■ 「増益繁盛クラブ ゴールド会員」 導入事例 - 手打ちそば 萱笑(富山県南砺市)
― 「手打ちそば 萱笑(かやしょう)」について、教えてください
萱笑は、富山県南砺市福光にある「手打ちそば」のお店です。ぷりぷりサックサクの天然大エビの天ぷらと、地元南砺市産石臼挽きそばを使った手打ち二八そばをご提供しています。 ― 客層や客数、従業員数を教えてください 客層は時間によって、変わります。古民家で雰囲気が落ち着いているので、ランチは女性客が中心。夜はお酒を飲みながら、というご夫婦などが多く、男女比は6:4で女性が多いですね。 席数は、1階が37席、2階は宴会中心で20席。店内奥には土蔵の蔵の個室が8席の合計65席です。 従業員は、パートさんとアルバイトさんが10人。それに、私たち夫婦の合計12名体制ですね。 ― 開店したは、いつですか? 2005年7月1日ですから、今年でちょうど10年が経ちました。 開店2か月前の5月に、地元であるここ南砺市に戻ってきて、2か月でオープン準備をしたので、バタバタでした。 ― 2か月でオープン準備とは、たいへんだったと思います。オープンするまでは、どのようなご経験を? 隣接する石川県金沢市で、調理師学校を卒業後、そこで出会った家内と結婚。 その後、「あんず(杏)」で有名な長野県千曲市で、私の叔父が経営する機会関係の企業があたらしく始めた、和食のお店に誘われ、長野県に移住。新規のビジネスでしたので、お店がオープンまでは、長野県内の和食店で修行。オープンと同時に、その和食店で働きはじめ、13年間ほど経験を積みました。しかし、まさか、そば嫌いの自分が、そば店を経営するとは夢にも思いませんでした。
― なぜ?
じつは、私はそばが嫌いだったんです。 子どものころ、家で食べていたそばが、スーパーで売っている茹で上がった麺だったのですが、それがどうも苦手で。 しかし、仕事で長野県に住み始めたじゃないですか。長野といえば、そば。戸隠のそばも有名ですよね。特産物の食わず嫌いもいけないからと、あるそば屋さん入りました。そのそばが、ものすごく美味しくて、衝撃を受けたんです。「そばって、こんなに美味いの?」みたいな(笑) じつは私は長男です。 長野にいましたが、いずれは実家に帰るつもりでいましたから、「こんなに美味しいなら、南砺市に帰って、そば屋をやろう!」と決めたんです。 家内にも「そば屋をやりたい!」と言ったところ、「いいねぇ」と。 それからは、ふたりでひんぱんにいろいろな、おそば屋さんを食べ歩きして「ああしたいね。こうしたいね」と夢を膨らませていました。
― 和食の経験は豊富だったようですが、そばの技術は、どのように身につけたのですか? そば店で独立すると決めたあと、長野県内で、そばの修行を3年ほどしていました。 ただ、そばの世界はすこし特殊で、修行させてもらえるお店をさがすのも、ひと苦労だったのです。 ― どんなふうに特殊なのですか? 修行したいと、いろいろ聞いてまわったんですが、修行するにはお金を払わなきゃならないんです。 ― え?修行って、働きながら技術を身につけるんですよね?働くのに、お金、もらえないんですか? そばの世界では、修行中、お金は、もらえないんです。むしろ、お金を払って教えてもらうような世界なのです。ですから、「修行するのにお金をもらうなんて、甘いよ」って言われるんですよね。私も最初聞いたときは、耳を疑いました。 とはいえ、当時はすでに子どももいましたから、生活しなきゃならない。お店をオープンする前に、生活費を借金するわけにもいかず、困り果ててたとき、偶然にも戸隠で日給5,000円で働けるというお店が見つかったのです。 ― 日給5,000円で、仕事をしながらの修行ということですね? そうです。でも、日給5,000円じゃ、家族を養うのは、キビしいでしょ。しかもそのお店は、当時住んでいた場所から、クルマで1時間もかかる。通勤には、ガソリン代もかかる。泣く泣く諦めました。 ちょうどその頃、長野に来てすぐ、修行をさせてもらっていた和食店で世話になっていた先輩が、いまはそば屋で独立しているという。さっそく、相談したところ「じゃ、こっち来い」と快く受け入れてくださり、どうにか、そばの技術を身につけることができたんです。そこので修行期間が3年間です。
― そういう厳しい経験をして、ようやく、地元で自分のお店をオープンしたんですね
それでも、オープン当初は、地元そば粉をつかったそば屋を珍しがって、たくさんのお客様が来てくれました。知らなかったのですが、この南砺市の福光という場所には、そば屋が1軒もなかったんですよね。おかげで、最初の2か月くらいは、ご祝儀というかずいぶん、忙しくさせてもらっていました。 ― では、順調に売上は伸びて行った? いいえ。さすがはご祝儀ですね。お客様の波も、次第に落ち着いてしまいました。 ただ、宴会もときどき入るし、売上も急激な上下は起こりませんでしたし、横ばいとはいえ、安定していたんです。「こんなもんかなぁ」という思いで、やっていました。 オープンから3,4年で、まずまずの売上も立っていた。私は長男ですので、両親との同居を前提に自宅を新築することに決めました。横ばいとはいえ、お店も順調といえば、順調でしたので、銀行も融資してくれました。 とはいえ、両親とは、18歳以降、ずーっと別々の生活をしていたのですから、二世帯住宅にしたんです。二世帯ですから、お風呂もキッチンも、トイレも別。それぞれ2つ用意すれば、それなりにお金がかかりますよね。北陸地方は、雪が降り寒いですから、床暖房なんかにしてね。ちょっと大きめの家を建てたんです。 そうしたら、リーマンショックっていうんですか。どんどんと景気が悪くなってきて、売上も下がってきた。これは、マズい、と。焦り始めたわけです。
― 売上がさがってきたとき、なにかテコ入れをしましたか? なにをしたらいいかわかりませんでした。 そもそも、オープン時にあれだけ、お客様が来たんです。みんなお店のこと、知っているし、いまさら何をしても、お客様は増えないだろうと、勝手に思ってた。 ですから、それまでも販促活動って、特別取り組んで来なかったんです。 ただ、地元のフリーペーパーの営業が来るのでおつきあいで掲載したり、NTTタウンページが来るのでちょっと出してみたり。そんな程度でした。でも、その効果なんて、わからない。 お客様が「タウンページ見てきたんだけど」って言ってくれればわかりますけど、ふつう、飲食店では言いませんし、フリーペーパーだって、クーポン付けてましたけど、実際に持ってくる人はいませんでしたから。 ただ、一度だけ地元のテレビ局が取材に来たことがあったんですけど、そのときはスゴかった! ― テレビの集客効果は、スゴかったですか? それまで平日の昼間は、今じゃ考えられないくらい、ヒマでした。だって、ランチの売上が2万円だったんですから。そんな売上で対応できる人員だったのが、いきなりテレビの効果で、外は大行列。1時間待ちはあたり前。でも、そんなテレビの効果も時間が経てば収まります。大盛況だったのは、放送後2,3週間でしたね。 その反動もあって、ガクッと売上が落ちた気がしたんです。 お店の経理は、元銀行員の父がしてくれているんですが、「ヤバイぞ、赤字だぞ!」「このままじゃ、家のローンが払えないぞ」って言われて。薄々は、ヤバイなぁって思ってましたけど、あらためて数字を突きつけられて、さすがに血の気が引きました。 ― なにか対策を講じたのですか? 「どうしよう?どうしよう?」って(笑)とにかく、お客様を呼ぶ方法を考えなきゃ!と、血眼になって探しましたけど、よくわからなかったんです。どれも効果がありそうで。 そんなとき、売上金を銀行に持って行ったとき、たまたま目に入った小冊子に、POPのことが書いてあったんです。「こうしたら、売上が上がりました」みたいな感じだったんですけど、「へぇー。POPねぇ」という程度。お店に戻って、ネットでPOPの書き方を検索するようになったんです。そうしたら、ジョイマンのホームページに行き着いたんです。
― ジョイマンのホームページは、どんな印象でしたか? とにかく、わかりやすかったです。すぐにメルマガの無料会員になって、小冊子をダウンロードしたんです。とにかく当時は、ヒマでしたから、それをプリントアウトして冊子形式にして持ち歩いて、常に読むようにしていました。 すると、ある日のメルマガで、セミナーの告知があったんです。大阪でPOPの書き方だったと思うのですが、参加することにしました。 そして、2011年8月夜行バスに乗り、大阪へ向かいました。ちょうど、娘も友だちが大阪にいるということで、父娘揃って夜行バスの乗り込みました。 それからしばらく経って、ジョイマンから電話があったんです。「なにか悩んでること、ないですか?」って。正直、取り組みたいことはあったのですが、時間が取れなくて。ですから、正直に言ったんです。「動きたいけど、動けないんです」って。 ― 「動きたいけど、動けない」というのは、どういうことですか? 当時は、ぜんぶ自分でやらなければ気が済まなかったんです。人に仕事を振れなかった。怖くて。それまで、私は職人として生きてきましたし、美味しいものをつくる修行もしてきた。自分でやったほうが、早いし確実ですからね。なにより、自分のお店ということもあって、人には任せられなかったんです。「素人になにができるんや」という感じでね。 たとえば、そばには、欠かせない、たいせつな出汁。それまでは、経験を積んだ職人じゃないと、微妙な美味しい出汁は取れないと勝手に思い込んでたんです。それがいまでは、パート従業員が出汁取りだけでなく、大エビや鴨の仕込みもできるようになりました。おかげで、私は毎日1時間は販促に取り組む時間ができました。
― どれくらいの業務を任せているんですか?
― 自分の仕事は4割に減ったということですね。パート従業員さんにお任せしたきっかけは? DVDですね。ジョイマンのDVD「あなたの目標がどんどん達成する行動収益化法(以下、行動収益化法)」を見てからです。 この行動収益化法で習ったのは、しなければならないことを、細かく分解するんですよ。 たとえば、出汁なら、1)大きい寸胴に水を入れる 2)昆布を量って寸胴に入れる 3)15分水に浸したあと、火にかける 4)沸騰直前に昆布を取り出す 5)量った削り節を入れる 6)弱火にして灰汁を取る といった具合です。 それまでは、ぜーんぶ自分でやってましたから、同時並行だったり片手間だったりしてるんですね。すると、いくら修行をした私でも、昆布を沸騰前に取り出さなきゃならないのに、忘れちゃったりしてるんです。 そうなるくらいだったら、パート従業員さんにお願いして、集中して出汁をとってもらえばいいってことに気づいたんです。 そういえば、昨日、ジョイマンとご飯食べに行ったんですけど、そこのマスターに「萱笑さん、昔より美味しくなったよね」って言われちゃって。オレじゃなくても、いいんじゃん、ってね(笑)
― 嫁兼さんが笑人塾正会員(現在の増益繁盛クラブゴールド会員)に入会後の、成果は? 大きな効果でいえば、折り込みチラシとFAXDMです。 個人のお客様向けの折り込みチラシは、ジョイマンからアドバイスのあった2013年3から本格的に取り組みました。その一部は以下のとおりです。
お客様向けの内容だけでなく、場合によっては従業員募集を盛り込んだこともあったので、数字は一定ではありませんが、概ね高い集客効果が出ています。また、折り込みチラシには割引チケットを付けています もうひとつは、年末年始に取り組んだ法人向け宴会用FAXDMです。 ― FAXDMの効果はいかがでしたか? 2013年10月23日に開催した、増益繁盛クラブゴールドのセミナーに参加したんです。 その月は、FAXDMを取り上げていたんですが、ジョイマンがその場で「1枚、作って行ってください」って無茶ぶりをするんですよ(笑) 仕方なく、その場で手書きで書いてみました。 私はパソコンが苦手なので、友だちに「同じように作ってくれ」って頼んで、配信したのです。
料理は、3,000円くらいなのですが、生ビールを2杯飲んだら4,000円になります。男性なら、4杯くらい飲んで5,000円。ソフトドリンクを飲む女性でも2杯で3,600円。平均すると、宴会の客単価は4,000円という感じです。 ― 宴会が獲得できるようになって、どんな変化が出ましたか? ここ北陸地方の冬場は、ほとんど毎日雪が降ります。積雪はひと晩で20~30cm。雪が降って寒いんです。お店の前の雪かきも毎日です。そんな冬は閑散期で、誰も出歩かないんです。フリーのお客様なんて、ほとんど来ない。人数的にも売上的にも、閉めたほうがいいくらいでした。 そんな冬場の閑散期に宴会の予約が入るのは、店舗経営において、とても重要です。売上の予測が立ち、確実な数字が見込めますからね。 都心部の飲食店経営者から聞く話しでは、「どの企業もFAXDMはいっぱい来るから、あまり効果がない」と聞いていたのですが、当店のような小さな地方都市では、すごく効果のあるアプローチですね。FAXDM、万々歳ですよ、ほんと。
― その後、売上はいかがですか?
チラシもFAXDMも、時期を絞って取り組むものでしたので、今年は食べログ対策に取り組んでいます。 2015年3月開催の増益繁盛クラブゴールド会員のセミナーの「食べログ、ぐるなび、ホットペッパービューティーで集客する、集客を増やす60日プロジェクト」に参加したのが、きっかけです。 ― それまでも食べログ対策は行っていたのですか? 無料の会員として、少しいじっていた程度です。ほとんどやっていません。 ところがそのセミナーの講師は「販促は、食べログだけです」という。「そんなに効果、あるのかな?」って感じで聞いた矢先、ちょうど運良く、食べログの代理店の営業さんが来たんです。いろいろ交渉して、2015年5月から25,000円(税別)の有料会員になりました。 いまは、おなじ南砺市内のゴールド会員さんと、食べログ上のランキングで、2位と3位を争ってますね。今後が楽しみです。
― ゴールド会員になって、どんなことが変わりましたか? 売上が上がったことが一番ですが、その他は、次の3つですね。 1. 休みが取れるようになった (いまでは連休も取れます。家族サービスできるようになりました) 2. 休んでいるときでも、お店を任せられるようになった (仕込みなど、仕事を任せられるようになった) 3. 従業員の時間の使いかたが上手になった (仕事を効率的に振れるので、空いた時間がなくなりました) ― もし、ジョイマンと会っていなかったら、いま、どんな感じだったと思いますか? いやぁー、どうなってたんだろう? あんまり考えたくはないけど、確実に借金は増えていったでしょうね。そのうえで、家内が外に働きに出て行ってたかもしれない。ヘタしたら、建てたばかりの二世帯住宅を売らなければならなかったかもしれませんね。子どもたちにも、進学を諦めてもらって、就職するよう言ってたかも。いやぁー、考えたくなわ。 ― いま、増益繁盛クラブに入会を悩んでいる方、検討中の方にメッセージをお願いします ジョイマンの話は、とにかくわかりやすいです。 コンサルタントって聞くと、めっちゃ怖そうな感じの人が出てきて。「これじゃ、ダメだろ!」みたいなスパルタなイメージを持ってて、すごい抵抗感があったんですけど、ジョイマンはぜんぜんちがいますね(笑) もうひとつは、セミナーですね。 同じ境遇の経営者がいるので、情報交換が役に立ってます。共感してもらえるし、安心できる。 ほかの経営者が言う「ジョイマンに会って、こうやったら、これだけ売上が伸びた」っていう話を聞くと、自分とおなじ体験なわけですよ。そういうのを聞くと、うれしいですよね。ですから、セミナーで刺激をもらってお店に帰ってこれますね。 次回は、もっと、たくさんの人と話せるように、泊まりがけで東京でのセミナーに参加したいですね。
※ 取材日時 2015年9月 |