恋人が変わっても同じパターンを繰り返す心理学

「また同じような人と付き合ってしまった…」
「恋人は変わったのに、なぜかいつも同じような問題が起こる」

実は、これは恋愛だけの話ではありません。

お店の経営でも同じことが起こります。

  • スタッフが変わっても、いつも同じような問題が発生する
  • 新しい取引先と契約しても、結局同じようなトラブルになる
  • 店舗を移転しても、なぜか似たような課題に直面する

なぜ人は 同じパターンを繰り返してしまう のでしょうか?この記事では、その心の仕組みを分かりやすく解説し、パターンから抜け出す方法をお伝えします。

目次

なぜ同じパターンを繰り返すのか

心は「慣れたパターン」が好き

人間の心は、慣れ親しんだパターンを無意識に選んでしまう特性があります。

なぜパターンを繰り返すのか:

  • 慣れたパターンの方が楽だから
  • 新しいパターンは脳が疲れるから
  • 無意識に「いつものやり方」を選んでしまう
  • 自分では気づかないうちに同じ選択をしている

これは 「楽をしたい」 という脳の自然な働きなのです。

パターンは「快適ゾーン」を作る

慣れたパターンは、たとえそれが問題を起こすものでも、心にとっては快適 に感じられます。

快適ゾーンの特徴:

  • 予測できるから安心
  • 対処法を知っているから怖くない
  • 変化する必要がないから楽
  • 新しく覚えることがないから疲れない

つまり、問題があっても慣れたパターンの方が、未知の新しいパターンより楽 に感じるのです。

経営で繰り返される5つのパターン

パターン1:スタッフ関係の繰り返し

こんなことが起こる:

  • 雇うスタッフがいつも似たようなタイプ
  • 同じような理由でスタッフが辞めていく
  • いつも同じような人間関係のトラブルが発生
  • 何度教えても同じようなミスが繰り返される

なぜ繰り返すのか:
自分が慣れ親しんだタイプの人を無意識に選んでしまい、同じような指導方法を繰り返しているから。

飲食店での例:
「おとなしくて言うことを聞く人」ばかり雇っていたら、いつも積極性が足りない問題が発生する。

美容室での例:
「技術は上手だけど接客が苦手な人」ばかり雇っていたら、いつもお客さんとのコミュニケーション問題が起こる。

パターン2:お客さんとのトラブルの繰り返し

こんなことが起こる:

  • 同じようなクレームが繰り返し発生
  • 似たようなタイプのお客さんとトラブルになる
  • いつも同じような理由で客離れが起こる
  • 何度改善しても同じ問題が再発する

なぜ繰り返すのか:
根本的な原因を解決せずに、表面的な対処だけしているから。

飲食店での例:
「料理が遅い」というクレームに対して、「すみません」と謝るだけで、仕組みを変えないため同じクレームが続く。

美容室での例:
「予約が取りにくい」という不満に対して、その場の対応だけで、予約システム自体を改善しないため同じ不満が続く。

パターン3:お金の問題の繰り返し

こんなことが起こる:

  • いつも同じような時期に資金不足になる
  • 同じような無駄遣いを繰り返してしまう
  • 売上が上がっても、なぜか手元にお金が残らない
  • 何度計画を立てても、同じような予算オーバーが起こる

なぜ繰り返すのか:
お金の使い方のクセや、計画の立て方のパターンが変わっていないから。

共通例:
「今月は売上が良かったから、ちょっと贅沢しても大丈夫」と思って使いすぎるパターンを毎回繰り返す。

パターン4:健康管理の繰り返し

こんなことが起こる:

  • 忙しくなると、いつも同じように体調を崩す
  • 同じような時期に同じような病気になる
  • 「今度こそ健康管理をしよう」と思うが、いつも同じように続かない
  • ストレスが溜まると、いつも同じような発散方法(暴飲暴食など)をしてしまう

なぜ繰り返すのか:
ストレスの対処法や、生活習慣のパターンが変わっていないから。

パターン5:成長機会の逃し方の繰り返し

こんなことが起こる:

  • いつも同じような理由で新しいチャレンジを諦める
  • 成長のチャンスが来ても、いつも同じような不安で動けない
  • 「今度こそは」と思うが、いつも同じような壁にぶつかる
  • 同じような完璧主義で、いつも行動できない

なぜ繰り返すのか:
恐怖や不安への対処パターンが変わっていないから。

パターンから抜け出す5つの方法

方法1:パターンを「見える化」する

やり方:
自分の行動や選択のパターンを客観的に記録する

具体的な手順:

  1. 問題が起こったとき、その経緯を詳しく書く
  2. 過去の似たような問題と比較する
  3. 共通点を見つける
  4. 「いつも〇〇のパターンだな」と認識する

記録する項目:

  • いつ起こったか
  • どんな状況だったか
  • 自分はどう行動したか
  • 相手はどう反応したか
  • 結果はどうなったか

方法2:「なぜ」を5回繰り返す

やり方:
問題の根本原因を見つけるまで「なぜ?」を繰り返す

例(スタッフがすぐ辞める問題):

  1. なぜスタッフが辞めるのか? → 仕事がきついから
  2. なぜ仕事がきつく感じるのか? → 忙しすぎるから
  3. なぜ忙しすぎるのか? → 効率が悪いから
  4. なぜ効率が悪いのか? → 教育システムがないから
  5. なぜ教育システムがないのか? → 作り方がわからないから

根本原因: 教育システムの作り方を学ぶ必要がある

方法3:小さく「実験」してみる

やり方:
いつものパターンと違うことを、小さく試してみる

例(いつも同じタイプのスタッフを雇ってしまう場合):

  • 今度は全く違うタイプの人を「短期アルバイト」として試しに雇ってみる
  • 面接の方法を変えてみる
  • 募集する媒体を変えてみる

例(いつも同じクレームが起こる場合):

  • お客さんへの説明方法を少し変えてみる
  • 提供のタイミングを少し変えてみる
  • 環境を少し変えてみる

方法4:成功している人の「パターン」を真似する

やり方:
自分と同じような問題を解決した人の方法を学んで真似する

真似するポイント:

  • どんな考え方をしているか
  • どんな手順で問題解決しているか
  • どんなルールを作っているか
  • どんな習慣を持っているか

情報収集の方法:

  • 成功している同業者に直接聞く
  • 本やネットで事例を調べる
  • セミナーや勉強会に参加する

方法5:環境を変える

やり方:
物理的な環境や人間関係の環境を変えて、自然とパターンが変わるようにする

環境変更の例:

  • 作業する場所を変える
  • 相談する人を変える
  • 参加するコミュニティを変える
  • 情報を得る媒体を変える
  • 日常のルーティンを変える

実際のパターン脱出成功事例

飲食店の事例:スタッフ問題のパターン脱出

Eさん(ラーメン店)の場合:

繰り返していたパターン:
雇うスタッフがいつも「料理経験者だけど協調性がない人」で、チームワークの問題が発生して辞めていく

パターン脱出の取り組み:

ステップ1:パターンの見える化
過去3年間のスタッフ履歴を振り返り、「技術重視で人柄を軽視していた」パターンに気づく

ステップ2:根本原因の発見
なぜ技術重視で採用していたのか? → 教える時間がないから → 仕組みがないから

ステップ3:小さな実験
未経験でも人柄の良い人を「試用期間1ヶ月」で雇ってみる

ステップ4:成功パターンの真似
人材育成で有名な飲食店の研修制度を調べて、簡単な部分から真似する

結果:
1年後、チームワークが改善され、スタッフの定着率が3倍に向上

美容室の事例:売上パターンの脱出

Fさん(美容室)の場合:

繰り返していたパターン:
売上が上がると安心して営業努力を怠り、数ヶ月後に売上が下がって慌てるパターンを2年間繰り返す

パターン脱出の取り組み:

ステップ1:パターンの見える化
売上の変動を記録し、「好調時の油断→営業手抜き→売上低下→慌てて営業→好調」のサイクルに気づく

ステップ2:根本原因の発見
なぜ好調時に手を抜くのか? → 安心してしまうから → 継続の仕組みがないから

ステップ3:仕組み作り
売上に関係なく、毎週決まった営業活動をする「ルーティン」を作る

ステップ4:環境変更
同業者との勉強会に参加し、「継続的に営業している人」と定期的に会う環境を作る

結果:
1年後、売上の波がなくなり、安定した右肩上がりの成長を実現

パターンから抜け出すための日常習慣

毎日の振り返り習慣

寝る前の5分間:

  • 今日、いつものパターンにハマったことはないか?
  • もし違う行動をしていたら、どうなっていたか?
  • 明日は何か一つ、いつもと違うことをやってみよう

週一回の「パターンチェック」

毎週末の30分間:

  • この1週間で繰り返したパターンはあるか?
  • そのパターンは自分にとってプラスかマイナスか?
  • 来週は何を変えてみようか?

月一回の「実験計画」

毎月初めの1時間:

  • 今月は何のパターンを変えてみるか?
  • 小さな実験を一つ決める
  • 結果をどうやって測るか決める

まとめ:パターンに気づくことが成長の第一歩

同じパターンを繰り返すのは、人間の自然な性質 です。でも、そのパターンに気づいて意識的に変えることで、人生は大きく変わります。

大切なポイント:

  1. パターンを客観視する – 自分の行動パターンを記録して見える化する
  2. 根本原因を探る – 表面的な問題ではなく、根っこの原因を見つける
  3. 小さく実験する – いきなり大きく変えず、小さな変化から始める
  4. 成功例を学ぶ – 同じ問題を解決した人の方法を真似する
  5. 環境を活用する – 自然と良いパターンになる環境を作る

パターンから抜け出すのは簡単ではありませんが、一度変われば 全く新しい可能性 が開けます。

今日から、自分のパターンに注意を向けて、小さな変化を始めてみてください。

次のステップ

パターンから抜け出す方法を理解したら、次は潜在意識との付き合い方について学びましょう。

次の記事「潜在意識くんと仲良くなる方法」では、無意識の心の働きを味方につけて、自然と良い方向に向かう方法について分かりやすく解説します。


今日のアクション:
今すぐ紙とペンを用意して、「最近繰り返している問題」を1つ書き出してください。そして「なぜこの問題が起こるのか?」を5回繰り返して書いてみてください。根本原因が見えてきたら、それを解決する小さな実験を1つ決めてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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