新しいチャレンジを始めるときに必ず起こる3つの抵抗

「新メニューを開発したい」「店舗を改装したい」「新しいサービスを始めたい」

そんな風にワクワクしながら新しいチャレンジを考えているのに、なぜかいつも途中で「やっぱりやめておこうかな…」という気持ちになってしまう。

こんな経験はありませんか?

実は、新しいチャレンジを始める時には 必ず3つの抵抗 が現れます。これを知っているかどうかで、チャレンジの成功率が大きく変わるのです。

この記事では、その3つの抵抗の正体と、それぞれへの対処法を分かりやすく解説します。

目次

なぜ新しいチャレンジには抵抗が生まれるのか

脳は変化が嫌い

人間の脳は、変化を「危険」だと判断するようにできています。

なぜ変化が嫌いなのか:

  • 今までのやり方で生きてこれたから、変える必要がない
  • 新しいことは失敗するリスクがある
  • エネルギーを使うのがもったいない
  • 慣れたことの方が楽で安全

これは太古の昔から人間に備わった 「生き残るための仕組み」 なんです。

でも時代は変わった

昔は変化を避けることが生き残りにつながりましたが、現代は違います。

現代では:

  • 変化しないお店は時代に取り残される
  • お客さんのニーズは常に変わっている
  • 新しいサービスや技術が次々と生まれている
  • 変化できるお店だけが生き残れる

つまり、変化することこそが生き残りの条件になったのです。

必ず現れる3つの抵抗

抵抗1:内なる批判者(心の中の反対意見)

どんな声が聞こえるか:

  • 「失敗したらどうするんだ?」
  • 「お金の無駄遣いじゃないか?」
  • 「お客さんに迷惑をかけるかもしれない」
  • 「今のままで十分だろう」
  • 「君には無理だよ」

この声の正体:
これは 心の中の用心深い部分 が発する声です。あなたを危険から守ろうとして、わざと不安になることを言ってくるのです。

飲食店での具体例:
新メニューを考えている時→「材料費がかかりすぎる」「お客さんの口に合わないかも」「作るのに時間がかかって効率が悪い」

美容室での具体例:
新しい技術を導入しようとした時→「覚えるのが大変」「失敗してお客さんに迷惑をかけるかも」「今の技術で十分」

抵抗2:周りからの反対(他人の意見)

どんな反対意見が出るか:

  • 「そんなのうまくいくわけない」
  • 「リスクが高すぎる」
  • 「今のままの方がいいよ」
  • 「前にも同じようなことをして失敗した人がいる」
  • 「やめておいた方が無難」

なぜ反対されるのか:

  • 周りの人も変化が怖い
  • あなたが成功すると自分が取り残される不安
  • 失敗を心配してくれている(善意)
  • 単純に新しいことが理解できない

飲食店での具体例:
店舗改装を考えている時→「そんなお金があるなら貯金した方がいい」「今のお店で十分お客さんが来ているじゃない」

美容室での具体例:
新しいサービスを始めようとした時→「美容室はカットだけしていればいい」「余計なことをして失敗したらどうするの」

抵抗3:現実的な障害(実際の困難)

どんな障害が現れるか:

  • 予想以上にお金がかかる
  • 時間が思ったより必要
  • 技術的な問題が発生
  • 人手が足りない
  • 機材や設備のトラブル

なぜ障害が現れるのか:

  • 新しいことには予想できない問題がつきもの
  • 計画段階では見えなかった課題が出てくる
  • 複数の要素が絡み合って複雑になる

飲食店での具体例:
新メニュー開発時→「思った以上に材料の仕入れが困難」「調理時間が予想より長い」「盛り付けが難しい」

美容室での具体例:
新技術導入時→「練習時間が確保できない」「必要な道具が高額」「お客さんに説明するのが難しい」

3つの抵抗への対処法

抵抗1への対処:内なる批判者との付き合い方

1. 批判者の声を認める

やり方:
「あ、また心配してくれているな」と認識する

具体的な対話例:
「心配してくれてありがとう。でも今回はちゃんと準備をしているから、一緒にやってみない?」

2. 具体的な準備で安心させる

心配: 「失敗したらどうするんだ?」
対処: 「小さくテストしてから本格的に始めるから、大きな失敗はないよ」

心配: 「お金の無駄遣いじゃないか?」
対処: 「予算をちゃんと決めて、その範囲内でやるから大丈夫」

3. 成功の可能性を一緒に考える

「失敗のことばかり考えないで、成功した時のことも一緒に想像してみよう。お客さんが喜んでくれる姿を思い浮かべてみて」

抵抗2への対処:周りの反対への対応

1. 善意の反対と悪意の反対を区別する

善意の反対:

  • 心配してくれている
  • 失敗を避けたがっている
  • あなたのことを思っている

対応: 丁寧に説明して安心させる

悪意の反対:

  • 足を引っ張ろうとしている
  • 嫉妬心から反対している
  • 単純に邪魔したい

対応: 距離を置いて、聞き流す

2. 応援してくれる人を見つける

どんな人を探すか:

  • 同じようなチャレンジをした経験がある人
  • 新しいことに理解がある人
  • あなたの成長を願ってくれる人

見つける場所:

  • 同業者の集まり
  • 商工会議所などの経営者団体
  • SNSのコミュニティ
  • セミナーや勉強会

3. 小さな成功を見せる

反対する人も、実際に成功している姿を見れば考えを変えてくれることが多いです。

抵抗3への対処:現実的な障害の乗り越え方

1. 障害は当たり前だと考える

心構え:
「新しいことには必ず問題が起こる。それは失敗ではなく、成長のための課題だ」

2. 一つずつ解決する

やり方:

  • 全部の問題を一度に解決しようとしない
  • 優先順位をつける
  • 一番重要な問題から順番に対処
  • 解決できない問題は後回しにする

3. 完璧を求めない

80%ルール:
80%できたら始めてしまい、やりながら残りの20%を改善していく

4. 助けを求める

誰に助けを求めるか:

  • 同じ経験をした人
  • 専門知識を持った人
  • 信頼できる業者や取引先
  • 家族や親しい友人

実際の成功事例

飲食店の事例:新メニュー開発

Aさん(定食屋)の場合:

チャレンジ: 健康志向メニューの開発

3つの抵抗との遭遇:

抵抗1(内なる批判者):
「うちの客層は年配の方が多いから、健康志向なんて受けないんじゃないか?」

対処: 「まずは3品だけ作ってみて、お客さんの反応を見てから判断しよう」

抵抗2(周りの反対):
常連客から「今のメニューで十分美味しいよ」という声

対処: 「今のメニューも残しながら、選択肢を増やすだけです」と説明

抵抗3(現実的な障害):
健康食材の仕入れ先探しに苦労、調理法の研究に時間がかかる

対処: 地元の農家と直接契約、栄養士さんにアドバイスを求める

結果: 3ヶ月後、健康志向メニューが全売上の30%を占める人気メニューに

美容室の事例:新サービス導入

Bさん(美容室)の場合:

チャレンジ: ヘッドスパサービスの導入

3つの抵抗との遭遇:

抵抗1(内なる批判者):
「技術を覚えるのに時間がかかるし、機材も高い。失敗したらどうしよう」

対処: 「まずは研修を受けて、簡単なメニューから始めよう」

抵抗2(周りの反対):
スタッフから「忙しいのに新しいことを覚える余裕がない」という声

対処: 段階的に導入し、まずは自分だけがマスターしてから教える

抵抗3(現実的な障害):
機材の設置場所がない、研修費用が予想より高い

対処: レンタル機材から始める、分割払いで研修費用を支払う

結果: 半年後、ヘッドスパの予約で新規客が20%増加

3つの抵抗を乗り越えるための準備

事前準備リスト

チャレンジを始める前に:
□ 具体的な計画を立てる
□ 予算と期限を決める
□ 小さくテストする方法を考える
□ 応援してくれる人を見つける
□ 予想される問題と対策を考える
□ 80%の準備ができたら始める覚悟を決める

抵抗が現れた時の対処法

心の準備:

  • 抵抗は必ず現れるものだと覚悟する
  • 抵抗は敵ではなく、成長のサインだと考える
  • 完璧を求めず、改善しながら進む

具体的な行動:

  • 一人で抱え込まず、相談する
  • 小さな成功を積み重ねる
  • 失敗を学びのチャンスと捉える

まとめ:抵抗は成長のサイン

新しいチャレンジに現れる3つの抵抗は、あなたが 成長しようとしている証拠 です。

覚えておいてほしいこと:

  1. 抵抗は必ず現れる – それは普通のことで、あなたが悪いわけではない
  2. 抵抗には対処法がある – 正しい方法を知っていれば乗り越えられる
  3. 抵抗を乗り越えた先に成長がある – 困難を乗り越えることで、新しい自分になれる

新しいチャレンジを諦める必要はありません。3つの抵抗の正体を知り、適切に対処すれば、必ず乗り越えることができます。

あなたのお店を成長させるための新しいチャレンジを、勇気を持って始めてみてください。

次のステップ

3つの抵抗への対処法を理解したら、次は周りの意見に流されない方法について学びましょう。

次の記事「周りの意見に流されて元に戻ってしまう人の特徴」では、なぜ人は他人の意見に影響されやすいのか、そして自分の軸を持って進む方法について分かりやすく解説します。


今日のアクション:
今すぐ紙とペンを用意して、「やってみたいけど、なかなか始められないこと」を1つ書き出してください。そして、それに対して心の中で聞こえる「反対の声」を3つ書いてみてください。その声の正体が「内なる批判者」です。明日からその声と対話してみましょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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