換後の目標: 「家族との時間も大切にしながら、お客さんに『心からほっとする』料理を提供して、みんなが幸せになれる店を作りたい」

新しいアプローチ:

  • 営業時間は短縮(家族時間を確保)
  • メニューを3品に厳選(品質重視)
  • 一品一品に愛情を込める
  • お客さんとの会話を大切にする

1年後の結果:

  • 労働時間は短縮したが売上は20%向上
  • 家族関係が改善し、妻から「前より楽しそう」と言われた
  • 常連客が2倍に増加
  • 「心が温まる料理」として地域で評判
  • 仕事が楽しくて仕方なくなった

PPさんの感想: 「最初は『売上を上げなければ』という義務感だけでした。でも、なぜそれをしたいのかを深く考えた時、本当は『家族を幸せにしたい』『お客さんに喜んでもらいたい』という想いがあることに気づきました。その想いに従って行動するようになってから、仕事が楽しくて仕方ありません。」

事例2:美容室経営者QQさんの技術革新

変換前の目標: 「他店に負けないよう最新技術を3つ習得する」

問題点:

  • 技術学習が義務的で楽しくない
  • 習得した技術を活用しきれない
  • お客さんのニーズと合わない技術もあった
  • 学習意欲が続かない

変換プロセス:

誰のために?の明確化:

  • 具体的なお客さん:50代の主婦Aさん(自信を失いがち)
  • その人の悩み:「最近老けて見えるようになった」
  • 望む変化:「若々しく、自信を持って生活したい」

プロセスの楽しさ発見:

  • お客さんの悩みを聞く→共感する喜び
  • 解決方法を考える→創造する楽しさ
  • 技術を実践する→職人としての充実感
  • 結果を見る→感動の共有

変換後の目標: 「一人一人のお客さんの『なりたい自分』を実現する技術を身につけて、その人の人生をより輝かせたい」

新しいアプローチ:

  • 最新技術よりも、お客さんのニーズに合う技術を優先
  • 技術習得前に、その技術で喜ぶお客さんの顔を想像
  • 学んだ技術をすぐにお客さんで実践
  • お客さんの反応を記録し、改善を続ける

1年後の結果:

  • 結果的に5つの新技術を習得(目標の3つを上回る)
  • お客さん満足度が95%に向上
  • 「あなたのおかげで自信を持てました」という感謝の言葉が月10件以上
  • 技術コンテストで地区優勝
  • 予約が2ヶ月先まで満員

QQさんの感想: 「『負けたくない』という気持ちで技術を学んでいた頃は、全然楽しくありませんでした。でも『お客さんを幸せにしたい』という想いに変わってから、技術学習が趣味のように楽しくなりました。お客さんの喜ぶ顔を想像しながら練習していると、時間を忘れてしまいます。」

事例3:カフェ経営者RRさんのコミュニティ創造

変換前の目標: 「集客のためにSNS発信を強化し、イベントを月2回開催する」

問題点:

  • SNS投稿がネタ切れで苦痛
  • イベント企画が負担で継続困難
  • 集客効果が思ったより低い
  • 「やらされている」感が強い

変換プロセス:

成長物語の創造:

【第1章:発見】
地域の人たちが孤独を感じていることに気づく

【第2章:使命】
カフェを通じて人と人をつなげたいと思う

【第3章:挑戦】  
つながりを作るための様々な試みをする

【第4章:成果】
お客さん同士が友達になる瞬間を見る

【第5章:成長】
地域のコミュニティリーダーとしての自分を発見

時間忘却テスト:

  • お客さん同士の紹介:時間を忘れて楽しい
  • 地域イベントの企画:ワクワクして没頭
  • 常連客との会話:時間がいくらあっても足りない

変換後の目標: 「地域の人たちが『ここに来ると新しい出会いがある』と感じられる、温かいコミュニティの拠点を作りたい」

新しいアプローチ:

  • SNSは「集客」でなく「コミュニティ情報共有」として活用
  • イベントは「企画しなければ」でなく「みんなで楽しみたい」気持ちで開催
  • お客さん同士を積極的に紹介
  • 地域の情報や悩みを共有できる場所として機能

1年後の結果:

  • 常連客の80%が店内で新しい友達を作った
  • 地域の情報交換の拠点として定着
  • SNSフォロワーが自然と3倍に増加
  • イベント参加者が毎回満員
  • 売上も50%向上(副次効果)
  • 市役所から地域貢献賞を受賞

RRさんの感想: 「『集客しなければ』と思っていた頃は、SNSもイベントも苦痛でした。でも『人と人をつなげたい』という想いに変わってから、すべてが楽しくなりました。お客さん同士が仲良くなっている様子を見ると、この仕事をしていて本当に良かったと思います。」

まとめ:心からの望みが真の成功をもたらす

「心からの望み」と「書かなければいけない目標」を正確に見分けることは、人生とビジネスの成功にとって決定的に重要です。

見分け方の4つのテスト:

  1. エネルギーテスト – 身体の反応と行動イメージの確認
  2. 5歳の子供テスト – 純粋で率直な理由の確認
  3. 時間忘却テスト – 没頭できるかどうかの確認
  4. 達成後想像テスト – 達成時の感情の質の確認

変換の4つの方法:

  1. 「なぜ?」の深掘り – 本質的な理由の発見
  2. 「誰のために?」の明確化 – 受益者の具体化
  3. 「プロセスの楽しさ」発見 – 過程の魅力の発見
  4. 「成長物語」の創造 – 人生ストーリーとしての位置づけ

心からの望みがもたらす効果:

  • 自然な行動力の発生
  • 持続可能なモチベーション
  • 創造性とアイデアの増加
  • 困難を乗り越える力
  • 深い満足感と充実感
  • 他人との協力関係の構築
  • 予想を超える結果の達成

今日から始められること: 現在取り組んでいる目標を1つ選んで、「エネルギーテスト」を実行してみてください。その目標を思い浮かべた時の身体の反応を注意深く観察してください。もし重さや疲れを感じたら、それは「書かなければいけない目標」かもしれません。

「心からの望み」に基づいた目標だけが、あなたを真の成功と幸福に導きます。義務感や外部圧力に支配された目標を、今すぐ心からの望みに変換してください。あなたの人生が劇的に変わり始めます。


今日のアクション: 今すぐ現在の目標を1つ選んで、以下の4つのテストを実行してください:

  1. その目標を思い浮かべた時の身体の反応は?
  2. 5歳の子供に「なぜそれをやりたいの?」と聞かれたらどう答える?
  3. その目標に向かう活動をしている時、時間を忘れて没頭できる?
  4. 目標達成後の自分を想像すると、どんな感情が湧いてくる?

もし一つでも「書かなければいけない目標」の特徴が当てはまったら、この記事の変換方法を使って「心からの望み」に変換してください。あなたの人生を変える第一歩は、今日始まります。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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